SENSA

2025.01.05

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!EXPCTRほか全7作品&正月スペシャル -2025.1.4-

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!EXPCTRほか全7作品&正月スペシャル -2025.1.4-

カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。 キュレーターの金子厚武とナビゲーターの奥宮みさとによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!

New Release Digest Part 1


みさと:12月30日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜、全7作品をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます。毎年新年一発目はShimon Hoshinoさん名義の作品がリリースになって、「Shimonさんだけだったね、頑張ってたね」なんていうところから(笑)、少しずつ作品が増えまして。今回は7作品となりましたが、Shimonさんは変わらず2作品、2名義でリリースになりました。

金子:去年は一発目のリリースがShimon Hoshinoとinvisible designだったんですけど、今年はShimon Hoshinoとhario island。Shimon Hoshino名義の曲に関しては、"日本の霧の中でのサーフ風景をサウンドとして残したく、misty wavesシリーズを新しく始める"と。"「black misty wave」は、夕焼けの後の暗い中でのサーフシーンを演出しております。世界中のサーファーがこのサウンドを聴いて、日本の海に興味を持ってもらえたら嬉しいです"とのことで、世界に向けて発信をしているShimon Hoshinoさんらしい着眼点だなと。



みさと:近年国外でのストリーミング数が爆発的に上がったアーティストさんでもありますので、2025年もさらなる追い風を受けて、羽ばたいていかれる要注目の方ですよね。続いて、東京真中

金子:東京真中もコンスタントに楽曲を発表してくれていて、今年は1週目から楽曲を出してくれました。東京真中という名前の通り、これまでずっと「人知れぬ夜を音楽に」というコンセプトで楽曲を出してるんですけど、今回に関してはちょっと色合いが違って、"自分と価値観の合わない人々や、正論ばかりを述べる大人たちへ対しての不満を爆発させる少年少女が主人公の曲"ということで、年が変わったからなのか、ちょっと新しい切り口を見せていて。しかも、曲自体もこれまでになく、いわゆるボカロ曲らしい、ニコニコ動画らしい感じ。歌詞にしても曲にしても、合いの手の入れ方とかギミックの使い方も、まさにニコニコ動画らしい、ボカロらしい仕上がりになっていて。これは好きな人多いだろうなと思うし、MVも同時に発表されるみたいなんですけど、歌詞とリンクしてる映像が思い浮かぶような仕上がりになってるなと思いました。



みさと:もう同感です。ボカロ楽曲好きにはたまらない、エッセンス詰め込みまくりの、1年の始まりにふさわしい、勢いのある楽曲だったと思います。〈今に見てろっつーの〉という言葉で終わるんですけど、それがまさに所信表明のような、2025年にどう東京真中というプロジェクトが続いていくのかっていう、そんな一言にも聴こえてきて。かなりこの方、策士ですので、やらかしてくださったなっていう感じがします(笑)。では2025年、一発目のご紹介はどうしましょうか?

金子EXPCTRの新曲を紹介しようと思います。

みさと:昨年の終わりは福岡出身の小田奈都美さんで終わりましたけど、やはり新しい年の始まりは福岡出身のアーティストでいきましょう。

金子:そういうことです。EXPCTRもコンスタントに楽曲を発表してくれていて、毎回クオリティの高いトラックのかっこいい曲が多くて。今回に関しては、前身バンドで制作した曲をサンプリングして、EXPCTRとして再構築した楽曲ということで、エレクトロ、ベースミュージック的なテクスチャーがありつつも、ちゃんと3分半のポップソングにもなっていて、毎回クオリティ高いなと感じます。で、ここからは完全に妄想なんですけど(笑)、「Secret Moment」="秘密の瞬間"というタイトルで、この秘密の瞬間というのはどういう瞬間なんだろう?と考えたときに、アートワークを見たら、自分の部屋みたいなところのベッドの上に座ってて、ちょっと暗くてはっきりとは見えないですけど、パソコンが置いてあるみたいなアートワークになってて。この"秘密の瞬間"っていうのは、自分の部屋で自分の曲ができた瞬間、もしくは作った曲を聴いてる瞬間、その高揚感みたいなものなのかなって。"この音楽がここから世界に発信されていくんだ"みたいな、そういう高揚感がアートワークとタイトルからなんとなく連想されたんですよね。2025年もいろんな部屋から、ベッドの上から、各アーティストの音楽がどんどん世界へと羽ばたいていきますようにという願いも込めて、この曲が年の始まりの1曲目にふさわしいなと思いました。



みさと:その話を聞くと、そういう曲に聴こえてくるし、すごくフィットする世界観。ベッドルームミュージック、まさか自分のこの部屋から生まれた曲が世界中で聴かれるなんて。聴いてる人からするとどこで作られたか、まさにそれは秘密の場所でもありますし、想像できない場所でもありますもんね。でも、そういったアーティストさんがどんどん活躍する、新しい年だと思いますので、追い風になるような1曲でもあるかもしれません。

「Curated Hour~FRIENDSHIP. RADIO」お正月スペシャル

みさと:「Curated Hour~FRIENDSHIP. RADIO」お正月スペシャルです。昨年も素晴らしい作品をたくさんリリースしてもらいました。その中から私たち2人が悩みに悩んで、シングル・アルバムそれぞれ1作品ごと選んでみました。最も心を動かされた作品をご紹介していきます。まずはシングル、厚武さんからお願いします。

金子:厚武賞シングル部門は、Wuinguinの「Street」です。

みさと:最高だった!私も候補に入れてた!

金子:いやー、これはよかったですよね。

みさと:本当によかったですよね。

金子:再生数のランキングにはカネコアヤノさんが入ってたり、FRIENDSHIP.は素晴らしい女性シンガーソングライターがたくさんいますけど、その中でもWuinguinの歌は頭一つ抜きん出た存在感があって。2024年はこの1曲しか出してないんですけど。

みさと:ちょっと意外。

金子:でもそれだけ渾身の1曲だったと思う。海外のアーティスト、Lana Del Reyだったり、Clairoだったり、インディー系の歌姫みたいな人たちがいっぱいいる中で、Wuinguinはそういう人たちとも通じるような、「日本人離れ」という言葉が古く感じるような、当たり前にグローバルスタンダードな風格をすでに持ってるなと。

みさと:ルーツにゴスペルがあったりしますしね。

金子:なおかつ、「Street」はしっかりバンドサウンドで、かなりエモーショナルなんですよね。後半の盛り上がりとか、かなりロック的な側面もある。Wuinguniはスムースで穏やかな曲もわりと多かったんだけど、「Street」に関してはかなり歌い上げていて。そこから感じる意志の強さ、これからも歌い続けていくっていうWuinguinの心境みたいなものが歌からも音からも非常に伝わってくる楽曲。一年を通してたくさんいい曲がリリースされていたので、一曲を選ぶのは本当に難しかったんですけど、でも一聴したときのインパクトも含めて、これだなっていうところで、Wuinguinを選びました。



みさと:彼女の神々しい声質、でもストリートで今いる場所が見える、そんな作品でしたよね。素晴らしかったです。続いて、みさと賞シングル部門です。私、奥宮みさとが2024年最も心動かされたシングルは、んoon「Forest feat. ACE COOL」です!かっこよかった! 今までのんoonも大好きだったんですけど、FRIENDSHIP.からリリースしてくださるようになって、聴けば聴くほど、そしてセルフライナーノーツを読めば読むほど、大好きになってきまして。

金子:いつもね、長いセルフライナーノーツがね(笑)。

みさと:積島さんがね、すごいじゃないですか。今まですごくきれいな言葉で"ジャンルレスで、クロスオーバーされた"みたいな感じで紹介してたんですけど、正直しっくりきてなくて。でもセルフライナーノーツを読むと、バラバラな人たちの集まりなんだなって納得できたし、バラバラが適切なんだなと思えたんですよね。ここからは妄想なんですけど、嫌いなことが一緒なんじゃないかなと思っていて、そこの美学が一緒なんじゃないかなって思えたんですよね。全員が好きなことをやる、まとめるときには嫌いなこと、やりたくないことを排除していくっていう作業をしてらっしゃるんじゃないかなと。私の感覚ですけど、そう紐解きまして。そう考えると、バラバラっていう言葉が適切で。同じものを見てるとかじゃなくて、自分たちがやってきたことをテーブルに乗せて、嫌いなことを排除したら曲が残りましたっていうような、バラバラなんだけど、一つになるっていう奇跡的なユニット、チームなんだなと感じたときに、んoonはアルバムもめちゃ良かったんだけど、今回はACE COOLを迎えた曲を選びました。単純に、私はドラムンベースが大好物。

金子:僕はベースでのラップが最高でした(笑)。

みさと:そうなんです!ベースの積島直人さんがこれはベースを弾いてるわけではなくて、ACE COOLに対してラップで応えている。「あれはラップなんだ」っていう一言にしびれちゃって。そういう自分たちのこだわり、まさにそのバラバラなんだけど一つになってるっていう、んoonをちょっと知れたような感覚になれたアルバムであり、この曲が大好きです。



みさと:続いてですね、そのまま私のアルバム部門もご紹介させてください。2024年最も心動かされたアルバムは、SPENSRの『Drunk』!

金子:かっこよかったですよね。

みさと:厚武さんともめちゃめちゃ興奮して、一緒に話した記憶があるんですよ。SPENSRの過去の変遷というか、今までの経歴を経て、このアルバムができたことが彼の人生にとって本当に必要だったよねっていう、そんなトークをした記憶があります。

金子:UKロックがルーツにあって、そこもふんだんに発揮された作品になってましたよね。

みさと:1曲目「Go Home」から収録されていて、最後「Take Five」で締められているんですけど、「たくさんのいいチャンスを逃してきた それは私の人生を変えた瞬間だったかもしれない いくつかのポジティブな結果もあったことを心に留めておいてください」っていう、あの歌詞、世界観が自分の人生に対するものを振り返りつつも、それをいいと認めて、遠くへ行くことを恐れないでアルバムを作れたことが2025年につながっていくと思うんですよ。2024年12月25日にアルバムのインストバージョンもリリースされていて、彼にとって2024年にこの作品が必要だったんだなっていう大切さもすごく感じさせてもらった。この時代、アルバムの価値みたいなものが問われている中で、こういうギミックをちゃんと作って、作品に対する愛があるっていう意味でも、SPENSRを推していきたいなと思って。アルバムの価値を再認識させてくれたこの作品を、みさと賞に選ばさせていただきました。



みさと:では続いて、厚武賞アルバム部門の発表をお願いします。

金子:私、金子厚武が2024年最も心動かされたアルバムは、Emeraldの『Neo Oriented』です。

みさと:そうなるよね!(笑)

金子:そうなる?納得?

みさと:そうなる!(笑)厚武さんの関係値から見てもそうなるよねっていう気がしてた。

金子:まあそういう部分もありますね。再生回数ランキングではFirst Love is Never Returnedが1位だったわけなんですけど、彼らと共に2024年を過ごしてきたのがEmeraldで。First Love is Never ReturnedとEmeraldって世代は違うんだけど、共通してるのがインディペンデントなところ。First Love is Never Returnedも事務所やレコード会社に所属してるわけじゃないのに、なおかつ札幌にいるのに、これだけの再生回数ってやっぱりすごいことで、Emeraldもキャリアは長いんだけど、基本的にずっとインディペンデントで活動してきて、2024年に7年ぶりのアルバムを完成させた、その道のりはやっぱりすごい。もっと言えば、僕は個人的な付き合いもあって、ボーカルの中野くんの前のバンドから見てる中で、いろんな辛い経験もあったりしながら、Emeraldの今のメンバーと出会った。もちろんそこからもいろんな関係値の変遷があったり、メンバーがお休みしたりもあったんだけど、今回改めて全員が揃った形でアルバムを作り上げた、そのストーリーはやっぱりグッと来るものがあります。あと2024年は日本の音楽が世界でより聴かれるようになった一年で、海外にライブをしに行くアーティストもたくさんいた中で、『Neo Oriented』は日本人なりのネオソウル、日本人なりのAORを追求した作品でもあって。当初はシティポップとかいろんな文脈で語られて、でもキャリアを重ねていく中でどんどんオリジナリティを身につけて、今はどこにも当てはめられない、あえて名前をつけるなら「Neo Oriented」だっていう、自分たちの称号をこのアルバムでやっと手に入れた。そういう意味でも一つの達成だったと思うし、素晴らしいアルバムだったなと思います。



みさと:お送りしたのはFRIENDSHIP.アワード、厚武賞アルバム部門受賞作、Emeraldの『Neo Oriented』から「ストレンジバード」でした。先行く先輩っていう存在でありながら、使い古された言葉だと「時代が追いついた」というか。この年まで地道に続けてこられたからこその着地ってなると、達成感とグッと来ちゃうポイントっていうのは高かったし、かつ世界で聴かれるクオリティの高さが作品に落とし込まれてますので、まだ聴いていなかったという方はこの4作品ぜひ聴いてみてください。以上、FRIENDSHIP.アワード2024の発表でした。

RADIO INFORMATION

FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」

fmgfukuoka_curatedhour_logo_ok_2204.jpg FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55 放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)



NEW Releases FRIENDSHIP.
FM福岡で毎週水曜日の26:00~26:55まで放送中のラジオプログラム「Curated Hour〜FRIENDSHIP. RADIO」のアフタートーク、番組の中で紹介しきれなかったタイトルを紹介。

DJの奥宮みさと、音楽ライターの金子厚武の2人でデジタル音楽ディストリビューション・プロモーション・サービスのFRIENDSHIP.から配信される新譜を中心に紹介するプログラム。



番組MC

kanekoatsutake_20210528.jpg金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
1697255226457.jpg奥宮みさと
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。 TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。 安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10

LINK
FM福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」 FRIENDSHIP.

気になるタグをCHECK!