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2025.04.09
YOURNESSが2025年大阪・BIGCAT(3月28日)、東京・日本橋三井ホール(4月5日)にワンマンライブ「Evanescent」を開催した。
タイトルの「Evanescent」は"短時間で消え去る、儚い、一瞬の"という意味。今回のライブに対してメンバーは、「そんな時間が止まらず進んでいく様子やどうしても止められない切なさを人々は感じ、その美しい瞬間を捕まえようとする。しかし、時間は常に流れ続け、私たちの手からこぼれ落ちていく、その一瞬をLiveの中で感じ取って欲しい」という思いを込めていたという。東京公演で4人は、その言葉通り、儚くも美しい"音楽という名の瞬間"を描き出してみせた。

登場SEは、グラインドコア系のトラックと流麗なピアノが溶け合うインスト曲。"近未来の工場"と称したくなるステージセットの真ん中に設置されたモニターには、YOURNESSの定期公演「Breathing」のキービジュアルのキャラクターを主人公にした映像が映し出され、まるで映画のオープニングのような雰囲気だ。
そしてメンバーの黒川侑司(Vo,G)、古閑翔平(G, Programming)、田中雄大(B)、小野貴寛(Dr)が登場。1曲目の「Blur」(配信シングル/2022年)を放つ。緻密に構築されたバンドサウンドが生き生きと躍動し、〈狂いだした 境界線は/波に飲みこまれ 消えてく感情〉というラインが広がっていく。
2曲目は、新曲「微香性の記憶」。鋭さと美しさを兼ね備えたこの曲は、YOURNESSの最新の音楽的モードを明確に示していた。速いビートのなかで4人の音と声がスリリングに絡み合うアレンジも素晴らしい。
重厚な手触りのビートと壮大なシンセを軸にした"つなぎ"を挟み、「Present Day」へ。VTuber・常闇トワへの提供曲のセルフカバーだが、しなやかなヘビィネスと評すべきバンドサウンド、強いエモーションを含ませたボーカルを含め、完全にYOURNESSの楽曲へと変貌させていた。ストリングスの音色とともに〈「ここだよ」響かせて〉というラインが放たれる瞬間は、ライブ前半のハイライトだったと思う。




「ワンマンライブ"Evanescent"に遊びに来てくれてありがとう。今回は新曲もめちゃくちゃ持ってきたし、ちゃんと懐かしい曲もやるから。楽しみにしていてください」(黒川)というMCを挟んで届けられたのは「虹の形」(1stミニアルバム「Ctrl+Z」/2018年)。心地よい疾走感をたたえたビート、煌びやかなギターフレーズを軸にしたこの曲は、YOURNESSの初期の代表曲。リリースから約7年が経っているが、その鋭利な瑞々しさはまったく色褪せていない。
この後も、様々な時期の楽曲が披露された。パーカッシブなドラムを軸にした"つなぎ"から始まったのは、坂本真綾への提供曲のセルフカバー「躍動」(1stアルバム「6 case」/2021年)。スクリーンにはリリックビデオ風の映像が映され、高揚感に溢れたサウンドによって観客の心と身体を強く揺さぶる。さらにクラシカルなピアノの音色に導かれた「ES(Re arrange)」(2nd EP「ES」/2019年)。そして、3月26日にリリースされたばかりの「天泣」(配信シングル/2025年)へ。「天泣」(てんきゅう)とは、晴れわたった空から降ってくる雨、または雨雲が移動したり風で雨が運ばれてくる状況を指す言葉。そのイメージをまとったこの曲は、夢をあきらめてしまった人、自分自身の歩いていく未来が見えなくなった人が、時間を重ねていく中で、後悔や自分自身と向き合っていく様をテーマに制作された楽曲だという。儚くも美しい旋律と繊細な感情の揺れを極上のアッパーチューンに結び付けた「天泣」はYOURNESSの新たなアンセムとして認知されることになりそうだ。

2度目のMCで黒川は、桜の美しさについて話したあと、今回のライブに込めた想いを改めて説明した。
「「Evanescent」は"つかの間""一瞬の"という意味。ライブをやれるのは当たり前のことではないし、尊いものだと思うんです。その一瞬一瞬を僕らは彩りたい、そんな手助けをしたい。あなたたちの人生の一部を彩れたらいいなと」
「だいぶライブでやってなかった曲があって。大好きな曲です」(黒川)と紹介されたのは「夜中に」(Re arrange/1st EP「Shift」/2018年)。〈夜中になれば/明かりは灯っている〉というフレーズを手渡すように歌う黒川の姿は、観客一人ひとりの記憶にしっかりと刻まれたはずだ。


ここからはYOURNESSのキャリアを代表する楽曲が次々と演奏された。叶わないとわかっていてもどうしても溢れてしまう愛の行方を描いた「ヘリオトロープ」(1stアルバム「6 case」)。〈水槽の中なら まだ少しは/深い呼吸ができる〉からはじまる「日照雨」(1stアルバム「6 case」)では、透明感のある青のライトが会場を包み込み、まるで水槽のなかにいるような感覚に導かれた。新曲の「神様に怒られてしまおう」も強く心に残った。シンプルに研ぎ澄まされたバンドサウンド、力強いファルセットを交えたボーカルが響き合うこの曲もまた、"この瞬間の美しさを掴みたい"という想いを込めた今回のライブのテーマに結び付いていたと思う。


「もっとライブできたらいいね。まだまだたくさんできることがあるし、みんなをビックリさせるような音楽を持っているので、これからも楽しませていきたいです」(黒川)とオーディエンスに伝え、ライブはクライマックスへ。ステージセットの後ろに幕が下ろされ、そこに実写による映像が投影される。映画や舞台を観ているようなイメージから現実へと引き戻されるような演出とともに放たれたのは、代表曲「「私の最後の日」」(1stアルバム「6 case」)。深遠なメロディと命の尊さを感じさせる歌詞が大らかに響き、豊かな感動へと結びつく。
さらに〈ねぇ どうしたら/笑って昨日を唄ってられるのでしょうか〉という切実なフレーズが刻まれた「籠の中に鳥」(1stアルバム「6 case」)、いつかは終わる命だからこそ、"あなた"に歌を届けたいと願う「命の容量」(2ndミニアルバム「Ⅶ」/2024年)を披露。4人の音、声、音が美しく共鳴し、この場所、このときだけのかけがえのない音楽が生み出された。

鳴り止まない手拍子に導かれ、まずは田中、小野がステージへ、グッズ紹介のコーナーで朗らかで楽しいムードを生み出す。そして黒川、古閑も登場。古関が「しゃべります!」とライブを振り返った。
「今日は来てくれてありがとうございました。新曲が増えて、セットリストを組むのが大変なんですよ。定期公演(Breathing)を2か月に1回やってるんですけど、毎回新曲をやるって言っちゃったので、ずっと作ってて。でも、すごく楽しいんですよ。より一体感が増したYOURNESSになっていると思います。今回のライブでは、楽曲の"つなぎ"をベースの田中くんが作ってくれて。曲は僕が作らせてもらってるんですけど、今はメンバーが"これやりたい"って言ってくれて、すごく感謝です。入場のSEは僕が作りました!」
黒川が「来てくれたみなさん、ライブを準備してくれたスタッフのみなさんに感謝。それだけです」と付け加えた後、「お気に入りの曲をやるぜ」と「100㎡の中で」(1stミニアルバム「Ctrl+Z」)を演奏。さらなる新曲を挟み、ライブアンセムの一つである「pop」(1stミニアルバム「Ctrl+Z」)を放ち、心地よい一体感を生み出した。
代表曲、人気曲、新曲を織り交ぜながら、YOURNESSの"今"をダイレクトに示したライブ「Evanescent」。そこから伝わってきたのは、4人の音楽世界がさらに深く、さらに幅広く拡張しているという事実だ。4月16日、6月16日、8月16日に行われる定期公演「Breathing」にもぜひ期待してほしい。

文:森朋之
撮影:佐藤広理

YOURNESS「天泣」
2025年3月26日(水)
Format:Digital
Track:
1.天泣
試聴はこちら
2025年4月16日(水)
東京・SHIBUYA PLEASURE PLEASURE
OPEN:18:15 / START:19:00
「Breathing #5」
2025年6月16日(月)
東京・SHIBUYA PLEASURE PLEASURE
OPEN:18:15 / START:19:00
「Breathing #6」
2025年8月16日(土)
東京・SHIBUYA PLEASURE PLEASURE
OPEN:17:15 / START:18:00
<チケット詳細>
全席指定:\5,500(税込)
※別途ドリンク代必要
※未就学児入場不可
[Breathing #4 一般発売中]
・イープラス:https://eplus.jp/yourness-breathing/
・チケットぴあ:https://w.pia.jp/t/yourness-ap/
・ローソン:https://l-tike.com/yourness/
・インバウンド(イープラス):https://eplus.tickets/yourness-breathing/
入会ページURL https://fanicon.net/fancommunities/4762
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タイトルの「Evanescent」は"短時間で消え去る、儚い、一瞬の"という意味。今回のライブに対してメンバーは、「そんな時間が止まらず進んでいく様子やどうしても止められない切なさを人々は感じ、その美しい瞬間を捕まえようとする。しかし、時間は常に流れ続け、私たちの手からこぼれ落ちていく、その一瞬をLiveの中で感じ取って欲しい」という思いを込めていたという。東京公演で4人は、その言葉通り、儚くも美しい"音楽という名の瞬間"を描き出してみせた。

登場SEは、グラインドコア系のトラックと流麗なピアノが溶け合うインスト曲。"近未来の工場"と称したくなるステージセットの真ん中に設置されたモニターには、YOURNESSの定期公演「Breathing」のキービジュアルのキャラクターを主人公にした映像が映し出され、まるで映画のオープニングのような雰囲気だ。
そしてメンバーの黒川侑司(Vo,G)、古閑翔平(G, Programming)、田中雄大(B)、小野貴寛(Dr)が登場。1曲目の「Blur」(配信シングル/2022年)を放つ。緻密に構築されたバンドサウンドが生き生きと躍動し、〈狂いだした 境界線は/波に飲みこまれ 消えてく感情〉というラインが広がっていく。
2曲目は、新曲「微香性の記憶」。鋭さと美しさを兼ね備えたこの曲は、YOURNESSの最新の音楽的モードを明確に示していた。速いビートのなかで4人の音と声がスリリングに絡み合うアレンジも素晴らしい。
重厚な手触りのビートと壮大なシンセを軸にした"つなぎ"を挟み、「Present Day」へ。VTuber・常闇トワへの提供曲のセルフカバーだが、しなやかなヘビィネスと評すべきバンドサウンド、強いエモーションを含ませたボーカルを含め、完全にYOURNESSの楽曲へと変貌させていた。ストリングスの音色とともに〈「ここだよ」響かせて〉というラインが放たれる瞬間は、ライブ前半のハイライトだったと思う。




「ワンマンライブ"Evanescent"に遊びに来てくれてありがとう。今回は新曲もめちゃくちゃ持ってきたし、ちゃんと懐かしい曲もやるから。楽しみにしていてください」(黒川)というMCを挟んで届けられたのは「虹の形」(1stミニアルバム「Ctrl+Z」/2018年)。心地よい疾走感をたたえたビート、煌びやかなギターフレーズを軸にしたこの曲は、YOURNESSの初期の代表曲。リリースから約7年が経っているが、その鋭利な瑞々しさはまったく色褪せていない。
この後も、様々な時期の楽曲が披露された。パーカッシブなドラムを軸にした"つなぎ"から始まったのは、坂本真綾への提供曲のセルフカバー「躍動」(1stアルバム「6 case」/2021年)。スクリーンにはリリックビデオ風の映像が映され、高揚感に溢れたサウンドによって観客の心と身体を強く揺さぶる。さらにクラシカルなピアノの音色に導かれた「ES(Re arrange)」(2nd EP「ES」/2019年)。そして、3月26日にリリースされたばかりの「天泣」(配信シングル/2025年)へ。「天泣」(てんきゅう)とは、晴れわたった空から降ってくる雨、または雨雲が移動したり風で雨が運ばれてくる状況を指す言葉。そのイメージをまとったこの曲は、夢をあきらめてしまった人、自分自身の歩いていく未来が見えなくなった人が、時間を重ねていく中で、後悔や自分自身と向き合っていく様をテーマに制作された楽曲だという。儚くも美しい旋律と繊細な感情の揺れを極上のアッパーチューンに結び付けた「天泣」はYOURNESSの新たなアンセムとして認知されることになりそうだ。

2度目のMCで黒川は、桜の美しさについて話したあと、今回のライブに込めた想いを改めて説明した。
「「Evanescent」は"つかの間""一瞬の"という意味。ライブをやれるのは当たり前のことではないし、尊いものだと思うんです。その一瞬一瞬を僕らは彩りたい、そんな手助けをしたい。あなたたちの人生の一部を彩れたらいいなと」
「だいぶライブでやってなかった曲があって。大好きな曲です」(黒川)と紹介されたのは「夜中に」(Re arrange/1st EP「Shift」/2018年)。〈夜中になれば/明かりは灯っている〉というフレーズを手渡すように歌う黒川の姿は、観客一人ひとりの記憶にしっかりと刻まれたはずだ。


ここからはYOURNESSのキャリアを代表する楽曲が次々と演奏された。叶わないとわかっていてもどうしても溢れてしまう愛の行方を描いた「ヘリオトロープ」(1stアルバム「6 case」)。〈水槽の中なら まだ少しは/深い呼吸ができる〉からはじまる「日照雨」(1stアルバム「6 case」)では、透明感のある青のライトが会場を包み込み、まるで水槽のなかにいるような感覚に導かれた。新曲の「神様に怒られてしまおう」も強く心に残った。シンプルに研ぎ澄まされたバンドサウンド、力強いファルセットを交えたボーカルが響き合うこの曲もまた、"この瞬間の美しさを掴みたい"という想いを込めた今回のライブのテーマに結び付いていたと思う。


「もっとライブできたらいいね。まだまだたくさんできることがあるし、みんなをビックリさせるような音楽を持っているので、これからも楽しませていきたいです」(黒川)とオーディエンスに伝え、ライブはクライマックスへ。ステージセットの後ろに幕が下ろされ、そこに実写による映像が投影される。映画や舞台を観ているようなイメージから現実へと引き戻されるような演出とともに放たれたのは、代表曲「「私の最後の日」」(1stアルバム「6 case」)。深遠なメロディと命の尊さを感じさせる歌詞が大らかに響き、豊かな感動へと結びつく。
さらに〈ねぇ どうしたら/笑って昨日を唄ってられるのでしょうか〉という切実なフレーズが刻まれた「籠の中に鳥」(1stアルバム「6 case」)、いつかは終わる命だからこそ、"あなた"に歌を届けたいと願う「命の容量」(2ndミニアルバム「Ⅶ」/2024年)を披露。4人の音、声、音が美しく共鳴し、この場所、このときだけのかけがえのない音楽が生み出された。

鳴り止まない手拍子に導かれ、まずは田中、小野がステージへ、グッズ紹介のコーナーで朗らかで楽しいムードを生み出す。そして黒川、古閑も登場。古関が「しゃべります!」とライブを振り返った。
「今日は来てくれてありがとうございました。新曲が増えて、セットリストを組むのが大変なんですよ。定期公演(Breathing)を2か月に1回やってるんですけど、毎回新曲をやるって言っちゃったので、ずっと作ってて。でも、すごく楽しいんですよ。より一体感が増したYOURNESSになっていると思います。今回のライブでは、楽曲の"つなぎ"をベースの田中くんが作ってくれて。曲は僕が作らせてもらってるんですけど、今はメンバーが"これやりたい"って言ってくれて、すごく感謝です。入場のSEは僕が作りました!」
黒川が「来てくれたみなさん、ライブを準備してくれたスタッフのみなさんに感謝。それだけです」と付け加えた後、「お気に入りの曲をやるぜ」と「100㎡の中で」(1stミニアルバム「Ctrl+Z」)を演奏。さらなる新曲を挟み、ライブアンセムの一つである「pop」(1stミニアルバム「Ctrl+Z」)を放ち、心地よい一体感を生み出した。
代表曲、人気曲、新曲を織り交ぜながら、YOURNESSの"今"をダイレクトに示したライブ「Evanescent」。そこから伝わってきたのは、4人の音楽世界がさらに深く、さらに幅広く拡張しているという事実だ。4月16日、6月16日、8月16日に行われる定期公演「Breathing」にもぜひ期待してほしい。

文:森朋之
撮影:佐藤広理
RELEASE INFORMATION

YOURNESS「天泣」
2025年3月26日(水)
Format:Digital
Track:
1.天泣
試聴はこちら
LIVE INFORMATION
定期公演「Breathing」
「Breathing #4」2025年4月16日(水)
東京・SHIBUYA PLEASURE PLEASURE
OPEN:18:15 / START:19:00
「Breathing #5」
2025年6月16日(月)
東京・SHIBUYA PLEASURE PLEASURE
OPEN:18:15 / START:19:00
「Breathing #6」
2025年8月16日(土)
東京・SHIBUYA PLEASURE PLEASURE
OPEN:17:15 / START:18:00
<チケット詳細>
全席指定:\5,500(税込)
※別途ドリンク代必要
※未就学児入場不可
[Breathing #4 一般発売中]
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・ローソン:https://l-tike.com/yourness/
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