SENSA

2024.05.26

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!山内街子・Sisters Iin The Velvet・Pablo Haikuほか全18作品 -2024.5.25-

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!山内街子・Sisters Iin The Velvet・Pablo Haikuほか全18作品 -2024.5.25-

カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。 キュレーターの金子厚武とナビゲーターの奥宮みさとによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!



New Release Digest Part 1


みさと:5月20日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜、全18作品の中からPart-1、6作品ダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます! Shimon Hoshinoさんのhario islandが今回はコラボレーションでのリリースです。

金子:Shimon Hoshino名義ではThe Flipsideとコラボしたことがありましたけど、hario islandとしては初めてで、今回はドイツのトラックメーカーのvery noise personとのコラボ楽曲です。

みさと:相当DM届いてるらしいですね。いろんな海外の方から"僕と一緒にやろうよ"っていうDMがSNSで届いて、こういった形にまでちゃんと着地させてるようですけど、また得意技炸裂でいい感じでしたね。



金子:Shimonさんらしいピアノと、very noise personのギターが印象的でしたね。very noise personという名前から連想するノイジーな感じではなく、非常にスムースな楽曲で、相性良かったですね。

みさと:素晴らしいですね。そして初になります、こがれ

金子:彼らは2024年より東京を中心に活動を始めた3ピースということで、出来立てホヤホヤなバンドですね。資料に"くるりやフジファブリックの影響を感じさせる情緒あるロックサウンド"ってあって、確かにこれもわかるなと思いつつ、今回両A面のシングルで、もう1曲「望み」という曲があって、そっちはオルタナティブなサウンドだったりもして、2曲を通じて僕が連想したのはACIDMANで。サビのときの声の感じとか、大木さんにちょっと似てるんですよね。

みさと:確かにね、ちょっとバリトンっぽい、深めの声。



金子:歌詞の世界観も死や孤独について歌っていて、スケール感もあるので、そこもACIDMANと通じるものを僕は感じたりしました。

みさと:確かにそうですね。「朝」に関しては、「ばらの花」がリファレンスなのかなって思うぐらいのサウンド感ではあったんですけど、これぐらいルーツが見えて資料にも書いてあると、声で勝負できないと没個性になっちゃうのかなって思っていたところ、厚武さんもおっしゃるように、声がすごく印象的。オリジナルとして成立している強みのあるバンドだなって感じています。これから楽しみですね。さあ、そんなPart-1からどうしましょう?

金子:山内街子を紹介しようと思います。

みさと:いやー、好きです。

金子:初めてこの名前を見たとき、"また新しい女性シンガーソングライターが出てきたのかな?"と思いましたけど、そういうことではなく、先週シヴァネコが活動を終了したという話をしましたけど、その翌週にシヴァネコのメンバーだったシンガーソングライターのマチャがソロプロジェクトとして始動させたのがこの山内街子だと。なぜこの名前にしたのか、気になりますけどね。

みさと:気になる。で、猫も好きなのねって。

金子:曲タイトルが「猫になったら」で、そこはシヴァネコからの連続性を感じさせますけど、これはソロプロジェクトなので、作詞作曲からアートワーク、映像制作に至るまでセルフプロデュースで行うと。音楽は"タイムカプセル・ガチャポップ"と称していて、時代を超えてレトロで新しい、快適でノスタルジアな世界観。

みさと:納得。

金子:ジャンルや時世を意識しない独自普遍のポップを追求と。

みさと:納得。

金子:納得ですよね。良い意味でのレトロ感がありつつ、でも曲の中の情報量はかなり多くて勢いがあって、新しいプロジェクトの幕開けにふさわしい、すごく良い曲でしたね。

みさと:ほんと。シヴァネコのときのネオ昭和感はそのままに、より純度高くポップスとして形作られてる気がしていて、 これファンのみなさんも喜びと、あとは安堵の声が聞こえてきそうな曲でしたね。

金子:良い意味でバンドにとらわれない自由なアレンジになったことによって、彼のポップセンスがより生きてるような気もするし、これも楽しみなスタートですね。

みさと:まさに猫のような自由さがあるのかもしれませんね。



New Release Digest Part 2


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-2でした。リリースおめでとうございます。今週ははじめましてさん、多いんですよね。嬉しい限りです。まずは、Akane Streaking Crowdです。

金子:彼らは2020年に中学校からの同級生が京都大学のサークルで結成したと。で、今回の曲に関しては、"これまでバンドが大事にしてきた四つ打ちダンス・パンク、はちゃめちゃな展開を軸にAkaneらしさ溢れる楽曲ができたと思っております"とコメントにあって。こういう曲調って僕の世代だとアークティック・モンキーズっぽいと思うし、でも彼らは日本のバンドにもめちゃめちゃ影響を与えてるから、最近だとKing Gnuにもこういう曲調あった気がするし、 YOASOBIもこういう曲調あった気がする。今回の曲もサビはJ-POPな感じだったりして、こういう風にルーツ元から何段階かあって、今のものになってる感じは面白いなと思いました。



みさと:ジャケットはフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」をベースにしてるんですけど、雑多な感じというか、たくさんいろんな要素を組み合わせて1つになってるんだよっていう、音楽性ともマッチした、いいジャケットでしたね。続いて、SigarDown

金子:彼らは2018年結成の4ピースバンド。

みさと:こちらもはじめましてさんです。

金子:オルタナ~エモ風な90年代感のあるサウンドで、特に今回の曲は2分に満たない短さで一気に駆け抜ける、このライブアンセム感がすごく印象的で。FRIENDSHIP.だとポニーテールスクライムとかね、一緒にやっても良さそうな感じがしました。



みさと:汗だくのライブハウスが想像できますね。メンバーの声が重なるときのあの勢いとか、孤独や喪失とか不安に直面したときにも仲間がいるんだぞって、一緒にファイティングポーズをとってくれるような、すごく背中を押してもらえる楽曲になってるんじゃないかと思います。続いてのはじめましてさんが、うえきさくらさん。

金子:この方は2000年生まれのシンガーソングライターで、弾き語り、バンドセットの両形態でライブ活動を行いつつ、音源では初めてのバンド録音ということですね。曲自体印象的だったんですけど、SNSをちょっと覗いてみたら、3月に24歳の誕生日を迎えたそうで、そのときの写真が載ってたんですけど 多分ご自身の部屋で、後ろにカネコアヤノさんのアナログ盤が並んでて、お好きなんだろうなという感じがして。

みさと:間違いないですね。

金子:弾き語りとバンドセットの両方をやってるってことだったり、この曲自体も最初は弾き語りっぽい感じで始まるんだけど、後半のバンドアレンジはかなりサイケデリックだったりして、なるほどなと思って。

みさと:伝わっちゃうよね。その話を聞いて、うえきさんの芯のある声の秘密が分かった気がします。セルフライナーノーツに「溺れてしまうようなイメージでこの曲を作った」って書かれてたんですけど、声に芯の強さがあるから、溺れていくっていうよりは静かに海と一体化して沈んでいくようなイメージが私の中では浮かんでいて、その強さっていうのはリスペクトしてるアーティストからも通じるものがありますね。

金子:いつか一緒にライブやったりとかね。

みさと:夢だねー。

金子:そんなこともあるといいですよね。



みさと:さあ、そんなパート2からどちらを紹介しましょう?

金子:Sisters In The Velvetの曲を紹介しようと思います。



みさと:今回アルバムリリースです。おめでとうございます。

金子:彼らは2019年結成なので、5年越しのアルバムがついに完成ですね。

みさと:嬉しいですね。

金子:コロナ禍でいろいろ大変なこともあっただろうけど ようやくひとつ形になった。"活動初期のクラシックなオルタナティブロック・サウンドからフォーク、エレクトロ、クラシック、ジャズなどさまざまなジャンルの要素を吸収し、Sisters Iin The Velvetとして一つの到達点ともいえるファーストアルバムになったと思います"というコメントもあるように、2010年代のNOT WONKあたりを起点とする90年代リバイバル的なところに出発点を感じさせつつ、この5年で音楽性を豊かにしてきたことがすごく伝わるアルバムでした。

みさと:だからこそのちょっとした懐かしさも感じるようなサウンド感というか、そこがどの年代の琴線にも触れられるような要素にもなってるし、耽美な雰囲気がすごく美しくて。

金子:アレンジのバラエティは広いんだけど、最終的には歌とメロディーが印象に残る、すごくシンガーソングライター的な雰囲気もあって。90年代で言うとエリオット・スミスとかね、そういう人とも通じるような雰囲気があって、そこも個人的にすごく好きでした。



New Release Digest Part 3


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-3でした。リリースおめでとうございます。こちらにも2組、はじめましてさんです。まずcephalo

金子:オルタナ系のニューカーマーが多いですよね。このバンドも2023年12月に結成されたバンドで、"ギターボーカルfukiの独特な世界観の歌声、歌詞、メロディーセンスとシューゲイザーやドリームポップに影響を受けた緊張感のあるインストゥルメントが合わさった退廃的で美しいサウンドを奏でる"ということで、確かになと。資料だと"初期きのこ帝国のようなシューゲイズ・サウンズ"みたいな言葉も出てきたりして、より最近で言うと羊文学とかね、そういうところとも比較できるような世界観を持っていて、人気の出る可能性を感じさせるバンドでしたね。

みさと:オルタナ・シューゲイザーサウンド、この界隈が盛り上がれば盛り上がるほどきのこ帝国がどんどん伝説のバンドになっていくなって思うのが、ちょっと悲しいような、嬉しいようなっていう気持ちもあるんですけど、楽曲としては闇との対峙なんですけど、落ちきってないというか、光が漏れ出てくる感じがするので、すごく美しい一曲だなというのを思いました。



金子:ちなみにFRIENDSHIP.的には最近羊文学のサポートをShe Her Her Hersの松浦大樹くんがやり始めていて、接点ができたので、何か起きるかもしれないですよね。

みさと:大樹を足掛かりに大きなムーブメントが起きるかもしれません。そして、AGATHAも初です。

金子:このバンドは2016年に東京で結成されたスリーピースのマスロックバンド。3人でこの情報量、この演奏、この熱量はレベル高いですね。2000年代のポストロックとかマスロックだと、もうちょっと陰な方向に行くイメージだったけど、彼らはすごくパンキッシュだし、どちらかといったら陽の雰囲気を持ってて、その感じが2010年代以降という感じがしました。



みさと:流れるようなギターとベースに変速的なドラム、技術力あってこその楽曲なのにしっかり開けるパートがある、ポップス性というか陽の雰囲気というのが説得力あるというか、技術がないとできないよなっていう曲作りでしたね。さあそんなPart-3からどうしましょう?

金子:Pablo Haikuの新曲を紹介しようと思います。

みさと:素晴らしかったですねー。

金子:Pablo Haikuは4月に「part of me」という新曲を出してて、そこからシーズン2が スタートした感じなんですけど、前作からエンジニアの中村公輔さんと一緒にやり始めてるところがポイントで。中村さんは折坂悠太くんとかさとうもかさんとかTAMTAMとか、いろんなアーティストと一緒にやってるエンジニアさんで、音作りが面白いんですよね。4月に出た「part of me」もその感じはありつつ、でもわりと弾き語りベースな感じで、後半にサイケなシューゲイズ・サウンドが出てくる面白みはあったけど、今回の方がより音の面白さが伝わる1曲になっていて。もちろん今回もメロディー自体の美しさはすごくあるんだけど、ドラムのブレイクビーツがかっこよくて、しかも前半と後半で変化して、特に後半でかなり面白い音になってたり、それ以外にもメロトロンを使ってクワイアを作ってて、パッと聴くだけだとわからないかもしれないけど よく聴くと楽器でそれが作られていて、その感じもすごく面白かったり。Pablo Haikuはもともとサウンド的な面白さがあったけど、中村さんと一緒にやることによって、その部分がより前に出てきてて、めちゃ良かったですね。



みさと:総じて一筋縄ではいかない音作りをしているなという印象で、さっきおっしゃってたドラムのブレイクビーツがスクラッチしてるようにも聴こえる、実際はしてないと思うんですけど、それが過去と現在を行き来しているような、曲のテーマでもある、当たり前が当たり前じゃないことに気がついたりだとか、そういった今と過去、その心の機微のちょっとした動きみたいなことがサウンドのこの表現からも伝わってくる、そう受け取らせてほしいと思うような面白い音使いをされているところが、芸術だな、アートだなって思わせる1曲でしたね。

金子:イントロからしてすごくインパクトあるので、注目して聴いてほしいですね。

後半は福岡のバンド McGradyがゲスト出演!


RADIO INFORMATION

FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」

fmgfukuoka_curatedhour_logo_ok_2204.jpg FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55 放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)


番組MC

kanekoatsutake_20210528.jpg金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
1697255226457.jpg奥宮みさと
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。 TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。 安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10

LINK
FM福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」 FRIENDSHIP.

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