SENSA

2024.04.18

【読むラジオ】MC:アツキタケトモ 米津玄師を特集!「Room H」-2024.4.17-

【読むラジオ】MC:アツキタケトモ 米津玄師を特集!「Room H」-2024.4.17-

FM福岡で毎週水曜日 26:00~26:55にオンエアしている音楽番組「Room "H"」。ユアネスの黒川侑司、アツキタケトモ、Wez Atlasが週替わりでMCを務め、彼らが紹介したい音楽をお届けし、またここだけでしか聴けない演奏も発信していく。
今週のMCは、アツキタケトモが担当。SENSAでは、オンエア内容を一部レポート!
(聴き逃した方やもう一度聴きたい方は、radiko タイムフリーをご利用下さい。)

皆さん、こんばんは。ここからの1時間はRoom"H"、DJを務めます音楽家のアツキタケトモです。最近は色々ありまして珍しく家から出てることも多くて、新曲「キスミー」に向けてのMVを撮影したりしてましたし、あとは、コンタクトを人生で初めて作ろうという話になって、コンタクトレンズを作りに行ったんですけど、まあ(コンタクトレンズを眼に)入れられなくて。入れ方をレクチャーしてもらって、眼科に行って、そこで入れられなかったら今日は作れないですって言われて、それもすごくプレッシャーでこの短時間で決めなきゃ、みたいな。
その眼科が終わるのが6時ぐらいで、余裕持って3時半ぐらいに行ってたんですよ。だから余裕でしょと思ってて。そしたら全然入れられなくて、その間、中学生ぐらいの子が隣のコンタクト練習台の席に座って、ものの5分とかでシューンって入れて、"入ったね"みたいな。全部で15分とかでその中学生は終わって、"やべえ、27歳成人男性、これでいいのか"とか思いながら(笑)。
それでまた焦って手が震えて入らなくなったりとか。ずっとやってると目が乾いてきて吸い付かなくなったりとかして、すごく地獄の空気で。
で、5時半になって患者さんもいなくなって、看護師さんも"そろそろ閉めたいんだけどなー"的な空気感も流れる中で。でも全然入らなかったわけじゃなくて片目は入ってて、もう片方だけ入らないみたいな。吸い付きが悪くなってきて...その空気感の中、なんとか決めて、あんまりハマりきってなかったかなと思ったけど誤魔化しながら、"大丈夫です"とか言いながらなんとか作れたっていう切ない話があったんです。
これは絶対オープニングトークにしないと消化できないなと思ったので、この1週間ぐらい取っておいたエピソードなんですけど、まあ、そんな人間でもコンタクト作れますから。努力をすればどんな人でも夢は叶うんじゃないでしょうか(笑)。

今日の1曲目、この番組では初めてかけることになります、新曲「キスミー」をお届けしたいと思います。
この曲、去年の秋ぐらいかな、作ったの。10月とかだった記憶なんですけど。
最近の僕の自分内変化として、家で自分の高みじゃないけど自分の中でこうしたいっていう自分との対話感、自分と戦っている感じがずっとあったと思ってて。
「自演奴」という曲以降はそういうことじゃなくて、より多くの人にどうやって伝わるかなとか、自分の好みかどうか一旦置いといて、こういう表現とこういう表現があった時にどっちがより伝わるだろうか、みたいな。その伝わるかもっていう方向性で自分も好きと思える表現を探すみたいな。
その制作の時に聴いてくれる人っていう存在がすごくちゃんと明確化されていった気がしてて、そこまでは内省が強かったんですけど、「自演奴」以降はそういうテンションで作っていく中でこの曲は最初からそこを意識したというか、 いつもが日記を書くみたいな気持ちで曲を書いてるとしたら、今回は大切な人に花をプレゼントする時に どの花が似合うかな、とかそういう気持ちで花屋で花を選んでるみたいな、誰かに渡すための。
そういう気持ちで歌詞やメロディーを紡いだ曲で、その結果、参加してくれてるメンバーもそうだし、いろんな人がこの曲に対してリアクションしてくれたり、あとオルガンに最近ライブもサポートしてくれてるハナブサユウキさんが参加してくれてるんですけど、ハナブーさんのオルガンが入ってきたのを聴いた時に、僕初めて自分の曲で泣いたんですよね。ある意味自分の高みをめざした時期は自分の曲では泣けなかったのに誰かに思いを伝えたい、誰かに届けたいって気持ちで作った曲に誰かの音が乗っかった時に自分で泣けたっていうのが すごく真理じゃないけど、これからの僕の音楽の制作はここにあるんだなっていう、転換点になったすごく大事な一曲となっております。今日から始まったドラマ『買われた男』のエンディング主題歌にもなっております。



米津玄師を特集@リビングルーム

FM FUKUOKAからアツキタケトモがお送りしているRoom"H"、ここからは@リビングルーム、僕、アツキタケトモの回では毎週1組、僕が大好きなアーティストをピックアップしてそのアーティストへの愛を熱く語らせていただきます。今夜、特集するのは大好きな米津玄師さんです。
まあね、米津さんは今の時代においては言わずもがな、という感じですけど、僕はボカロ時代は知らなかったというか、ボカロ自体をあんまり聴いてなくて、学生時代、流行っていたというか、多分ボカロの創成期だったと思うんですけど、どちらかというと米津さんのファーストの『diorama』というアルバムが出た時に、当時、僕、中学生だったんですけど、タワレコとかいろんなCDショップの毎月出てるフリーペーパーみたいなものを趣味で集めてて、インタビューとか今以上に内容がディープなのがいろいろ載っていて、そんな中でボーカロイドですごく人気だったプロデューサーが自分で歌ってっていう、そのスタイル自体が米津さん以降は主流になりましたけど、その時ってそのパターンはあまりなくて、ネットはネットで匿名でやるものみたいな。
ボカロ界隈の人がシンガーソングライター界隈のような全く別のものをクロスオーバーしていく、垣根をこえて両方やっていくのって 当時すごく斬新だったし。そのインタビューでもボカロとかネットっていうものをメインカルチャーにしていきたいという趣旨のことを言ってて、10年経ってそれをちゃんと形にしてる、その姿も含めてすごい人だなと思ってますし、出す曲出す曲、特に最近、ここ4、5年はもう完璧すぎてちょっと凹みますよね(笑)。
今、鳴らすべきポップミュージックとして、しかもタイアップとしても応えながらやっていくっていう。僕にとってはずっと悔しい気持ちとリスペクトが共存する、そういうアーティストです。そんな米津玄師さんの楽曲を早速聴いていただきましょう。僕、アツキタケトモ的米津玄師ベストソングを今日は5曲、皆さんに聴いていただきたいと思います。

まず1曲目、こちらはそのファースト・アルバムの『diorama』の1曲目なんですけど、僕も当時、中学校で邦ロックとかシンガーソングライターとか、それこそスガさんとか、前、特集した通りですけど、そういうところに影響をすごく受けていたので、ボカロとかネットは当時の自分からすると自分の知らないカルチャーだったんですけど、この曲聴いた時に、偏見じゃないけど、僕には(そういう音楽は)"Not For Me"だなみたいに勝手に思ってたのを取っ払われたというか、その当時、僕がレディオヘッドとか聴いてたようなオルタナ性と親しみやすいポップなメロディーが組み合わさってて、"まさにこれが僕の聴きたかった音楽だ"っていうのを感じて、実はすごく自分が求めてたものが鳴った時の感動が忘れられないなということで選んできました。



改めてすごい曲ですね。今でこそミックスというかサウンドプロダクションもアレンジのひとつという感覚になってますけど、当時は弾き語りで作詞・作曲するだけでも、すごく「作ってる人」みたいな感じだったし、アレンジまで全部やる人ってそんなにいなかったんですよね。そういう人ってむしろ音楽業界の中でも天才と言われるような、"なんでそんな全部できるんだ?"みたいな感じだったから。それも含めてさらにミックスまでというか、自分でパソコンで完結してこの(高い)クオリティみたいな点で、めちゃめちゃ食らった記憶が今、よみがえりました。

続いて2曲目に選んだのは「ポッピンアパシー」です。これは「MAD HEAD LOVE」という曲、こちらも中学か高校時代、毎日20回ぐらい聴いてた、本当に。誇張なく、僕の中で新しい音楽すぎて。
ただそのカップリングというか、一応両A面扱いでアルバムに入ってないこの「ポッピンアパシー」という曲を聴いて僕はレディオヘッドの『KID A』とか、ああいう世界観を一番J-POPに落とし込んだ曲だと僕は思ってて、そういう曲を聴いた時と同じぐらいのインパクトがあって、しかもそれが歌謡性のあるメロディとちゃんと調和していて、なんでこんなの作れるの?って思いでそのシングルをひたすら聴きまくっていて、本当一時期それしか聴いてないぐらい。でも今思うとサブスクの時代になってからそういう聴き方した曲ってもうない、いろいろ聴けるようになって自分の音楽の幅も広がってサブスクがすごくいいなと思うけど同時になんかそれぐらいのめり込むことができなくなった感じもあって、あれも見たいこれも見たいってものが次々押し寄せるから。
改めてこの時期の聴き方ってなんかエグかったなぁなんてことも改めて思いました。



次、4曲目は、ここまではカップリング曲とかも多かったですけどシングル曲、「Flamingo」を選んできました。 これは以前もサザンの特集で話した記憶があるんですけど、「Lemon」を出した後にこの曲出すってすげー!ってなったんです。
しかもこれ出たのって2018年ぐらいで、今よりも旧来型のJ-POPの形みたいな、すごくヒットする曲が出たらその路線でもう一回擦るとか、そういうパターン、明文化されてないんだけど、空気としてそういう流れがある中で、「Lemon」があれだけの、多分教科書とかに載るような大ヒットをした後に、これだけ攻めた曲をポーンって出せちゃうそのスタンスも含めて、アーティストとしての見せ方とか、そういうところも含めての新しい人が出てきたな感みたいなものをこの曲でめちゃめちゃ感じて。
結果、僕もすごくこの曲を聴いて影響を受けすぎて、そういうループものでビートがかっこいい方向の曲も作って、全然この曲と張り合えるような曲は書けずにボツにしまくったりとか、今のいろんなアーティストの曲聴いてても、いろんなところに影響してるというか、そのスタンスの部分と単純に楽曲としてのポテンシャルというか、後発のアーティストにめちゃめちゃ影響を与えるポテンシャルみたいなものも含めて、シングル曲だけど選ばずにはいられなかったです。



ラスト5曲目は「地球儀」。こちらも、去年、映画『君たちはどう生きるか』主題歌として世の中に響き渡ってましたけど、僕もジブリの新作を映画館で公開してるタイミングで観ることができるってなかなかないだろうというのもあって、ネタバレも嫌だったので初日の午前中の回を観に行ったんですよね。本当にかなり早い回。そこでエンディングで初めて聴いた時に泣いたんですよね。
で、さすがだなっていうか、本当にタイアップに寄り添うっていう、今までずっとそのカウンター的な部分というかオルタナティブな部分を言及してきたけど、どれぐらいこういう言い方が正しいのか分かんないけど、ちゃんとクライアントの要望にも応えながら、でもそれによって漂白されない米津さんの魅力だったりとか、米津さん自身の音楽の趣味性もちゃんと貫きながら世の中の期待にも応えていくっていう、そのバランス感覚、すげえなっていうのと、その深みというか。
今となってはボカロ文化が広がるすごく一つの大きなきっかけとなったアーティストだったりするけど、後発のアーティストが米津さんを見てそういう文化やテイストに続いていったとしても米津さんの曲にはそれだけじゃないものがすごくあるから、やっぱりその脈々と続く歌謡曲の文化とか、洋楽の流れとか、そういったものも全部呑み込んだ上で、ボカロの先祖みたいになってるから、その深みみたいなものが、言葉の説得力というか、コードに対してのメロディーのアプローチの説得力とかが今のテイスト、いわゆるその米津さんっぽいものとは一線を画してるし、それをずっと10年以上やり続けてるということにめちゃめちゃ感動して。
その後、映画を観終わって何週間か経って、めちゃめちゃ暑い夏だったわけですけど、田園風景の街の中を歩きながらこの曲を聴いた時に、田舎のめっちゃ晴れてる夏の空気感とその楽曲がマッチしすぎて、またそこで泣いたんですよね。
あ、すげーみたいな。この原風景みたいなものをちゃんとシンクロさせてるっていう。今までずっと80年代の曲を聴いて電車で旅したりして、それで当時の日本の空気感というか、田舎の空気感じゃないけど古き良き日本の感じみたいなのを追体験できるから、そういう時間がすごく好きと思ってたけど、それを新曲でできる、その思いにさせてくれるアーティストが米津さん以外は今のところ存在しないから、やっぱり僕にとってすごく「地球儀」を聴いた時の衝撃は大きかったし、今後も追いかけ続けるアーティストなんだなと思いますね。
ちゃんといつか追い越したいなという気持ちもすごくありますけど、そんな気持ちも込めて聴いていただきましょう。



RELEASE INFORMATION

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アツキタケトモ「キスミー」
2024年4月24日(水)
Format:Digital

Track:
M1.キスミー

プリアド/プリセーブはこちら

4月17日(水) オンエア楽曲
アツキタケトモ「キスミー」
米津玄師「街」
米津玄師「ポッピンアパシー」
米津玄師「amen」
米津玄師「Flamingo」
米津玄師「地球儀」
アツキタケトモ「KICK BACK」(宅録カバー)
アツキタケトモ「カモフラージュ」


番組へのメッセージをお待ちしています。
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RADIO INFORMATION

FM 福岡「Room "H"」
毎週月曜日から金曜日まで深夜にオンエアされる、福岡市・警固六角にある架空のマンションの一室を舞台に行われ、次世代クリエイターが様々な情報を発信するプログラム「ミッドナイト・マンション警固六角(けごむつかど)」。"203号室(毎週水曜日の26:00~26:55)"では、音楽番組「Room "H"」をオンエア。ユアネスの黒川侑司、アツキタケトモ、Wez Atlasが週替わりでMCを務め、本音で(Honestly)、真心を込めて(Hearty)、気楽に(Homey) 音楽愛を語る。彼らが紹介したい音楽をお届けし、またここだけでしか聴けない演奏も発信していく。

放送時間:毎週水曜日 26:00~26:55
放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)


番組MC
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黒川侑司(ユアネス Vo.&Gt.)
福岡で結成された4人組ロックバンド。感情の揺れが溢れ出し琴線に触れる声と表現力を併せ持つヴォーカルに、変拍子を織り交ぜる複雑なバンドアンサンブルとドラマティックなアレンジで、詞世界を含め一つの物語を織りなすような楽曲を展開。
重厚な音の渦の中でもしっかり歌を聴かせることのできるLIVEパフォーマンスは、エモーショナルで稀有な存在感を放っている。2021年12月1日に初のフルアルバム「6 case」をリリース。2022年8月24日にシングル「ありえないよ。」を、同年11月30日にはシングル「Blur」をリリース。2022年6月1日にソロ第1弾シングル「この星からの脱出」をリリース。2022年7月8日にはソロ第2弾シングルでギタリスト「こーじゅん」をフィーチャリングに迎えた「フライディ・チャイナタウン (Acoustic Cover)」をリリース。
オフィシャルサイト @yourness_on @yourness_kuro

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アツキタケトモ
2020年7月より活動開始。作詞・作曲・編曲を自ら手がける新世代の音楽家。日常に潜むちょっとした違和感を、独自のダンスミュージックで表現する。
1stアルバム『無口な人』は2020年9月にリリースされ、ノンプロモーションながらSpotifyやApple Musicなどのストリーミングサービスで多くのプレイリストに選出され、早耳の音楽ファンから好評を得た。2022年にはSG「Outsider」をリリースし、Billboard Heatseekersや、J-WAVETOKIO HOT 100に入るなど注目を高めている。
1月5日に配信SG「匿名奇謀」をリリース。
オフィシャルサイト @atsukitaketomo @atsukitaketomo

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Wez Atlas
東京を拠点とするヒップホップアーティスト。多文化なスタイルを取り入れ、高いスキルで日本語と英語を組み合わせたラップを魅せる。HYPEBEAST JAPAN による注目の U20 アーティストに選ばれるなど徐々に注目を集める存在に。2021 年 6 月に starRo をプロデューサーに迎えた「Zuum!」をリリースし、SpotifyJapan の公式プレイリスト「Next Up」のカバー、そして 1 曲目に、さらには「Tokyo Super Hits!」にも選ばれた。今後の活躍が期待される中、2021年7月に待望の1stミニアルバム「Chicken Soup For One」をリリース。客演のオファーも多く寄せられ、Helsinki Lambda Clubや韓国のシンガーソングライターYunBなど、国内外のアーティストの作品に数多く客演参加。
2022年は自身名義のシングルも5作発表し、2023年3月には2ndミニアルバム「This Too Shall Pass」をリリース。
@wezzyatlas


LINK
FM福岡「Room "H"」

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