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2024.09.22
FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!Guiba・ODD Foot Works・Geloomyほか全24作品 -2024.9.21-
New Release Digest Part 1
みさと:9月16日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜、全24作品の中からPart-1をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます。まずはじめましてさんです、Kaori Kusuhashi。
金子:福岡の北九州出身、エレキギターとアコースティックギターをどちらも弾き、"オルタナティヴな感性で現代的なロックとクラシックなブルーズを歌う"と。資料には"和製St.Vincent"とあって、ギターがかっこいい人でもあり、さらには全曲のアレンジ、全ての楽器演奏・プログラミング・レコーディングまで自ら行うというマルチなアーティスト、プレイヤーです。はじめましてなので、過去のプロフィールも見てみたんですけど、もともと"楠橋かおり"名義で活動していて、今はアルファベット表記のKaori Kusuhashiになっているみたいです。アルバムに向けて曲を配信していく最初の1曲が「リセット」ということなので、これまでのキャリアもあった上で、一旦リセットして、もう一度新しく始まっていくタイミングの大事な1曲なのかなと思います。
みさと:資料によると、20歳くらいのときに曲としては仕上がっていた1曲と伺っているので、まさに今までの自分のものを全て失くすわけではないけれども、それをベースに新しい自分としてまたここからスタートという気持ちがすごく込められているんですね。始まりから声力がダイレクトに伝わる潔さと、とてもメッセージ性のある芯の強さというものを感じさせてもらった1曲です。
金子:日食なつこさんとかを少し感じるようなかっこいい声ですよね。
みさと:続きまして、ドン・マルティネス、EPリリースです。
金子:新曲が出る度に紹介はしてきましたけど、EPのタイトルが『NO MESSAGE』ということで。
みさと:いいよね〜。
金子:これまでも、すごくいい意味でおばかなタイトルや歌詞の楽曲を出してきたので、『NO MESSAGE』というタイトルはハマるし、今回の曲も「とびこLOVE」ですからね。魚卵がお好きなんですね(笑)。
みさと:好きでしょうね(笑)。
金子:(タイトルの「とびこ」は)トビウオの魚卵の塩漬けですからね。でも曲自体はニュー・ウェーブ的なかっこよさがあり、メンバーにサックスがいるので、ノー・ウェーブ的なかっこよさもあるし、ライブで聴いたら間違いないパーティーなバンドですよね。
みさと:私、考察するのが好きなので、曲に対して深読みしがちなんですけど。そういった楽曲に救われるのももちろんなのですが、ドン・マルティネスみたいな楽曲があることで、それこそ頭を一回リセットできたりとか、空っぽにさせてもらえるって、オールジャンルに好きなアーティストがいることの喜びを改めて再認識させてもらいました。英語の語りの部分もお寿司についての語りだったり、本当訳わかんないじゃないですか(笑)。
金子:"9月23日の京都のライブより会場限定の音源付きサバの缶詰めを販売。10月10日(缶詰の日)にはおそらく業界初となる缶詰めリリースイベントを開催"とも資料に書いてあって。
みさと:どないなってるの(笑)?とびこも好きだし、サバも好きだし、お寿司好きです。何も考えずに、とにかく宴をするための大義名分を作っている感じが本当に最高ですね。そんなPart-1からどうしましょう?
金子:Guibaの新曲を紹介しようと思います。
みさと:今回はアルバムになります。おめでとうございます。
金子:去年のアルバムから1年でまた新作が登場ということで、今回もGuibaらしいポップス、歌ものを展開しているんですけど、全体的に印象に残ったのは上ものの音色の広がりでした。「写真集」もシンセが入っているし、あとホーンがフィーチャーされていて。1980〜1990年代に通じるポップスをやるとなると、やっぱりそういう上ものの広がり、多彩な音色というのは欠かせない気はして。ライブだと沼澤成毅さん、SAMOEDOをやってたり、色んなサポートをやっている人ですけど、彼が参加していて、録音にも参加しているのかなと思うんですけど、今回はもうメンバーぐらいの勢いというか、それくらい存在感がすごく大きくなっていて。もともとバンドを結成したときのイメージとして、サザンオールスターズとかがあって、サザンも原由子さんが欠かせないメンバーとしているわけだし、「写真集」に関しては特に槇原敬之さんを思い出したりもして。5人組になるわけではないにしろ、メンバーと同じぐらいのバランス感でどんどんバンドに貢献していく、そんな未来もあるのかなって、今回の作品を聴いて思いました。
みさと:Guibaはセンチメンタルさみたいなところの表現の仕方がとても優れていて、懐古シーンとかのフワッとした感じにホーンがあると、ダイレクトに聴き手にも想像させてくれるような楽曲作りをされるなと思っていて。今回『こわれもの』というタイトルなんですけど、"世の中にある形あるものは全て壊れる"みたいな言葉があって。形がなくても関係が壊れたりとか絆が壊れたりとか、思い出も壊れてしまうこともあるし、世の中にあるものは全て"こわれもの"なのかもしれないなと気が付かせてくれたタイトルで。そういった過去を振り返ったりとか現状の関係値とかを想像しながら、アルバムであったり今回のリード曲「写真集」を聴いていくと、儚さとか繊細さみたいなものが、それこそホーンアレンジとともにより気持ちを助長させてくれるような。(ボーカルの)アカツカくんはいつもふざけたことばかり言ってるけど、いい曲書くなと思って。
金子:「写真集」切ないですよね。"自分は歳を重ねていくけれど、写真の中のこの人はずっとこのまま"という、その対比の感じが切なくて。でも、このアレンジで最後にはバン!というあの転調もありで、しっかりポップスとして聴かせるという、すごくいい曲でしたね。
New Release Digest Part 2
みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-2でした。リリースおめでとうございます。フラッシュをいつも作ってくれているディレクターがいるわけなんですけど、この方のときにはいつも"ここでいいんでしょうか?"という疑問を持ちながら作ってくださっています。DURAN!
金子:今回の曲は特に難しいでしょうね。
みさと:難しい!
金子:DURANさんは今年も本当に大活躍で。去年と今年にアルバムを2枚続けてリリースして、そこからご自身のツアーをずっとやっていて、その一方ではB'zの稲葉さんのソロツアーのギタリストとしてもずっと活躍されていて。
みさと:いや、忙しいな〜。
金子:8月の終わりに自身のツアーのファイナルが恵比寿LIQUIDROOMで行われて、それも大盛況で終えて、というわけなんですけど、そういう中でこの9分に及ぶノイズ・ナンバーを出してくるという。藤井 風さんの"Tiny Desk"とかにも参加していて、メジャーシーンでも活躍しつつ、その一方でこういう思いっきりエクスペリメンタルなノイズ作品も発表したりという、このふり幅の広さがDURANさんであり、ギターの音のかっこよさというのはもう本当に相変わらずで、ある意味"これぞDURAN!"という作品だと言っていいんじゃないでしょうか。
みさと:しかもこの曲に「Tokyo Blues」というタイトルを付けるところの意味合いも、アンチテーゼなのか、信念的・哲学的なものを表しているのか。私たちにはまだ正解が分からないけれども、やっぱりDURANさんにしか付けられないタイトルですよね。そして、FUJI。
金子:FUJIはEPが完成しました。今回の作品は"J-POPのアップデートを果たしたい"という主題を掲げていて、"既存のJ-POPのフォーマットから逸脱した音像、そしてJ-POPに触れたときだけに得られる感情、この二つを両立させようとして、そのバランスを模索した"とのことです。FUJIは最初に紹介したときに、"エモバンドのMineralがミスチルをやろうとしている"みたいな紹介があって、個人的には"back numberの方が近いんじゃない?"みたいな話をした覚えがあるんですけど、つまりはもともとJ-POPに対する独自の目線を持っていて。エモとかもバックグラウンドに持ちつつ、デジタルクワイアを使ったり、よりDAW・DTM的な側面もどんどん強めていった中での今回のEPになってますね。先月、米津玄師さんのアルバムも出ていますけど、彼も言ってみればJ-POPをアップデートした人だったりすると思うから、FUJIもそういう存在というか、あくまでJ-POPの枠組みなんだけど、それを拡張・更新していくという、そこの面白さがある作品だなと感じました。
みさと:メロはすごくJ-POPなのに、トラックが洗練されていて、落としどころはまさに納得という、頷きながら聴かせてもらったそんなEPになっています。さあ、そんな中でお送りするのはどうしましょう?
金子:ODD Foot Worksの新曲を紹介しようと思います。
みさと:Number_iにズマズマ言わせているわけですけど、ワンワン言ってましたね(笑)。
金子:PecoriくんがNumber_iの作詞を手掛けていて、そちらでも大活躍ですよね。最近のオドフット(ODD Foot Works)はメンバーそれぞれが色んなところで活躍している分、オドフット本体に戻ってきたときは逆にというか、周りのこと、シーンがどうとか、そういうことを意識せずに、自分たちがかっこいいと思ったことをやるんだという、そこをどんどん突き詰めているなという印象があって。この曲も、「この曲」というタイトルからしてある意味振り切っているし、曲自体も、最近はPecoriくんと有元キイチくんの二人のボーカルを活かしつつというのももちろんあるし、あとは何と言ってもプログレ的なスケール感の大きさがあって。振り切ったかっこよさ、自分たちはこれですという、そこにどんどん進んでいる印象を受けました。
みさと:本当に3人の才能と今までのオドフットが積み重ねてきたものが、どんどん大きいところで鳴っているなという曲作りをここ最近特に感じていて。しかも今回の曲に関しては、キイチくんの言葉で言うと、"とにかくデカいステージを想定して制作しました、会場が大きくなればなるほど楽しめる曲になったらいいなという思いで作りました"といただいているんですけど、サウンド感のスケール、奥行きの広さと高さ、横もそして下も深いという、こういうサウンドメイクはさすがだなという。有本キイチ単体としても、どんどんプロデューサー目線としての曲作り、アウトプットの才能の開花を感じさせる曲だったなと思います。素晴らしい。どんどん大きくなっていくオドフットが楽しみです。
New Release Digest Part 3
みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-3でした。リリースおめでとうございます。黄鶯睍睆(uguisu-naku)も(ダイジェストで流す場所)ここでいいんですか?という感じがしますが(笑)。
金子:12分ありましたからね。難しいですよね。
みさと:さあ、はじめましてさんがいらっしゃいます。SiMAさん。
金子:彼は京都出身のヒューマンビートボクサー。FRIENDSHIP.キュレーターでもあるLITEの井澤さんがライブで共演したときに惚れ込んだらしく、紹介してくれた、みたいなことも背景としてはあって。動画を見てみたんですけど、今のヒューマン・ビート・ボクサーってビートだけじゃなくて、上ものも全部声にエフェクトをかけて作っていて、さらにSiMAさんは歌も自分で歌うという。
みさと:多彩だな。
金子:すごく多彩ですよね。最近SARUKANIというヒューマン・ビート・ボックスのクルーも活躍していたり、ヒューマン・ビート・ボックスも新たなタームに来ているんだなということを感じさせてくれる存在だなと思います。
みさと:今回レコーディング、ミックス、マスタリングがjizueのギタリストである井上さんが担当されてるというところで、音像のこだわりであったり曲の広がりという意味でも、こだわって作られたんだなと見えてきますよね。かっこいいアーティストさんですね。続いて、No.18。
金子:この番組にはFirst Love is Never Returnedがゲストで来てくれて、楽曲もよく紹介していますが、同じ北海道札幌の出身であり、一緒に合同でイベントもやっていたNo.18、彼らもすごくいいバンドで。ここ最近はメンバーの交代もあったりとかして、今年3月にドラムのKazukiさんが加わって今の5人に固まってるんですけど、今回の「Anyway Anyway」という曲は、これまで歩んできた道のりみたいなところも歌詞に反映させながら作っている曲で。だからある種の重みも感じるし、でもメロディー自体はすごくポップだから色んなところに広がる可能性がある。No.18もかっこいいなと改めて思わせてくれる曲でした。
みさと:今までの背景がしっかり楽曲に落とし込まれているのがたまらないですよね。自分の部屋も大切にするんだけど、みんなが集まるリビングの暖かさっていいよねというか、そこで起こっている笑い声が入っている感じとか、背景を知れば知るほどこの曲はやっぱいいな!って好きになっちゃう1曲ですね。そんなPart-3からどうしましょう?
金子:Geloomyの新曲を紹介しようと思います。
みさと:かっこいいです。
金子:EPが完成ということで。
みさと:おめでとうございます。
金子:未だに謎は明かされないままに楽曲が広がり続けているわけですけど、今回EPとしては『Saladbowl』というタイトルで。このタイトルは"多様性や文化、またそれぞれの個性が混じり合いながら形成されるバンドの音楽性を形容したもの"と。そういう食べ物のサラダボウルというタイトルを付けながら、リード曲が「Shock!!中毒」でいいのかみたいな感じもありますけど(笑)、でもこういうある種の軽さが魅力というか、SNSで広まっているというところだったり、正体は分からずに、プロフィールを見るとメンバーの名前が臓器の名前になっていたり、そういうユーモア、いい意味での軽さみたいなものが彼ららしさに繋がっているような感じがします。
みさと:いわゆるオシャな音作りなんだけど、ユーモアのあるタイトルやリリックというところと、あとサラダボウルのサラダって身体に入れるものじゃないですか。そこで栄養が各臓器に行き届くんだなと思うと、まさにそういうことなのかなという気も。
金子:でも"Shock!!中毒"ですからね(笑)。
みさと:結局傷んでいるという(笑)。歌詞には"賞味期限"なんていうワードも入っていたりしますけど。
金子:タイトルも漢字の"食中毒"じゃなくて、英語交じりの"Shock!!中毒"になっていて、こういう空耳的なワードセンスというのもGeloomyの特徴で。こんな歌い方をしている人が他にもいるような気がしますけれども、きっと愛のある方なんでしょうね。
番組の後半はDOGADOGAがゲストで登場!
RADIO INFORMATION
FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」
FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55 放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)
NEW Releases FRIENDSHIP.
FM福岡で毎週水曜日の26:00~26:55まで放送中のラジオプログラム「Curated Hour〜FRIENDSHIP. RADIO」のアフタートーク、番組の中で紹介しきれなかったタイトルを紹介。DJの奥宮みさと、音楽ライターの金子厚武、そしてFRIENDSHIP.のキュレーターの平大助の3人でデジタル音楽ディストリビューション・プロモーション・サービスのFRIENDSHIP.から配信される新譜を中心に紹介するプログラム。
番組MC
金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
奥宮みさと
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。 TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。 安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10