SENSA

2024.10.04

Geloomy「Saladbowl」──2024年のど真ん中を射抜く。ファンキー&サイケ、そしてプレイフル!

Geloomy「Saladbowl」──2024年のど真ん中を射抜く。ファンキー&サイケ、そしてプレイフル!

会う人会う人と毎日のように「どこもかしこもリバイバルですね」と会話し、メディアの方から度々「今のリバイバルとは何なのか論じてください」と言われ、街に出ると若い人が皆レトロな服を着てソウルだかファンクだかを演奏している。2024年、どうなってるの?

そもそも常に過去の音楽をリサイクルし解釈し直してきたのがポップミュージックなわけだが、そのアプローチについては時代によってカッコいい/カッコ悪いの評価軸が違っており、なんとなく近年はガチガチに歴史を参照し解釈し直すよりも、肩の力を抜いて遊んでみましたくらいの作品がカッコよく聴こえるように思う。私たちはいま架空のノスタルジーを求めている気がしていて、そうなるとストイシズムにあふれた姿勢よりも、どこかユートピアを感じさせるようなトリッピ―でプレイフルな姿勢がハマるからなのかもしれない。

先日リリースされたGeloomyの『Saladbowl』は、まさしくそういった気分を捉えた作品だ。小腸(Gt/Vo)、肝臓(Key)、肺(Dr)、腎臓(Ba)といういささかふざけた名前の四人が作り上げたファーストEPは、レトロスペクティブを意識的に引き受けながらも、見事な「遊び」の感覚に満ちている。カッティングギターの刻み方を聴けば、そのリラクシングな姿勢は伝わるはずだ。キメキメでも惰性でもなく、その両者の間をぐねぐね折り曲がるように鳴るギターが、全ての楽しさを物語っている。ファンクというよりも、ファンキー。サイケデリックロックというよりも、サイケ。つまり、ファンキーでサイケな音楽。ジャンル音楽の規定から逃げるように鳴らされたサウンドが、楽しさの要因だ。

中でも、特筆すべきは「Black Cinema」だろう。本EPにおいてこの曲だけは遊びつつもなぜか真剣なムードが垣間見えるのだが――ふざけてやり始めたちょっかいの出し合いが途中からマジになっちゃうことってあるよね――随所で鳴るシネマティックなサンプリングがすばらしく、エンディングも含めとにかく洒落ている。

「Vagi@」のチャーミングな振付がTikTokで大バズりし、今度は「Shock!!中毒」を聴きながら皆が腹痛ダンスで踊ってるって? 何なに? 楽しげに揺れるメンバーをよくよく見てみると、あのバンドの人では......? いや、しかしluv(言ってしまった)もゆるいグループだがGeloomyはさらにもう何倍かゆるい。このゆるさが良いし、だからこそ「Shock!!中毒」の終盤でふざけたように雄叫びをあげるギターを聴くと「もっとやれ!」と思う。『Sladabowl』、間違いなく2024年の気分ど真ん中を射抜いているでしょう。2024年、どうなってるの?

文:つやちゃん



RELEASE INFORMATION

Saladbowl_Geloomy_jk_20240920.jpg
Geloomy「Saladbowl」
2024年9月18日(水)
Format:Digital
Label:Geloomy

Track:
1.Shock!!中毒
2.블루 (beullu)
3.p.h.p
4.Black Cinema

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LIVE INFORMATION

Geloomy 1st EP 「Saladbowl」release party『Dressing』
release-party-Dressing-aint-lindy-Yuta-Hara_1000.jpg
2024年11月11日(月)
下北沢BASEMENTBAR
open18:30/start19:00
LIVE:Geloomy / aint lindy
DJ : Yuta Hara (Billyrrom)

前売り:¥3,400(D別)
チケット:https://w.pia.jp/t/geloomy/


LINK
@Geloomy_Band
@geloomy_

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