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2025.02.17
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DJ土井コマキ(FM 802)による、She Her Her Hers中国ツアー「"Pathway" Release Tour 2024-2025」密着レポート&インタビュー
初めまして。FM802のDJ、土井コマキです。「She Her Her Hersが、中国でとんでもない人気バンドになっているらしい」と、噂に聞くようになって、というか本人たちからも聞かされ続け、「中国で見てよ」「見たい」「見てよ」「見たい」と言い合って、はや数年。とうとう同行してきました。1/9に私は大阪から、メンバーは東京から、それぞれ飛行機に乗り、中国の国内便に乗り継ぎをする广州白云国際空港で合流。ちょっと待ってよ、空港の名前も初めて見るし読めないし、これからいく先の地名もさっぱり分からない。
翻訳ツールが使えない世界ってこんなに不安なのか。こんな場所で本当にシーハーズは活動してるの?人気なの?なんで?どうやって?行くと決めて渡航の準備をするにつれ、ますます不思議になってくる。分からないからこそ、行く意味がある!とにかくたくさん見て聞いて感じて帰ってくると決めて、行ってまいりました。
結果、シーハーズは本当に中国で広く受け入れられているし、それは偶然じゃないけど、「中国で当ててやろう」というような、したたかなプランがあったわけでもありませんでした。めちゃくちゃ自然で健全で「音楽は言葉の壁を越える」を体現したストーリーがありました。
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今回のツアーは「"Pathway" Release Tour 2024-2025」。2024年の12月に广州、成都、 北京、上海2daysという前半があり、その後半戦でした。ツアー前のフェス出演を含めて、日程は1/11海南「R-day Music Festival」、1/12南宁、1/14重庆、1/15西安、1/17郑州、1/18合肥という、2日ごとに休みもあり、私のような素人目にはそれなりにゆとりがあるように思えるスケジュール......だったのですが、とにかく中国は広い。いちいち飛行機移動だし、土地によって気候が違う。食べ物も違う。そんな中で、いつも同じクオリティのパフォーマンスをするというのは、結構過酷。
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密着の中で、FM802の私の番組「MIDNIGHT GARAGE」用にインタビュー収録も出来たので、その内容も含めつつ、シーハーズに何が起きているのか、現在位置は?私が中国ツアーに同行して感じたことを書いてみます。まずは、最初の地、海南に到着した夜に、これまでの経緯など伺いました。
コマキ:今、1/9の時間が24:20です。中国の時刻で。今日が初日で移動日だった日なんですけども。遠路はるばるきたんですが、中国本土は初めてで、ここがどこかも分かってないんですが。
松浦大樹(Dr):初めてで海南なんて、やっぱり尖ってますね。さすが、ミッドナイトの支配者。
とまそん(Syn./Cho.):すごい、すごい。
コマキ:(笑)
髙橋啓泰(Vo/Gt):僕らもここは初ですね。
コマキ:初?
髙橋:そう。深圳とか広州の近くで
とまそん:もっと西の南の方で、リゾートのエリアで。
髙橋:島ですね。
松浦:マップ開いたら分かるけど、ベトナムのハノイがすぐ近く。
海の音がラジオでも聞こえているか分からないけど。1月のビーチで20℃くらいで。
コマキ:1月にこんな暖かいところがあるなんて全然知らなかったです。
とまそん:火鍋もココナツで作るくらいですからね。
コマキ:南国っぽいですね。
松浦:今回、ツアー前に、中国で言うと年末のフェスに出させてもらって、そこからツアーが始まると。
コマキ:12月にも同じ"Pathway" Release Tourで来てた?ツアー前半?
髙橋:12月は上海、北京、成都、広州。
松浦:1000万人都市と言われているデカイ都市ツアーが12月で、中国のエージェントと一緒に俺らずっと数年やっているんですけど、今回この1月は、まだ未開の地というか、行ったことない土地。
髙橋:重慶とか西安とか。名前は多分、目にしたりというか。
松浦:三国志の世界とかで。
コマキ:ないよ(笑)!
松浦:合肥の戦いとか。三国志、俺すごく好きだったから。合肥行くでしょ?
とまそん:最後。
松浦:スーツケースに兜入れてきたんで。
コマキ:どうりで重いはずや。
松浦:日本食入ってるだけや(笑)。
髙橋:今日が20度くらいあるんでしょ。 でもツアーの中ではマイナス7度とか、マイナス10度くらいの場所があったりとか。
松浦:沖縄からそのまま、北海道行くみたいな感覚だよね。 この10日間近くで、土井ちゃんにもいろいろ見てもらって。
コマキ:そう。知らない土地ばっかりなんで、私(都市の)名前も見たことがなかったな。各地ワンマンですよね?全部売り切れてる?
とまそん:そうですね。売り切れてます。
コマキ:すごい。
松浦:日本時間元旦に売り切れとの報告が来て。海外のバンドって、こんな地方行かないというか、たとえばアメリカとかイギリスのバンドが鳥取とか青森行くみたいな感覚なのかな、という中で全部売り切れっていうのは、中国のエージェントからしても凄いことみたいで。それは、俺らがこの数年やってる、主要都市もそうなんですけど、中国大陸全体に音楽が届くといいな、という考えのもと、こうやって廻った施策で、その1回目で全公演SOLD OUTというのは、中国チームも驚いていて、それが嬉しい。やったことないことを今やり続けてるから、すごくやりがいというか生きがいというか、ありますね。
コマキ:こういう感じになったきっかけとかって覚えてます?
髙橋:2019年に、最初に全く自分らも知らない状況で、『location』というアルバムを出した時に中国でワンマンツアーを行って、その時は多分200人か300人ぐらいの会場を7ヶ所やって、その時もまだこの曲が聴かれてるとか、そういう状況ではなかったんですけど。その後に『location』のアルバムの曲が聴かれ出して、 コロナ禍になって、自分らが行けない中でも、曲がどんどんどんどんみんなが広めてくれていって、下地を作ってくれていった状況があって、僕らもオンラインでの配信ライブしたりとか、中国の人たちとコンタクトを取りながら、それがどんどんどんどん現れていった結果になってきたのかなと思いますね。去年、トータルで10,000人位が多分ワンマンで集まったので。なんかすごい。
コマキ:すごいよね。いや、本当に。大変失礼ながら、大阪に住んでいる私からすると、ちょっと想像できない。
松浦:俺らもね、音楽が届く場所に行きたいっていう感覚の音楽であるので、我々自体が。 だからそのコンセプトに合ってるし、自然に届く国、届く土地にただ行くっていう。ので、今こうやって、2019年から5、6年経って、なんかいいよね、本当に。上海でアイスクリーム屋とか入ったらさ、「去年の上海観に行きました」って店員さんが言って、アイスクリーム、ただで食えましたからね。
とまそん:クラフトビール屋に行った時とかも、なんか流れてたりとかしてて。
髙橋:勝手に流れてるのってすごく嬉しいし。
松浦:ベースが上海だもんね、俺らは一応。2019年の時は北京の会社と一緒にやってたんだけど、まあひょんなことですごく色々付き合いのある昔からの知り合いと一緒にこうやってできてるのは嬉しいしね。知らない土地に行くのも面白いしね。
コマキ:じゃあ、きっと今回のツアーは、「うちの街に来てくれるなんて」みたいなファンの人がすごく待っててくれるんですね。これね、きっとね。
松浦:なんか12月に、ちょっと話した時も、まだ1月にこういう地方の都市に行くのは発表してなかったんで、その時に「わざわざ〜〜から来ました」、みたいな人たちもいたし、そういう人たちの地元に行くっていうのも、なかなかできないことではあるからね。こうやって、この上海と俺らの合同チームで考えて判断して、全部、制作できてることに実りがあって、すごく充実してるというかね。大抵やり終えた後に、充実とか、充足感が生まれると思うんだけど、割とやりながら既に充実感があって。まあかなり俺らも仕上がってたりするし、こうやってずっとね、何万人の前とかでやらせていただいてる。
コマキ:いやー、もうめっちゃ楽しみです。
松浦:何日ぐらい、土井ちゃんいてくれるんだっけ?
コマキ:結局ね、中国に8日間。
松浦:熱っ!!
コマキ:でも今日も1日って数えるし、最後の移動の日も1日って数えるから。
とまそん:ハードですね。
コマキ:ねー、スケジュール表見て、これがツアーかっていう。
松浦:確かに、それにね、乗っかってくる。
とまそん:アーティストのツアーに一緒に行くことは?
コマキ:ないないない、ないよ、ないない。
とまそん:ないの嬉しいね。
松浦:しかも知らない土地でね。
コマキ:そうですよ、もう放り出されたら、私はそのまま、路頭に迷うしかない(笑)。
とまそん:でも、ご飯食べてても、流れてくる中国のアーティストの曲とか、いい発見もあったり、出会いもあったり、いいよね、そういうのも。
コマキ:楽しみ。明日はまだリハ日ですよね。
松浦:そう、明日、フェスのリハーサル。
髙橋:24時から2時まで、26時まで。
コマキ:深夜にリハって。不思議、中国(笑)。
松浦:まずはね、とりあえず無事に着いたということね。
コマキ:はい。 ここからよろしくお願いします。
コマキ:今は1月12日の日曜日のもうちょっとで午後2時っていうところです。ここどこですかね?
とまそん:ここは海南の空港ですね。
コマキ:もうちょっとで飛行機に乗るというところなんですけど。まずは昨日、ツアーの初日?
とまそん:ツアーの初日は今日。
コマキ:そうかそうか、ツアーの前にフェスがあって、今回の中国でのライブの初回。フェス、感動しました。
髙橋&とまそん:ありがとうございます
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コマキ:いかがでしたか?予想外の方角に花火が上がり。
髙橋:そう、花火が上がるっての直前に聞いて、主催の人がシーハーズの時に花火をあげたいって言ってくれて。是非!って言うのでやったら、まさかね、お客さんの後ろの方。
とまそん:そうそうそう、ライブ中に花火が鳴りだして、お客さん後ろを振り返って動画を撮るっていう。でもRED(中国のSNSアプリ)に上がってるの見たら、花火からのシーハーズみたいな、結構セットで振り返って撮ってる人とかも多くてすごく良かったですけどね。
コマキ:同じの撮った私も(笑)。
髙橋:曲中に花火があったんですけど、MC中にもまだ終わってなくて、MC中もバンバンバンバン上がってて。
コマキ:長かったよね。
髙橋:5〜6分近くあったよね。
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とまそん:でもうちらは別にトリというわけじゃないのに主催の方の想いでうちらの時に。しかもこの曲の時に花火あげたいて言ってくれてて。しかも今回のフェスのサブタイトルがシーハーズの『location』ってアルバムの中国名から取って使ってくれたことが当日俺も分かってびっくりしたんだけど、こんなに愛されてたんだと思って、びっくりした!
コマキ:めちゃ求められての出演。
とまそん:いや本当に。
コマキ:いかがでした?ステージからの風景とか。もしかしたら中国ではよく見てる風景なのかもしれないけど。
髙橋:海辺でやるのもまた久しぶりだったので、すごくいい気持ち。季節もね、1月なんですけど20度はないかな、日が沈んだけど、めちゃくちゃは寒くなかったのでちょうど良いくらいだったし。
とまそん:リハーサルの時にステージというか客席でかーって思わなかった?
髙橋:でかかった!
とまそん:こんなに人来るのかな?って、ちょっと心配だったんだけど、本番、暗いのもあったけど、本当にめちゃくちゃ多くて、向こう側が見えないみたいになってて、ちょっと感動しました。
髙橋:本当に。
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コマキ:サウンドチェックの時に幕がまだある状態で、最初の音出た時に"ワーっ"て駆け出して寄ってくる人がすごく多くて、"あー始まる!"みたいな。
髙橋:嬉しいですね。何度かフェスに出てるんですけど、やっぱり中国大きいので、どこもどの場所でも割と"初めまして"のお客さんがいるので、それはすごく嬉しいですね。どこでやっても"ようやく見れました"みたいな声を聞くので嬉しいですね。
とまそん:あとVJがあってね、照明もあって、いつも同じチームでやってるから。
コマキ:それがね素晴らしい。だから曲と映像の世界観の地続きな感じというか、両方で一つ作っているという、"ショー"?が、すごく良くて。
髙橋:ちょうどツアーの間というのもあって、ツアーで色々見せ方とか細かくやっていって、そこから抜粋したような形で今回のフェスのセットリストを組んだので、それも良かったのかなと。
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コマキ:そういう風になっているっていうことに私はすごく感動して。日本以外のところで知り合いのバンドを見る、知らないところにこんなにファンの人がいるんだっていう感動は割とここまでも経験したことがあって、他のバンドとかで。それとは違う、呼ばれて行ったら、そこにお客さんがいた、っていうのじゃなくて、シーハーズがやりたい世界観を作るために集まったチームでこのショーを一緒に作ってて。そのメンバーがたまたま中国の人だったって。呼ばれてきてやってるっていうのじゃなくて、チームでやりたいことをやってます、たまたま今、中国にいます、みたいな。これはなんかすごいことだなって思って。そういう仲間がシーハーズにできたってのがすごく私は嬉しくて。
とまそん:そうそう。やっぱりステージを1つ作っているのって、みんな一緒だから。そこが対等であってほしいと思うし。 だから、日本語だとかサポートメンバーみたいな表現の仕方をしたり、照明とかVJとかってもうちょっと引いた裏のスタッフみたいなふうに見えることもあるけど、全然そんなことないのが、中国のそういうスタッフとも1個1個ステージ作るの細かいところまでコミュニケーションを取りながら、言葉の壁もあって難しいとこもあるけど、でもできるとめちゃくちゃ嬉しいし、それをずっとやってきたチームがあるからそれは嬉しいし。単純にそこを見てくれたのが嬉しいよね。
髙橋:確かに。2023年の段階のツアーからチームができ始めて、それが今にも繋がっている感じなので、さらに2024年末にツアーの前半をしたんですけど、そういう時にもいろいろメンバーと今年以降の話もしているし、この今日から始まる後半戦でも多分そうやって今後の話をしていくので、よりなんかこうチーム作りというか、その先の作品作りというか、そこに力を注げるのはいいチームだなと思って、今。
コマキ:自分の中に起きた感情が、予想していたものと違ったからすごく嬉しくて。今日からのライブハウスのライブ、ワンマン、めちゃくちゃ楽しみになりました。
とまそん:期待しててください。
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髙橋:初日から飛行機ディレイで。
コマキ:これね。何時間遅れてるの?って感じ。
とまそん:2時間以上遅れてる。
コマキ:あんまりリハできない
とまそん:そうなんですね
髙橋:やれたらいいぐらいの時間に着きそう。
コマキ:よろしくお願いします
とまそん:しびれまーす(笑)。
コマキ:はい、ツアーの初日、ここ、どこだっけ?
髙橋:ここは南寧っていうところで。
コマキ:終わったばっかりホヤホヤだけど。
髙橋:ちょっといろいろトラブルあったんですけど、まあそれはそれで、久しぶり、今年初めてのライブハウスでのライブだったので、まあいろいろあったんですけど、お客さんがすごくあったかくて。それは土地柄もあるのか、中国行くと、南の方、広州とか深圳とか暖かいところは、お客さんが明るくて、反応もダイレクトで。
コマキ:今日とかだって1曲ずつみんな歓声がすごかったですね。
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髙橋:でも、北京とか寒い地域の方、もっと内陸の方に行くところとか、寒いところはちょっとクールな人が多い。中国に住んでる日本の人と以前、話してたら、北京とかで受け入れてくれると、長くずっとファンでいてくれる人が多い。 だから、その一歩目がなかなか難しいけど、その分好きになってくれたら、ずっと好きでいてくれる人たちが多いよ、みたいなことを聞いてて。で、実際、僕らは北京で聴いてくれてる人も多くて、結構寒い地域に好きな人が多いのでそういうのはすごく嬉しいな、みたいな。色々中国の人と、中国に住んでる日本の人と話してて。でも、こういう暖かい地域、今日みたいなところ、そういうところの人は、やっぱり反応もダイレクトで、なんかやってて分かりやすくていいですね。
コマキ:いや、すごいよ。すごくよかった。
髙橋:ありがとうございます。本当によかった。
コマキ:いや、もうみんなに観せたいなー。私しか観てないんで悔しい。
髙橋:確かに。僕らみたいなこういうバンドが、日本でやっても、多分こういう反応にはなりにくいので、だからちょっと面白いですよね。実際、日本でライブしても、中国のお客さんももちろんだし、いろんな国の人が結構来てくれてて、だから、もうちょっと人がどんどん増えてきたら、似たような雰囲気になってくるのかな、みたいなのはあるので、日本の人も、ぜひ来てもらったら、面白い空気感の。
コマキ:いや、なんかそう。いやー、観てほしい。
髙橋:そうなんですよね。
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コマキ:このセットを大阪でやってほしい。
髙橋:そうですね。今回のツアーは2月20日の東京のリキッドルームだけなので、なかなか難しいんですけど、中国のお客さんで2月20日のチケット取りましたみたいな人いたので、多分来てくれる人はいるので。日本でもライブ少しずつ増やしていくとは思うんですけど、今そんなにめちゃくちゃ多くはないので、旅行がてら来て欲しいですね、東京に。
コマキ:確かに(笑)。中国よりも近い。
髙橋:そうなんです。だから大阪の人もね、2回3回大阪で観るのと1回東京で観るの、そんなに変わらないとは思うので。
コマキ:何の話やねん(笑)?
髙橋:是非、来てほしいです。今回のツアーは、2019年に出した「location」というアルバムから(アルバムを)4枚出してて、それの良い曲、選りすぐりの曲を集めたセットリストになってるので、わりと起承転結もちゃんとできてるし、映像も含めて照明も、このストーリーというか世界観は今回がひとつ形になってるとは思うので、観てほしいですね。
コマキ:確かに。流れがすごく面白い。
髙橋:そうなんですよ。本当に。
コマキ:第何章かしらんけど。締めくくるみたいな感じがしてる。
髙橋:そうなんです。
コマキ:いや、よかったです。
髙橋:でも明日以降まだ続くので、色々楽しみですね。トラブルはあったんですけどもチームで乗り切ります。
コマキ:楽しみ。お疲れ様です。
髙橋:ありがとうございました。
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この後、メンバーはVIPチケットを買ってくれたファンとのサイン会。毎回1時間くらいかけて開催していました。その様子を見ていると、やっぱり女性が多く7〜8割、2〜3割が男性と言った感じ。クリエイターかアパレルなのかなと思うようなオシャレな人も多く、みんな伝えたい言葉を用意してきていて、スマホの画面に表示させて見せたり、一生懸命日本語を覚えてきていたり、熱烈!かと思えば言葉少ない男性がいたり。
チケットは即完なので、VIPチケットといえば、それは必死にならないと取れるもんじゃありませんから、寡黙な男性も発売日に必死になってくれたんだなって思うと感動するってメンバーも言ってました。確かに。
開場前に、外でファン同士がお手製のアイテムを交換し合うギブアウェイも行われていて、シーハーズが憧れの存在なのだと感じました。実は、初日からレストランでいわゆる顔バレをしていて、なるほど本当に有名なんだってびっくりしたのですが、その女子高生に声をかけてみたら、クラスで流行っている日本のアーティストが、宇多田ヒカル、椎名林檎、藤井風、シーハーズって言われて、びっくりしすぎてひっくり返りそうになりました。(その子が言ってただけですが!)
フェス会場には初めての私はちょっと緊張するほどの人数の警察官(ガードマンじゃないです警察官です)がいたのですが、その警察官さえ嬉しそうにシーハーズのライブをスマホで撮影していたり、各地のライブハウスで初めての日本のアーティストだよとか、久しぶりにチケットが売り切れたとか、ライブハウスのスタッフから歓迎のシャンパンが楽屋に用意されるとか、私は腰が抜けるかと思ったのですが、本人たちは単純にビックリするというより、自分たちが努力してきたことに対する確かな手応えを得たと喜んでいるように思えました。
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中国のSNSで、コロナ禍、自分が撮影した自分の街の風景の動画に、文章を載せて、シーハーズの曲をBGMに使って投稿する、ということがバズったんだそうです。叙情的だから、きっと会えない人への想いを伝える動画には、ピッタリフィットしたんだろうなと思います。1人で部屋で過ごす時間や、1人で受験勉強を頑張る時間に、シーハーズの音楽が寄り添ってくれたんでしょう。それから数年後の今、自分を支えてくれた音楽を奏でるシーハーズがこうして自分の街にやってきてくれる。それはきっと今までの自分の人生を肯定し、これからも頑張って生きていくためのお守りにもなる、スペシャルな体験だと思う。そういう音楽体験はきっと誰しもがあるはず。そんなふうに、待ち望んでくれているファンにしっかりと応えるステージを見せることが出来るのが、今のシーハーズのチームなんですね。
初日から飛行機の大幅な遅延によって、リハがほぼ出来ない中、初めての場所でのワンマン。機材トラブルがありながらも、それを引き摺らないし、チーム全体ですぐに話して、以降のことを考える。対策する。シーハーズが中国のスタッフに単純に仕事を発注しているのではなく、一緒に叶えたい未来への道順を考え、そのための一本一本のライブの演出、VJ、照明、物販などアイデアも出し合って、一から作り上げている。だからダメ出しはお互いにしっかりやる。仕事として受けているわけじゃないんだなと分かりました。どんなアーティストだって、どこの国でだって、やはりチームがしっかり出来ていると成功する。
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きっかけは、想定外のバズだったかもしれないけれど、一緒にやりたいって手をあげるクリエイターやエージェントがいるというのは、それはつまりシーハーズの音楽にその魅力があるということ。実際に大きなファンダムがちゃんと出来上がっていて、地方都市に行ってもチケットが売り切れる。長らく自分たちにしっかりと向き合ってチーム全体で努力をしてきたから、もちろんライブは盛り上がるし、ファンにしっかりと届くパフォーマンスをできている。人気があるということよりも、それ以前に、やりたい表現をしっかりとできているという実感が本人たちにあるんだと思う。それ故に中国で会ったシーハーズはめちゃくちゃ生き生きとして自信に満ちていて、眩しかった。それを携えて、いよいよツアーファイナルは東京・恵比寿リキッドルーム。ひとつの目標だったライブハウスだそう。もはや今のシーハーズにとって、お客さんの国籍とか人数とかは、きっと関係ない。どんな世界を作ってくれるのか、しっかりと見届けたいと思うし、1人でも多くの人に目撃してもらいたいと思います。ちょっと褒めすぎたかな。
取材・文:土井コマキ
写真提供:宇轩(R-DAY FES)、鱼子(R-DAY FES)
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翻訳ツールが使えない世界ってこんなに不安なのか。こんな場所で本当にシーハーズは活動してるの?人気なの?なんで?どうやって?行くと決めて渡航の準備をするにつれ、ますます不思議になってくる。分からないからこそ、行く意味がある!とにかくたくさん見て聞いて感じて帰ってくると決めて、行ってまいりました。
結果、シーハーズは本当に中国で広く受け入れられているし、それは偶然じゃないけど、「中国で当ててやろう」というような、したたかなプランがあったわけでもありませんでした。めちゃくちゃ自然で健全で「音楽は言葉の壁を越える」を体現したストーリーがありました。
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今回のツアーは「"Pathway" Release Tour 2024-2025」。2024年の12月に广州、成都、 北京、上海2daysという前半があり、その後半戦でした。ツアー前のフェス出演を含めて、日程は1/11海南「R-day Music Festival」、1/12南宁、1/14重庆、1/15西安、1/17郑州、1/18合肥という、2日ごとに休みもあり、私のような素人目にはそれなりにゆとりがあるように思えるスケジュール......だったのですが、とにかく中国は広い。いちいち飛行機移動だし、土地によって気候が違う。食べ物も違う。そんな中で、いつも同じクオリティのパフォーマンスをするというのは、結構過酷。
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密着の中で、FM802の私の番組「MIDNIGHT GARAGE」用にインタビュー収録も出来たので、その内容も含めつつ、シーハーズに何が起きているのか、現在位置は?私が中国ツアーに同行して感じたことを書いてみます。まずは、最初の地、海南に到着した夜に、これまでの経緯など伺いました。
FM802「MIDNIGHT GARAGE」密着INTERVIEW
初日の夜、海辺のレストランにて波の音を聞きながら
コマキ:今、1/9の時間が24:20です。中国の時刻で。今日が初日で移動日だった日なんですけども。遠路はるばるきたんですが、中国本土は初めてで、ここがどこかも分かってないんですが。
松浦大樹(Dr):初めてで海南なんて、やっぱり尖ってますね。さすが、ミッドナイトの支配者。
とまそん(Syn./Cho.):すごい、すごい。
コマキ:(笑)
髙橋啓泰(Vo/Gt):僕らもここは初ですね。
コマキ:初?
髙橋:そう。深圳とか広州の近くで
とまそん:もっと西の南の方で、リゾートのエリアで。
髙橋:島ですね。
松浦:マップ開いたら分かるけど、ベトナムのハノイがすぐ近く。
海の音がラジオでも聞こえているか分からないけど。1月のビーチで20℃くらいで。
コマキ:1月にこんな暖かいところがあるなんて全然知らなかったです。
とまそん:火鍋もココナツで作るくらいですからね。
コマキ:南国っぽいですね。
松浦:今回、ツアー前に、中国で言うと年末のフェスに出させてもらって、そこからツアーが始まると。
コマキ:12月にも同じ"Pathway" Release Tourで来てた?ツアー前半?
髙橋:12月は上海、北京、成都、広州。
松浦:1000万人都市と言われているデカイ都市ツアーが12月で、中国のエージェントと一緒に俺らずっと数年やっているんですけど、今回この1月は、まだ未開の地というか、行ったことない土地。
髙橋:重慶とか西安とか。名前は多分、目にしたりというか。
松浦:三国志の世界とかで。
コマキ:ないよ(笑)!
松浦:合肥の戦いとか。三国志、俺すごく好きだったから。合肥行くでしょ?
とまそん:最後。
松浦:スーツケースに兜入れてきたんで。
コマキ:どうりで重いはずや。
松浦:日本食入ってるだけや(笑)。
髙橋:今日が20度くらいあるんでしょ。 でもツアーの中ではマイナス7度とか、マイナス10度くらいの場所があったりとか。
松浦:沖縄からそのまま、北海道行くみたいな感覚だよね。 この10日間近くで、土井ちゃんにもいろいろ見てもらって。
コマキ:そう。知らない土地ばっかりなんで、私(都市の)名前も見たことがなかったな。各地ワンマンですよね?全部売り切れてる?
とまそん:そうですね。売り切れてます。
コマキ:すごい。
松浦:日本時間元旦に売り切れとの報告が来て。海外のバンドって、こんな地方行かないというか、たとえばアメリカとかイギリスのバンドが鳥取とか青森行くみたいな感覚なのかな、という中で全部売り切れっていうのは、中国のエージェントからしても凄いことみたいで。それは、俺らがこの数年やってる、主要都市もそうなんですけど、中国大陸全体に音楽が届くといいな、という考えのもと、こうやって廻った施策で、その1回目で全公演SOLD OUTというのは、中国チームも驚いていて、それが嬉しい。やったことないことを今やり続けてるから、すごくやりがいというか生きがいというか、ありますね。
コマキ:こういう感じになったきっかけとかって覚えてます?
髙橋:2019年に、最初に全く自分らも知らない状況で、『location』というアルバムを出した時に中国でワンマンツアーを行って、その時は多分200人か300人ぐらいの会場を7ヶ所やって、その時もまだこの曲が聴かれてるとか、そういう状況ではなかったんですけど。その後に『location』のアルバムの曲が聴かれ出して、 コロナ禍になって、自分らが行けない中でも、曲がどんどんどんどんみんなが広めてくれていって、下地を作ってくれていった状況があって、僕らもオンラインでの配信ライブしたりとか、中国の人たちとコンタクトを取りながら、それがどんどんどんどん現れていった結果になってきたのかなと思いますね。去年、トータルで10,000人位が多分ワンマンで集まったので。なんかすごい。
コマキ:すごいよね。いや、本当に。大変失礼ながら、大阪に住んでいる私からすると、ちょっと想像できない。
松浦:俺らもね、音楽が届く場所に行きたいっていう感覚の音楽であるので、我々自体が。 だからそのコンセプトに合ってるし、自然に届く国、届く土地にただ行くっていう。ので、今こうやって、2019年から5、6年経って、なんかいいよね、本当に。上海でアイスクリーム屋とか入ったらさ、「去年の上海観に行きました」って店員さんが言って、アイスクリーム、ただで食えましたからね。
とまそん:クラフトビール屋に行った時とかも、なんか流れてたりとかしてて。
髙橋:勝手に流れてるのってすごく嬉しいし。
松浦:ベースが上海だもんね、俺らは一応。2019年の時は北京の会社と一緒にやってたんだけど、まあひょんなことですごく色々付き合いのある昔からの知り合いと一緒にこうやってできてるのは嬉しいしね。知らない土地に行くのも面白いしね。
コマキ:じゃあ、きっと今回のツアーは、「うちの街に来てくれるなんて」みたいなファンの人がすごく待っててくれるんですね。これね、きっとね。
松浦:なんか12月に、ちょっと話した時も、まだ1月にこういう地方の都市に行くのは発表してなかったんで、その時に「わざわざ〜〜から来ました」、みたいな人たちもいたし、そういう人たちの地元に行くっていうのも、なかなかできないことではあるからね。こうやって、この上海と俺らの合同チームで考えて判断して、全部、制作できてることに実りがあって、すごく充実してるというかね。大抵やり終えた後に、充実とか、充足感が生まれると思うんだけど、割とやりながら既に充実感があって。まあかなり俺らも仕上がってたりするし、こうやってずっとね、何万人の前とかでやらせていただいてる。
コマキ:いやー、もうめっちゃ楽しみです。
松浦:何日ぐらい、土井ちゃんいてくれるんだっけ?
コマキ:結局ね、中国に8日間。
松浦:熱っ!!
コマキ:でも今日も1日って数えるし、最後の移動の日も1日って数えるから。
とまそん:ハードですね。
コマキ:ねー、スケジュール表見て、これがツアーかっていう。
松浦:確かに、それにね、乗っかってくる。
とまそん:アーティストのツアーに一緒に行くことは?
コマキ:ないないない、ないよ、ないない。
とまそん:ないの嬉しいね。
松浦:しかも知らない土地でね。
コマキ:そうですよ、もう放り出されたら、私はそのまま、路頭に迷うしかない(笑)。
とまそん:でも、ご飯食べてても、流れてくる中国のアーティストの曲とか、いい発見もあったり、出会いもあったり、いいよね、そういうのも。
コマキ:楽しみ。明日はまだリハ日ですよね。
松浦:そう、明日、フェスのリハーサル。
髙橋:24時から2時まで、26時まで。
コマキ:深夜にリハって。不思議、中国(笑)。
松浦:まずはね、とりあえず無事に着いたということね。
コマキ:はい。 ここからよろしくお願いします。
海口美蘭国際空港にて、大幅な飛行機遅延に困りつつ
コマキ:今は1月12日の日曜日のもうちょっとで午後2時っていうところです。ここどこですかね?
とまそん:ここは海南の空港ですね。
コマキ:もうちょっとで飛行機に乗るというところなんですけど。まずは昨日、ツアーの初日?
とまそん:ツアーの初日は今日。
コマキ:そうかそうか、ツアーの前にフェスがあって、今回の中国でのライブの初回。フェス、感動しました。
髙橋&とまそん:ありがとうございます
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コマキ:いかがでしたか?予想外の方角に花火が上がり。
髙橋:そう、花火が上がるっての直前に聞いて、主催の人がシーハーズの時に花火をあげたいって言ってくれて。是非!って言うのでやったら、まさかね、お客さんの後ろの方。
とまそん:そうそうそう、ライブ中に花火が鳴りだして、お客さん後ろを振り返って動画を撮るっていう。でもRED(中国のSNSアプリ)に上がってるの見たら、花火からのシーハーズみたいな、結構セットで振り返って撮ってる人とかも多くてすごく良かったですけどね。
コマキ:同じの撮った私も(笑)。
髙橋:曲中に花火があったんですけど、MC中にもまだ終わってなくて、MC中もバンバンバンバン上がってて。
コマキ:長かったよね。
髙橋:5〜6分近くあったよね。
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とまそん:でもうちらは別にトリというわけじゃないのに主催の方の想いでうちらの時に。しかもこの曲の時に花火あげたいて言ってくれてて。しかも今回のフェスのサブタイトルがシーハーズの『location』ってアルバムの中国名から取って使ってくれたことが当日俺も分かってびっくりしたんだけど、こんなに愛されてたんだと思って、びっくりした!
コマキ:めちゃ求められての出演。
とまそん:いや本当に。
コマキ:いかがでした?ステージからの風景とか。もしかしたら中国ではよく見てる風景なのかもしれないけど。
髙橋:海辺でやるのもまた久しぶりだったので、すごくいい気持ち。季節もね、1月なんですけど20度はないかな、日が沈んだけど、めちゃくちゃは寒くなかったのでちょうど良いくらいだったし。
とまそん:リハーサルの時にステージというか客席でかーって思わなかった?
髙橋:でかかった!
とまそん:こんなに人来るのかな?って、ちょっと心配だったんだけど、本番、暗いのもあったけど、本当にめちゃくちゃ多くて、向こう側が見えないみたいになってて、ちょっと感動しました。
髙橋:本当に。
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コマキ:サウンドチェックの時に幕がまだある状態で、最初の音出た時に"ワーっ"て駆け出して寄ってくる人がすごく多くて、"あー始まる!"みたいな。
髙橋:嬉しいですね。何度かフェスに出てるんですけど、やっぱり中国大きいので、どこもどの場所でも割と"初めまして"のお客さんがいるので、それはすごく嬉しいですね。どこでやっても"ようやく見れました"みたいな声を聞くので嬉しいですね。
とまそん:あとVJがあってね、照明もあって、いつも同じチームでやってるから。
コマキ:それがね素晴らしい。だから曲と映像の世界観の地続きな感じというか、両方で一つ作っているという、"ショー"?が、すごく良くて。
髙橋:ちょうどツアーの間というのもあって、ツアーで色々見せ方とか細かくやっていって、そこから抜粋したような形で今回のフェスのセットリストを組んだので、それも良かったのかなと。
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コマキ:そういう風になっているっていうことに私はすごく感動して。日本以外のところで知り合いのバンドを見る、知らないところにこんなにファンの人がいるんだっていう感動は割とここまでも経験したことがあって、他のバンドとかで。それとは違う、呼ばれて行ったら、そこにお客さんがいた、っていうのじゃなくて、シーハーズがやりたい世界観を作るために集まったチームでこのショーを一緒に作ってて。そのメンバーがたまたま中国の人だったって。呼ばれてきてやってるっていうのじゃなくて、チームでやりたいことをやってます、たまたま今、中国にいます、みたいな。これはなんかすごいことだなって思って。そういう仲間がシーハーズにできたってのがすごく私は嬉しくて。
とまそん:そうそう。やっぱりステージを1つ作っているのって、みんな一緒だから。そこが対等であってほしいと思うし。 だから、日本語だとかサポートメンバーみたいな表現の仕方をしたり、照明とかVJとかってもうちょっと引いた裏のスタッフみたいなふうに見えることもあるけど、全然そんなことないのが、中国のそういうスタッフとも1個1個ステージ作るの細かいところまでコミュニケーションを取りながら、言葉の壁もあって難しいとこもあるけど、でもできるとめちゃくちゃ嬉しいし、それをずっとやってきたチームがあるからそれは嬉しいし。単純にそこを見てくれたのが嬉しいよね。
髙橋:確かに。2023年の段階のツアーからチームができ始めて、それが今にも繋がっている感じなので、さらに2024年末にツアーの前半をしたんですけど、そういう時にもいろいろメンバーと今年以降の話もしているし、この今日から始まる後半戦でも多分そうやって今後の話をしていくので、よりなんかこうチーム作りというか、その先の作品作りというか、そこに力を注げるのはいいチームだなと思って、今。
コマキ:自分の中に起きた感情が、予想していたものと違ったからすごく嬉しくて。今日からのライブハウスのライブ、ワンマン、めちゃくちゃ楽しみになりました。
とまそん:期待しててください。
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髙橋:初日から飛行機ディレイで。
コマキ:これね。何時間遅れてるの?って感じ。
とまそん:2時間以上遅れてる。
コマキ:あんまりリハできない
とまそん:そうなんですね
髙橋:やれたらいいぐらいの時間に着きそう。
コマキ:よろしくお願いします
とまそん:しびれまーす(笑)。
ライブ終演直後の南寧Hope livehouse楽屋にて、サイン会の準備をしながら
コマキ:はい、ツアーの初日、ここ、どこだっけ?
髙橋:ここは南寧っていうところで。
コマキ:終わったばっかりホヤホヤだけど。
髙橋:ちょっといろいろトラブルあったんですけど、まあそれはそれで、久しぶり、今年初めてのライブハウスでのライブだったので、まあいろいろあったんですけど、お客さんがすごくあったかくて。それは土地柄もあるのか、中国行くと、南の方、広州とか深圳とか暖かいところは、お客さんが明るくて、反応もダイレクトで。
コマキ:今日とかだって1曲ずつみんな歓声がすごかったですね。
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髙橋:でも、北京とか寒い地域の方、もっと内陸の方に行くところとか、寒いところはちょっとクールな人が多い。中国に住んでる日本の人と以前、話してたら、北京とかで受け入れてくれると、長くずっとファンでいてくれる人が多い。 だから、その一歩目がなかなか難しいけど、その分好きになってくれたら、ずっと好きでいてくれる人たちが多いよ、みたいなことを聞いてて。で、実際、僕らは北京で聴いてくれてる人も多くて、結構寒い地域に好きな人が多いのでそういうのはすごく嬉しいな、みたいな。色々中国の人と、中国に住んでる日本の人と話してて。でも、こういう暖かい地域、今日みたいなところ、そういうところの人は、やっぱり反応もダイレクトで、なんかやってて分かりやすくていいですね。
コマキ:いや、すごいよ。すごくよかった。
髙橋:ありがとうございます。本当によかった。
コマキ:いや、もうみんなに観せたいなー。私しか観てないんで悔しい。
髙橋:確かに。僕らみたいなこういうバンドが、日本でやっても、多分こういう反応にはなりにくいので、だからちょっと面白いですよね。実際、日本でライブしても、中国のお客さんももちろんだし、いろんな国の人が結構来てくれてて、だから、もうちょっと人がどんどん増えてきたら、似たような雰囲気になってくるのかな、みたいなのはあるので、日本の人も、ぜひ来てもらったら、面白い空気感の。
コマキ:いや、なんかそう。いやー、観てほしい。
髙橋:そうなんですよね。
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コマキ:このセットを大阪でやってほしい。
髙橋:そうですね。今回のツアーは2月20日の東京のリキッドルームだけなので、なかなか難しいんですけど、中国のお客さんで2月20日のチケット取りましたみたいな人いたので、多分来てくれる人はいるので。日本でもライブ少しずつ増やしていくとは思うんですけど、今そんなにめちゃくちゃ多くはないので、旅行がてら来て欲しいですね、東京に。
コマキ:確かに(笑)。中国よりも近い。
髙橋:そうなんです。だから大阪の人もね、2回3回大阪で観るのと1回東京で観るの、そんなに変わらないとは思うので。
コマキ:何の話やねん(笑)?
髙橋:是非、来てほしいです。今回のツアーは、2019年に出した「location」というアルバムから(アルバムを)4枚出してて、それの良い曲、選りすぐりの曲を集めたセットリストになってるので、わりと起承転結もちゃんとできてるし、映像も含めて照明も、このストーリーというか世界観は今回がひとつ形になってるとは思うので、観てほしいですね。
コマキ:確かに。流れがすごく面白い。
髙橋:そうなんですよ。本当に。
コマキ:第何章かしらんけど。締めくくるみたいな感じがしてる。
髙橋:そうなんです。
コマキ:いや、よかったです。
髙橋:でも明日以降まだ続くので、色々楽しみですね。トラブルはあったんですけどもチームで乗り切ります。
コマキ:楽しみ。お疲れ様です。
髙橋:ありがとうございました。
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この後、メンバーはVIPチケットを買ってくれたファンとのサイン会。毎回1時間くらいかけて開催していました。その様子を見ていると、やっぱり女性が多く7〜8割、2〜3割が男性と言った感じ。クリエイターかアパレルなのかなと思うようなオシャレな人も多く、みんな伝えたい言葉を用意してきていて、スマホの画面に表示させて見せたり、一生懸命日本語を覚えてきていたり、熱烈!かと思えば言葉少ない男性がいたり。
チケットは即完なので、VIPチケットといえば、それは必死にならないと取れるもんじゃありませんから、寡黙な男性も発売日に必死になってくれたんだなって思うと感動するってメンバーも言ってました。確かに。
開場前に、外でファン同士がお手製のアイテムを交換し合うギブアウェイも行われていて、シーハーズが憧れの存在なのだと感じました。実は、初日からレストランでいわゆる顔バレをしていて、なるほど本当に有名なんだってびっくりしたのですが、その女子高生に声をかけてみたら、クラスで流行っている日本のアーティストが、宇多田ヒカル、椎名林檎、藤井風、シーハーズって言われて、びっくりしすぎてひっくり返りそうになりました。(その子が言ってただけですが!)
フェス会場には初めての私はちょっと緊張するほどの人数の警察官(ガードマンじゃないです警察官です)がいたのですが、その警察官さえ嬉しそうにシーハーズのライブをスマホで撮影していたり、各地のライブハウスで初めての日本のアーティストだよとか、久しぶりにチケットが売り切れたとか、ライブハウスのスタッフから歓迎のシャンパンが楽屋に用意されるとか、私は腰が抜けるかと思ったのですが、本人たちは単純にビックリするというより、自分たちが努力してきたことに対する確かな手応えを得たと喜んでいるように思えました。
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中国のSNSで、コロナ禍、自分が撮影した自分の街の風景の動画に、文章を載せて、シーハーズの曲をBGMに使って投稿する、ということがバズったんだそうです。叙情的だから、きっと会えない人への想いを伝える動画には、ピッタリフィットしたんだろうなと思います。1人で部屋で過ごす時間や、1人で受験勉強を頑張る時間に、シーハーズの音楽が寄り添ってくれたんでしょう。それから数年後の今、自分を支えてくれた音楽を奏でるシーハーズがこうして自分の街にやってきてくれる。それはきっと今までの自分の人生を肯定し、これからも頑張って生きていくためのお守りにもなる、スペシャルな体験だと思う。そういう音楽体験はきっと誰しもがあるはず。そんなふうに、待ち望んでくれているファンにしっかりと応えるステージを見せることが出来るのが、今のシーハーズのチームなんですね。
初日から飛行機の大幅な遅延によって、リハがほぼ出来ない中、初めての場所でのワンマン。機材トラブルがありながらも、それを引き摺らないし、チーム全体ですぐに話して、以降のことを考える。対策する。シーハーズが中国のスタッフに単純に仕事を発注しているのではなく、一緒に叶えたい未来への道順を考え、そのための一本一本のライブの演出、VJ、照明、物販などアイデアも出し合って、一から作り上げている。だからダメ出しはお互いにしっかりやる。仕事として受けているわけじゃないんだなと分かりました。どんなアーティストだって、どこの国でだって、やはりチームがしっかり出来ていると成功する。
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きっかけは、想定外のバズだったかもしれないけれど、一緒にやりたいって手をあげるクリエイターやエージェントがいるというのは、それはつまりシーハーズの音楽にその魅力があるということ。実際に大きなファンダムがちゃんと出来上がっていて、地方都市に行ってもチケットが売り切れる。長らく自分たちにしっかりと向き合ってチーム全体で努力をしてきたから、もちろんライブは盛り上がるし、ファンにしっかりと届くパフォーマンスをできている。人気があるということよりも、それ以前に、やりたい表現をしっかりとできているという実感が本人たちにあるんだと思う。それ故に中国で会ったシーハーズはめちゃくちゃ生き生きとして自信に満ちていて、眩しかった。それを携えて、いよいよツアーファイナルは東京・恵比寿リキッドルーム。ひとつの目標だったライブハウスだそう。もはや今のシーハーズにとって、お客さんの国籍とか人数とかは、きっと関係ない。どんな世界を作ってくれるのか、しっかりと見届けたいと思うし、1人でも多くの人に目撃してもらいたいと思います。ちょっと褒めすぎたかな。
取材・文:土井コマキ
写真提供:宇轩(R-DAY FES)、鱼子(R-DAY FES)
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