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2025.09.11

【読むラジオ】MC: Laura day romance 「怖い音楽」をテーマに選曲!「Room H」-2025.9.10-
FM福岡で毎週水曜日 26:00~26:55にオンエアしている音楽番組「Room "H"」。ユアネスの黒川侑司、Nolzy、Laura day romanceが週替わりでMCを務め、彼らが紹介したい音楽をお届けし、またここだけでしか聴けない演奏も発信していく。
今週のMCは、Laura day romanceが担当。SENSAでは、オンエア内容を一部レポート!(聴き逃した方やもう一度聴きたい方は、radiko タイムフリーをご利用下さい。)
井上:皆さん、こんばんは。ここからの1時間はRoom"H"、 DJを務めます。Laura day romanceのボーカル井上花月と
鈴木:ギターの鈴木迅と
礒本:ドラムの礒本雄太です。
井上:風のように過ぎ去った夏。3週間ぶりにRoom"H"に帰ってきました。
鈴木:文学的(笑)。
井上:本当に忙しすぎて、8月の記憶が1年分あるぐらい。私の中に濃縮されてます。
礒本:たっぷりでしたね。
鈴木:俺は逆に1日、1日過ぎ去ったかのような感じでした。「あ、終わるんだ」と思って。
井上:わかる、わかる。
礒本:気づいたら。
鈴木:日めくりカレンダーを部屋に貼ってあるんだけど、7月1日からもう9月1日に。
井上:2ヶ月。
鈴木:ポーン、ポーンって抜くみたいな(笑)。そんなイメージでした。
礒本:お疲れのようで。
鈴木:いや、もう声色に出てるよね。
礒本:あはは(笑)。
井上:というのも、(収録日の)前日、その前日、『SWEET LOVE SHOWER 2025』と『RUSH BALL 2025』。(に出演させていただいて。)大阪行って、『RUSH BALL 2025』。夜に出演して、その日のうちに移動して、次の日が『SWEET LOVE SHOWER 2025』。昼間に出て、帰ってきて、今という感じですよね。


鈴木:ざっくり言うとね。
井上:ガチで頑張ってます。私たち。
鈴木・礒本:あはは(笑)。
鈴木:ありがたいことです。
礒本: はい。
井上:本当に楽しかったし、フェスの中でもたくさん人が見に来てくれたフェスだったような気がしていて。いい時間帯に両方やらせていただいたし。
鈴木:お客さんも温かくて、ロケーション込みでやりやすかった。
礒本:よかったね。
井上:いいライブができた気がします。ということで、早速番組を始めていきますか。今日の1曲目は。
礒本:Laura day romanceで「mr.ambulance driver|ミスターアンビュランスドライバー」。
井上:FM FUKUOKAからLaura day romanceがお送りしているRoom"H"。ここからはRoom"H"の住人がテーマに沿ってセレクトした曲を紹介する@リビングルームの時間です。では礒本君、今週もテーマの発表をお願いします。
礒本:今夜のテーマは、"怖い音楽"です。皆さん、残暑お見舞い申し上げます。今年の夏は過去150年で1番の暑さ。
鈴木:そのレベルだったんだ。
礒本:150年ですか。
井上:いや〜。
鈴木:恐ろしかったもんね。
礒本:(今日)35度でちょっとホッとしていました。まだまだ暑いと言いつつ、夜は少しずつ秋の気配が濃くなってきましたね。そんな中、今日皆さんにセレクトいただきたいのは"怖い音楽"です。ホラー映画や怪談話、お化け屋敷などいろんな怖い系のエンタメが人気ですが、音楽にも素敵な怖い系の名曲があるのではと思いまして、よく読むと歌詞が怖いとか、サウンドが不気味、明るい曲なのに自分には怖い曲に聴こえるなど皆さんが思う"怖い音楽"を紹介してくださいという。
鈴木:なるほど。いいですね〜。俺的には、"怖い"ってかっこいいの最高レベルなのではと思った時期があって。だから"怖い表現"ができるミュージシャンはかっこいいと。
礒本:ほう。
鈴木:分からないものを人間は怖いと思うみたいな。ホラーの中でも動機が分からないって一番怖いじゃない?その感じを音楽に出せるというのはすごいなと思っているんですよね。最近ちょっとメンバー間でも怖い話がブームになりつつあって。移動中とかね。
井上:あ〜。
鈴木:怖い話をしあったりとか。
井上:そうだね。MVの休憩中にスタッフ交えてみんなで円になって。あれ、マジで怖かったな。
鈴木:礒本はホラー映画って得意なの?結構観てる感じあるじゃん。
礒本:そうだね。好んで観るほどではないけど、割と抵抗なく観れるかも。ホラー映画ってパターンがあるというか、様式美があるじゃん。
鈴木:はいはい。
礒本:この人は多分最初に退場しちゃうよねとか。
井上:退場って呼んでんの(笑)。
鈴木:いいね。言葉を選んでね(笑)。
礒本:あと、大体こういう時に、1イベントあるよねとか。そういうのがちょっと分かってる状態で観てる。
鈴木:様式美あるね。
礒本:そう。それを楽しんでる。
井上:じゃあホラー映画と現実のホラーは全く別ってこと?
礒本:全く別です。完全にフィクションだと思ってます。
井上:最近映画化した『近畿地方のある場所について』の原作をネットのサイトに出た時からずっと読んでて、あれは私の読書体験の中でもトップで怖かった。
礒本:めっちゃ怖いっていうよね。
鈴木:あれ、怖かったね。
井上:モキュメンタリーっていう手法を使ってて。
礒本:モキュメンタリー?
鈴木:ドキュメンタリーっぽい嘘みたいな。
井上:いろんな視点から話をしていて、1つの像を浮かび上がらせるみたいな。
礒本:確かに最近増えてるね。『変な家』とか。
井上:でも、MV撮影中にスタッフの人から聞いた話はリアルだからもっと怖かった。
では早速、今日のテーマ"怖い音楽"に沿ってセレクトした曲を迅君から発表してください。
鈴木:僕の観点では、すごく美しいものって同時に怖いなと思ってて、The Beach Boys、The Byrdsとか1960年代の神聖なコーラスグループっぽいノリって死の匂いがするというか。この世のものではないような美しさがあると思っていて、それは僕の中で怖いと思う音楽の1つのキーポイントなんです。それに加えて、生々しさとか、声の揺らぎみたいなものを、現代的な和音の重なりで感じられる曲が、Alabama Shakesの「Sound & Color」。僕が大学2年生ぐらいの時にものすごくカルチャーショックを受けて、話題になったアルバム(に収録されています)。アルバムの1曲目で、一発で世界に引き込まれるような大名曲。ぜひ聴いてみてください。
鈴木:聴いたことのないような曲の展開で、徐々に音の層が重なっていって、最後には不穏なストリングスがのってくるんですよね。それでもボーカルはずっとエモーショナル。それがすごくかっこいい、怖いというポイントでございました。
井上:ボーカルの人、歌上手すぎて、怖いよね。歌、上手すぎて怖いなって思う時ある。
鈴木:超人的、怖い(笑)?
礒本:"怖い"をしっかり曲げていきましたね(笑)。
鈴木:あはは(笑)それはテーマが広くなりすぎる。
礒本:そうだね。
鈴木:では礒本君。
礒本:さっき迅も言ってたけど、何か分からなものって怖いなと。最近、メンバーで怪談家のぁみさんにハマっていて。怪談も語り手によって全然違うんですよ。上手い人に共通するのが解釈に幅を持たせてくれるってことで、音楽でもそういうことないかなと思った時に、プログレ(プログレッシブ・ロック)が思い浮かんで。実験的な音楽が多いから、「何でこの音選んでるんだろうとか」とか思うですよ。
鈴木:怖いよね(笑)。
礒本:クオリティーの良し悪しじゃなくて、グッと掴まれる曲ってあると思うんですよ。今回はプログレ縛りで選んでこようと勝手に決めて。
鈴木:誰に縛られてるの(笑)?
礒本:ということで、プログレ祭りでございます!
井上:一人でね。
礒本:Pink Floydの「Welcome to the Machine」という曲なんですが、サウンドが無機質で自分たちの音楽とは真逆。イメージ通りの機械音も入ってきたり。映像も訳わからなくて、無機質なタッチのドラゴンが出てきたりするんですよ。振り切る人って振り切ってるから、ラジオで紹介しづらいんですけど、Pink Floydは割と分かりやすくポップにまとめてるイメージなんですよ。
でもテーマは一貫してて、今回の曲だと音楽産業と資本主義に取り込まれることのに対する不安とか、不気味さとか、それこそ怖さとかを歌ってる曲と言われてるんだけど、自分たちも曲がりなりにも同じ立場に身を置いてるから、華々しさの裏側じゃないけど、そういったところを自覚するなという感じで、選びました。
礒本:曲が流れている間に、MVみたいなものを観たんですけど、やっぱり「よく分からない」というのが一番最初に来る(笑)。
鈴木:好きは好きなの?
礒本:Pink Floydはすごく好きです。本当は紹介したい曲がたくさんあるんですけど、全部長くて。
鈴木:プログレって謎に超大作志向だよな。
礒本:Pink Floydの『原子心母』のレコードを買ってきて、家の中で通して聴いたんだけど、すごく気持ちが不安定になるんだよね。
井上:良くないじゃん。
礒本:「この曲がなんで評価されてるんだろう」とか、いろんなことを考え始めて、その中にプラスなことってないのよ。すごくマイナスなことばっかりをずっと反芻して考えちゃうから、すごく不安になって。
鈴木:大丈夫?
礒本:多分大丈夫じゃなかったと思うのが、聴き終わった後に不安になって、後輩に電話して、「お前、今暇だったら家来ない?」って(笑)。
鈴木:寂しくなっちゃって(笑)。
礒本:そう。不安な気持ちにさせるにはすごくぴったりだなと。ではラスト、かっちゃん。
井上:思いつかなくて、めっちゃ悩んだんですけど、ボーカルがすごくうまい人って、声に感情を乗せる技術がものすごいというか。でも、そういう人って多分、それを意図的にやっていない気がするんですよね。出てきた感情をそのまま昇華させてるというか、うまく磨き上げてる感じ。今から紹介する人もそういう歌い方のプロというか。
鈴木:ほう。
井上:すとんでもなく上手な人なんじゃないかなと私は思ってて、このアルバムを何度も聴いていたことを思い出してセレクトしました。Jeff Buckleyの「So Real」という曲です。
井上:すごく良い曲だと思って最初ずっと聴いてたんだけど、よくよく聴いてたら、「ボーカル、なんかすごくない?」と思って。
鈴木:なにが(笑)?
井上:「こんな風に私、歌えるかな?」と思って。
鈴木:エモーションのなかでも直情系というか。たしかThom YorkeがJeff Buckleyのことをすごく好きで。僕はJeff Buckleyを普段そんなに聴くわけじゃないですけど、「確かに好きそうだな」と。
井上:私もすごく好き。
鈴木:Thom Yorkeと井上花月が好きなJeff Buckley。
井上:"かっこいいが怖い"の頂点じゃない?そうでもない?
鈴木:俺はそう思わないけど、かっちゃんはそうなんじゃない?
礒本:あはは(笑)。
井上:語り系の歌い方で上手さを醸し出されると、ちょっと怖さを感じる。今日は"怖い音楽"というテーマで3人それぞれセレクトしてみました。最後に、もう1曲Laura day romanceの楽曲からもこのテーマに沿って曲をかけたいと思いますが、あんまり、私たちの中で怖い曲って少ないかも。
鈴木:ゾッとするような美しさみたいな点では、「魔法は魔女に | magic belongs to witches」とかね。後半の展開はちょっとスリリングで怖い感じを意識して作ったんですけど、冒頭から静けさ、音の少なさとか、ドキッとするような怖さはこの曲なんじゃないかなということで、井上さん、曲紹介をお願いします。
井上:Laura day romanceで「灯火管制の夜」。
井上:ということで今日は"怖い音楽"というテーマでお送りしてきましたが、いかがだったでしょうか。
礒本:怖いって結構幅広いっすね。
井上:"怖い"と言おうと思えば、何でも言えてしまうところもあるけど。でも、私たちが言いたい"怖い"は伝わったんじゃないかな。
鈴木:全員怖い音楽をプラスに思ってるということでね。意外に好きな曲を紹介してるから。
礒本:トラウマ的な怖さとかじゃなくてね。
井上:マジで嫌な気持ちになるからね(笑)。
礒本:そうそう(笑)。
礒本:メンバーがそれぞれ最近気に入ってる曲を紹介したいということで、今日は僕が選びたいと思います。さっきの続きでプログレ祭りでやってみようかなと。こういうタイミングじゃないと紹介できないんですよね。せっかく"怖い音楽"というテーマがピックアップされたので、好きなプログレとか、前衛音楽みたいなものも紹介してみようかなと思って、今回紹介するのはKing Crimsonの「Cat Food」という曲です。
1970年なのでKing Crimsonの初期の楽曲ですね。プログレバンドってメンバーもちょっと病んじゃってるというか、精神異常みたいなのを抱えて、やめたり、ドラッグの話もよく出てくるし、メンバーが入れ替わって、解散したけど、もう一回結成しますとか。歴史がすごいんですよ。 King Crimson、Pink Floydとかこういう大きなバンドになってくると、年表も作れちゃうくらいなんですよ。この曲は消費社会、資本主義社会に対する皮肉、批判が込められていて1970年頃なので、今とは全く違う世界の成り立ちで、自分たちは絶対に身を置くことはできないから、こういう曲を聴いて、当時の人たちがどんな感覚で物事を思ってたんだろうとか、決して手放しでいい時代じゃなかったというのがすごく感じられるんですよ。
ここからは僕の考察なんですけど、多分、猫が消費者(我々)だろうなと。キャットフードにあたる部分が与えられたもの、頭を働かせずに受け取ってるものなんじゃないかと思っていて、社会的、政治思想をテーマにした曲が結構好きで、人に聴かせると、それぞれで考え方が違ったり、あんまり響かないことが多いから一人で聴くことが多いんだけど、今日はかけてみようかなと思っております。
Alabama Shakes「Sound & Color」
Pink Floyd「Welcome to the Machine」
Jeff Buckley「So Real」
Laura day romance「灯火管制の夜」
King Crimson「Cat Food」
Laura day romance「ライター」

Laura day romance「プラトニック」
2025年9月17日(水)
Format:Digital
Track:
1. プラトニック
プリアド/プリセーブはこちら

2025年9月13日(土)
東京・渋谷WWW
開場:17:15/開演:18:00
チケット代:スタンディング 5,500円(税込/ドリンク代別)

公演・チケット情報は公式ホームページをご覧ください。
https://lauradayromance.com/
番組へのメッセージをお待ちしています。
Twitter #fmfukuoka #RoomH をつけてツイートしてください。MC3人ともマメにメッセージをチェックしています。レポート記事の感想やリクエストなどもありましたら、#SENSA もつけてツイートしてください!
放送時間:毎週水曜日 26:00~26:55
放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)

黒川侑司(YOURNESS Vo.&Gt.)
福岡で結成された4人組ロックバンド。感情の揺れが溢れ出し琴線に触れる声と表現力を併せ持つヴォーカルに、変拍子を織り交ぜる複雑なバンドアンサンブルとドラマティックなアレンジで、詞世界を含め一つの物語を織りなすような楽曲を展開。
重厚な音の渦の中でもしっかり歌を聴かせることのできるLIVEパフォーマンスは、エモーショナルで稀有な存在感を放っている。2021年12月1日に初のフルアルバム「6 case」をリリース。最新シングル「眩」を6/20にリリース。2022年6月1日にソロ第1弾シングル「この星からの脱出」をリリース。2022年7月8日にはソロ第2弾シングルでギタリスト「こーじゅん」をフィーチャリングに迎えた「フライディ・チャイナタウン (Acoustic Cover)」をリリース。2024年7月17日には尾崎雄貴(Galileo Galilei / BBHF/ warbear)提供楽曲「夏の桜」をリリースした。
オフィシャルサイト/ @yourness_on/ @yourness_kuro

Nolzy
サウンドプロダクション・トラックメイキング・ソングライティングを自ら手掛けるシンガー、音楽クリエイター。
R&B、Neo Soul、Hip Hopを基調とした都会的なサウンドと、どこか懐かしい"平成J-POP"の匂いを感じるキャッチーなメロディにシニカルな歌詞を組み合わせた、時代や世代を超える新感覚のミクスチャー・ポップを生み出す。2023年12月リリースの『#それな』を皮切りに『匿名奇謀』、『キスミー』と、3作連続でドラマ・アニメのタイアップを担当。
最新シングル「fit感」を5/21にリリース。7/13に渋谷TOKIO TOKYOでNolzy ONE MAN LIVE 2025 "fit感"を開催。
オフィシャルサイト/ @atsukitaketomo / @atsukitaketomo

Laura day romance
国内外のミュージックラバーにファンを広げる日本のバンド。
鈴木迅が作り出す幅広い音楽性の楽曲と、井上花月の世界観のあるヴォーカル、
タイトさと柔軟さを兼ね備えたリズムを刻む礒本雄太のドラミング、
そしてそれらを表現するためのベストな形でジョインするサポートメンバー達。
2023年初頭には「関ジャム 完全燃 SHOW( テレビ朝日 )」 で川谷絵音氏が選ぶ 2023 年のマイベスト 10 曲の第三位に「sweet vertigo」が選出され、大きく注目を集め始めている。
2025年2月には、前後編を合わせて一つの作品となる3rdフルアルバムの前編にあたる、『合歓る - walls』(読み:ネムル ウォールズ)のリリース。最新シングルはアニメ『アン・シャーリー』エンディング・テーマになっている『heart』。2025年10月よりLaura day romance tour 2025 a perfect reviewを開催。
オフィシャルサイト/ @lauradayromance / @lauradayromance
今週のMCは、Laura day romanceが担当。SENSAでは、オンエア内容を一部レポート!(聴き逃した方やもう一度聴きたい方は、radiko タイムフリーをご利用下さい。)
井上:皆さん、こんばんは。ここからの1時間はRoom"H"、 DJを務めます。Laura day romanceのボーカル井上花月と
鈴木:ギターの鈴木迅と
礒本:ドラムの礒本雄太です。
井上:風のように過ぎ去った夏。3週間ぶりにRoom"H"に帰ってきました。
鈴木:文学的(笑)。
井上:本当に忙しすぎて、8月の記憶が1年分あるぐらい。私の中に濃縮されてます。
礒本:たっぷりでしたね。
鈴木:俺は逆に1日、1日過ぎ去ったかのような感じでした。「あ、終わるんだ」と思って。
井上:わかる、わかる。
礒本:気づいたら。
鈴木:日めくりカレンダーを部屋に貼ってあるんだけど、7月1日からもう9月1日に。
井上:2ヶ月。
鈴木:ポーン、ポーンって抜くみたいな(笑)。そんなイメージでした。
礒本:お疲れのようで。
鈴木:いや、もう声色に出てるよね。
礒本:あはは(笑)。
井上:というのも、(収録日の)前日、その前日、『SWEET LOVE SHOWER 2025』と『RUSH BALL 2025』。(に出演させていただいて。)大阪行って、『RUSH BALL 2025』。夜に出演して、その日のうちに移動して、次の日が『SWEET LOVE SHOWER 2025』。昼間に出て、帰ってきて、今という感じですよね。

RUSHBALL2025での1枚

ロケーション抜群のSWEET LOVE SHOWER
鈴木:ざっくり言うとね。
井上:ガチで頑張ってます。私たち。
鈴木・礒本:あはは(笑)。
鈴木:ありがたいことです。
礒本: はい。
井上:本当に楽しかったし、フェスの中でもたくさん人が見に来てくれたフェスだったような気がしていて。いい時間帯に両方やらせていただいたし。
鈴木:お客さんも温かくて、ロケーション込みでやりやすかった。
礒本:よかったね。
井上:いいライブができた気がします。ということで、早速番組を始めていきますか。今日の1曲目は。
礒本:Laura day romanceで「mr.ambulance driver|ミスターアンビュランスドライバー」。
"怖い音楽"をテーマに選曲@リビングルーム
井上:FM FUKUOKAからLaura day romanceがお送りしているRoom"H"。ここからはRoom"H"の住人がテーマに沿ってセレクトした曲を紹介する@リビングルームの時間です。では礒本君、今週もテーマの発表をお願いします。
礒本:今夜のテーマは、"怖い音楽"です。皆さん、残暑お見舞い申し上げます。今年の夏は過去150年で1番の暑さ。
鈴木:そのレベルだったんだ。
礒本:150年ですか。
井上:いや〜。
鈴木:恐ろしかったもんね。
礒本:(今日)35度でちょっとホッとしていました。まだまだ暑いと言いつつ、夜は少しずつ秋の気配が濃くなってきましたね。そんな中、今日皆さんにセレクトいただきたいのは"怖い音楽"です。ホラー映画や怪談話、お化け屋敷などいろんな怖い系のエンタメが人気ですが、音楽にも素敵な怖い系の名曲があるのではと思いまして、よく読むと歌詞が怖いとか、サウンドが不気味、明るい曲なのに自分には怖い曲に聴こえるなど皆さんが思う"怖い音楽"を紹介してくださいという。
鈴木:なるほど。いいですね〜。俺的には、"怖い"ってかっこいいの最高レベルなのではと思った時期があって。だから"怖い表現"ができるミュージシャンはかっこいいと。
礒本:ほう。
鈴木:分からないものを人間は怖いと思うみたいな。ホラーの中でも動機が分からないって一番怖いじゃない?その感じを音楽に出せるというのはすごいなと思っているんですよね。最近ちょっとメンバー間でも怖い話がブームになりつつあって。移動中とかね。
井上:あ〜。
鈴木:怖い話をしあったりとか。
井上:そうだね。MVの休憩中にスタッフ交えてみんなで円になって。あれ、マジで怖かったな。
鈴木:礒本はホラー映画って得意なの?結構観てる感じあるじゃん。
礒本:そうだね。好んで観るほどではないけど、割と抵抗なく観れるかも。ホラー映画ってパターンがあるというか、様式美があるじゃん。
鈴木:はいはい。
礒本:この人は多分最初に退場しちゃうよねとか。
井上:退場って呼んでんの(笑)。
鈴木:いいね。言葉を選んでね(笑)。
礒本:あと、大体こういう時に、1イベントあるよねとか。そういうのがちょっと分かってる状態で観てる。
鈴木:様式美あるね。
礒本:そう。それを楽しんでる。
井上:じゃあホラー映画と現実のホラーは全く別ってこと?
礒本:全く別です。完全にフィクションだと思ってます。
井上:最近映画化した『近畿地方のある場所について』の原作をネットのサイトに出た時からずっと読んでて、あれは私の読書体験の中でもトップで怖かった。
礒本:めっちゃ怖いっていうよね。
鈴木:あれ、怖かったね。
井上:モキュメンタリーっていう手法を使ってて。
礒本:モキュメンタリー?
鈴木:ドキュメンタリーっぽい嘘みたいな。
井上:いろんな視点から話をしていて、1つの像を浮かび上がらせるみたいな。
礒本:確かに最近増えてるね。『変な家』とか。
井上:でも、MV撮影中にスタッフの人から聞いた話はリアルだからもっと怖かった。
では早速、今日のテーマ"怖い音楽"に沿ってセレクトした曲を迅君から発表してください。
鈴木:僕の観点では、すごく美しいものって同時に怖いなと思ってて、The Beach Boys、The Byrdsとか1960年代の神聖なコーラスグループっぽいノリって死の匂いがするというか。この世のものではないような美しさがあると思っていて、それは僕の中で怖いと思う音楽の1つのキーポイントなんです。それに加えて、生々しさとか、声の揺らぎみたいなものを、現代的な和音の重なりで感じられる曲が、Alabama Shakesの「Sound & Color」。僕が大学2年生ぐらいの時にものすごくカルチャーショックを受けて、話題になったアルバム(に収録されています)。アルバムの1曲目で、一発で世界に引き込まれるような大名曲。ぜひ聴いてみてください。
鈴木:聴いたことのないような曲の展開で、徐々に音の層が重なっていって、最後には不穏なストリングスがのってくるんですよね。それでもボーカルはずっとエモーショナル。それがすごくかっこいい、怖いというポイントでございました。
井上:ボーカルの人、歌上手すぎて、怖いよね。歌、上手すぎて怖いなって思う時ある。
鈴木:超人的、怖い(笑)?
礒本:"怖い"をしっかり曲げていきましたね(笑)。
鈴木:あはは(笑)それはテーマが広くなりすぎる。
礒本:そうだね。
鈴木:では礒本君。
礒本:さっき迅も言ってたけど、何か分からなものって怖いなと。最近、メンバーで怪談家のぁみさんにハマっていて。怪談も語り手によって全然違うんですよ。上手い人に共通するのが解釈に幅を持たせてくれるってことで、音楽でもそういうことないかなと思った時に、プログレ(プログレッシブ・ロック)が思い浮かんで。実験的な音楽が多いから、「何でこの音選んでるんだろうとか」とか思うですよ。
鈴木:怖いよね(笑)。
礒本:クオリティーの良し悪しじゃなくて、グッと掴まれる曲ってあると思うんですよ。今回はプログレ縛りで選んでこようと勝手に決めて。
鈴木:誰に縛られてるの(笑)?
礒本:ということで、プログレ祭りでございます!
井上:一人でね。
礒本:Pink Floydの「Welcome to the Machine」という曲なんですが、サウンドが無機質で自分たちの音楽とは真逆。イメージ通りの機械音も入ってきたり。映像も訳わからなくて、無機質なタッチのドラゴンが出てきたりするんですよ。振り切る人って振り切ってるから、ラジオで紹介しづらいんですけど、Pink Floydは割と分かりやすくポップにまとめてるイメージなんですよ。
でもテーマは一貫してて、今回の曲だと音楽産業と資本主義に取り込まれることのに対する不安とか、不気味さとか、それこそ怖さとかを歌ってる曲と言われてるんだけど、自分たちも曲がりなりにも同じ立場に身を置いてるから、華々しさの裏側じゃないけど、そういったところを自覚するなという感じで、選びました。
礒本:曲が流れている間に、MVみたいなものを観たんですけど、やっぱり「よく分からない」というのが一番最初に来る(笑)。
鈴木:好きは好きなの?
礒本:Pink Floydはすごく好きです。本当は紹介したい曲がたくさんあるんですけど、全部長くて。
鈴木:プログレって謎に超大作志向だよな。
礒本:Pink Floydの『原子心母』のレコードを買ってきて、家の中で通して聴いたんだけど、すごく気持ちが不安定になるんだよね。
井上:良くないじゃん。
礒本:「この曲がなんで評価されてるんだろう」とか、いろんなことを考え始めて、その中にプラスなことってないのよ。すごくマイナスなことばっかりをずっと反芻して考えちゃうから、すごく不安になって。
鈴木:大丈夫?
礒本:多分大丈夫じゃなかったと思うのが、聴き終わった後に不安になって、後輩に電話して、「お前、今暇だったら家来ない?」って(笑)。
鈴木:寂しくなっちゃって(笑)。
礒本:そう。不安な気持ちにさせるにはすごくぴったりだなと。ではラスト、かっちゃん。
井上:思いつかなくて、めっちゃ悩んだんですけど、ボーカルがすごくうまい人って、声に感情を乗せる技術がものすごいというか。でも、そういう人って多分、それを意図的にやっていない気がするんですよね。出てきた感情をそのまま昇華させてるというか、うまく磨き上げてる感じ。今から紹介する人もそういう歌い方のプロというか。
鈴木:ほう。
井上:すとんでもなく上手な人なんじゃないかなと私は思ってて、このアルバムを何度も聴いていたことを思い出してセレクトしました。Jeff Buckleyの「So Real」という曲です。
井上:すごく良い曲だと思って最初ずっと聴いてたんだけど、よくよく聴いてたら、「ボーカル、なんかすごくない?」と思って。
鈴木:なにが(笑)?
井上:「こんな風に私、歌えるかな?」と思って。
鈴木:エモーションのなかでも直情系というか。たしかThom YorkeがJeff Buckleyのことをすごく好きで。僕はJeff Buckleyを普段そんなに聴くわけじゃないですけど、「確かに好きそうだな」と。
井上:私もすごく好き。
鈴木:Thom Yorkeと井上花月が好きなJeff Buckley。
井上:"かっこいいが怖い"の頂点じゃない?そうでもない?
鈴木:俺はそう思わないけど、かっちゃんはそうなんじゃない?
礒本:あはは(笑)。
井上:語り系の歌い方で上手さを醸し出されると、ちょっと怖さを感じる。今日は"怖い音楽"というテーマで3人それぞれセレクトしてみました。最後に、もう1曲Laura day romanceの楽曲からもこのテーマに沿って曲をかけたいと思いますが、あんまり、私たちの中で怖い曲って少ないかも。
鈴木:ゾッとするような美しさみたいな点では、「魔法は魔女に | magic belongs to witches」とかね。後半の展開はちょっとスリリングで怖い感じを意識して作ったんですけど、冒頭から静けさ、音の少なさとか、ドキッとするような怖さはこの曲なんじゃないかなということで、井上さん、曲紹介をお願いします。
井上:Laura day romanceで「灯火管制の夜」。
井上:ということで今日は"怖い音楽"というテーマでお送りしてきましたが、いかがだったでしょうか。
礒本:怖いって結構幅広いっすね。
井上:"怖い"と言おうと思えば、何でも言えてしまうところもあるけど。でも、私たちが言いたい"怖い"は伝わったんじゃないかな。
鈴木:全員怖い音楽をプラスに思ってるということでね。意外に好きな曲を紹介してるから。
礒本:トラウマ的な怖さとかじゃなくてね。
井上:マジで嫌な気持ちになるからね(笑)。
礒本:そうそう(笑)。
King Crimson「Cat Food」
礒本:メンバーがそれぞれ最近気に入ってる曲を紹介したいということで、今日は僕が選びたいと思います。さっきの続きでプログレ祭りでやってみようかなと。こういうタイミングじゃないと紹介できないんですよね。せっかく"怖い音楽"というテーマがピックアップされたので、好きなプログレとか、前衛音楽みたいなものも紹介してみようかなと思って、今回紹介するのはKing Crimsonの「Cat Food」という曲です。
1970年なのでKing Crimsonの初期の楽曲ですね。プログレバンドってメンバーもちょっと病んじゃってるというか、精神異常みたいなのを抱えて、やめたり、ドラッグの話もよく出てくるし、メンバーが入れ替わって、解散したけど、もう一回結成しますとか。歴史がすごいんですよ。 King Crimson、Pink Floydとかこういう大きなバンドになってくると、年表も作れちゃうくらいなんですよ。この曲は消費社会、資本主義社会に対する皮肉、批判が込められていて1970年頃なので、今とは全く違う世界の成り立ちで、自分たちは絶対に身を置くことはできないから、こういう曲を聴いて、当時の人たちがどんな感覚で物事を思ってたんだろうとか、決して手放しでいい時代じゃなかったというのがすごく感じられるんですよ。
ここからは僕の考察なんですけど、多分、猫が消費者(我々)だろうなと。キャットフードにあたる部分が与えられたもの、頭を働かせずに受け取ってるものなんじゃないかと思っていて、社会的、政治思想をテーマにした曲が結構好きで、人に聴かせると、それぞれで考え方が違ったり、あんまり響かないことが多いから一人で聴くことが多いんだけど、今日はかけてみようかなと思っております。
9月10日(水) オンエア楽曲
Laura day romance「mr.ambulance driver|ミスターアンビュランスドライバー」Alabama Shakes「Sound & Color」
Pink Floyd「Welcome to the Machine」
Jeff Buckley「So Real」
Laura day romance「灯火管制の夜」
King Crimson「Cat Food」
Laura day romance「ライター」
RELEASE INFORMATION

Laura day romance「プラトニック」
2025年9月17日(水)
Format:Digital
Track:
1. プラトニック
プリアド/プリセーブはこちら
LIVE INFORMATION
Laura day romance fanclub member only live a perfect review lforl us

2025年9月13日(土)
東京・渋谷WWW
開場:17:15/開演:18:00
チケット代:スタンディング 5,500円(税込/ドリンク代別)
Laura day romance tour 2025 a perfect review

公演・チケット情報は公式ホームページをご覧ください。
https://lauradayromance.com/
番組へのメッセージをお待ちしています。
Twitter #fmfukuoka #RoomH をつけてツイートしてください。MC3人ともマメにメッセージをチェックしています。レポート記事の感想やリクエストなどもありましたら、#SENSA もつけてツイートしてください!
RADIO INFORMATION
FM 福岡「Room "H"」
毎週月曜日から金曜日まで深夜にオンエアされる、福岡市・警固六角にある架空のマンションの一室を舞台に行われ、次世代クリエイターが様々な情報を発信するプログラム「ミッドナイト・マンション警固六角(けごむつかど)」。"203号室(毎週水曜日の26:00~26:55)"では、音楽番組「Room "H"」をオンエア。ユアネスの黒川侑司、Nolzy、 Laura day romanceが週替わりでMCを務め、本音で(Honestly)、真心を込めて(Hearty)、気楽に(Homey) 音楽愛を語る。彼らが紹介したい音楽をお届けし、またここだけでしか聴けない演奏も発信していく。放送時間:毎週水曜日 26:00~26:55
放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)
番組MC

黒川侑司(YOURNESS Vo.&Gt.)
福岡で結成された4人組ロックバンド。感情の揺れが溢れ出し琴線に触れる声と表現力を併せ持つヴォーカルに、変拍子を織り交ぜる複雑なバンドアンサンブルとドラマティックなアレンジで、詞世界を含め一つの物語を織りなすような楽曲を展開。
重厚な音の渦の中でもしっかり歌を聴かせることのできるLIVEパフォーマンスは、エモーショナルで稀有な存在感を放っている。2021年12月1日に初のフルアルバム「6 case」をリリース。最新シングル「眩」を6/20にリリース。2022年6月1日にソロ第1弾シングル「この星からの脱出」をリリース。2022年7月8日にはソロ第2弾シングルでギタリスト「こーじゅん」をフィーチャリングに迎えた「フライディ・チャイナタウン (Acoustic Cover)」をリリース。2024年7月17日には尾崎雄貴(Galileo Galilei / BBHF/ warbear)提供楽曲「夏の桜」をリリースした。
オフィシャルサイト/ @yourness_on/ @yourness_kuro

Nolzy
サウンドプロダクション・トラックメイキング・ソングライティングを自ら手掛けるシンガー、音楽クリエイター。
R&B、Neo Soul、Hip Hopを基調とした都会的なサウンドと、どこか懐かしい"平成J-POP"の匂いを感じるキャッチーなメロディにシニカルな歌詞を組み合わせた、時代や世代を超える新感覚のミクスチャー・ポップを生み出す。2023年12月リリースの『#それな』を皮切りに『匿名奇謀』、『キスミー』と、3作連続でドラマ・アニメのタイアップを担当。
最新シングル「fit感」を5/21にリリース。7/13に渋谷TOKIO TOKYOでNolzy ONE MAN LIVE 2025 "fit感"を開催。
オフィシャルサイト/ @atsukitaketomo / @atsukitaketomo

Laura day romance
国内外のミュージックラバーにファンを広げる日本のバンド。
鈴木迅が作り出す幅広い音楽性の楽曲と、井上花月の世界観のあるヴォーカル、
タイトさと柔軟さを兼ね備えたリズムを刻む礒本雄太のドラミング、
そしてそれらを表現するためのベストな形でジョインするサポートメンバー達。
2023年初頭には「関ジャム 完全燃 SHOW( テレビ朝日 )」 で川谷絵音氏が選ぶ 2023 年のマイベスト 10 曲の第三位に「sweet vertigo」が選出され、大きく注目を集め始めている。
2025年2月には、前後編を合わせて一つの作品となる3rdフルアルバムの前編にあたる、『合歓る - walls』(読み:ネムル ウォールズ)のリリース。最新シングルはアニメ『アン・シャーリー』エンディング・テーマになっている『heart』。2025年10月よりLaura day romance tour 2025 a perfect reviewを開催。
オフィシャルサイト/ @lauradayromance / @lauradayromance