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2025.02.09

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!Noranekoguts・NOT WONK・Remayほか全22作品 -2025.2.8-
New Release Digest Part 1
みさと:2月3日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜全22作品の中からPart-1をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます。はじめましてさんからです。YAPOOL。
金子:彼らは2021年11月に始動した東京を拠点に活動する4人組のロックンロールバンド。まさに、という感じのガレージロックな楽曲でしたね。昨年、FRIENDSHIP.からリリースしていた暴動クラブ、彼らはCDショップ大賞にノミネートされたり、4月には恵比寿LIQUIDROOMでワンマンが決まっていたりと、今かなり人気が出てきていて。彼らの曲を聴いて、毛皮のマリーズを連想した、みたいな話をしたと思うんですけど、個人的にはYAPOOLを聴いて、黒猫チェルシーを連想して。このがなる感じのボーカルから、今や役者として大活躍の渡辺大知くんをちょっと連想したんですよね。
「Nouvelle Vague」というタイトルはフランス映画の「新しい波」みたいな意味ですけど、こういうロックンロールバンドがいくつか出てきて、新しい波が生まれつつある。YAPOOLもその一つとして今後が楽しみだなと感じました。
みさと:「Nouvelle Vague」というタイトルにもある通り、古き良きものからインスパイアされていて、言葉からも音からもそれを感じられる作品になってるなというのと、"スッっとこの「Nouvelle Vague」という単語が降ってきた"というセルフライナーノーツもいただいてるんですけど、それが降ってくるくらい、カルチャーへのリスペクトとか、そういったところと時間をかけて向き合ってきた、というのが見えてくるバンドなんだなっていうのを感じました。続きまして、放課後ホタル。
金子:こちらは約半年ぶりぐらいのリリースですかね。コメントで"自分たち放課後ホタルの音楽が、誰かの力になればという思いを惜しみなく込めたストレートな楽曲"と。彼らの持ってる楽曲のポップさであり、アレンジの勢いみたいなものが確かにストレートに表れていますね。FRIENDSHIP.の人がレビューで、"この展開の盛り込み具合はMrs. GREEN APPLEの「ライラック」などが好きな人にもピンとくる要素があるかも"と書いてて、確かになと思う部分はあって。このテクニカルなギターリフの感じだったり、展開の詰め込み方も確かにミセスに通じる部分があるし、ミセスのあの圧倒的なポップさみたいなのって、誰にでも出せるものじゃないと思うんだけど、放課後ホタルは圧倒的にポップで、でもちゃんとテクニカルな側面を持ってるユニットなので、確かになって、ちょっと思っちゃいましたね。
みさと:放課後ホタルは毎作紹介してきてますけど、2024年の作品リリースの中で、2人の絆がすごく強まった感じがしたじゃないですか。その2人が今回、半年後にこの曲を出して、フェイス・トゥ・フェイスからサイド・バイ・サイドに変わって、外に向かって僕たちの音楽で何かを変えようと思っていく、2025年の第1弾のシングルがこの曲っていうのが、放課後ホタルのキャリアとしてもドラマ性があってすごくいいなと思って。そんな2人だからこの言葉とこの声に力を感じるのかな、なんて思いながら聴かせてもらいました。そんなPart-1からどうしましょう。
金子:Noranekogutsの新曲をかけようと思います。
みさと:今回、ミニアルバムのリリースになります。おめでとうございます。
金子:初の全国流通盤でもあるということで、Noranekogutsは2ピースのバンドですけど、収録曲の中にはDENIMSの釜中くんやSpecial Favorite Musicの久米くんがプロデュースしてる曲もあるので、FRIENDSHIP.的にも縁のあるバンドですね。リード曲の「Number」に関しては、ボーカルのガッツさんの影響源の中にはヒップホップが一つの要素としてあるということで、ミニアルバム自体はいろんな音楽性が収録されてるけど、「Number」に関しては特にヒップホップ的な色合いを感じさせる曲。
このループのフレーズが、たぶんギターなのかなとは思うんですけど、音色的にもフレージング的にも面白くて、やっぱり他にない魅力を持っているバンドだなと思いました。そういうヒップホップ的な曲調だからこそ、ボーカルも歌なのかラップなのかみたいな感じがあって、アルバムタイトルの『歌うように、話すみたいに』というのは、そういう音楽的な面もある気がするし、もうちょっと広く生き方の話でもあるというか、歌うように軽やかに、話すみたいに親密に生きていく、そんなニュアンスもある気がしましたね。
みさと:まさに歌うように話すみたいに伝えたい言葉と、独特な譜割りが生きるような実験的なサウンドもありましたし、トータルで見ても、まさにこのタイトルなんだなと納得できるような作品だったかと思います。
New Release Digest Part 2
みさと:新譜ダイジェストPart-2をお届けしました。リリースおめでとうございます。まず、AIRCRAFT。
金子:今回はEPのリリースということで、6曲入りですね。過去に3ヶ月連続で配信したシングルも入れつつ、「TOUHIKOU」という曲は、メンバー4人で戦う決意を込めた楽曲ということで、歌詞では〈疲れたら 耳を貸して 4人の飛行士と TOUHIKOUの旅に出よう〉と、まさに自分たちのことを歌っていて。AIRCRAFTの特徴である男女ツインボーカルで伸びやかにポップなメロディを歌っていて、Part-1の放課後ホタルにも通じるようなこのポップさっていうのは、やはりこのバンドの持ち味だなと改めて感じました。
みさと:ストレートなファンのための曲でもあるように感じられるし、自分のためだけじゃない、自分たちの存在意義を感じられたときに、それは自分のためにもなるという、今の4人のマインドが一番キラッと輝いていて、自分たちがどこに向かっていきたいのかが明確に見えていることが感じられる、素晴らしい作品ですね。続いて、PLATFORM。
金子:AIRCRAFTも大阪のバンドで、PLATFORMも大阪を拠点に活動しているバンド。こちらもミニアルバムで6曲入り。先に言っちゃうと、この後にNOT WONKを紹介するんですけど。
みさと:紹介しましょう!
金子:90年代オルタナ的なもののリバイバルという意味ではNOT WONKが先駆けで、PLATFORMはそれ以降の流れで生まれたバンドというか、彼らは2022年結成だったりするわけで、90年代オルタナ〜エモのリバイバルにはそういう流れがあるなというのを改めて感じさせつつ、「serchlight」という曲はまさにその路線で。でも、歌自体はそれこそAIRCRAFTにもちょっと通じるぐらいの伸びやかなポップさを持っていて、よりマスにも届きうる可能性を感じさせるような楽曲であり、作品だなと思いました。
みさと:日本語へのリスペクトというか、すごく丁寧な歌詞、世界観を作るバンドだな、という印象もあったし、音だけ聴くと音楽玄人が納得というか、好きになってしまうような、そんな魅力を感じさせるバンドで、なおかつ、次の段階を目指しているミニアルバムなんだな、ということを感じさせてもらいました。ということで、NOT WONKかけますか?
金子:はい!
みさと:アルバムです!おめでとうございます!
金子:アルバムとしては4年ぶりなんですよね。
みさと:4年ぶりかー!
金子:最近は「ライブハウスでオルタナが盛り上がってる」という話をずっとしてますけど、NOT WONKなんですよ、結局は。羊文学の影響が大きいというのもよく言ってますけど、それよりもまず前にやっぱりNOT WONKなんです。で、コロナ禍があったと。それによって、ライブハウスで活動ができなくなっちゃった。インディロックシーンにおけるコロナ禍で失われた最大のものがNOT WONKだったと僕は思っていて。
みさと:最大の喪失。
金子:「マジ!?このタイミングかよ!」っていうのは本当に、NOT WONKに対して一番思ったことで。
みさと:北海道っていうのも大きいですよね。これが都内だったら、また違ったアウトプットの仕方、それでも地道に頑張っていこうという小さなコミュニティがあったけど、北海道でちょっと遠かったっていうのが一つあった気もしますよね。
金子:そこからアルバムというタームで言うと4年経っていて、その中でいいことも悪いこともあって、結果としてベースシストの脱退があり、今回はほぼほぼ2人で制作した作品で、ボーカルの加藤修平くんがベースも含めほとんどの楽器を手掛けていると。この前リリースされた「Some of You」はかなり構築的な楽曲で、加藤くんのソロ、SADFRANKとも通じる感じがあったので、そういう作品になるのかな?と思ったけど、1曲目の「About Foreverness」を聴いたら、"NOT WONKじゃん!"という曲だったんですよね。
みさと:いいですよね。
金子:オルタナ感はもちろんあるんだけど、ギターポップ、ネオアコ的な軽やかさがあって、フィル・スペクターとかモータウンみたいな言葉が浮かぶような、加藤くんの持っているソウルフルな雰囲気もありつつ、それでいてやっぱりすごく軽やか。アルバム全体にはいろんな喪失だったり、この4年で感じたことがたくさん含まれてるんだけど、その上でこれを1曲目に持ってきた。もう泣けるなーって感じがして、この曲で"おかえり、NOT WONK!"という感じがしました。めっちゃよかったです。
みさと:今まで3人でパンクもインディもソウルもオルタナも、もう音楽ってなんだろうという追求をしたこの4年間。3人だから鳴らせる音を届けてきて、そこから今2人でどういう音と言葉を届けるんだろうって思ったときに、結局そこに回帰するんだっていう感じもあって、そこがずっと長く見守ってきたファンには涙案件だと思います。セルフライナーノーツをいただいて、"俺は多分永遠性から逃れようとしています"という最後の一文があるんですが、答えは今でも見つかってはいないけれども、ずっと模索をしているし、だけど今は闇の中ではなくて、ちゃんと逃れようとしながらも、光が見えてるんだなという感覚がサウンドからもすごく感じられる素晴らしい完成品です。
New Release Digest Part 3
みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-3でした。リリースおめでとうございます。The fin.が「Night Time」のリミックスを出してるわけなんですけど、今作はFunny Facturesのリミックスです。
金子:Part-3はね、CLUB FRIENDSHIP.な感じですけれども。Funny FacturesはもともとThe fin.のサポートドラムをやっていたという繋がりもあり、ご本人のコメントでも、"「Night Time」のリミックスを募集しているのをインスタグラムの広告で知り、長年友人であり、以前サポートメンバーとして活動していた自分が作らなくて誰が作るねんと思って、勝手に作って応募した"とあって。
みさと:正規な流れで応募してくださったんですね。インスタで知るってね(笑)。
金子:そんなエピソードもあり、まさにFunny Facturesらしいダンスミュージックに仕上げていて、それこそ演奏していた本人でもあるから原曲への愛情もしっかり感じられるリミックスになっていたなと思います。
みさと:今回のリミックスがコンテストなので、通常であれば一つの作品が選ばれると思うじゃないですか。でも作品のクオリティが素晴らしすぎて、何作品か出そうよという流れになったと聞いてるんですけど、今回のFunny Facturesのリミックスを聴いて、"そうなるよね..."と思うぐらい。今作で8作品目になるんですが、8曲繋げて聴くとめちゃめちゃ面白いんですよね。これが本当に同じ曲なんだ、という驚きと、「Night Time」のオリジナルへのリスペクトがどんどん高まる、素晴らしいコンテストですよね。そして、CLUB FRIENDSHIP.といいますか、YAJICO GIRLも今回リミックスと言っていいんですかね?
金子:それに近いけど、表記としては「Re-recorded」ですね。去年アルバム『EUPHORIA』がリリースされていて、ダンスミュージックのモードを提示していたわけなんですけど、それに加えてライブ用にリアレンジや再録を施した既発曲4曲、さらにリミックス2曲を収録したディスク2を加えた、2枚組のデラックス版。
みさと:豪華。
金子:今回のリード的な位置づけが「NIGHTS」の再録で、今のダンスミュージックのモードにガラッと変わっていて。途中で歪んだシンセベースが出てくる感じはフレンチ・エレクトロとか、そういう時代の感じもかっこいいなと思いました。
みさと:後半のダークアレンジからポップな感じに昇華していく、闇から光に抜けるみたいな構成も本当にかっこよくて。これを深夜のクラブで聴けたら、どれだけ高揚感高まるかなと想像するような作品でした。ちなみに、インスタグラムでYAJICO GIRLとPablo Haikuが一緒にエビフライを作るという謎の動画が上がっていて(笑)、結構面白いので、ぜひご覧ください。
金子:1/31に対バンをしてるんですよね。見たかったな。
みさと:ぜひ各SNSのフォローもよろしくお願いします。そんなPart-3からお送りするのはどうしましょうか?
金子:Remayの新曲を紹介しようと思います。
みさと:Remayはアルバムリリース、おめでとうございます。
金子:クラブのピークタイムが過ぎ去り、そろそろ夜明けを迎えるという感じなわけですけど。
みさと:いいですね。時間軸を感じるPart-3ですね。
金子:Remayもすごくいいですよね。まず声が改めてスペシャルで、一人キリンジみたいな。ちょっとややこしいけど。
みさと:KIRINJIがもはや一人ってとこありますけど(笑)。
金子:一人カタカナ"キリンジ"、兄弟のときのね(笑)。でも本当にお兄ちゃんと弟の中間みたいな声な気がするんですよ。パートによって、兄のようにも聴こえるし、弟のようにも聴こえる。
みさと:「一人キリンジ」ってパワーワードだね(笑)。
金子:すごくスペシャルな声で、それを活かすべく音数を絞ったアレンジも見事。室内楽的な雰囲気もあって、ドラムが入ってない曲も多かったり、楽曲自体も素晴らしいです。今回アルバムタイトルが『深夜』なんですけど、2年前ぐらいに出してるアルバムが『夕暮れ』というタイトルだったんですよね。そこから2年ぐらい経って、今回環境を変えてのリリースということで、Remay本人にとっては夕暮れから夜に潜っていくような、そして深夜を迎えるような、まさにそういう時間だったんだろうし、その流れがそのままアルバムになってると思うんですよね。「夜明け」はアルバムの最後の曲で、まさにその時間を抜けて、夜明けを迎えた、Remayの今のモードが反映されている曲かなと思います。
みさと:すごくコンセプチュアルなアルバムだなと思っていて。昨年からSNS、サブスク時代にアルバムの意義って何だろうみたいな話をしてきたわけなんですけど、今回のアルバムに収録されている楽曲だと、「満月」とか「新月」、そして「家」なんていうふうに、まさに深夜を連想させるようなタイトルの楽曲が並んでいて。Remayはご自宅でその楽曲を作るというところで、「家」というタイトルの楽曲もすごく重要なものだと思うし、きっと深夜に曲を作ることが多かったんだろうなという想像もできる。時間が刻一刻と流れていく中で、その時間だけ止まっているようにも聴こえてくるような、スポットライトがポーンと当たる、その一曲一曲の楽曲という意味合いでも、深夜特有の時間の流れみたいなものを味わえる作品になっているかなと思います。素晴らしかったです。
番組の後半はLaura day romanceがゲストで登場!
RADIO INFORMATION
FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」
FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55 放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)
NEW Releases FRIENDSHIP.
FM福岡で毎週水曜日の26:00~26:55まで放送中のラジオプログラム「Curated Hour〜FRIENDSHIP. RADIO」のアフタートーク、番組の中で紹介しきれなかったタイトルを紹介。DJの奥宮みさと、音楽ライターの金子厚武の2人でデジタル音楽ディストリビューション・プロモーション・サービスのFRIENDSHIP.から配信される新譜を中心に紹介するプログラム。
番組MC
金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3奥宮みさと
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。 TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。 安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10