SENSA

2024.06.02

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!kiwano・Broken Kangaroo・bedほか全25作品 -2024.6.1-

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!kiwano・Broken Kangaroo・bedほか全25作品 -2024.6.1-

カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。 キュレーターの金子厚武とナビゲーターの奥宮みさとによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!



New Release Digest Part 1


みさと:5月27日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜全25作品の中から、まずはPart-1をご紹介しました。リリースおめでとうございます。まずはじめましてさんでとても気になるバンド名、わたしたちは真悟

金子:気になりますよね。この名前の通り、真悟さん4人のバンド。

みさと:しかもシンゴの表記っていろんな方がいらっしゃると思うんですが、同じ"真悟"表記の方なんですよね。

金子:真実の"真"に悟空の"悟"。グッドモーニングアメリカの金廣真悟さんが花団の森真悟さんに楽屋トークみたいな感じで「真悟だけでバンド作ったら面白くね?」みたいな話をしてて、実際に金廣さんが森さんにデモを送り、「よし、やろう!」となって、検索でこの名前のバンドマンを探して結成したという。

みさと:よくボーカル、ギター、ベース、ドラムでちゃんと真悟を全員揃えましたよね。

金子:それがすごいし、しかもちゃんとかっこいいサウンドになっていて。"わたしたちは真悟"というバンド名は楳図かずおさんの"わたしは真悟"という作品をモチーフにしていて、この楽曲のテーマもこの漫画の中にある青春性みたいなものから抽出して、「青春だった」という曲になっていると。



みさと:OKAMOTO'Sは岡本太郎が好きで結成されたけど、でも彼らは芸名じゃないですか。この方たちはみなさん本名ですので、やっぱり"名は体を表す"って本当だなと思っていて。同じ"真悟"だからこそ経験してきた、見えてきた共通項みたいなものは必ずあるなと思っていて、それがこの作品を含めたアウトプットにどんどん繋がっていくと、とても楽しみですよね。あと余談ですが、私の兄が同じ漢字で"真悟"で。

金子:5人目のメンバーが(笑)。

みさと:雑用でもマネージャーでも必要だったらご連絡ください。そして、水中スピカもかっこよかったです。

金子:水中スピカは京都から東京に拠点を移して活動を始めていて、6月には中国ツアーも決定して、そうやって活動を広げているからこそ、自分たちの地元である京都に対する想いを込めて「MIYAKO」という曲を作ったと。ダイジェストでその前に紹介したラックライフも自分たちのホームである大阪のことを曲にしていて、ラックライフも海外でどんどんやってたり、そうやって活動を広げていくからこそ、一回自分たちの原点みたいなものを見つめ直すタイミングがそれぞれのバンドにあるんだなというのを感じさせましたね。

みさと:水中スピカが作る音からすると桃源郷のような、幻想の中の故郷みたいな美しさが際立った表現だなというのも思いつつ、幻のような過去の中に実在する地名が入ってくることで、すごくリアリティを感じさせてくれて、どんな景色を見てきたのかが私たちにも想像ができる、素晴らしい歌詞になってました。



金子:ご本人たちからは"水中スピカがストレートなロックを作るとこうなる"というコメントがあるんですけど、それにしては展開とかはかなり凝ってて(笑)。

みさと:これでストレートなんだって。

金子:そこはらしいなと思いましたね。

みさと:そんなPart-1からは何を紹介しましょう?

金子kiwanoさんの新曲を紹介しようと思います。

みさと:kiwanoさん、おひさしぶりじゃないですか?

金子:おひさしぶりですね、約半年ぶりぐらいかな。前作の「コンパクトミラー」がTikTokを中心に話題になって、かなり聴かれていて。仲の良いさとうもかさんの「melt bitter」もめちゃめちゃ流行って、未だに聴かれ続けてますけど、やっぱりこういう可愛らしい曲調、歌声、でも歌詞は引っかかりのある、ひと癖ある感じっていうのはTikTokで受けるんだよなって、改めて感じました。で、今回の「アメリカンチェリー」もそういう要素を持っていて、曲調はジャズの軽やかな感じで、歌詞のテーマ的には"好きな子の好きなキャンディーと同じ味のものを食べたらうまく話ができるような気がした女の子の歌"っていう可愛らしい設定。これまた受けちゃうんじゃないかって感じしますね。

みさと:ゴージャスアレンジの壮大なサウンドと女の子全開のボーカルの対比の面白さが、いつだって女の子が主役だよねって思わせてくれる、誰かを主人公にするのが本当に得意なアーティストだなと思ってます。

金子:少女漫画を読んでる感覚になるようなストーリーの歌詞というのもあって、実際「コンパクトミラー」もTikTokだと少女漫画風の動画が上がっていたりして、「アメリカンチェリー」もそういう風に漫画化されたものがTikTokに上がりそうな気もしますね。

みさと:「コンパクトミラー」で漫画といったらやっぱり"テクマクマヤコン"なので、きっと「アメリカンチェリー」もいろんなクリエイターが"待ってました!"といわんばかりに調理されるんじゃないでしょうか。



New Release Digest Part 2


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェスト、Part-2でした。リリースおめでとうございます。日向文さんも半年ぶりですね。

金子:おひさしぶりですね。kiwanoさんと同様に、日向文さんも非常に独自の個性がある方だなと、毎回曲を聴くたびに思います。kiwanoさんのジャズとは違って、もうちょっと低体温な感じの、エレクトロニックな質感のトラックが特徴で、声も低体温な感じなんだけど、でもやっぱり言葉が鋭い。この曲は別れを描いた曲なんですけど、"私もうあなたのことを年末の大掃除で捨てたい"ですからね。こういう歌詞をさらっと忍ばせることができるのが日向文さんの特徴ですけど、でもこれTikTokで流行ったら怖いなあ(笑)。

みさと:いやでも流行るんじゃないですか。自分の言葉じゃないんだけど、本当は本心こう思ってるっていうのを代弁してくれてるものがTikTokだと流行るじゃないですか。これは来るなと思いますよ。



金子:年末にみんながこの歌詞を弾き語りで歌ってたりして。

みさと:沈みかかってた沼から這い上がるにはこれぐらいのパワーが必要ですよね。はまればはまるほど振り払うときにパワーが必要だし、こういう強めのパンチラインも必要だし、カットアウトで終わるぐらいの強さも必要だし、自分を肯定して守るためにはここまで強くなんなきゃやっていけないのよっていうリアルな歌詞、曲構成だなあと感じてます。

金子:内に秘めたエモーションみたいなものは毎回強く感じさせますよね。

みさと:素晴らしいですね。続いてポニーテールスクライム



金子:さっきの流れで言うと、こっちは内に秘めたというよりも、エモーションを外側に全開で出してますよね。 2022年にオリジナルメンバーで再始動して、活動再開後2枚目のミニアルバムが完成しました。タイトルが『REBUILD』なので、もう一度自分たちの音楽性を再構築していて、でもそうやって再構築したものがこんなにストレートなロックサウンドに仕上がってるっていうのは、バンドの状態がとてもいいんだろうなっていうのを感じさせるし、プロフィールを改めて見ると2009年結成だから今年が15周年で、15年目にしてこのフレッシュさが出せるっていうのもすごいことだなと思いました。

みさと:そういう意味でもこの青さというか、ボーカルの青さ=未熟さではないっていうことを裏付けてるバンドだなって感じますね。それこそ魅力のひとつというか、変わらないでほしい青さが今回も全開になってます。

金子:これまでいろんな経験をしてきたからこその深みみたいなものももちろんあるしね。



みさと:そんなPart-2から何を紹介しましょうか。

金子Broken Kangarooの新曲を紹介しようと思います。

みさと:いやー、もう毎作素晴らしいですね。

金子:もう早くブレイクしないかなと。

みさと:そうなんですよね。

金子:曲を紹介するたびにそう思ってるんですけどね。Halleという名義からもう一度もともとの名義であるBroken Kangarooに戻して、前回出した「演劇」という曲も話題には上がったんですけど、今回また新たな曲が出て、本当に毎回ポップミュージックとしての強度みたいなものが強いんですよね。とにかくメロディーも印象的だし、歌も耳に残るし、トラックメイクも曲が出るたびに更新されていて、今回のビートメイキングもすごくかっこよかったし、やっぱりポップミュージックとしての強度をBroken Kangarooからは感じますね。

みさと:本当ですね。イントロからかっこいいし、どこを切り取っても完璧というか、彼の声も素晴らしいし、あと音を立体的に捉えていて、何と何を組み合わせればどんな化学反応が起きるのか、色んな着地点が見えてこの形になってるんだなっていう。どんな頭の中になってるのか、毎作覗きたくなるような素晴らしい楽曲作りをされるアーティストだなと思います。Broken Kangaroo、この名前がどんどん日本の中で広がっていくことを願うばかりです。



金子:今回「WOLF MOON」というタイトルで、1月の満月のことを"WOLF MOON"というらしくて、冬の食料不足を嘆く空腹の狼の遠吠えにちなんで、ウルフムーンとアメリカで呼ばれてるらしいんですね。今回の曲のテーマとしては孤独と向き合って制作をしてるということで、一匹狼じゃないけど、そういうことが背景にあるのかなという気もして。ちゃんと自分と向き合って、彼のパーソナリティが背景に感じられるからこその楽曲の強さっていうのも、きっとあるんじゃないかなと思います。

New Release Digest Part 3


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-3でした。リリースおめでとうございます。The Wisely Brothers、今回アルバムリリースです。

金子:The Wisely Brothersは2022年の10月に前作『THINK WISELY』を出していて、その後の11月に初のUKツアーを行って、クラウドファウンディングもやったり、いろいろ彼女たちらしい活動をしてたんですけど、その刺激が大きかったようで、その後に即興演奏にシフトしていき、その結果としてできたのが今回のアルバム『その前夜』ということですね。実際本当に即興ベースで、いわゆる歌もののポップソングみたいなのはなくて。彼女たちはもともとアートに対する共感だったりリスペクトが強く感じられる活動をしていて、でもメジャーにいたときはその上でどうポップソングをやるか、みたいな感じだったと思うんですけど、自分たちで活動をコントロールするようになって、これまで以上に自由な音楽活動を始めて、その結果として生まれたのが今回の作品なんだろうなという感じはすごく思いました。



みさと:背景としては音楽に対しての熱量とか愛情っていうのがあると思うんですけど、音の中ではすごく無機質だったり、それこそ前衛的で、一つのアートを作ってるような、美術としても楽しめるというか、美しさみたいなものをすごく感じていて。10曲即興で一つのアルバム作るって相当なことじゃないですか。やっぱり実力がなせる技だなっていうのも感じて、すごく奥行きが楽しめるような一枚になってるんじゃないかと思います。 さあ、RiE MORRiSはコラボレーションがずっと続いてるんですけど、やっぱり彼女いいですよね。

金子:いいですよね。この前のKota Matsukawaとやった曲もよかったんですけど、今回は海外アーティストとのコラボで、南カリフォルニアを拠点とするインストカルテットのThe Guest Roomとのコラボレーションで、彼らの友人でもある2名のシンガーが参加していると。

みさと:今回は一度現地でセッションする機会があったみたいですね。

金子:1回そうやってセッションをして、その後にベッドルームでお互い作業して作り上げているということです。これまでのソウル/R&B味ももちろんありつつ、今回はAOR寄りな、これまで以上にメロディアスな印象も受けて、すごくいい曲でした。2人のシンガーの声もいいし、RiE MORRiSさんも日本語で歌って、その組み合わせもすごく良かったですね。



みさと:彼女の声だからなのか、誰とコラボレーションしても喧嘩しなくて馴染むし、かといって個性がなくなるわけでもないっていう、絶妙なバランス感覚を持ってらっしゃいますよね。さあそんななか、来ました。突っ込まずにはいられない、bedがリリースをしました。タイトルは読めません。

金子:読めませんね。「◯ - 8+3<¥¥ ¥\+ 3%6=」という記号が曲タイトルになってまして、でも読みは"サークル"とのことです。

みさと:これどこら辺がサークルなのかも、ちょっと紐解いて欲しいですけどね。

金子:でもほら、最初が〇だから。

みさと:じゃあそれだけで良くない(笑)?

金子:bedは相変わらずこの感じというか、年明けに「EIGHT-JAM(放送当時は関ジャム)」で川谷絵音くんがピックアップしたり、みたいなこともあったわけですけど、だからといって急にプロモーションをやり出したりとか、オーバーグラウンドな展開をするかというとそんなことはなく、相変わらずアンダーグラウンドで、現場中心で暗躍をしておりまして、この曲を聴けば、そこに集中している感じが改めて伝わりますよね。アルバム『Archives:May 27th, 2023』までというのは、バンドとしても初期の段階で、方向性を探りながらだったけど、今回はそれが見えた上で作っているというか、レイヴィでBPMが速いこの感じというのは、現場での盛り上がりを受けてのものであるし、さらにそれを増幅させるためのものという、その感じはすごくしました。



みさと:私音楽を聴いて追い詰められるという経験はしたことないんですけど、bedを聴くといつも追い詰められるんですよ。毎作出るたびにヒリヒリとした切迫感に追い立てられてるなって気がついて、自分の主導権を持っていかれるほどの、いつの間にかbedの世界に引きずり込まれて、自分もその世界の1ピースになっちゃったような、主導権を持っていかれる音楽ってなかなかないなと思って。きっとこれ一度ライブを体験したっていうのも大きいと思うので、ぜひみなさん現場に行って、自分の主導権を全部かっさらわれる、その体験をしてほしいです。

金子:そんな体験は日常ではなかなかないですからね。

みさと:ないんですよね。本当にbedしか知らない、この感覚は。

後半は福岡のバンド McGradyがゲスト出演!

RADIO INFORMATION

FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」

fmgfukuoka_curatedhour_logo_ok_2204.jpg FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55 放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)



NEW Releases FRIENDSHIP.
FM福岡で毎週水曜日の26:00~26:55まで放送中のラジオプログラム「Curated Hour〜FRIENDSHIP. RADIO」のアフタートーク、番組の中で紹介しきれなかったタイトルを紹介。

DJの奥宮みさと、音楽ライターの金子厚武、そしてFRIENDSHIP.のキュレーターの平大助の3人でデジタル音楽ディストリビューション・プロモーション・サービスのFRIENDSHIP.から配信される新譜を中心に紹介するプログラム。



番組MC

kanekoatsutake_20210528.jpg金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
1697255226457.jpg奥宮みさと
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。 TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。 安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10

LINK
FM福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」 FRIENDSHIP.

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