SENSA

2025.03.16

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!パジャマで海なんかいかない・荒山茉莉 Molly in Mountain・黄鶯睍睆(uguisu-naku)ほか全24作品 -2025.3.15-

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!パジャマで海なんかいかない・荒山茉莉 Molly in Mountain・黄鶯睍睆(uguisu-naku)ほか全24作品 -2025.3.15-

カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。 キュレーターの金子厚武とナビゲーターの奥宮みさとによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!

New Release Digest Part 1


みさと:3月10日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜、全24作品の中からPart-1をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます。Part-1は2組はじめましてさんがいらっしゃいます。まずは柴郡貓(チェシャ猫)。

金子:彼女は台湾出身のシンガーソングライター。"ほのぼのとしたメロディーに乗せて平凡な日常の出来事を歌う、台湾華語と日本語で紡がれる繊細なメロディーと世界観が心を揺さぶり人を引き寄せる"とプロフィールにありますね。台湾出身ですけど日本語で歌われていて、しかも今回の曲は好きな日本語である"一期一会"からインスピレーションを得て、"大切な出会い""過去の記憶"について歌われていると。曲調もそうだし、「この言葉だけ君に言うよ」というタイトルで、曲の最後に"この言葉"が出てくるという構成も含めて、すごくJ-popっぽいなと思って。台湾出身だけど日本の音楽を愛してくれていて、かけ橋になってくれているような存在なんだろうなと思いました。



みさと:日本語の選択肢の多さにすごく驚いたのと、"ムスク"というワードが何回か出てくるんですけど、ムスクって香りの中でも強いから記憶にも残りやすいし、イメージもしやすいので、歌詞自体も記憶に残りやすい。そういった選択ができるシンガーソングライターなんだなあということも感じました。あとは鼻から抜ける歌唱法が感傷的で、柔らかで、世界観ともマッチしてますよね。続いてもはじめましてさんです。Camp Kona

金子:こちらはロサンゼルスを拠点とする日系アメリカ人のオルタナティブR&Bアーティスト、プロデューサー、DJ。自称「クワイア・キッド(合唱好きの子)」として、彼女の音楽には重ねられたボーカルと豊かなハーモニーが取り入れられ、夏のキャンプファイヤーでの合唱のような雰囲気を捉えていると。先ほどの台湾から今度はLAということで、すごくグローバルですけど、音楽的にも今のグローバルなポップシーンと対応していて、ドラムンベースのビートを使いながらもすごくポップスとして完成度の高いものになっています。さらに言うと、ドラムンベースはクラブ、室内のイメージですけど、彼女の場合はロサンゼルスが拠点だからか、キャンプ的な外の日差しの雰囲気がする。この雰囲気をドラムンベースで表現するってこれまでになかった気がするので、ドラムンベースのシーンもいろんな方向に広がってるんだな、ということも感じました。



みさと:パーティー感とか人が複数いる、合唱したくなるっていう雰囲気は、もしかしたらクラブでもキャンプでも通じるところかもしれないけど、そこが閉鎖的な空間なのか、オープンエアーかでこんなに質感が変わるんだなという新しい発見はありました。その中でも不安感と楽しさの両極な演出というのが歌詞の世界観ともマッチしていて、音だけでも伝わってくる素晴らしい完成度でした。そんなPart-1からどうしましょう?

金子パジャマで海なんかいかないの新曲を紹介しようと思います。



みさと:別所さん戻ってきました〜。

金子:ひさびさのリリースですね。今回「URAH」というタイトルで、これは2020年にリリースした「HARU」 のアンサーソング。バンド形態から再びソロに戻ってのリリースなんですけど、ご本人のコメントで"この5年間、本当に色々なことがあって、体感20年くらい過ぎた気がしてるんですが、その月日を経て、このタイミングでまた原点に戻ることになり、変な表現だけど5年前の自分に向けて今の自分を提示するというか、語りかけるような気持ちで作った曲です"と。この5年には色々あって、今回バンドからもう一度ソロに戻ったというのもそうだし、一方ではサポートの活動も広がった中で、悲しい別れも経験もされていたり、本当に激動だったと思います。その中で、もう一度ソロで楽曲を作って、もちろんいろんな想いがあるだろうし、僕らとしても、バンドのパジャ海もすごく良かったから、もうちょっと先を見たかった気持ちもあるにはあります。
でも再びソロでやることにして、昔の曲のアンサーソングを作ったっていうのは、それだけの覚悟というか、この一曲に込めた想いがあるんだろうなと。曲調としてはネオソウルとかジャズ、まさに別所さんらしい部分がありつつ、トラックは打ち込みなので、それはバンドでやってきたことを経ての今だからこそできる打ち込みになっていると思うし、ここからまた新たに始まっていくんだなと感じます。明るく、"春が来た!"っていうところまではまだ行ってなくて、「HARU」を裏返した「URAH」というタイトルにも今の気持ちが表れているのかなという気がしますが、でも間違いなくまたここから始まっていく、そういう曲なのかなと思いました。

みさと:ジャケットも「HARU」を反転させたもので、写真もロゴもそのまま反転させて、地続き感を感じられるアートワークだったと思います。後半のダウナーなレイドバックパートから、いろいろあった時期もあるんだなと感じさせる。けれども、前半は別所さんの上質な美しい、あの柔らかなタッチを見せてくれていて、「HARU」と「URAH」は1曲につながるようなメロでもあるじゃないですか。つなげて聴いたら、それで1曲完成するような構成にしたんだなっていうのも見えてきたので、どれだけ苦しい5年間があろうと、また春に戻れるし、いつかまた春が来る、2曲で1曲なんだよという、ここはずっとループし続けるんだろうなと。ループもできるし、単曲でももちろん愛せるというのが曲としても素晴らしいけど、過去は過去と、いい意味で区切りをつけてるわけでもない、過去があったからこその今の「URAH」なんだというのが見えてくる、とても大切な一曲ではないでしょうか。

New Release Digest Part 2


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-2でした。リリースおめでとうございます。さあ、けんいちさんがアルバムリリース!おめでとうございます。

金子:おめでとうございます。元ロードオブメジャーのけんいちさん、今回9年ぶりのアルバムということですね。『いちご』というタイトルなんですけど、ご自身のセルフライナーノーツで、"毎年なだらかに、しかし着実に減っていく印税収入。確定申告の資料を見ながら、税理士の先生が、「淡路島でいちご農家になろう」と呟いた"と。これがどこまでフィクションで、どこまでノンフィクションなのかはちょっとわかりませんが(笑)、少なくとも一部は恐らくリアルで。要は税理士の先生が冗談で、「もういちご農家とかやった方がいいんじゃない?」みたいな話をしたということですけど、そう言われて、自分にとって本当に大事なものをもう一度考えた中で、やっぱり自分には音楽だというところにたどり着き、"耳で味わうタイプのいちご"ができたということで、今回『いちご』というタイトルになっていると。



みさと:永遠にロックキッズですね。いいなぁ。

金子:いいエピソードですよね。

みさと:ただでは転ばないっていう感じがすごく好き。

金子:「さみだれ」は1曲目で、雨が降っても、そこからまたスタートしていくという、9年ぶりのアルバムの1曲目にふさわしい曲なんじゃないかと思います。



みさと:続いて、Cape of good hope

金子:こちらがですね、我々FRIENDSHIP.に対しての感謝の気持ちを込めた楽曲だと。

みさと:何!?卒業シーズンにこんなのいただいちゃって。

金子:Cape of good hope卒業しちゃうのかな?(笑)

みさと:在籍です(笑)。

金子:実際、歌詞にもFRIENDSHIP.って出てきて。

みさと:びっくりしました。



金子:「Vortex」は"渦"みたいな意味のタイトルですけど、ヘッドフォンをして、FRIENDSHIP.のプレイリストを聴いていると、幸せな気持ちになったり、いろんな感情が渦巻くみたいな楽曲。こういう曲を作ってくれるのは本当にありがたいし、クオリティは相変わらず高いし、僕らも本当にCape of good hopeとはよりお友達になりたいので...そろそろ"謎の有機体"の正体を知りたいなって気持ちも(笑)。

みさと:やっぱりお互い自己開示していかないとね(笑)。 でもこの"FRIENDSHIP."の意味が、どんな人の人生にも言い換えられる単語だなと、改めて噛み締めながら聴かせていただいて。最近、オーディション番組がめちゃくちゃ多いじゃないですか。見てると、どれだけ才能や魅力があって、努力をしていても、一緒に誰とやるかでこんなに人生が変わるんだって毎回思っていて。Cape of good hopeはFRIENDSHIP.と一緒にやれて良かったって今思っていただいているわけですけど、今いる仲間だったり、相方だったり、この人、このチームで本当に良かったって思える場所にいるのであれば、本当に奇跡だし、大切にしなくちゃいけないなと思って。厚武さん、これからもよろしくー!

金子:こっちに来た(笑)。こちらこそ、よろしくお願いします!

みさと:さあ、Part-2、どなたを紹介しましょうか。

金子荒山茉莉 Molly in Mountainの新曲を紹介しようと思います。



みさと:今日はアジアな雰囲気漂っております。

金子:そうですね。こちらも台湾出身の5人編成のインストバンド。インストと言いつつ、前に彼らを紹介したときにも話したけど、ボーカルの方がいて、声が入っていて。前は声が楽器的に使われてて、"インストバンドと言いつつ、声がすごくいいよね"っていう話をした覚えがあって、何なら"もっと歌ってくれてもいいよ"みたいな話をした気がするんですけど、今回もっと歌ってくれて(笑)。

みさと:やったー!聞こえてたかな(笑)?

金子:インストバンドなんだけど、やっぱりボーカルがすごくいい。さらにはアンビエント感のあるサウンドと声の相性もすごくよいので、とてもいい一曲でした。

みさと:本当ですね。声の配分という意味でも、声と楽器のレイヤーがとても美しくて。繊細なもの同士の重なりだけで、言葉の壁があっても情緒を味わえる作品だったなという感じがしました。ときおりエコー、リフレイン強めのビートが入るとか、長めのインストパートも出てきちゃったりして。構成が最高で没入感たまらない、まさに声を一つの楽器として捉えて、配分が考えられている、そんな一曲だったかと思います。

New Release Digest Part 3


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-3でした。リリースおめでとうございます。こちらにもはじめましてさんです。asayake no ato

金子:彼らは2011年に京都にて結成されたバンドということで、10年以上のキャリアがあるバンドですね。プロフィールを見てると、初期にcinema staffと対バンしていたり、エモとかポストロック、オルタナティブなサウンドにポップなメロディーというところがまさにという感じのバンド。だから、最近の若手ポストロック、オルタナバンドの先輩格に当たるというか。キャリアがあるバンドなので、今の若手シーンの盛り上がりの中で、もう一度asayake no atoが再発見されるみたいな、そんなことにもなり得る1曲なのかなと。今回1年半ぶりのシングルということもあるので、そういう1曲にもなったらいいなと思ったりしました。



みさと:「Curtain Call」というタイトルにもリンクする、長く活動してきたからこそ、別れも経験していて、だからこそ、またカーテンコールでステージに戻ってくるという意味で、葛藤だったり、でもまた光を当てに行く、当たりに行くというような意味合いの曲と思うと、パジャマで海なんかいかないの「URAH」にもつながるテーマなのかなと思って。どちらもキャリアがあるからゆえ、綴れる歌詞、音なのかなと思いますね。続いて、Aaanna Japanese Special, P.Necobayashi



金子:asayake no atoでもポストロック、エモという話をしましたが、こちらのEPに関しても、"ポストロックなリードトラックになっています"とご本人の紹介があって。この番組でも度々名前を出してますけど、残響レコードに所属していたthe cabsが今年再結成を発表していて、今回の曲は再結成の話が出る前からthe cabsリバイバルをずっとやりたいと思っていたというところで、実際にやった曲だと。ギターのアルペジオの感じや手数の多いドラムはまさにthe cabsっぽい感じで、エモ・ポストロック的な雰囲気が確かにあります。
Aaanna Japanese Specialはもともと海外インディっぽいサウンドをボカロでやる面白さ、という印象があったから、そこにポストロック要素も入ってきて、"こっちもあるんだ"みたいな感じが面白かったですね。

みさと:作品が出るごとに、"あっ、こっちもそっちもどっちも"みたいな。すごくオリジナリティのあるというか。切り取り方として、ボカロを使ってる時点でアニソン好きも入りやすいし、とっても間口が広いなと。EPでまとまった曲数が聴けますので、どの曲からでもいらっしゃいという形の作品でございます。ぜひ、聴いてほしいです。そんなPart-3からどうしましょう。

金子黄鶯睍睆(uguisu-naku)の新曲を紹介しようと思います。

みさと:今回もとんでもないですよ!

金子:(声のトーンを落として)深夜2時台ですからね。なかなかFMでかからなそうな、奇妙な曲をちょっとかけたいなということで。

みさと:あはは。怖いよ〜(笑)。なになに?稲川淳二なの?

金子:今回の曲についてですが、"洞窟の中に住んでいる目が退化した軟体動物みたいな音楽を作ろうと思い制作した"そうで。

みさと:わかんないよ〜(笑)。

金子:ライナーノーツには"他のバンドではまず聴けない、おかしな音楽ができたと思います。情緒不安定なときに聴いてください"と。

みさと:今の読み方だけで不安定になりそう(笑)。

金子:(トーンを戻して)でも本当に、目が退化した軟体動物みたいな雰囲気ある気がするし(笑)、別の角度で見たら、こういうサウンド感、雰囲気というのはゆらゆら帝国とか、そういうバンドから続く、ジャパニーズサイケの一番新しい形という言い方もできると思うし、やっぱりオリジナリティのあるバンドだなと改めて思いました。

みさと:エレキギターがギュイーンって鳴ったと思ったら、ストリングスが入ったり、ボーカルの音質も、"え?和田アキ子さん?"みたいな(笑)、そんなニュアンスもあって。急に宇宙に飛んでっちゃうし、そしたらすぐに戻ってくるし、終わり方も謎だし、情緒不安定すぎです。 みなさん、聴いて不安定になってください(笑)。



番組の後半はBroken Kangarooがゲストで登場!



RADIO INFORMATION

FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」

fmgfukuoka_curatedhour_logo_ok_2204.jpg FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55 放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)



NEW Releases FRIENDSHIP.
FM福岡で毎週水曜日の26:00~26:55まで放送中のラジオプログラム「Curated Hour〜FRIENDSHIP. RADIO」のアフタートーク、番組の中で紹介しきれなかったタイトルを紹介。

DJの奥宮みさと、音楽ライターの金子厚武の2人でデジタル音楽ディストリビューション・プロモーション・サービスのFRIENDSHIP.から配信される新譜を中心に紹介するプログラム。



番組MC

kanekoatsutake_20210528.jpg金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
1697255226457.jpg奥宮みさと
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。 TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。 安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10

LINK
FM福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」 FRIENDSHIP.

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