- TOPICS
- FEATURE
2025.08.24

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!Ivy to Fraudulent Game・吉田ヨウヘイgroup・Nelkoほか全26作品 -2025.8.23-
New Release Digest Part 1
みさと:8月18日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜、全26作品の中から、まずはPart-1をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます。今週ははじめましてさんが結構いらっしゃいます。まずはrice water Groove(ライスウォーターグルーヴ)とVue du monde(ヴディモンドゥ)によるコラボレーション作品です。
金子:rice water Grooveは「90's、00'sの再解釈」を軸に制作活動を行う2MCラップデュオ、Vue du mondeは石川県金沢市出身で現在は東京を拠点に活動するラッパー兼ビートメーカー、この2組によるコラボレーション。スティールパンの音色が印象的で、ちょっとカリビアンなムードやラテンジャズっぽい雰囲気があったりして、夏にぴったりな熱気と湿度のある感じが良かったですね。
みさと:スティールパンが入るだけで現実世界から離れた感覚になるなと思っていて、セルフライナーノーツでも、「逃避か、受容か、それとも進展か。3人のMCが"抜け出すことのできない季節"に、それぞれのスタンスで切り込んでいく」という一文をいただいています。その世界観のサウンドメイクが音からも伝わってくるし、リリックのオリジナリティも味わえる1曲かと思います。
金子:「dreamaze」というタイトルですからね。夢の中に迷い込んでいくような感じ。
みさと:続いて、Monomi twins。
金子:彼らは「出れんの!?サマソニ!?」枠で『SUMMER SONIC 2025』に出演していて。
みさと:すごい!
金子:今回の曲を聴いても、ドリームポップ、サーフロックからの後半シューゲイズみたいな感じは海外のインディロック好きに刺さるだろうなという感じがします。ここで知名度を上げて、どう広がりを見せるか楽しみですね。
みさと:コード自体はシンプルな感じがするし、余白が音から感じられるけど、すごく難しいことをしているなと。素人が聴いても、『SUMMER SONIC 2025』に出るぐらいの実力を持っていると思わせられる、そんなサウンド感もありましたし、歌詞においてはそれこそ余白というか、曖昧だし、明言もしていないので、聴き手に委ねているような空間がある一曲になっていました。内省的なので、自分の内側と外側を行き来するような、そんな感覚で楽しめる一曲かと思います。そんなPart-1からどうしましょう。
金子:Ivy to Fraudulent Gameの新曲を紹介しようと思います。
みさと:今回アルバムリリースです!おめでとうございます。
金子:今年が結成15周年で6枚目のフルアルバム、そしてセルフタイトルということで、思い入れがないわけがないですよね。1枚目にセルフタイトルを付けるバンドが多くて、1枚目じゃない場合、どこでセルフタイトルを付けるかは迷うと思うけど、ここに来て付けたというのは、それだけ"自分たちのアルバムだ"という手応えがあったからこそでしょう。「song for you」はアルバムの1曲目を飾っている曲で、ストレートなタイトルとリリック。やっぱりライブを大事にしてきたバンドだから、聴き手に対して感謝を伝えるようなメッセージにもなってると思うし、サウンド的にはエレクトロニックな質感が今回のアルバムのポイントの一つになっている感じがしました。
みさと:生音と電子音のバランス感も含めて、15年の変遷と今のIvy to Fraudulent Gameが1枚に詰まっていると思うので、サウンド的にも楽しんでいただきたいですし、ライブを大切にしてきた彼らだからこその演奏力も、15年応援してきた人たちからすると感じられるかもしれないですよね。このタイミングでしか書けない言葉と世界観が詰まっていて、「song for you」は特に言葉でもわかりやすく情景が飛び込んでくると思いますので、彼らの15年とこれからを想像しながら聴いていただければと思います。
New Release Digest Part 2
みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-2でした。リリースおめでとうございます。こちらにもはじめましてさんです。まずは福岡出身・在住の歌那さん。
金子:ピアニストでありシンガーソングライターでもあるということで、シンガーソングライターとしてはピアノを弾きながら歌ってるけど、今回の作品はピアノソロ。『本を読む時に』というタイトルなので、BGMとしても作用するような作品になっているんですが、楽曲として聴いても、ポストクラシカル的な音の良さがあるので、 両面で楽しめる作品かなと思います。
みさと:シンガーソングライターという側面も持っているので、歌をのせてもいいところ、あえてピアノをメインにしたミニアルバムになっているわけなんですが、歌詞、メロディーも書ける人がインストのものをやるとなると、インスト楽曲の中でも心の機微が伝わってきますね。自分自身の日常の中で何を築いて、誰に感謝して、どんなシーンが思い浮かんでいるのか、そして自分のどんなシーンで聴きたいのかというところまで、音に表れていて、彼女だから作れる作品だったんじゃないかと思います。続いてもはじめましてさんです。PLAYERSxPRAYERS(プレイヤーズプレイヤーズ)。
金子:ボーカル兼キーボード、ドラム、ベース、ギターという4人組。全員がブラックミュージックにルーツを持っているということで、その感じは音を聴けば伝わってきますよね。スモーキーなサウンド、ねっとりしたリズムがすごく気持ちよくて、ドラムの小名坂誠哉さんは元パジャマで海なんかいかないのメンバーだったりもするので、パジャ海との繋がりも感じられるし、逆に言えば違いも面白い。今週は松浦千昇くんのリリースもあったり、それぞれのドラマーとしてのかっこよさ、色が感じられて良かったですね。
みさと:とんでもなくかっこいいですね。国境とジャンルを飛び越え、クロスオーバーさせたとんでもない作品だと思いますし、レイドバックしたリズムにアダルトさとオリジナリティが詰まっていて、毎作楽しみにしています。 そんなPart-2からどうしましょう?
金子:吉田ヨウヘイgroupの新曲を紹介しようと思います。
みさと:今回アルバムになりました!リリースおめでとうございます。
金子:8年ぶりのリリース、5枚目のアルバムということで、個人的に昔から聴いているバンドだったので、「戻ってきてくれて、ありがとう。おかえり」という感じがあるし、アルバムを聴くと、時間が経過したからこそ、肩肘張っていない感じで、今は生活と音楽が近い距離にあるのかな、と感じました。その雰囲気はこのアルバムのテーマがフォークであることも関係していて、高校生や大学生のときにずっと聴いていた音楽ということなので、ルーツに戻るような感覚もある。その上で、やっぱりただのフォークのアルバムではなくて、吉田ヨウヘイgroupらしい、管楽器やギター、ピアノも含めたアンサンブルの面白さが随所に散りばめられていました。「換気」は間奏のアンサンブルがめちゃめちゃかっこよくて、もともと持っているポストロック的な、構築的な側面も感じられたり、素晴らしい作品だと思います。
みさと:全体的にフォークなので、牧歌的で平和的な歌唱方法、サウンドではあるんですけど、歌詞の世界観はすごく鬱々としていて。そんなことがテーマにもなっていて、後半に入ったところのインストパートが入り混じる楽器、スリリングな展開になってて、サウンドがただギャップを表しているだけではないことも伝わってきて、吉田ヨウヘイgroupならではだと思いましたし、複雑さが歌詞の世界観ともリンクしていましたね。
New Release Digest Part 3
みさと:お送りしたのは新譜ダイジェスト、Part-3でした。リリースおめでとうございます。こちらにもはじめましてさんです。ジッカ。
金子:彼らは2023年に神戸で結成された3ピースバンド。神戸からはロックンロールのバンドがたくさん出てきているイメージがあって、資料を読むと「オルタナティブ」というワードも出てきてたりはするけど、彼らもロックンロール的な格好良さがすごくあるバンドだなと。9月にはアルバムリリースが控えているみたいなので、どんな感じになるのか気になります。
みさと:昔の奥田民生さんがバンドを組んだら...みたいなニュアンスもあったり。
金子:わかります。
みさと:年齢問わずファンがしっかりつきそうな感じがしますよね。今のうちにチェックしておきたい、そんな実力を持っているバンドです。続いて、國(クニ)。
金子:こちらも9月にアルバムのリリースを控えているんですけど、新曲が出るのは約1年半ぶり。彼女たちはまさにオルタナのシーンで期待されているバンドで、今回2曲入りなんですけど、「silver」はグランジ的な音圧がかっこいい曲で、逆に「I'm waiting for」はあえてテンションを抑えることで、内側からエモーションが湧き出る感じ。2曲の対比もすごく印象的でした。
みさと:まさに両A面で対極にあるような2曲ということで、バンドのレンジの広さとライブの見どころも想像させられるような印象でした。この2曲を聴くことによって今の國を感じられるような作品になってるかと思いますので、どちらも味わってみてください。そんなPart-3からどうしましょう。
金子:Nelkoの新曲を紹介しようと思います。
みさと:今回アルバムです。リリースおめでとうございます!
金子:こちらは3年半ぶりのセカンドアルバム。miidaとコラボレーションしたり、いろんな曲を出してきましたけど、それらもすべて入っていて、アルバムタイトルが『We Alright』。このタイトルだけを聞くと前向きなイメージを持つんだけど、セルフライナーノーツによると「私たちが楽曲で描いているのはいまだキラキラした理想の世界ではなく、どちらかというと少しくすんだ日常の風景です。うまくいくことばかりではなく、どうにか目の前に浮かぶ問いの答えを出すことの繰り返し。それでも過去の自分たちに『調子どう?』と聞かれたら、きっと『大丈夫』って言うと思います。そんな少しの強がりをタイトルに込めて、3年間の軌跡をリリースします」と。この言葉がNelkoの楽曲をよく表していて、心地いいメランコリーみたいな部分がNelkoの魅力だなと改めて感じました。
みさと:リード曲のタイトルが「Yura Yura」なんですけど、浮遊感のある"ゆらゆら"とした感じが、気持ちの揺らぎとともにありながらも、どこか突き抜けていくような印象を受けましたし、その背景には、サウンドの土台にあるファンクグルーヴの存在も感じられます。その対比を味わいながらもNelkoの軸は何も揺らいでいない。そんな作品になっているかと思います。
番組の後半はgrating hunnyがゲストで登場!
RADIO INFORMATION
FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」
FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55 放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)
NEW Releases FRIENDSHIP.
FM福岡で毎週水曜日の26:00~26:55まで放送中のラジオプログラム「Curated Hour〜FRIENDSHIP. RADIO」のアフタートーク、番組の中で紹介しきれなかったタイトルを紹介。DJの奥宮みさと、音楽ライターの金子厚武の2人でデジタル音楽ディストリビューション・プロモーション・サービスのFRIENDSHIP.から配信される新譜を中心に紹介するプログラム。
番組MC
金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3奥宮みさと
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。 TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。 安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10