SENSA

2024.10.06

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!リ・ファンデ・odol・Loupx garouxほか全16作品 -2024.10.05-

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!リ・ファンデ・odol・Loupx garouxほか全16作品 -2024.10.05-

カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。 キュレーターの金子厚武とナビゲーターの奥宮みさとによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!

New Release Digest Part 1


みさと:10月2日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜 全16作品の中からPart-1をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます。まずはhyouさん。

金子:今回はえんぷていの奥中くんがプロデューサーとして参加している楽曲で、えんぷていは以前FRIENDSHIP.が配信のお手伝いをしていたので、こういう形で戻ってきてくれて嬉しいです。えんぷていは奥中くんが歌うとはっぴいえんどとかの系譜に連なる日本語のポップスという感じになるのですが、hyouさんが歌うことによって一気に欧米のインディー的な雰囲気に変わるという、それが面白いですよね。

みさと:えんぷていの魅力として銭湯でレコーディングをしたりライブをされたりするようなバンドなので 奥中くんの空間のリバーブ感というか、湿度高めの空間の作り方はこの曲にも反映されていて、一緒にやる意味があるというか、お互いの個性がしっかりぶつかり合った一曲になってましたね。



金子:hyouさんはNo BusesのCwondoくんだったり幽体コミュニケーションズのpayaさんだったり、いつもインディーの面白い人たちをプロデューサーとして参加させていて、インディーシーンの歌姫的なポジションが少しずつ築かれつつあるような印象もあって、これからも楽しみですね。

みさと:注目ですね。続いてHelsinki Lambda Clubがリリースです。

金子:2ヶ月連続のリリースになります。先月リリースした「THE FAKE ESCAPE」はイギリスのThe Great Escapeというフェスに参加した経験をもとに作られてましたけど、今回はアジアでの経験をもとに作られているということで、タイのバンドとコラボレーションしたり、中国にツアーで行ったり、そういった経験を経て、このオリエンタルな色合いの楽曲が生まれているという。先月も今月もここ最近の海外での経験が活きているという意味では、共通点のある2曲になっているなという感じがしますね。

みさと:しかも、海外から見たアジアのイメージっていう、ちょっと誇張された。

金子:結構やりすぎ感ありますよね(笑)。

みさと:日本人なのに、アジア人なのに少し誇張した感じにするっていうのが面白いし、やっぱり現地の風を感じた人じゃないと出来ないアレンジというか、アウトプットできない形になっているなと思って。面白いし、やりすぎぐらいを1つにまとめちゃうその能力はやっぱり彼ららしいですね。



金子:サイケな側面、ディスコな側面、らしい部分もすごくあるし、でも本当に振り切った側面もあるし、彼らならではの曲だなって感じがしましたね。

みさと:これで踊りたくなるっていうのが私たちのDNAにもつながるところがあるのかと、新しい発見もあります。そんな中、リ・ファンデさんがアルバムです。 よかったー!

金子:すごくよかったですよね。最近は新曲をちょこちょこ紹介してきましたけど、今のリ・ファンデさんはベッドルームポップ・モードにあって、今回のアルバムも全編アナログのリズムボックスをフィーチャーした、ベッドルームソウルみたいな感じになっていて。でも全体を聴くと、ベッドルームポップ的な、ちょっと無機質なトラックの一方で、声の温かみがすごく大事なアルバムにもなっていて。前にも紹介したNegiccoが参加してる曲があったり、ミツメの川辺くんが参加してる曲があったり、「それより影」にはたくさんの人が参加していて、合唱っぽくコーラスを入れてますけど、そこにはFRIENDSHIP.とも縁があるThe Wisely Brothersの真舘さんだったり、烏兎-uto-のベイ佐藤さんだったりも参加していて。この声の温かみと無機質なトラックのいい意味での対比というのが、アルバムの一番の特徴になってる感じがしました。

みさと:その無機質なトラック、音数の少なさ、うっすらしたところであの声が重なる瞬間っていうのがより温かみを感じるというか。アコースティックライブで"僕のギターに合わせて、みんなで歌おう"みたいな、円になって1つの空間ができてるような、そんな画も浮かぶような温かみをすごく感じるし、「それより影」に関しては〈泣いちゃう〉といった口語の使い方、普段ぽろっと言うような言葉を使われるところもすごく親近感があって、いい曲がいっぱい収録されてましたね。



New Release Digest Part 2


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-2でした。リリースおめでとうございます。エルスウェア紀行がリリースです。

金子:エルスウェア紀行は8月に「ロマンチックサーモス」という曲を出していて、そのときはボーカルのヒナタミユさんのルーツである日本のシティポップやゴスペルの要素を持っている曲だったのに対して、今回はドラムのトヨシさんのルーツを感じさせる曲になっているということで、トヨシさんのアレンジはプログレッシブな方向性が特徴ですけど、やっぱり今回の曲もそうで。サウンド的にもすごく作り込まれていて、イントロはウッドベースが印象的なんですけど、曲に入るとシンセベースになったりエレキベースになったりもするし、ドラムも打ち込みで作られていて、パートごとに音色が変わったり、かなり作り込まれています。でもヒナタミユさんが歌うとちゃんとポップにもなるという、エルスウェア紀行ならではのバランス感を持った今回もいい曲でしたね。

みさと:コントラバスに関しては千ヶ崎学さんが今回も参加されてるということで、もうメンバーかな?っていう。

金子:お馴染みですよね。

みさと:2人のルーツのお一人でもあると思うので、その方と一緒に作り上げてるってとこもエモエモポイントではあるかなと思いつつ、結構不穏なメロラインとかサウンド感はありつつ、 "トラウマの克服"が主題になってるということなので、サウンドと歌詞のマッチ度も高い曲になってました。

金子:前作が「ロマンチックサーモス」で今回が「冷凍ビジョン」だから、やっぱり温度感みたいなところは最近のひとつテーマになってるんでしょうね。



みさと:続いて、Cape of good hopeがEPリリースです。

金子:謎の有機体でおなじみのCape of good hope、相変わらず曲自体は童謡のような親しみのあるメロディーラインなんだけど、トラックは意外とオルタナティブ、みたいなところが特色としてありつつ、今回は結構アートプロジェクト的な側面も出ていて。EPのタイトルが『Fall in Love』なんですけど、過去曲を振り返ると、F-A-L-L-I-N-L-O-V-Eを頭文字として持った楽曲たちがリリースされていて、それらをつなげていくと『Fall in Love』になる。なおかつ、その各曲たちのアートワークには統一性があったことがわかるという作りになっていて......今の説明わかります?(笑)

みさと:うん、わかるわかる。謎の有機体がずっと謎を発信し続けてきたんだけど、ここに来てちょっと秘密を開示した感じになってきましたね。

金子:開示したとも言えるし......ますますなんなんだろう?って気もするし(笑)。

みさと:やっぱり謎。

金子:ここ最近に出てた3曲が連作になっている、とかならまだわかりやすいんですけ、この『Fall in Love』に繋がる曲たちが散りばめられてリリースされてるんですよ。それもすごく面白いなと思うし、あとこの方たちはNFTもやっていたり、活動自体がコンセプチュアルというか、謎というか、やっぱりそういう面白さがあるなと今回改めて思いました。

みさと:すごい謎なのに、歌詞の世界観は共感度高かったり、未来の子供たちのために歌ってるし。

金子:子供たちに向けてっていうのが基本にありますからね。



みさと:謎の有機体なんだけど、すごく人間味があるんですよね。ぜひEP聴いてみてください。そんなPart-2からどうしましょう。

金子odolの新曲をかけようと思います。

みさと:今回のodolの新曲、ちょっと泣きそうになっちゃいました。

金子:よかったですよね。odolは今年が結成10周年ということで、10月13日には恵比寿LIQUIDROOMで10周年ライブも控えているという中での今回リリースなので、やっぱり10周年を感じる楽曲になっていて。サウンドにはodolのシグネチャーが詰まっていて、YMO的なオリエンタルなムードもあるし、森山くんのストリングスのアレンジもあるし、でもしっかりバンド感があって、ドラムは大井一彌くん、ギターが細井徳太郎くんという、強いメンツが参加していて、間違いない仕上がりですね。

みさと:〈薄暗い高速を走っていたって 先頭なんてみつからない あの頃の僕らに伝えて!〉、この3行が歌詞の途中に出てくるんですけど、新人時代のバンドマンは地方でライブをすると、その後夜走りして高速を走って帰ったりするじゃないですか。私はあのときのシーンなのかなっていうのをすごく感じていて。スポットライトを浴びて、ステージでかっこよく決めていても、結局は夜道の中で一緒に並走して走っている車たちと何ら変わらない、1つの空間で夜起きて頑張って自分たちの家に帰っていく。自分たちの未来は先頭までいけるのかなって、きっと何度も思ったと思うけど、でもそれでも大丈夫だったよっていう、この歌詞の世界観はすごく10周年ならではな一曲になってると思うし、あと「あの頃の僕に伝えて」じゃなくて、「あの頃の僕らに伝えて」っていうのが、全員に対して一心同体感というか、編成は今3人になっているけど、それでもきっと"僕ら"なんだろうなっていうところもたまんないですね。泣いちゃう。

金子:「時間と距離と僕らの旅」という彼らの曲がありますけど、まさに時間と距離と旅を歌い続けているバンドだなという印象がすごくあって、今回の曲からもそれを強く感じました。



New Release Digest Part 3


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-3でした。リリースおめでとうございます。Laura Ribeiro、リリースです。

金子:FRIENDSHIP.からはちょっとひさしぶりのリリースで、FRIENDSHIP.的に言うとAmiideさんのパートナーというご紹介もできると思うんですけど、かっこよかったですね。すごくインディー的な、スムースなR&Bで、今回は初めて本人が全てをプロデュースして、ミックス・マスタリングがAmiideさんということで、ご本人にとって新たな始まりの1曲にもなっているのかなと。曲名の「Una Noche Más」はスペイン語で、Lauraさんがブラジルとポルトガルのミックスということもあり、グローバルな感覚を感じさせる楽曲にもなっているので、これが日本、さらには世界でどう響くかっていうのは楽しみだなと思います。



みさと:スペイン語ってすごく明るいラテンの印象が強かったんですけど、その雰囲気はありつつ、トラックとかサウンド全体の雰囲気はすごくローでディープだったので、まずここでギャップを感じたのと、あとタイトルは日本語訳すると"もう一晩"という意味になってくるんですけど、その通り官能的なリリックにはなるんだけど、Lauraが歌うとちょっとあどけなさが残る感じがするので、ここにもギャップがあって。ギャップが作る全体的なバランス力がすごく高い曲になってたかなと思います。続いてALFRD、アルバムリリースです。

金子:さっきのLauraは初めて本人がすべてプロデュースという話をしましたけど、ALFRDは今回自主レーベルを立ち上げての初のアルバム作品であり、改めて再出発を宣言するような作品になっていると。『The Awakening』というタイトルは"目覚め"みたいな意味なので、そういう思いがすごく込められた作品になっているかと思います。音楽性的にはインディー、オルタナティブR&B的な作風が特徴で、いろんなプロデューサーが参加することによって多彩な曲調が入っているし、彼自身シンガーソングライターでありビートメーカーであり、モデルだったり執筆活動だったり、多彩な活動をされている方でもあるので、こういうまとまった作品が出ることによって、また彼の名前がいろんなところに広がって、その次の創作に繋がっていったり、そういうきっかけにもなる作品なんじゃないかなという気がします。



みさと:今回のリード、「Salvador」はサルバドール・ダリがテーマになっているということで、ダリもすごくいろんな側面を持っていたアーティストで、前衛的なアウトプットをされていた方なので、そのダリを彷彿させるようなALFRDが彼をテーマにこのリードを作ったっていうのも、再出発とどこまでも高みを目指している雰囲気が伝わってくるかなと思います。アルバムぜひ聴いてみてください!さあ、そんなPart-3からどうしましょう?

金子Loupx garouxを紹介しようと思います。

みさと:はじめましてさんです。そして、アルバムリリースです。おめでとうございます。

金子:Loupx garouxはもともとHOMMヨというバンドで活動していたニイマリコさんのソロプロジェクトから発展していったバンドで、HOMMヨは日本のインディー、東京のインディーをちょっと突っ込んだところまで知ってる人だったら知ってる人も多いであろう、結構長く活動してたバンドなんですよね。その中で、ニイマリコさんはカリスマとか言っちゃうとちょっと大げさだけど、もともとすごく存在感のあった人で、そのニイマリコさんがMagic, Drums & LoveのYURINAちゃん、ロイジプシーのokanさんという女性2人のリズム隊、さらには鍵盤で元爆弾ジョニーのロマンティックも参加しているという豪華メンツのバンドを組んだと。さらに、HOMMヨはロックバンドだったんですけど、本人のコメントにもあるように、このバンドでは子供の頃に好きだったR&Bやソウル、ブラックミュージックの要素を取り入れたダークなポップスを試みています、ということで。確かにちょっとダークな色合いがあり、歌謡曲っぽいニュアンスもあったり、面白いサウンド感・曲調になっていて、そこにはロマンティックがアレンジで大きく貢献しているようで、彼はbetcover!!とかもやってますけど、betcover!!がより洗練されて、音数も減っていったら、こんな感じになるのかなとか思ったり、あとFRIENDSHIP.で言うと阿部芙蓉美さんが今年アルバムを出してますけど、ちょっと荒涼とした感じに通じるものがあるなと思ったり、語りたいポイントがたくさんあるアーティストであり、アルバムでした。

みさと:"2つの異なる要素が同居しているのが、常に自分のテーマです"という一言をいただいていて、このアルバムができているわけなんですけど、厚武さんの話にもあったように、存在感のあるギターロックのバンドをやっている中、自分のもともと好きだった音楽をもう一回やるっていうところも、2つの要素の共存がサウンド感にも歌詞の中にも感じられるなと。あと今回のリードの「Maps to the stars」に関しては、泣きながらありがとうと言ってるような、悲しみと喜びが共存している曲だなというのをすごく感じて、それもまさに2つの異なる要素が同居している歌詞世界になっていたんですよね。〈僕に音楽があってよかった〉という歌詞も、喜びと同時に、じゃあ音楽がなければどうなっちゃってたんだろうっていうことを経験してないと生まれない一言だったと思うので、そういった色々なターニングポイントが詰まった1曲になってるんじゃないかと思います。

金子:言葉もすごく印象的ですよね。アルバムタイトルが『暗野』、暗い、野原の野ですけど、"荒野"というモチーフは音楽の世界ではよく使われるイメージがあって、"何もないところからもう一度スタートしていく"みたいなニュアンスがあると思うんですけど、"暗野"という言葉を使うと、より荒涼とした、薄暗い、すごくシリアスな状況が連想される。でもそういう現状認識をして、それでもそこからスタートさせることがやっぱり大事だっていう、そんなメッセージを受け取れる作品にもなっていると思います。



番組の後半はGuibaがゲストで登場!



RADIO INFORMATION

FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」

fmgfukuoka_curatedhour_logo_ok_2204.jpg FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55 放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)



NEW Releases FRIENDSHIP.
FM福岡で毎週水曜日の26:00~26:55まで放送中のラジオプログラム「Curated Hour〜FRIENDSHIP. RADIO」のアフタートーク、番組の中で紹介しきれなかったタイトルを紹介。

DJの奥宮みさと、音楽ライターの金子厚武、そしてFRIENDSHIP.のキュレーターの平大助の3人でデジタル音楽ディストリビューション・プロモーション・サービスのFRIENDSHIP.から配信される新譜を中心に紹介するプログラム。



番組MC

kanekoatsutake_20210528.jpg金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
1697255226457.jpg奥宮みさと
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。 TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。 安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10

LINK
FM福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」 FRIENDSHIP.

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