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2025.02.12
2025年1月31日、東京・新宿MARZにてYAJICO GIRLとPablo Haikuの対バンイベント「ISAI-異彩-」が開催された。最初に登場したのはPablo Haikuだ。森飛友(Vo)、足立新(Ba)、永田風薫(Gt)からなる3ピースバンドで、東京藝術大学在学中に結成。2021年6月に1stシングル「park」でデビューを果たし、去年8月にリリースされたシングル「vertigo」はJ-WAVEのパワープレイに選出され、「TOKIO HOT 100」では2週連続で5位を記録。日本だけでなく、フランス、韓国などの海外メディアでもフィーチャーされており、アジアのバンドとして着実にキャリアを重ねている。
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開演時間になり、森、足立、永田に加えて、サポートメンバーの根本駿介(Gt)とカブトムシの桒原幹治(Dr)がステージに姿を見せた。まずは、ギターのアルペジオから静かに演奏が始まり、森がしっとりとした歌声を重ねていく「November」でライブをスタートさせた。次第にベースとドラムも重なり、フロア全体を包み込むようにその場の空気を掌握していった。曲が進むに従ってサウンドはダイナミックになり、大きなうねりを作り出していく。続いてドラムのカウントから疾走感のある「no direction home」を繰り出した。ここでも終盤に向かって演奏と歌が大きな迫力を放っており、彼らの生み出す音の起伏に心を掴まれる。
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今度は荘厳さを感じるピアノと儚い歌声が交差する「The Sounds (only she gave)」で、冒頭2曲とは違った美しくも感傷的なムードを創出。スポットライトが青から赤へと変わるように、1曲ごとにまったく異なる世界へ観客を連れていく。
5曲目に新曲を披露したのだが、ソウルな要素を感じつつ一聴して引き込まれる泣きメロも映えていて、新しいPablo Haikuを感じられて非常に素晴らしかった。この日、初めて森は笑顔を見せながら歌っていたのも印象的であった。
前半6曲を演奏したところで、森が観客に「今日は僕らの大好きなYAJICO GIRLさんと一緒に2マンライブをするということで、めちゃくちゃ興奮していて。皆さん、どうですか? 最高でしょ!?」と投げかけると、フロアから「イエーイ!」と声が上がった。
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バンドと観客の士気が上がった中、7曲目に届けたのは彼らがJR東日本のキャンペーン「JR SKISKI」のテレビCMソングとして書き下ろした「you're my」。ファンクで高揚感のある演奏が、無条件に観客の体を揺らしていく。Pablo Haikuが奏でる音の海の上で、優雅にサーフィンをしているような心地よさがある。ラストに披露したのは去年4月にデジタルリリースされた「Part of Me」だ。クリーントーンのストロークが映えるバラードで、後半にはエレキ・ベース・ドラムの迫力のある音が重なり、永田は床に転げ回りながら演奏し、暴力的なほど美しいカオスを見せてくれた。
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続いてはYAJICO GIRLのライブへ。彼らは同じ高校の軽音学部だった四方颯人(Vo)、吉見和起(Gt)、榎本陸(Mood maker)、武志綜真(Ba)、古谷駿(Dr)の5人で結成。大学在学時の2016年に「未確認フェス」「MASH FIGHT」など、数々のオーディションでグランプリを獲得。音源制作・MV撮影から編集を含め、ほとんどのクリエイティブをセルフプロデュースし、活動の幅を勢力的に拡げている。
機材をセットし終えると、本番まで少し時間があるということで榎本がマイクを握った。「マジでPablo Haikuのことがめっちゃ好きやったから、今回の企画が決まってから仲良くなろうと思って、一緒に(YouTubeのコラボ)動画を回したりして、今日の時点で仲の良さがMAX。そんな素敵な状態で対バンができるという、珍しい機会になりました。やっぱり音がデカいバンドっていいっすよね! もっと耳を破壊してほしい、と思いながらライブを観てました(笑)。皆さん、後半戦も楽しんでいきましょう!」と興奮を伝えて再び袖へと戻った。
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そしてYAJICO GIRLの出番になり、ステージに吉見、榎本、武志、古谷が登場し、「1234」をシーケンスのカウントに合わせて抜群のタイミングで4人が演奏。そして四方も姿を見せて声高らかに歌い上げ、ここからライブが始まると思いきや、途中で演奏を中断。「......(機材の)トラブルですわ!」「これぞライブなんで!」と吉見が笑顔で言うと、それにつられてフロアからも笑いが起きた。再度メンバーの登場からやり直すことになり、会場がほどよい緊張感に包まれる中、今度は見事に「1234」の素晴らしい演奏を届けた。続いては心地いい浮遊感と魅惑のリズムが魅力的な「幽霊」で、新宿MARZはダンスホールと化した。高揚感に包まれる中、3曲目「FIVE」で観客はクラップをしながら軽やかにステップを踏んで、彼らの音の洪水に酔いしれた。5曲目はコール&レスポンスが起こる中、「平凡」を演奏。平凡な日々で諦めることをせずに「いつだって理想を求める君を/僕は好きだよ」と肯定するフレーズをYAJICO GIRLが奏でることで、その言葉がより輝きを放って伝わってきた。
僕がハイライトに感じたのは「2024」だ。鳥のさえずりが流れる中、スケール感のある演奏と歌が神秘的な景色へと誘っていく。この音に名前をつけるとしたら、まさしく歌詞の通り「美しい音楽」「新しい音楽」という表現がしっくりくる。
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四方の「ラストスパート! 踊れる準備はできていますか?」から「Ebi Fry」を炸裂した。それはただの踊れる音楽ではない。それぞれの楽器が鳴らす音と歌の彩色が豊かで、幸福感が溢れていた。しかし、またしても機材トラブルが発生。メンバーが話し合いをした結果、「盛り上がる曲やります!」と予定していた曲目を変更して「だりぃ」を披露。機材トラブルがあったことなど感じさせないほど、メンバーみんなの熱気がすさまじく、最高潮の盛り上がりを生んでいた。観客も満面の笑みで腕を上げている。これはこれでアリなアレンジじゃないか、と思うほどの有終の美であった。お互いにリスペクトし合うバンド2組による「ISAI-異彩-」は、この日にしか観られない最高にレアなライブとなった。
文:真貝聡
撮影:鈴木友莉
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YAJICO GIRL「EUPHORIA DLX」
2025年2月7日(金)
Format:Digital
<Disc1>
Track:
1.1234
2.Ebi Fry
3.ユーフォリア
4.sour
5.MissU
6.APART
7.平凡
8.2024
<Disc2>
Track:
1.NIGHTS - Re-recorded
2.CLASH MIND - Live Version Mix
3.美しき町 - Live Version Mix
4.FIVE - Live Version Mix
5.Ebi Fry - yoshimi Remix
6.幽霊 - voquote Remix
試聴はこちら
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Pablo Haiku「you're my」
2025年1月22日(水)
Format:Digital
Label:FRIENDSHIP.
Track:
1.you're my
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5曲目に新曲を披露したのだが、ソウルな要素を感じつつ一聴して引き込まれる泣きメロも映えていて、新しいPablo Haikuを感じられて非常に素晴らしかった。この日、初めて森は笑顔を見せながら歌っていたのも印象的であった。
前半6曲を演奏したところで、森が観客に「今日は僕らの大好きなYAJICO GIRLさんと一緒に2マンライブをするということで、めちゃくちゃ興奮していて。皆さん、どうですか? 最高でしょ!?」と投げかけると、フロアから「イエーイ!」と声が上がった。
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続いてはYAJICO GIRLのライブへ。彼らは同じ高校の軽音学部だった四方颯人(Vo)、吉見和起(Gt)、榎本陸(Mood maker)、武志綜真(Ba)、古谷駿(Dr)の5人で結成。大学在学時の2016年に「未確認フェス」「MASH FIGHT」など、数々のオーディションでグランプリを獲得。音源制作・MV撮影から編集を含め、ほとんどのクリエイティブをセルフプロデュースし、活動の幅を勢力的に拡げている。
機材をセットし終えると、本番まで少し時間があるということで榎本がマイクを握った。「マジでPablo Haikuのことがめっちゃ好きやったから、今回の企画が決まってから仲良くなろうと思って、一緒に(YouTubeのコラボ)動画を回したりして、今日の時点で仲の良さがMAX。そんな素敵な状態で対バンができるという、珍しい機会になりました。やっぱり音がデカいバンドっていいっすよね! もっと耳を破壊してほしい、と思いながらライブを観てました(笑)。皆さん、後半戦も楽しんでいきましょう!」と興奮を伝えて再び袖へと戻った。
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僕がハイライトに感じたのは「2024」だ。鳥のさえずりが流れる中、スケール感のある演奏と歌が神秘的な景色へと誘っていく。この音に名前をつけるとしたら、まさしく歌詞の通り「美しい音楽」「新しい音楽」という表現がしっくりくる。
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四方の「ラストスパート! 踊れる準備はできていますか?」から「Ebi Fry」を炸裂した。それはただの踊れる音楽ではない。それぞれの楽器が鳴らす音と歌の彩色が豊かで、幸福感が溢れていた。しかし、またしても機材トラブルが発生。メンバーが話し合いをした結果、「盛り上がる曲やります!」と予定していた曲目を変更して「だりぃ」を披露。機材トラブルがあったことなど感じさせないほど、メンバーみんなの熱気がすさまじく、最高潮の盛り上がりを生んでいた。観客も満面の笑みで腕を上げている。これはこれでアリなアレンジじゃないか、と思うほどの有終の美であった。お互いにリスペクトし合うバンド2組による「ISAI-異彩-」は、この日にしか観られない最高にレアなライブとなった。
文:真貝聡
撮影:鈴木友莉
RELEASE INFORMATION
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YAJICO GIRL「EUPHORIA DLX」
2025年2月7日(金)
Format:Digital
<Disc1>
Track:
1.1234
2.Ebi Fry
3.ユーフォリア
4.sour
5.MissU
6.APART
7.平凡
8.2024
<Disc2>
Track:
1.NIGHTS - Re-recorded
2.CLASH MIND - Live Version Mix
3.美しき町 - Live Version Mix
4.FIVE - Live Version Mix
5.Ebi Fry - yoshimi Remix
6.幽霊 - voquote Remix
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Pablo Haiku「you're my」
2025年1月22日(水)
Format:Digital
Label:FRIENDSHIP.
Track:
1.you're my
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