SENSA

2025.08.17

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!Giallo・PEDRO・Tyrkouazほか全24作品 -2025.8.16-

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!Giallo・PEDRO・Tyrkouazほか全24作品 -2025.8.16-

カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。 キュレーターの金子厚武とナビゲーターの奥宮みさとによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!

New Release Digest Part 1


みさと:8月11日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜全24作品の中から パート1をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます。先週までゲストに来てくれてました、Wataru Fujiwaraさん、新曲です。

金子WAZGOGG、ワタさんですけど、今週はWataru Fujiwara名義でのリリース。「Plant」というタイトルで、セルフ・ライナーノーツによると<私は自然豊かな田舎で生まれ育ち、今でも山や植物園に行くのが大好きです。そこからインスパイアを受けて「Plant」を制作しました> ということで、この「自然豊かな田舎で生まれ育ち」っていうのは、それこそ先々週に話してくれてましたけど、(ご自身が)秋田出身ということで、おそらく秋田の自然豊かな景色から今回の題材が生まれているんでしょうね。ちなみにWataru Fujiwara名義で一つ前に出した曲が「Sleep With Nature」という曲だったりして、ワタさんは最近自然に癒しを求めてるのかな、と思ったりしました(笑)。



みさと:お話を聞いているからこそ、秋田の情景が自然と思い浮かぶ。やっぱり背景がわかると曲に入り込めるなっていうところもあるし、WAZGOGGとはまた違う、Wataruさんの普段の穏やかさが前面に出てるのがやはりWataru Fujiwara名義なのかなってことを味わっています。またゲストに来てほしいですね。続いて、Puff

金子:Puffは約1年ぶりのリリース。ひさびさの新曲は"心と体の解放をテーマにした1曲"ということで、まさにその感じがビートから伝わってきて。セルフ・ライナーノーツにもあるんですけど、マッドチェスター的な感じもするし、個人的にはThe Go! Teamだったりとか、90年代のビッグビート、Fatboy Slimとか、そういう人たちも連想して。最近はレイヴとかドラムンベースとか、同じ90年代とか2000年代初頭でも、結構アッパーなビートの曲が流行りな気がするんですけど、こういうもうちょっと軽快なビートの方が逆に新鮮に聴こえて、すごく良かったですね。



みさと:やっぱりレイヴってすごく解放感があるというか、フェスとかレイヴって、無意識の状態に持っていくことでリミッターを外すという意味合いでは、よくその真意が伝わってくるというか、ビートもトラックも没入感があるような、ダンスミュージックなんだけどループ感もあって、〈解放=無意識の状態〉ってところにプラス"陽"のエッセンスがすごく交わっていて 明るい気持ちで解放感を迎える1曲でした。そんなパート1からどうしましょう?

金子Gialloの新曲を紹介しようと思います。

みさと:今回、EPリリースです。おめでとうございます。

金子:最近のGialloいいんですよね。今回、4曲入りのEPで、全曲映画のタイトルを由来とした曲が集まっていると。「アンダーロード」は「狂い咲きサンダーロード」という80年代の日本の暴走族の映画が由来だったりするんですけど、この曲に対するコメントで"今のままではいけないと感じさせられる経験をしたことから私たちは変化を求めた。よりソリッドに、よりヒリヒリとしつつ、より青臭くなる必要があると感じた。その衝動に身を任せ、12の新曲を書き下ろし、その中からもっとも『変身』にふさわしいものとして、この曲を選出した"とあって。まさにこの感じがすごく楽曲に反映されてて、言葉を変えるとすごくフレッシュに聴こえるんですよね。今までのGialloが持っている、いい意味でのアンダーグラウンド感だったり、インディ感というのもちゃんとあった上で、より広くに届きそうな楽曲にもなっている印象を受けて、個人的にはすごく良かったですね。



みさと:私、映画を観た後に考察動画を見るのが好きで、最近すごく考察動画多いじゃないですか。すごく令和にフィットしている着眼点だなと思っていて、一つの作品に対してGialloがその作品に対してのアンサーソングじゃないですけど、どういうふうに捉えているのかっていうことを音楽として体感できるのは面白いなと思いますし、"変身"ってすごく人間臭い単語でもあるのかなと思うと、その人間模様の中からどういうふうに人間が再生したり、人生の中での苦難に立ち向かったときにまた一つ次のシーンに行くかっていうのは、すごくフィットしている作品選びであり、タイトルであり、楽曲だなと感じました。

金子:なぜGialloが怪人に変身せざるを得なかったかの考察もできそうですよね(笑)。

New Release Digest Part 2


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェスト、パート2でした。リリースおめでとうございます。一応はじめましてさんです。The ティバREIMEI SESSIONです。

金子:Studio REIMEIでのセッションシリーズが定期的に音源でもリリースされていて、彼女たちのリリースはFRIENDSHIP.的には初めて。改めて紹介すると、2018年に結成された二人組ですね。ボーカル・ギターとドラムでかっこいいバンドサウンドを鳴らしていて、普段のライブとか、今回のREIMEI SESSIONでもサポートのベースが入っているので、音自体は3ピース。このギターの歪みの音を聴いただけでも、REIMEI SESSIONだなあという感じがします。やっぱりREIMEIの音には記名性がすごくあって、それに似合うかっこいいボーカルであり、ビートでありというところも伝わってくる作品だなと。



みさと:ライブ音源で聴かせてもらえると、彼女たちの魅力がすごく伝わってくるなと思っていて。2018年に結成されて、次の年に「出れんの!?サマソニ!?」に出られていたり、ライブで観たい演奏をするという印象があるんですけど、2ピースとは思えないぐらいのどっしりさというか、それがStudio REIMEIでのセッションによってさらに伝わってくる、音源化するのってすごく難しいところではあると思うんですけど、そこがダイレクトにちゃんと伝わってくる楽曲になってたかと思います。 続いて、オートコードがEPをリリースです。



金子:こちらは夏をテーマにしたEPということで、まさに今の時期に聴きたい作品ですね。前に出した「ライフイズサンダー」を聴いたときは、90年代ロック、オルタナな感じだったんですけど、今回の「hoop」は一転してすごくフォーキーな曲になっていて。京都出身なんでね、やっぱり、くるりを連想したり、フジファブリックを連想したり、日本的な情緒を感じました。夏の描き方でも、「ライフイズサンダー」は爽快感だったけど、こっちは夏の情緒、郷愁みたいなものを感じさせてくれる曲でしたね。



みさと:歌い出しで〈夏が来れば思い出す〉を引用されていて、メロも似たような形で使われているんですけど、やっぱりこの一文だけで共通の夏の思い出を共有できる魔法がある。そのパワーワードをちゃんと活かして、負けないほどの全体のバランスになっているのが彼らの持ち味で、魅力でもあるし、夏の郷愁みたいなところ、日本人のDNAに自然とすり込まれているものの共通項を味わえる、いい夏ソングになっています。そんなパート2から、はじめましてですね。なんと、PEDROがリリースです。

金子:元BiSHのメンバー、アユニ・Dによるバンドプロジェクトですね。FRIENDSHIP.的には、前にDENIMSの曲にボーカルで参加していたことがあったりはしたんですけど、PEDRO名義でリリースするのは初めてと。

みさと:すごいことです。



金子:今回の曲は「1999」というタイトル。ある種の原点回帰、自分のアイデンティティをもう一度打ち出すという1曲になっていて、サウンドプロデュースがthe telephonesの石毛くん。石毛くんらしいカラフルでダンサブルなサウンドなんだけど、その曲調である種シリアスなテーマを表現するところにPEDROらしさが生まれているように感じました。

みさと:恥ずかしいくらい赤裸々な1曲だなと思っていて。コンセプトやブランディングの中で生きてきた彼女の本音、本心を聴かせてくれるような、人間、バンドマンとしての生々しさがこもっていて、今までがいいとか悪いとかじゃなく、今作すごく好きですね。BiSHの中でもギャップが一番ある方で、ミステリアスなイメージがありましたけど、その内側に込められている情熱というか、葛藤も含めた彼女の気持ちを、そして、その先の未来にどう向かっていきたいのかを味わっていただければと思います。

New Release Digest Part 3


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェスト、パート3でした。リリースおめでとうございます。はじめましてさんです、SYAYOS

金子:このバンドは2024年7月結成、長野県伊那市を拠点に活動中。去年11月に初めてのシングル「テレスコープ」をデジタルリリースして、今回はアルバムと。これはすごく面白かったですね。歌の感じとかはカネコアヤノさんの影響を感じさせる部分もありつつ、でもサウンドは最近のオルタナなバンドともまたちょっと違って、結構ビッグな、スケールのでかいサイケ・サウンドを鳴らしてて、アートワークもちょっとプログレっぽかったり、最近出てきている若手の中でもちょっと見てるところが違う感じがして。あと今回フィジカルのリリースもあって、楽曲データのダウンロードコードに加えて、楽曲ごとのアートワークと歌詞カードを封入したディスプレイ可能なリリックカードボックスとして出すということで、こういうアート的な目線も持っていたり、気になる存在ですね。



みさと:気になりますね。何かに形容しづらいし、誰かとも比べづらいし、1年とは思えないパッケージ力というか、ブランディングも含めて気になる存在だなというのも思います。エモーショナルなボーカルにリヴァーブがかかっているのに、ベースとドラムの重たさがあるので、エモいの一言では表現しちゃいけないなって思わせるようなそのサウンド感がとても好きです。気になっています。今回アルバムリリースなので、他の曲も聴いてみてください。続いて、YAJICO GIRLの別プロジェクト、YJC LAB.の2作目が出ています。



金子:YJC LAB.として活発に活動を続けていて、このオンエア日の前日、8月15日には自主企画「Nights. Vol.1」を開催してるんですけど、ちなみに僕この番組で「YJC LAB.とT.M.Pが一緒にやったら面白いんじゃない?」って話をしてたんですけど、今回それが実現しまして。

みさと:厚武氏のブッキングマジックがすごい!

金子:時間よじれてるけど、たぶん観に行ってると思います。

みさと:それはポッドキャストでいつか話すのかな?

金子:いずれできたらなと思います。今回の曲もYAJICO GIRLの過去曲を今のYJC LAB.の形式でリアレンジしていて、それこそT.M.Pのハイパーポップ的な感じとも通じるし、原曲がスローだからこそ、こういうジャングルみたいなビートに合わせると、より新鮮味があったりして、この調子でどんどんやっていってほしいですね。

みさと:「街の中で」は総再生回数250万回を超える、バンドの代表曲のひとつとも言われていて。原曲のゆったりさと、歌詞の世界観がすごくセンチメンタルで、かなり内省的に、感傷的になれる楽曲ではあるんですけど、倍のBPMになると、歌詞の捉え方がちょっと変わってくるなっていうのも、やっぱり音楽の自由さというか、進化というか。こういう捉え方の変幻自在さっていうのが、YJC LAB.の中で今後も実験的に行われていくんだなと思うと、ワクワクします。そんなパート3からどうしましょう?

金子Tyrkouazの新曲を紹介したいと思います。



みさと:M・E・I・Qで、「メイキュー」です。

金子:Tyrkouazは昨日8月15日、「SONIC MANIA」にオープニングアクトとして出ていて、しかも2年連続なんですよね。やっぱりTyrkouazは今のダンス・ミュージックだったり、それをバンドでやるっていう、ある種のトレンドにもばっちりハマってる。今回の曲を聴くと、それこそYJC LAB.の次の対バン相手はTyrkouazでいいんじゃない?とか思っちゃったりもして。

みさと:続きそうだもんね、YJC LAB.のイベント。

金子:今年の「SONIC MANIA」はTHE PRODIGYが出たり、今BOOM BOOM SATELLITESの曲もやってるTHE SPELL BOUNDが出たりしていて、やっぱりTyrkouazはそういう人たちと相性がいいんですよね。いわゆるデジロックと呼ばれていたような時代のサウンド感を、Tyrkouazが更新して今に鳴らしてる。きっと今回の曲もね、「SONIC MANIA」でもやってると思うので、どんな反応があったのか気になります。

みさと:これ、ド深夜最高ですね。 ビートはかっちりハードなのに、テーマへの視点にすごく自由さがあるというか、ライナーノーツで"この曲はとある特定の対象にとても強い興味・関心を抱き、それに翻弄される様を歌ったハードベースチューン"というふうにいただいてます。「特定の対象」はライバルだったり、恋愛対象とも取れるし、人ではなく出来事かもしれないっていう、その余白・自由さがすごく面白いなと。バトルシーンにもハマるし、狂気的に相手に心酔してるようにも感じられる余白があって、リスナーを選ばないっていうのも、そういったフェスに登場しても全ての人を心酔させるような、そんな可能性がある一曲だったかと思います。

番組の後半はgrating hunnyがゲストで登場!



RADIO INFORMATION

FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」

fmgfukuoka_curatedhour_logo_ok_2204.jpg FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55 放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)



NEW Releases FRIENDSHIP.
FM福岡で毎週水曜日の26:00~26:55まで放送中のラジオプログラム「Curated Hour〜FRIENDSHIP. RADIO」のアフタートーク、番組の中で紹介しきれなかったタイトルを紹介。

DJの奥宮みさと、音楽ライターの金子厚武の2人でデジタル音楽ディストリビューション・プロモーション・サービスのFRIENDSHIP.から配信される新譜を中心に紹介するプログラム。



番組MC

kanekoatsutake_20210528.jpg金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
1697255226457.jpg奥宮みさと
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。 TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。 安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10

LINK
FM福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」 FRIENDSHIP.

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