SENSA

2025.04.13

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!bed・Highvvater・Charlotte is Mineほか全19作品 -2025.4.12-

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!bed・Highvvater・Charlotte is Mineほか全19作品 -2025.4.12-

カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。 キュレーターの金子厚武とナビゲーターの奥宮みさとによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!

New Release Digest Part 1


みさと:4月7日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜全19作品の中からPart-1、ダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます。今週は19作品とちょっと少なめではあるのですが、変わらずリリースしてくれているのがShimon Hoshinoさん!

金子:Part-1の後半3曲が全てShimonさん関連の楽曲ということで。Shimon Hoshino、hario islandatticと変わらずリリースが続いていて。

みさと:癒し。

金子:Shimon Hoshino名義に関しては先月でmisty waveシリーズが一段落して、今回からまた新たなコンセプトがスタート。坂本龍一さんのアルバム『12』から着想を得た、新しいサーフプロジェクトで、日記のようにその日のサーフィンでの気持ちを素直にアートと楽曲で表現して、その日付がそのままタイトルになっていると。『12』というアルバムも坂本龍一さんが闘病中、一時帰宅中に日記を書くようにスケッチ、録音をしたという作品なので、それに倣っているということですね。タイトルが日付だからこそ、聴き手が自由にイマジネーションを広げられる楽曲になっていました。



みさと:先月、ちょうど坂本龍一さんの個展に行ってきたんですけど、アートを商業的なものにも昇華することができる坂本さんが、実験的にアートに振り切って、時間であったり、可視化できる音作りへの探求がすごいまとまっていた個展だったので、そこに通じるような作品だなというのは感じました。

金子:まさに波の光景、サーフィンをしてる光景が浮かびますよね。

みさと:misty waveシリーズのサーフィンをしながらの光景とそこで聴いてほしいというコンセプトよりも、実験的な音質になっているのかなと思うとまさにだなと。hario islandは「jumoku」、atticは「déjà vu」。atticは中学生のときに作曲したピアノソナタだそうで、そんな背景も見えますのでぜひ聴き比べてみてほしいです。そして、EASTOKLAB



金子:今年最初のリリースになりますね。去年の11月に『Your Morrow』というミニアルバムが出ていて、それはレコーディング、ミックス、マスタリングまで自分たちでやっちゃうという、新たな始まりを刻んだ作品だったんですけど、(今作は)そこからまた新たなタームに入った1曲。地元の(愛知県)一宮市にレコーディングスタジオができて、そこで録ったみたいなんですよね。それは彼らにとっては非常に意味のあることだと思うし、「アルゴ座」から取った「Argo」というタイトルの曲で、空に広がる星を連想させるようなダイナミックな音像になっていて、静と動のコントラストが非常に印象的。特に動の部分のライトハンドなのかな、ギターの音が星のきらめきのようにグワーっと入ってくる瞬間が非常に映像的で、録音芸術としても素晴らしいなと思いました。

みさと:今までの楽曲も聴かせてもらってきましたけど、一皮剥けた感じがありますよね。自分たちのルーツの1つである場所で今の自分たちとして帰ってくると、こんなに景色が変わって見えるんだとか、聴こえてくる音も変わってくるんだとか、そして作る形が変わってくるんだと、いろんな発見があった作品なんじゃないかなと思うと、"ネクストステージに行きました"という感覚になれる楽曲だったと思います。そんなPart-1からどうしましょう?

金子bedの新曲を紹介しようと思います。



みさと:もうかっこよくて毎回笑ってしまいます。

金子:bedはリリースはひさしぶりではあるんですけど、今すごくいい感じなんですよね。

みさと:いい感じですよね(笑)。

金子:最近は特に海外勢との共演が増えていて、去年の年末にはサウスロンドンのFat Dogのオープニングアクトを務めていたり、先日はLAのSextileというバンドとも共演していたり、Fat Dogと共演したタイミングで「So Young Magazine」というイギリスのアンダーグラウンドな面白いシーンを紹介するDIYのメディアでも取り上げられたり。彼らがずっとやってきているトランス〜レイヴみたいな感覚は日本だけじゃなくて、グローバルなトレンドでもあるので、やっぱり海外でも共振する人たちがいて、そこに発見されてきているというのが今のbed。さらに言うと、今回の曲に関してはFODで配信中のドラマ『HEART ATTACK』のオープニング楽曲として「Kare Wa」がピックアップされたことを受けてのリリース。アンダーグラウンドな盛り上がりともシンクロしてるし、その一方で、ドラマを手掛けた丸山健志監督が構想当初よりこの曲で幕開けをしたいと思ってピックアップしているということで。

みさと:丸山監督も変態だなぁ(笑)。

金子:日本のクリエイターがピックアップするような状況にもなってきてる。そして、今回リリースされるのは「Kare Wa 3.0」で徐々にバージョンを上げてきていて、こういう試み自体も楽しい。いやあ、bed、面白くなってきてますね。

みさと:最初のブランディングから素晴らしい!構築された自分たちの美意識というものからスタートしていて、1回もブレていない、この姿勢はなかなかやっぱり難しいですよね。日本の音楽シーンの中で、いいお誘いがあったら、出てみようよと言いたくなったり、揺れる気持ちがあって当たり前なんですけど、当初から一貫してブレない自分たちの見据える先が見えていたからこその今の着地点だなと感じているので、これからも何にも惑わされずに自分たちの美とアートを追求していく、その背中を追いかけていきたいバンドです。

New Release Digest Part 2


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-2でした。リリースおめでとうございます。SPIIICAがアルバムリリース。おめでとうございます。

金子:おめでとうございます。ついにファーストアルバムが完成ということで。SPIIICA、かっこいいですね。3人組でミニマルな音楽性が特徴なわけですけど、今回全曲を宅録で制作していると。ミニマルなアプローチで、サイケデリックというと、実際にバンドでスタジオに入って、グルーヴを生み出すみたいなイメージが割とあるかなと思うんですけど、宅録でこの感じが出せるのは今のバンドだなと。
彼女たちはもともと吉祥寺のGOK SOUNDで録音したことがあって、アナログでレコーディングもしていたり、そうやってバンドで出すグルーヴもちゃんとわかった上で、今回は宅録を選んでる。だからこそ出る平熱感のグルーヴがすごく特徴的に出ていて、いいバンドだなと思いました。



みさと:そこから感じられる余白というか。自分自身の記憶をのせる余白であったりとか、この楽曲の中で一番リフレインされる<そんな日もある>、そんな日もあるとはどんな日か、一人一人に想像させられるような余白が楽曲・サウンドの中から感じられました。彼女たちが持つ美意識であり、彼女たちが持つトータルアートが6分という長尺になるんだなと納得の1曲であり、アルバムになっていました。続いて、キンヨウノヨル

金子:キンヨウノヨルはもともと2016年にギター・ボーカルのsayuriさんを中心に結成しているんですが、途中でベースの脱退があって、2020年からは約4年間ベースレスの2ピースバンドとして活動していて、2024年からサポートベースを迎えて3ピース編成で活動。今回の音源はベースが加入後、初めての音源と。
女性ボーカルのオルタナティブなバンドがたくさん増えているという話を(この番組の中でも)よくしている中で、キンヨウノヨルは2016年結成ということを考えると、先駆け的な存在かなと。今回はひさびさにしっかり3ピースになっての録音ということで、やっぱりベースがすごく印象的で、アレンジ的にも非常に幅が出ているし、もともと東日本大震災から10年たった2021年に土台を作っているということで、時間の流れだったり、「春を待つ」というタイトルに表される感覚がサウンドで見事に表現されていて、素晴らしいなと思いました。



みさと:歌詞が「北風」から始まるのですが、ギターリフが春の優しい風のようで、音がすごく日常を表現しているなぁと思いながら、のっかってくるものが後悔であったり、この10年で何が起こってきたのか想像できる、そして共感できるような世界観になっていました。それぞれの春を想像しながら聴ける曲だと思います。そんなPart-2からどうしましょう?

金子Highvvaterの新曲を紹介しようと思います。

みさと:もう「Gallagher」だったね!



金子:Highvvaterは個人的に推しなので、今回も紹介させてもらおうかなと思います。去年の8月に『my band』というEPが出てて、それ以来のリリース。3月にベーシストが脱退しちゃったんですけど、現在はサポートを入れながら活動していると。タイトルが先ほどおっしゃったように「Gallagher」ということで、もちろんリアム・ギャラガー、ノエル・ギャラガー、Oasisの兄弟がモチーフになってるんですけど、ご本人のコメントが"自信と悪態に満ちたギャラガー兄弟にも、どこか寂しい佇まいがあるように、誰しもが痛みを抱えて生きていると思います"という書き出しで始まっていて、確かに(ギャラガー兄弟は)自信と悪態の兄弟というイメージだけど、そこから感じる寂しさに着目している、その目の付け所が素敵だなと思ったし。

みさと:素敵、好き。

金子:HighvvaterはEPを紹介したときも、初期のRadioheadに通じる感覚という話をしたと思うんですけど、やっぱりUKの香りがすごくして、UKロック独特のメランコリーみたいな感覚が常にあるのがこのバンドのすごく好きなところで、その中で非常にダイナミックなアレンジもあり、かっこよかった。歌詞でいうと、Oasisの「Don't Look Back in Anger」から引用してきて、それを日本詞に落とし込んでるのも面白いし、これも前にも言ったけど、SUPERCARとかにも通じる感覚がある。SUPERCAR自体ももともとはOasisとかに影響されて出てきているバンドだったりするから、そういうリンクも改めて感じたりして、やっぱり好きですね。

みさと:鈍器で殴られたようなインパクトのあるイントロからの歌い出しの緩急。

金子:ド頭が印象的ですよね。

みさと:すごくかっこいい。全体的にそういった緩急も味わえる楽曲だし、このバンドにとっての核というか、指針のような一曲なんじゃないかなと思って聴かせてもらいました。

New Release Digest Part 3


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-3でした。リリースおめでとうございます。はじめましてさんです。JINGRANG

金子:彼らはもともとFRIENDSHIP.からもリリースしている「木(KI)」のキーボードのオヤイヅカナルさんとギターの齋藤聖悟さんの2人で、今年から始動したプロジェクト。

みさと:かっこいい。



金子:自主レーベル「Fructasia(フラクタシア)」を立ち上げて、オリジナル楽曲の制作、アーティストプロデュース、コラボレーション、楽曲提供など幅広く行っていると。本当にかっこいい曲で、まず印象的なのがビート。キーボードとギターの2人、つまりドラマーがいないからこその自由度の高いトラックメイキングは1つあるかなという感じがする。そこにラップともメロともどちらとも言えるような、クールなボーカルが乗ることによって、さらにかっこよさを増していて。〈きみときみときみときみと ぜんぶ まざるかな どうだろうなあ〉というリリックも印象的で、"細分化"とか"分断"みたいな言葉がどうしても言われがちな昨今、国籍、年代、ジャンルもすべて混ぜることができるのがやっぱり音楽の良さだと思うから、この「Harmonies」というタイトルはまさにそれを表していて、非常にかっこよかったですね。

みさと:グローバル視点のリリックではあるのに、ユーモアも混ざってるところが説教臭くなくて、すごくフィットしやすいなと思いました。使っている言葉の数自体はかなり少ないんだけど、トラックもループしているので印象として、情報量は少ないはずなのに、単語の選び方とか、テーマの深さとか、フックになるエフェクトの使い方とか。まぁ癖が強い、すごくいい曲でしたね。大好き。そんなJINGRANGがプロデュースしている、KIKKIもはじめましてさんです。



金子:(JINGRANGが)早速アーティストプロデュースをしているということで、同時リリースになっています。JINGRANGが楽曲を制作し、さらにはクリエイティブ集団「ZENMA」がアートワークを手掛けていて、プロジェクト的な感じ。KIKKI自体はアーティスト写真もCGで、VTuberとしての活動も視野に入れているということで、そこも非常に現代的ですよね。VTuberのシーンも本当に今、多角的になっていて、音楽的にもかっこいいVTuberが増えている中、KIKKIはグローバルのシーンとも並列するような、かっこいいクラブミュージックになっていたし、その中にKIKKIの可愛らしい声がのることによって、J-POP感も出ているし、ここからどう発展していくのか楽しみですね。

みさと:VTuberの世界観的には可愛いんだけど、色気もあって、小悪魔的というポストは多くないので、すごくいいスキマ産業を狙っていると思います(笑)。クオリティが高く、ビジュアル的にも日本のVTuberさんとはちょっと違った質感じゃないですか。そのオリジナリティというのがトータルのアートワークとしても素晴らしい、完成度の高いものになってるので、これは楽しみですね。さあ、そんなPart-3からどうしましょう?

金子Charlotte is Mineの新曲を紹介しようと思います。

みさと:5年ぶりのEPです。おめでとうございます!



金子:今回の作品はコメントによると、"これまで楽曲制作は映画からのインスピレーションであったり、映画をコンセプトとして制作することがほとんどでしたが、自身が30歳に差し掛かるタイミングで人生について考えることが増え、今回は自分にフォーカスし、人生についての作品を作ってみようと思った"と。それで人生を夜間飛行に例えて、"Night Flight"と"Life is Yours"をコンセプトに制作したということで。ちょっと前に、楓幸枝さんの「物語が始まる」を紹介したときに、彼女もこれまでは漫画や小説からインスピレーションを得ていたけど、今回は自分のことを物語にした、という話があったと思うんですけど、それを思い出したりもしました。
で、このコメントを読むと、おそらく(リード曲の)タイトルの「1992」というのは、ご自身の生まれ年なのかなと。違ったらごめんなさいだけど、Taylor Swiftのアルバム『1989』しかり、そういう(生まれ年をタイトルにした)作品は自分にとって大事な作品になるだろうし、それを80年代のシンセポップ的な、Taylor SwiftというよりはJapanese Breakfastとか、そういう人にも通じるようなサウンド感で表しているというのは、非常にCharlotte is Mineらしい、彼女にとって意味のある作品になったんじゃないかなと思います。

みさと:1992年生まれだと、今年で何歳か...と計算できると思うんですが、それぐらいの歳が私も一番辛かったなと思うんですよ。そう思うと、(当時は)まさに夜間飛行的な、"今どこ飛んでるの?これ進んでるの?"みたいな感覚になっていた。でも、着陸体制に入ると、"あっ、街がこんなにキラキラ光ってる!"みたいな、その喜びだったり、"あっ!前に進んでたんじゃん!"みたいに思う瞬間はあったなぁ。素晴らしいタイトル、コンセプトだなと思って、同じぐらいの年代の方たちが性別を超えて共感できる作品になったんじゃないかと思います。

番組の後半はJun Izawaがゲストで登場!



RADIO INFORMATION

FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」

fmgfukuoka_curatedhour_logo_ok_2204.jpg FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55 放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)



NEW Releases FRIENDSHIP.
FM福岡で毎週水曜日の26:00~26:55まで放送中のラジオプログラム「Curated Hour〜FRIENDSHIP. RADIO」のアフタートーク、番組の中で紹介しきれなかったタイトルを紹介。

DJの奥宮みさと、音楽ライターの金子厚武の2人でデジタル音楽ディストリビューション・プロモーション・サービスのFRIENDSHIP.から配信される新譜を中心に紹介するプログラム。



番組MC

kanekoatsutake_20210528.jpg金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
1697255226457.jpg奥宮みさと
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。 TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。 安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10

LINK
FM福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」 FRIENDSHIP.

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