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2025.08.21

【読むラジオ】MC: Laura day romance 「夏におすすめのこの1本」をテーマに選曲!「Room H」-2025.8.20-
FM福岡で毎週水曜日 26:00~26:55にオンエアしている音楽番組「Room "H"」。ユアネスの黒川侑司、Nolzy、Laura day romanceが週替わりでMCを務め、彼らが紹介したい音楽をお届けし、またここだけでしか聴けない演奏も発信していく。
今週のMCは、Laura day romanceが担当。SENSAでは、オンエア内容を一部レポート!(聴き逃した方やもう一度聴きたい方は、radiko タイムフリーをご利用下さい。)
井上:皆さん、こんばんは。ここからの1時間はRoom"H"、DJを務めます、Laura day romanceのボーカル、井上花月と
鈴木:ギターの鈴木迅と
礒本:ドラムの礒本雄太です。
井上:3週間ぶりにRoom"H" に帰ってきました。フェスやら制作やら。
礒本:音楽漬けでございます
井上:一瞬で8月が(終わるね)。
鈴木:終わるね〜。
井上:これはまずいですね。
礒本:気づいたらおじさんになってるんじゃ。
鈴木:あはは(笑)いや、おじさんはまだ遠いですよ。
井上:流石に夏祭りとか行きたいわ。
鈴木:礒本は行ったんだっけ?
礒本:僕は行きました。
鈴木:いいなぁ。
礒本:僕だけ暇人みたいな感じで映らなければいいんだけど(笑)。
鈴木:あはは(笑)。
井上:ちょっとでも空いてる時間があると、クーラーガンガン効いてる部屋でずっと寝てるから。
礒本:それは一番おじさんになっちゃうんじゃないか。
井上:そうよ。だってもう体力ないんだもん。
鈴木:クーラー疲れとかもあるよね。
礒本:温度差がすごいから
井上:やばいよね。サウナ現象みたいな。
礒本:やばい。会話がおじさんみたい(笑)。
鈴木:あはは(笑)。
礒本:年取りましたね〜。
井上:ここからはRoom"H"の住人がテーマに沿ってセレクトした曲を紹介する@リビングルームの時間です。じゃあ、礒やん。今週もテーマの発表をお願いします。
礒本:@リビングルーム、今夜のテーマは「夏におすすめのこの1本」です。皆さん、今日も暑い中、Room"H"にお集まりいただきありがとうございます。今年は10年に一度の暑さだそうですが、今日はそんな暑い夏にこそおすすめしたいと思う音楽以外の何かをご紹介いただけますか。本でも映画でもドラマでも漫画でも何でもOKです。
「夏って素敵な季節だったわ」と思い出させてくれるような夏の名作や暑さを忘れさせてくれるような作品。また、熱帯夜にクーラーをかけた部屋で観たり読んだりしてほしいと皆さんが思う作品など。基準はお任せします。その作品の素晴らしさとその作品にちなんで1曲、音楽のセレクトもお願いします。
鈴木:ここにきて、新しいですね。
井上:面白い。
鈴木:(夏って)映画日和ですよね。映画館は涼しいし。部屋で観れば涼しいし。
礒本:一番手頃な避暑地。
鈴木:夏の名作って何ですか?
礒本:冬の名作とか、他の季節の名作ってあんまり聞かないよね。
鈴木:興行的に何かありそうだよね。夏休みシーズンの子供を狙った映画とか。映画会社が本気を出した作品をぶつけるみたいな。お金の話になっちゃうな(笑)。
礒本:自分たち世代だと何なんだろう?
井上:やっぱりドラえもん、クレヨンしんちゃん。毎年その2つは映画館で観る決まりがあって。
礒本:決まりがあったんだ。
井上:母とはドラえもん、父とはクレヨンしんちゃんみたいな。
鈴木・礒本:あはは(笑)。
礒本:分担なんだ。
井上:じゃあ、早速今日のテーマ、夏におすすめのこの1本紹介していきましょう。まずは迅君からお願いします。
鈴木:僕は映画を選んできました。ポール・トーマス・アンダーソン監督の『インヒアレント・ヴァイス』という映画です。最近は本数減っちゃったんだけど、映画を一時期すごく観てて。映画って名作(と言われる映画)は大概、圧倒的に良いの。名作と言われてるものは確実に良いんだけど、それとは別に「完成度は高くないけど、暇な時に観ちゃうんだよな〜」となる映画が『インヒアレント・ヴァイス』という映画でして。あらすじとしては、ヒッピーの探偵の所に元カノが急に現れて、助けてほしいと。
礒本:すごい情報量。
鈴木:ポール・トーマス・アンダーソンはいろんな映画やってますよね。最近だと『リコリス・ピザ』とか。
井上:私、『リコリス・ピザ』を選ぶか迷った。
鈴木:確かに夏(の映画)ですよね。現代の名作映画を作ってる人なんですけど、『インヒアレント・ヴァイス』はそんなに評価は高くなくて、何回観ても、「何なんだ、この映画は?」となるんですけど、時代の移り変わりを描いている映画なので、観た後に切なくなるんですよ。時代に取り残される男、私立探偵の切なさみたいな。ホアキン・フェニックスが主演でそういった映画になってます。夏休みに観ていただければと思います。選んだ曲はオープニング、タイトルシーケンスで流れる曲。人生で見た中で一番かっこいいオープニングだと思っています。
鈴木:ミステリーの始まりというか、迷宮に入っていく感じがあるんですよ。部屋を出て、車に乗るときにタイトルと一緒にこの曲が流れるんです。いやー、観たくなってきたな。みなさんどうでしたか?
礒本:今日帰って観てみようかな。バンドの曲もちょっと中毒性があって、「Vitamin C」の発音がめっちゃ日本語だった(笑)。
鈴木:気づかなかった(笑)。では礒本君。
礒本:僕がおすすめしたいのは長久允監督の『そうして私たちはプールに金魚を、』という短編映画。埼玉県狭山市で実際にあった話をもとに作られた映画で、お祭りの金魚を全部盗んできて、学校のプールに400匹放すという実話が元になっているんですが、(映画の)テーマの一つとして、夏って「何かやりたい、変えたい」という気持ちにすごく駆られるけど、「結局何もできなかったりするよね」みたいな。僕も毎年思っていて。
鈴木:あはは(笑)。
礒本:「結局、俺変わってねえな」みたいな。女子中学生の4人組が主役なんだけど、この映画に落とし込まれているのが、平穏な日常から抜け出したいという気持ち。閉塞感。埼玉県は海がないことに自虐的に触れられたり、そういった気持ちから金魚の事件に行動を移していくという話なんですけど、現代の自分たちの心情を代弁してくれてるような気がするんですよね。本当はやっちゃいけないことなんだけど。
鈴木:絶対やんなよ。絶対やんなよ。
礒本:やるなと言われるとね。
鈴木:バンドでやばいでしょ(笑)。
井上:MVだと思われるんじゃない?
鈴木:あ〜、MVね。
礒本:金魚すくいの金魚を助け出して、プールに放つけど、結局暗くて何も見えなくて、全然綺麗じゃないし、衝動、反抗から起こした行動なんだけど、結局変わらないみたいな。そういうところもオチとしては含まれてるんじゃないかな。結局日常から抜け出せないんだけれども、じゃあこれからどうしていくか。そこで映画が終わってるような気がする。
井上:中高生なんて抜け出せないですよ。
礒本:それはちょっと歳取りすぎだよ(笑)。曲に関しては、カラオケに行くシーンがあるんですけど、そこで歌われているのが 「17才」という曲。原曲は南沙織さんなんですけど、映画ではまた違ったバージョンで使われてて。世間の人たちが一番知っているのは森高千里さんのカバーなんじゃないかなと。
鈴木:なるほどね。映画中に使われるわけではないんだ。
鈴木:テクノアレンジみたいなやつがあったり、銀杏BOYZもカバーしていたり。いろんな人がカバーしてて、悩んだ結果、(今回、紹介するのは)森高千里さんのカバーにしました。
礒本:お送りしたのは森高千里さんで「17才」でした。
井上:私は銀杏BOYZバージョンを聴いてました。
礒本:最後の〈私は今 生きている〉という一節が作品の中でも印象的に使われていて。
鈴木:話聞いている限り、(映画と曲が)噛み合ってそうだった。
礒本:今、曲をかけている間、(この曲は)景気がいいって話をしてて(笑)。
井上:音楽がアゲの感情を揺さぶってくる。
礒本:時代というのもあると思うけど、こういう明るさも今すごく必要だと思う。
鈴木:絶妙な虚無感もあるよ(笑)。
礒本:何て言うんだろう。それでもいいと思うんだよね。
鈴木:あはは(笑)。何が(笑)?
井上:その渦中にいる時は楽しいよね。
礒本:そう。結局周りを気にするから、そういう閉塞感もちょっとずつ出てくるんじゃなかろうかという考察でして。もう気にせず、とにかく明るく行きましょうよと!
井上:わかりました。夏だしね。
礒本:福岡の皆さん、明るく行きましょうと!そんな作品、楽曲でした。じゃあラスト、ボーカルのかっちゃんをお待たせしました。夏におすすめの一本教えてください。
井上:礒本くんとは全く真反対のものを選びました。『ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地』という映画。
礒本:ん?誰かの個人情報を言いました?
井上:はい。ほぼそんな感じですよね。ベルギーの映画で、1975年に撮られたものだそうで、当時25歳のシャンタル・アケルマンという方が監督なんですけど、3時間くらいあるの。映画館で観たんだけど、何を観てるんだろうみたいな。途中までよくわからなくて、音もほとんどないの。主人公の女性が毎日規則的な動きをしてるんだけど、その中でちょっとだけ違うみたいなことがだんだんわかってきて。徐々に彼女の中の気持ちが高まっているのを感じ、ラスト!みたいな。ラストは大ネタバレになっちゃうので(言えないですが)。ある意味、耐えて観る人の方が多いような映画ではあるんだけど、こんなものを観れるのは夏休みくらいだろうと(笑)。
礒本:ループの中にちょっとした違いって、自分たちの作品と通ずる部分がありそうだなと思った。
井上:評価が分かれている作品だと思うけど、2022年英国の「史上最高の映画ランキング」で1位を取ったと。
礒本:そうなの?すごいね。
井上:ストーリー自体はめっちゃ単調だし、あらすじもあるようでないようなものというか。でも、とにかく観てほしい。
礒本:評価が分かれてるんだもんね。
井上:うん。私はこれを観た時に緊張感が半端じゃなくて、観終わった後もすごい疲れた。でも、観てよかったと思えたらいいな。それこそ閉塞感と当時の女性の気持ちを生々しい感じでずっと見続けることができるのって時間に余裕のある時だと思う。夏のじっとりした感じにも合います。
礒本:リアルなんですね。
井上:私はかなり好きな映画だった。あと、(監督が)25歳の時に作ったことに驚きですね。この作品はすごいフェミニズム的な映画なんだけど、(曲に関しては)直接関係なく普通に街中で音楽流れてきて、「この曲いいな。」と思ったら、研ナオコさんだったの。
礒本:おお。
井上:「泣かせて」 という曲がすごい良くて。
礒本:いいタイトルだね。
鈴木:(映画と)遠くで繋がってる気がするってこと?
井上:そう。歌謡曲によくある日本的な女の人の感性と映画の何も語らないけれども、心の中でいろんなことを思っている感じ。思っていること自体は日本の女性の方が情念的だけど、「泣かせて」というタイトルからもわかると思うんだけど、繋がってる部分がちょっとあるんじゃないかなって。その繋がりを私は勝手に見出しています。
井上:すごくいいボーカルじゃない?
礒本:非常にしんみり。
鈴木:(イメージ的に)ギャップ萌えみたいなのがあったね。
礒本:僕たち世代だと、研さんといえば「赤まむし」世代。
鈴木:「赤まむし」世代はねえよ(笑)。
井上:いや、わかるわかる。歌詞もめちゃくちゃいい。〈悲しいことは どんな 化粧したって 悲しいのです〉 。こういう悲しみとか、寂しさが映画にもずっと漂ってて、ちょっと観てほしいな〜。現代の男性が観たら、どういう気持ちになるのかを知りたい。
鈴木:見てわかるってこと?
井上:私は全部がわかる感じだった。毎日の繰り返しみたいな映画だから、意味のない動作もあるんだけど、 結局意味があるみたいな。とにかく緊張感がすごいんだよね。
礒本:夏って盛り上がったり、楽しむ反面、悲しさや寂しさが浮き彫りになるような季節だと思っていて。 作品はこれから見てみようと思いますけど、そういう一面もあるのかなというふうに思いました!
井上:ということで、今日はちょっと変化球。「夏におすすめのこの一本」というテーマで、いろいろ紹介させていただきました。みんな真面目に紹介しちゃったね。
礒本:毎回「真面目ですね」って、誰かしらが誰かしらに言ってるんだけど。
井上:聞いてて、楽しいものになってるといいんですけど。
礒本:だいぶしんみりしましたよ(笑)。
井上:「泣かせて」。
鈴木:あはは(笑)
井上:最後にもう一曲、Laura day romanceの楽曲からも、このテーマに沿って曲をおかけしたいなと思いますが。
礒本:かけさせて。
井上:かけさせて(笑)!?
鈴木:かけさせて。
礒本:今一瞬流れそうになって、不安になりましたよ!
鈴木:あはは(笑)
井上:まあ一回聴いててもらう?
鈴木:かけさせてくれ。
CAN「Vitamin C」
森高千里「17才」
研ナオコ「泣かせて」
Laura day romance「happyend | 幸せな結末」
Laura day romance「well well | ええと、うん」

Laura day romance「ライター」
2025年7月30日(水)
Format:Digital
Track:
1. ライター
試聴はこちら

2025年9月13日(土)
東京・渋谷WWW
開場:17:15/開演:18:00
チケット代:スタンディング 5,500円(税込/ドリンク代別)

公演・チケット情報は公式ホームページをご覧ください。
https://lauradayromance.com/
番組へのメッセージをお待ちしています。
Twitter #fmfukuoka #RoomH をつけてツイートしてください。MC3人ともマメにメッセージをチェックしています。レポート記事の感想やリクエストなどもありましたら、#SENSA もつけてツイートしてください!
放送時間:毎週水曜日 26:00~26:55
放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)

黒川侑司(YOURNESS Vo.&Gt.)
福岡で結成された4人組ロックバンド。感情の揺れが溢れ出し琴線に触れる声と表現力を併せ持つヴォーカルに、変拍子を織り交ぜる複雑なバンドアンサンブルとドラマティックなアレンジで、詞世界を含め一つの物語を織りなすような楽曲を展開。
重厚な音の渦の中でもしっかり歌を聴かせることのできるLIVEパフォーマンスは、エモーショナルで稀有な存在感を放っている。2021年12月1日に初のフルアルバム「6 case」をリリース。最新シングル「眩」を6/20にリリース。2022年6月1日にソロ第1弾シングル「この星からの脱出」をリリース。2022年7月8日にはソロ第2弾シングルでギタリスト「こーじゅん」をフィーチャリングに迎えた「フライディ・チャイナタウン (Acoustic Cover)」をリリース。2024年7月17日には尾崎雄貴(Galileo Galilei / BBHF/ warbear)提供楽曲「夏の桜」をリリースした。
オフィシャルサイト/ @yourness_on/ @yourness_kuro

Nolzy
サウンドプロダクション・トラックメイキング・ソングライティングを自ら手掛けるシンガー、音楽クリエイター。
R&B、Neo Soul、Hip Hopを基調とした都会的なサウンドと、どこか懐かしい"平成J-POP"の匂いを感じるキャッチーなメロディにシニカルな歌詞を組み合わせた、時代や世代を超える新感覚のミクスチャー・ポップを生み出す。2023年12月リリースの『#それな』を皮切りに『匿名奇謀』、『キスミー』と、3作連続でドラマ・アニメのタイアップを担当。
最新シングル「fit感」を5/21にリリース。7/13に渋谷TOKIO TOKYOでNolzy ONE MAN LIVE 2025 "fit感"を開催。
オフィシャルサイト/ @atsukitaketomo / @atsukitaketomo

Laura day romance
国内外のミュージックラバーにファンを広げる日本のバンド。
鈴木迅が作り出す幅広い音楽性の楽曲と、井上花月の世界観のあるヴォーカル、
タイトさと柔軟さを兼ね備えたリズムを刻む礒本雄太のドラミング、
そしてそれらを表現するためのベストな形でジョインするサポートメンバー達。
2023年初頭には「関ジャム 完全燃 SHOW( テレビ朝日 )」 で川谷絵音氏が選ぶ 2023 年のマイベスト 10 曲の第三位に「sweet vertigo」が選出され、大きく注目を集め始めている。
2025年2月には、前後編を合わせて一つの作品となる3rdフルアルバムの前編にあたる、『合歓る - walls』(読み:ネムル ウォールズ)のリリース。最新シングルはアニメ『アン・シャーリー』エンディング・テーマになっている『heart』。2025年10月よりLaura day romance tour 2025 a perfect reviewを開催。
オフィシャルサイト/ @lauradayromance / @lauradayromance
今週のMCは、Laura day romanceが担当。SENSAでは、オンエア内容を一部レポート!(聴き逃した方やもう一度聴きたい方は、radiko タイムフリーをご利用下さい。)
井上:皆さん、こんばんは。ここからの1時間はRoom"H"、DJを務めます、Laura day romanceのボーカル、井上花月と
鈴木:ギターの鈴木迅と
礒本:ドラムの礒本雄太です。
井上:3週間ぶりにRoom"H" に帰ってきました。フェスやら制作やら。
礒本:音楽漬けでございます
井上:一瞬で8月が(終わるね)。
鈴木:終わるね〜。
井上:これはまずいですね。
礒本:気づいたらおじさんになってるんじゃ。
鈴木:あはは(笑)いや、おじさんはまだ遠いですよ。
井上:流石に夏祭りとか行きたいわ。
鈴木:礒本は行ったんだっけ?
礒本:僕は行きました。
鈴木:いいなぁ。
礒本:僕だけ暇人みたいな感じで映らなければいいんだけど(笑)。
鈴木:あはは(笑)。
井上:ちょっとでも空いてる時間があると、クーラーガンガン効いてる部屋でずっと寝てるから。
礒本:それは一番おじさんになっちゃうんじゃないか。
井上:そうよ。だってもう体力ないんだもん。
鈴木:クーラー疲れとかもあるよね。
礒本:温度差がすごいから
井上:やばいよね。サウナ現象みたいな。
礒本:やばい。会話がおじさんみたい(笑)。
鈴木:あはは(笑)。
礒本:年取りましたね〜。
「夏におすすめのこの1本」をテーマに選曲@リビングルーム
井上:ここからはRoom"H"の住人がテーマに沿ってセレクトした曲を紹介する@リビングルームの時間です。じゃあ、礒やん。今週もテーマの発表をお願いします。
礒本:@リビングルーム、今夜のテーマは「夏におすすめのこの1本」です。皆さん、今日も暑い中、Room"H"にお集まりいただきありがとうございます。今年は10年に一度の暑さだそうですが、今日はそんな暑い夏にこそおすすめしたいと思う音楽以外の何かをご紹介いただけますか。本でも映画でもドラマでも漫画でも何でもOKです。
「夏って素敵な季節だったわ」と思い出させてくれるような夏の名作や暑さを忘れさせてくれるような作品。また、熱帯夜にクーラーをかけた部屋で観たり読んだりしてほしいと皆さんが思う作品など。基準はお任せします。その作品の素晴らしさとその作品にちなんで1曲、音楽のセレクトもお願いします。
鈴木:ここにきて、新しいですね。
井上:面白い。
鈴木:(夏って)映画日和ですよね。映画館は涼しいし。部屋で観れば涼しいし。
礒本:一番手頃な避暑地。
鈴木:夏の名作って何ですか?
礒本:冬の名作とか、他の季節の名作ってあんまり聞かないよね。
鈴木:興行的に何かありそうだよね。夏休みシーズンの子供を狙った映画とか。映画会社が本気を出した作品をぶつけるみたいな。お金の話になっちゃうな(笑)。
礒本:自分たち世代だと何なんだろう?
井上:やっぱりドラえもん、クレヨンしんちゃん。毎年その2つは映画館で観る決まりがあって。
礒本:決まりがあったんだ。
井上:母とはドラえもん、父とはクレヨンしんちゃんみたいな。
鈴木・礒本:あはは(笑)。
礒本:分担なんだ。
井上:じゃあ、早速今日のテーマ、夏におすすめのこの1本紹介していきましょう。まずは迅君からお願いします。
鈴木:僕は映画を選んできました。ポール・トーマス・アンダーソン監督の『インヒアレント・ヴァイス』という映画です。最近は本数減っちゃったんだけど、映画を一時期すごく観てて。映画って名作(と言われる映画)は大概、圧倒的に良いの。名作と言われてるものは確実に良いんだけど、それとは別に「完成度は高くないけど、暇な時に観ちゃうんだよな〜」となる映画が『インヒアレント・ヴァイス』という映画でして。あらすじとしては、ヒッピーの探偵の所に元カノが急に現れて、助けてほしいと。
礒本:すごい情報量。
鈴木:ポール・トーマス・アンダーソンはいろんな映画やってますよね。最近だと『リコリス・ピザ』とか。
井上:私、『リコリス・ピザ』を選ぶか迷った。
鈴木:確かに夏(の映画)ですよね。現代の名作映画を作ってる人なんですけど、『インヒアレント・ヴァイス』はそんなに評価は高くなくて、何回観ても、「何なんだ、この映画は?」となるんですけど、時代の移り変わりを描いている映画なので、観た後に切なくなるんですよ。時代に取り残される男、私立探偵の切なさみたいな。ホアキン・フェニックスが主演でそういった映画になってます。夏休みに観ていただければと思います。選んだ曲はオープニング、タイトルシーケンスで流れる曲。人生で見た中で一番かっこいいオープニングだと思っています。
鈴木:ミステリーの始まりというか、迷宮に入っていく感じがあるんですよ。部屋を出て、車に乗るときにタイトルと一緒にこの曲が流れるんです。いやー、観たくなってきたな。みなさんどうでしたか?
礒本:今日帰って観てみようかな。バンドの曲もちょっと中毒性があって、「Vitamin C」の発音がめっちゃ日本語だった(笑)。
鈴木:気づかなかった(笑)。では礒本君。
礒本:僕がおすすめしたいのは長久允監督の『そうして私たちはプールに金魚を、』という短編映画。埼玉県狭山市で実際にあった話をもとに作られた映画で、お祭りの金魚を全部盗んできて、学校のプールに400匹放すという実話が元になっているんですが、(映画の)テーマの一つとして、夏って「何かやりたい、変えたい」という気持ちにすごく駆られるけど、「結局何もできなかったりするよね」みたいな。僕も毎年思っていて。
鈴木:あはは(笑)。
礒本:「結局、俺変わってねえな」みたいな。女子中学生の4人組が主役なんだけど、この映画に落とし込まれているのが、平穏な日常から抜け出したいという気持ち。閉塞感。埼玉県は海がないことに自虐的に触れられたり、そういった気持ちから金魚の事件に行動を移していくという話なんですけど、現代の自分たちの心情を代弁してくれてるような気がするんですよね。本当はやっちゃいけないことなんだけど。
鈴木:絶対やんなよ。絶対やんなよ。
礒本:やるなと言われるとね。
鈴木:バンドでやばいでしょ(笑)。
井上:MVだと思われるんじゃない?
鈴木:あ〜、MVね。
礒本:金魚すくいの金魚を助け出して、プールに放つけど、結局暗くて何も見えなくて、全然綺麗じゃないし、衝動、反抗から起こした行動なんだけど、結局変わらないみたいな。そういうところもオチとしては含まれてるんじゃないかな。結局日常から抜け出せないんだけれども、じゃあこれからどうしていくか。そこで映画が終わってるような気がする。
井上:中高生なんて抜け出せないですよ。
礒本:それはちょっと歳取りすぎだよ(笑)。曲に関しては、カラオケに行くシーンがあるんですけど、そこで歌われているのが 「17才」という曲。原曲は南沙織さんなんですけど、映画ではまた違ったバージョンで使われてて。世間の人たちが一番知っているのは森高千里さんのカバーなんじゃないかなと。
鈴木:なるほどね。映画中に使われるわけではないんだ。
鈴木:テクノアレンジみたいなやつがあったり、銀杏BOYZもカバーしていたり。いろんな人がカバーしてて、悩んだ結果、(今回、紹介するのは)森高千里さんのカバーにしました。
礒本:お送りしたのは森高千里さんで「17才」でした。
井上:私は銀杏BOYZバージョンを聴いてました。
礒本:最後の〈私は今 生きている〉という一節が作品の中でも印象的に使われていて。
鈴木:話聞いている限り、(映画と曲が)噛み合ってそうだった。
礒本:今、曲をかけている間、(この曲は)景気がいいって話をしてて(笑)。
井上:音楽がアゲの感情を揺さぶってくる。
礒本:時代というのもあると思うけど、こういう明るさも今すごく必要だと思う。
鈴木:絶妙な虚無感もあるよ(笑)。
礒本:何て言うんだろう。それでもいいと思うんだよね。
鈴木:あはは(笑)。何が(笑)?
井上:その渦中にいる時は楽しいよね。
礒本:そう。結局周りを気にするから、そういう閉塞感もちょっとずつ出てくるんじゃなかろうかという考察でして。もう気にせず、とにかく明るく行きましょうよと!
井上:わかりました。夏だしね。
礒本:福岡の皆さん、明るく行きましょうと!そんな作品、楽曲でした。じゃあラスト、ボーカルのかっちゃんをお待たせしました。夏におすすめの一本教えてください。
井上:礒本くんとは全く真反対のものを選びました。『ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地』という映画。
礒本:ん?誰かの個人情報を言いました?
井上:はい。ほぼそんな感じですよね。ベルギーの映画で、1975年に撮られたものだそうで、当時25歳のシャンタル・アケルマンという方が監督なんですけど、3時間くらいあるの。映画館で観たんだけど、何を観てるんだろうみたいな。途中までよくわからなくて、音もほとんどないの。主人公の女性が毎日規則的な動きをしてるんだけど、その中でちょっとだけ違うみたいなことがだんだんわかってきて。徐々に彼女の中の気持ちが高まっているのを感じ、ラスト!みたいな。ラストは大ネタバレになっちゃうので(言えないですが)。ある意味、耐えて観る人の方が多いような映画ではあるんだけど、こんなものを観れるのは夏休みくらいだろうと(笑)。
礒本:ループの中にちょっとした違いって、自分たちの作品と通ずる部分がありそうだなと思った。
井上:評価が分かれている作品だと思うけど、2022年英国の「史上最高の映画ランキング」で1位を取ったと。
礒本:そうなの?すごいね。
井上:ストーリー自体はめっちゃ単調だし、あらすじもあるようでないようなものというか。でも、とにかく観てほしい。
礒本:評価が分かれてるんだもんね。
井上:うん。私はこれを観た時に緊張感が半端じゃなくて、観終わった後もすごい疲れた。でも、観てよかったと思えたらいいな。それこそ閉塞感と当時の女性の気持ちを生々しい感じでずっと見続けることができるのって時間に余裕のある時だと思う。夏のじっとりした感じにも合います。
礒本:リアルなんですね。
井上:私はかなり好きな映画だった。あと、(監督が)25歳の時に作ったことに驚きですね。この作品はすごいフェミニズム的な映画なんだけど、(曲に関しては)直接関係なく普通に街中で音楽流れてきて、「この曲いいな。」と思ったら、研ナオコさんだったの。
礒本:おお。
井上:「泣かせて」 という曲がすごい良くて。
礒本:いいタイトルだね。
鈴木:(映画と)遠くで繋がってる気がするってこと?
井上:そう。歌謡曲によくある日本的な女の人の感性と映画の何も語らないけれども、心の中でいろんなことを思っている感じ。思っていること自体は日本の女性の方が情念的だけど、「泣かせて」というタイトルからもわかると思うんだけど、繋がってる部分がちょっとあるんじゃないかなって。その繋がりを私は勝手に見出しています。
井上:すごくいいボーカルじゃない?
礒本:非常にしんみり。
鈴木:(イメージ的に)ギャップ萌えみたいなのがあったね。
礒本:僕たち世代だと、研さんといえば「赤まむし」世代。
鈴木:「赤まむし」世代はねえよ(笑)。
井上:いや、わかるわかる。歌詞もめちゃくちゃいい。〈悲しいことは どんな 化粧したって 悲しいのです〉 。こういう悲しみとか、寂しさが映画にもずっと漂ってて、ちょっと観てほしいな〜。現代の男性が観たら、どういう気持ちになるのかを知りたい。
鈴木:見てわかるってこと?
井上:私は全部がわかる感じだった。毎日の繰り返しみたいな映画だから、意味のない動作もあるんだけど、 結局意味があるみたいな。とにかく緊張感がすごいんだよね。
礒本:夏って盛り上がったり、楽しむ反面、悲しさや寂しさが浮き彫りになるような季節だと思っていて。 作品はこれから見てみようと思いますけど、そういう一面もあるのかなというふうに思いました!
井上:ということで、今日はちょっと変化球。「夏におすすめのこの一本」というテーマで、いろいろ紹介させていただきました。みんな真面目に紹介しちゃったね。
礒本:毎回「真面目ですね」って、誰かしらが誰かしらに言ってるんだけど。
井上:聞いてて、楽しいものになってるといいんですけど。
礒本:だいぶしんみりしましたよ(笑)。
井上:「泣かせて」。
鈴木:あはは(笑)
井上:最後にもう一曲、Laura day romanceの楽曲からも、このテーマに沿って曲をおかけしたいなと思いますが。
礒本:かけさせて。
井上:かけさせて(笑)!?
鈴木:かけさせて。
礒本:今一瞬流れそうになって、不安になりましたよ!
鈴木:あはは(笑)
井上:まあ一回聴いててもらう?
鈴木:かけさせてくれ。
8月20日(水)オンエア楽曲
Laura day romance「ライター」CAN「Vitamin C」
森高千里「17才」
研ナオコ「泣かせて」
Laura day romance「happyend | 幸せな結末」
Laura day romance「well well | ええと、うん」
RELEASE INFORMATION

Laura day romance「ライター」
2025年7月30日(水)
Format:Digital
Track:
1. ライター
試聴はこちら
LIVE INFORMATION
Laura day romance fanclub member only live a perfect review lforl us

2025年9月13日(土)
東京・渋谷WWW
開場:17:15/開演:18:00
チケット代:スタンディング 5,500円(税込/ドリンク代別)
Laura day romance tour 2025 a perfect review

公演・チケット情報は公式ホームページをご覧ください。
https://lauradayromance.com/
番組へのメッセージをお待ちしています。
Twitter #fmfukuoka #RoomH をつけてツイートしてください。MC3人ともマメにメッセージをチェックしています。レポート記事の感想やリクエストなどもありましたら、#SENSA もつけてツイートしてください!
RADIO INFORMATION
FM 福岡「Room "H"」
毎週月曜日から金曜日まで深夜にオンエアされる、福岡市・警固六角にある架空のマンションの一室を舞台に行われ、次世代クリエイターが様々な情報を発信するプログラム「ミッドナイト・マンション警固六角(けごむつかど)」。"203号室(毎週水曜日の26:00~26:55)"では、音楽番組「Room "H"」をオンエア。ユアネスの黒川侑司、Nolzy、 Laura day romanceが週替わりでMCを務め、本音で(Honestly)、真心を込めて(Hearty)、気楽に(Homey) 音楽愛を語る。彼らが紹介したい音楽をお届けし、またここだけでしか聴けない演奏も発信していく。放送時間:毎週水曜日 26:00~26:55
放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)
番組MC

黒川侑司(YOURNESS Vo.&Gt.)
福岡で結成された4人組ロックバンド。感情の揺れが溢れ出し琴線に触れる声と表現力を併せ持つヴォーカルに、変拍子を織り交ぜる複雑なバンドアンサンブルとドラマティックなアレンジで、詞世界を含め一つの物語を織りなすような楽曲を展開。
重厚な音の渦の中でもしっかり歌を聴かせることのできるLIVEパフォーマンスは、エモーショナルで稀有な存在感を放っている。2021年12月1日に初のフルアルバム「6 case」をリリース。最新シングル「眩」を6/20にリリース。2022年6月1日にソロ第1弾シングル「この星からの脱出」をリリース。2022年7月8日にはソロ第2弾シングルでギタリスト「こーじゅん」をフィーチャリングに迎えた「フライディ・チャイナタウン (Acoustic Cover)」をリリース。2024年7月17日には尾崎雄貴(Galileo Galilei / BBHF/ warbear)提供楽曲「夏の桜」をリリースした。
オフィシャルサイト/ @yourness_on/ @yourness_kuro

Nolzy
サウンドプロダクション・トラックメイキング・ソングライティングを自ら手掛けるシンガー、音楽クリエイター。
R&B、Neo Soul、Hip Hopを基調とした都会的なサウンドと、どこか懐かしい"平成J-POP"の匂いを感じるキャッチーなメロディにシニカルな歌詞を組み合わせた、時代や世代を超える新感覚のミクスチャー・ポップを生み出す。2023年12月リリースの『#それな』を皮切りに『匿名奇謀』、『キスミー』と、3作連続でドラマ・アニメのタイアップを担当。
最新シングル「fit感」を5/21にリリース。7/13に渋谷TOKIO TOKYOでNolzy ONE MAN LIVE 2025 "fit感"を開催。
オフィシャルサイト/ @atsukitaketomo / @atsukitaketomo

Laura day romance
国内外のミュージックラバーにファンを広げる日本のバンド。
鈴木迅が作り出す幅広い音楽性の楽曲と、井上花月の世界観のあるヴォーカル、
タイトさと柔軟さを兼ね備えたリズムを刻む礒本雄太のドラミング、
そしてそれらを表現するためのベストな形でジョインするサポートメンバー達。
2023年初頭には「関ジャム 完全燃 SHOW( テレビ朝日 )」 で川谷絵音氏が選ぶ 2023 年のマイベスト 10 曲の第三位に「sweet vertigo」が選出され、大きく注目を集め始めている。
2025年2月には、前後編を合わせて一つの作品となる3rdフルアルバムの前編にあたる、『合歓る - walls』(読み:ネムル ウォールズ)のリリース。最新シングルはアニメ『アン・シャーリー』エンディング・テーマになっている『heart』。2025年10月よりLaura day romance tour 2025 a perfect reviewを開催。
オフィシャルサイト/ @lauradayromance / @lauradayromance