SENSA

2025.03.30

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!YOURNESS・Guiba・saccharinほか全26作品 -2025.3.29-

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!YOURNESS・Guiba・saccharinほか全26作品 -2025.3.29-

カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。 キュレーターの金子厚武とナビゲーターの奥宮みさとによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!

New Release Digest Part 1


みさと:3月24日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜、全26作品の中からPart-1をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます!はじめましてさんです。Jurassic Boys

金子:彼らは2016年に大学のサークルで出会ったメンバーで結成されたロックバンド。現在の4人編成になって、今回が再始動の第1弾シングルです。過去を振り返ると、2019年にアルバムが出ていて、NOT WONKを輩出したKiliKiliVillaっていうレーベルから出ていたり、メンバーの中にはMONO NO AWAREのドラマーの柳澤豊くんがいたり、いろいろとトピックもあるバンド。それも納得というか、ロックバンドだからこそ出すことのできるロマンティシズムみたいなものが音からも歌詞からもすごく感じられました。今回ボーカルディレクション、エンジニアがASIAN KUNG-FU GENERATIONのGotchさん(後藤正文)だというのも、ロックバンドに対するロマンみたいなところでの共感があったんだろうなって。



みさと:経歴があるからゆえのこの演奏力なんだなと納得できるアウトプットだと思いますし、Gotchさんが参加しているっていうところもありますが、4人それぞれのバックグラウンドと美意識みたいなものがロマンティシズムとしてアウトプットされてるんだな、と納得の一曲でした。続いて、Kamisadoが今回アルバムです。

金子:ついにアルバムが完成しました。

みさと:おめでとうございます。



金子:Kamisadoはもともと2019年からライブ活動を開始したバンドですけど、現在の2人体制になってついにアルバムが完成と。

みさと:はぁ......おめでとう。

金子:そういう気持ちになりますよね。

みさと:Jurassic Boysも新体制になって再始動とか、バンドを長く続けて、いろんな出来事があった中で、ようやくこのアルバムが完成したということで。2人にとって感慨深い作品になったんじゃないかと思います。

金子:今回は完全にセルフレコーディングで作っていて、タイトルが『Easter』。まさに復活のアルバムであり、Kamisadoらしさが十分に詰まった作品かなと。たぶん前にも言った気がするんですけど、彼らはプロフィール的には「ルーツである1990年代・2000年代の海外・日本を問わずオルタナティブロックの源流に立ち返り」みたいなことも書いてあるんですけど、個人的にはそういうオルタナの文脈を飛び越えるようなポップさを持っているのが魅力的だなと思って。歌声とかメロにちょっとミスチルっぽい感じがあったり、インディーロック版ミスチルみたいな、そういうポピュラリティを感じさせるのが魅力的だなと、改めて思いました。

みさと:そのポップさというのがシンプルな中でも言葉であったり、音が際立っていると捉えることもできるなと思っていて、一つ一つの単語や音、そこに対する5年間というのがしっかり詰まっていて、私たちの胸に届けたいものがちゃんと届けられた、そんなアルバムになっていたんじゃないかなと思います。変わるために変わらないこともあるし、自分たちの喪失感だったり、苦手なこととか失ったものとか、そういったものがあったからこそ生まれたアルバムというところで、前を向くために過去を振り返りながら今を描いた作品なんじゃないかなと思います。味わって聴いていただきたいです。そんなPart-1からどうしましょう?

金子YOURNESSの新曲を紹介しようと思います。

みさと:ユアネスがYOURNESSになってます!

金子:カタカナで"ユアネス"からアルファベットで"YOURNESS"に表記が変わったんですね。

みさと:知らなかった。



金子:海外でも人気が出てきてるから、より伝わりやすいように、みたいなこともあるのかな?リリースとしても1年ぶりでひさしぶりだし、表記も変わって、気持ち的にも"新しくここから始まる"みたいなところはあるのかもしれないですね。実際今回の曲からはこの1年でのアレンジ、プロダクションのパワーアップがしっかり感じられて、コードの選び方にしろ、立体的なミックスにしろ、さらに洗練されてますよね。
でも黒ちゃん(黒川侑司)の歌声、言葉の世界観というのはやっぱりYOURNESSらしさがある。今回「天泣」というタイトルで、天空の天に泣くって書いて、「天泣」。夏の雨を意味する言葉で、晴れ渡った空から降ってくる雨のことを指していて、雨が降ってる、悲しさもある、でも晴れ渡ってる感じもあるという、その両面性があるような感情を上手く楽曲に落とし込んでいる。こういうところもすごくYOURNESSらしいなと思ったり、いい曲でした。

みさと:ボーカルを含めた楽器、すべての演奏力の高さがより感じられて、音像のクリアさが際立っていたと思う。鍵盤とストリングスがすごく効果的で、透明感と品がある一曲にはなっているものの、途中のベースとギターとドラムの破茶滅茶な一瞬あるじゃないですか。やっぱりロックバンドだなって思わせられる、とてもかっこいい、風格も味わえるような一曲だったんじゃないかと思います。

New Release Digest Part 2


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-2でした。リリースおめでとうございます。こちらにもはじめましてさんです。yoursヅ

金子:yoursにカタカナのヅ。笑ってる顔に見えるカタカナのヅをくっつけてyoursヅと。2024年1月に本格始動ということなので、まだ1年ぐらいのバンドなんですけど、曲のタイトルが「かわいいは沼」で、男の子のバンドだけど女の子目線の歌詞で"かわいい"を歌うというのは面白いなと思うし、歌詞にTikTokっていう言葉が出てきたりもしてて、まさにTikTokの時代に出てくるべくして出てきたバンドなのかなという感じがしました。



みさと:本当にそうですね。〈顔がいいから許しちゃう〉とか、チョロい!とか思いながらもすごくリアルで(笑)。〈高めのマツエクに行ってみたんだよね 気づいて!〉って男性ボーカルが歌ってるバンドを聴いたことないと思いながらも、そのワンワードのためだけに二次創作したくなるような、ショート動画の令和の時代に本当にぴったりですよね。実際、彼らの楽曲が使われたショート動画は約470万回再生。そんな経歴もありますので、これからどんどん回っていくんじゃないでしょうか。続いてfutures、EPです。

金子:彼らもコンスタントに作品を発表してますけど、今回EPということで。『TOKYO OWLS』というタイトル通りに、東京の夜の街をテーマとして、futuresと関わりがあるアーティストたちと今まで培ってきたフィールドでのことを思い描いた作品。SPENSRとコラボした「Summer Trip」も入ってたり、今回のタイトル曲に関しては親交のある、"やさしいみらい"からラッパーの夢句が参加していると。OWLS、フクロウという意味ですけど、まさに渋谷の街を夜行性の人たちがうろついている様子が浮かび上がってくるようなリリックになっていて。渋谷について歌われているわけですけど、こういうクラブシーンは全国各地にあって、それぞれの場所ごとの空気、雰囲気みたいなものを立ち上げるような楽曲にもなっているかなと感じました。



みさと:ヒップホップセオリーのフィーチャリング文化みたいな、つるんでいる感じがすごくいい形で仕上がっていて、パーティー、チーム、仲間、肩組んでみんなで理想の未来に行こうぜ!みたいな。平和すぎるハッピーなパーティーソングになっていると思います。夜、お散歩しながら、できれば都会を散歩しながら聴きたいですね。そんなPart-2からどうしましょう?

金子Guibaの新曲を紹介しようと思います。



みさと:Guibaが来ましたよ〜。新曲のタイトル、「ラブコメ」です。

金子:Guibaは半年ぶりぐらいのリリース。yoursヅともまた違うけど、Guibaも女性目線の歌詞が1つポイントになっていて。男性が女性目線で歌う歌は昔からあったけど、ジェンダーのことが議論される時代になった上で、改めてそこと向き合うことで出てくる個性というのはすごくあるなと思います。あと、Guibaはそもそも1970年代・80年代のポップスをやろうと言って始めて、でも最初はあまりうまくできなくて、結果的にインディロックっぽいものになっちゃったという感じだったと思うんですけど、今回の曲を聴くと、もう完全にポップスだね!という感じ。

みさと:そうですね。

金子:それぞれのメンバーの演奏もそうだし、パーカッションと鍵盤もしっかり機能してて、これはまさに彼らがもともと思い描いていたポップス像なんだろうなと。資料にも、「1980年前後の日本のポップスを参考に」と書いてありますけど、まさにその頃の感じが出てる。でもギターは熊谷くん的な要素もあって、ツインのハモが出てきたり、そういった部分もGuibaらしい個性としてありつつ、"ここまで来たんだ"と感じる曲でしたね。

みさと:踊れるベースとドラムにトロピカルなギターが入って、ツリーチャイムが鳴ってシャラララみたいなのも、まさに80年代の王道アイドルが歌っていそうなサウンド感だなと思いましたし、プールサイドで2ステップ踏みながら歌ってる歌姫、バックバンドは白いスーツ、短パンの人たちがいそう、みたいな(笑)。絵がちゃんと浮かんでくるところまで仕上がっております。

New Release Digest Part 3


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-3でした。リリースおめでとうございます!はじめましての大御所です!BACK DROP BOMB

金子:BACK DROP BOMBがFRIENDSHIP.からリリースかあ。

みさと:ありがとうございます!

金子:1994年結成のバンドなので、キャリアは30年ですね。

みさと:30周年ということで、おめでとうございます!



金子:ミクスチャーのシーンの中ではかなり有名なバンドで、1998年のAIR JAMに出ていて、Hi-STANDARD周りのバンドともつながりがあるし、個人的な印象としては、一時期リズムとかビートに対するこだわりがすごいところまで行っている時期があって、こういうシーンのスポーティーなイメージよりもむしろインテリジェンスを感じさせるイメージもあったんですけど、今回の曲に関しては30周年というタイミングもあってのことなのか、そもそものルーツにあるパンク、ミクスチャー感が非常に出たフィジカルな仕上がりになっていて。ゲストミュージシャンがめちゃめちゃ豪華で、TOSHI-LOW(BRAHMAN/OAU/the LOW-ATUS)、渡邊忍(ASPARAGUS)、TGMX(FRONTIER BACKYARD/SCAFULL KING)、LOW IQ 01、CHOZEN LEE(FIRE BALL/THE BANG ATTACK)、IGNITION MAN a.k.a ヒデボウイの6人が参加という、非常に豪華な一曲になってます。

みさと:テキストで見たらすごいことになってますよね。30年やってこれたのは多分このゲストだけじゃなくて、他にも名前を書きたいようなミュージシャンたちであったり、シーンだったり、あそこのライブハウス...という想いが透けて見えてくるような一曲になっていて。彼らの音楽への愛と30年続けてこられた理由も含めて感じられる、ファンに対しての感謝の一曲でもあると思いますので、ぜひ聴いてみてください。豪華!そして、井戸健人さんもリリースです。



金子:井戸さんは今年2月にアルバム『All the places (I have ever slept)』が出て、その作品はゲストミュージシャンをたくさん招いて、その演奏を編集して曲にするという試みをやっていたわけですけど、それを経て、どう自分が変化したかを確認するために、今回は一人で全て作っていると。アヴァンギャルドな側面も強くなってるけど、でもやっぱり歌が乗ることでポップスになる、シンガーソングライター作品になる、最終的には非常に井戸さんらしい楽曲になっていると感じました。アイデア的にもすごく面白くて、BPM154から160の間で動いてるけど、その半分のリズムでも取ることができて、どっちに合わせて聴くかで印象が変わるという曲作りをしていたり、こういうアイデアの部分も井戸さんらしくて、いい曲でした。

みさと:どのリズムに焦点を合わせるかによって、散歩しながら聴いたときにもフィットするし、家で自問自答しながら聴き込んでもフィットするし、聴き流す、聴き込むの両側面を持っている一曲だなと。誰かとやっても、やらなくても、実験的なアウトプットになるという、まさに井戸健人節を味わえる一曲です。今回のタイトルは「OurS」で止まってるんですけど、これは「OurSong」でもいいし、「OurSoul」でもいい。「泡層」でも「合わそう」もいいかも?とセルフライナーノーツをいただいています。そんなPart-3からどうしましょう?

金子saccharinの新曲を紹介しようと思います。



みさと:ちょっとおひさしぶりですね。

金子:そうですね。She Her Her Hersが先月LIQUIDROOMでのライブを大成功させて、ちょっと一区切りついたところもあるのか、saccharinがひさびさのリリースということで。やはりsaccharin独自の世界観がすでに形作られている印象で、お母さんがスナックを営んでいて、そこをルーツに持っているというのが各曲に表れている。今回は「群衆フライデー」というタイトルで、華金の新宿歌舞伎町、コマ劇前の終電付近〜夜明けまでの人の機微や流れを熟視し、生まれた感覚や発した言葉を形にしたと。華金の歌舞伎町とは言っても、華やかな曲になるんじゃなくて、ちょっと低体温の、メランコリックな曲になるのが非常にsaccharinらしさだなと思いました。

みさと:同感です。歌舞伎町独特の終電後の哀愁が伝わってくる、華金なんだけど浮き足たった雰囲気ではないというサウンド感と歌詞がすごく印象的だったし、<誰も気にしないだろ 誰も気づかないふり>という歌詞なんて、まさに歌舞伎町だなという感じがしました。ジャケットを見たところ、同じ顔のたくさんの人がいて、顔は笑ってるんですけど、フォルムは悪魔のようだったんです。〈走ったら間に合うよ〉〈発したら間に合うぜ〉という歌詞のリフレインで終わるんですが、リフレインすることで"あの人には帰るところあるのかな?この人は帰る必要があるのかな?"と、それぞれの華金をどう楽しんでいるのか、もしくは楽しんでいない人もいるんじゃないか、そんな歌舞伎町ならではの哀愁感が漂っている一曲でした。これはsaccharinにしか書けない一曲ですね。

RADIO INFORMATION

FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」

fmgfukuoka_curatedhour_logo_ok_2204.jpg FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55 放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)



NEW Releases FRIENDSHIP.
FM福岡で毎週水曜日の26:00~26:55まで放送中のラジオプログラム「Curated Hour〜FRIENDSHIP. RADIO」のアフタートーク、番組の中で紹介しきれなかったタイトルを紹介。

DJの奥宮みさと、音楽ライターの金子厚武の2人でデジタル音楽ディストリビューション・プロモーション・サービスのFRIENDSHIP.から配信される新譜を中心に紹介するプログラム。



番組MC

kanekoatsutake_20210528.jpg金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
1697255226457.jpg奥宮みさと
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。 TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。 安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10

LINK
FM福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」 FRIENDSHIP.

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