SENSA

2024.04.07

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!Ålborg・6 mab・sangdeiほか全20作品 ゲストには高値ダイスケ(くだらない1日)が2週連続登場! -2024.3.31-

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!Ålborg・6 mab・sangdeiほか全20作品 ゲストには高値ダイスケ(くだらない1日)が2週連続登場! -2024.3.31-

カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。 キュレーターの金子厚武とナビゲーターの奥宮みさとによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!



New Release Digest Part 1


みさと:4月1日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜全20作品の中から、Part-1の7作品、ダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます!いやー、ドミコがですね、最近コンスタントにリアレンジ作品を出してるわけなんですけれども、今回もかっこよかった!

金子:ドミコは3月にサウスバイサウスウエスト(SXSW)に出てて、その評判も上々だったみたいだし、あとちょっと前にあいみょんの対バンツアーに参加することが発表されてて、しかも7月の福岡公演に出るそうです。あいみょんがドミコ好きらしくて。

みさと:玄人も取り込むテクニックと圧倒的な演奏力と、スター性もありますよね。



金子:さっきみさとさんが言ってくれたように今回も過去曲の、10年前の曲を再録していて。ローファイ感はありつつ、この10年でビルドアップした演奏力であり、アレンジでありが発揮されていて、今回もかっこよかったですね。

みさと:いいですねー。時間をかけてドサ周りしてレベルアップをするタイプじゃないですか、SXSWも含めて。これからもどんどんいろんな場所でライブをしてほしいし、あいみょんみたいなお茶の間に知れ渡ってるアーティストさんとも対バンして、今でも十分かっこいいんですけど、もっと違うドミコも見たいですよね。そして、今回GialloがEPからの先行でシングルリリースになっています。

金子:ギターボーカルとドラムのデュオという意味では、FRIENDSHIP.にはGialloもいるわけで。ドミコとGialloの対バンとか観たいですよね。

みさと:観たい、観たい、観たい。



金子:今回のGialloの曲は「Stay as you are」というタイトルで、「君は君のままでいい」というメッセージが込められていて。ギターボーカルとドラムのデュオって、一般的なロックバンドの形式から言うとベーシストが足りないわけで、なかなか長く続けるのが難しい編成だったりもするわけですけど。

みさと:人によっては物足りないと感じてしまったりとか。

金子:The White Stripesみたいなバンドすら長くは続かなかったり、難しさはあると思うけど、でも「自分たちはこれなんだ」って、選んでやってるわけですよね。さらにGialloは"怪人"を名乗っていて、外見では評価されない安全圏を作ることを掲げていて、編成にしても見た目にしても、「自分たちはこのままだし、君も君のままでいいよ」っていう、 まさにバンドのあり方を体現しているような曲だなと思いました。

みさと:ですね。音としてはもうホラーテイストで、ガレージロックというか、かなりハード目な音なのに、歌ってることが優しいんですよ。君は君のままでいいよ、なんて。でもそういう怪人のようなキャラクターっていましたよね。見た目が怖いから誤解されてしまうんだけど、本当は優しいよっていう。

金子:「美女と野獣」的なね。

みさと:そうそう、映画だと「グリーンマイル」みたいな。そういうのってたくさんあったなと思うし、寄り添ってもらえる楽曲になってます。さあ、そんなPart-1から紹介するのはどうしましょう?

金子Ålborgを紹介しようと思います。

みさと:Ålborgもよかったですね。


金子:オルタナな感じの2組とは一転してって感じですけど、Ålborgもコンスタントに曲を発表していて、毎回いいんですよね。カクバリズムからデビューして、曲を出すごとに注目をどんどん集めている印象があって、今回も歌声は相変わらずスペシャルだし、編成的にもトロンボーンをフィーチャーしていて、その温かみもすごく印象的だし、今回もいい曲でしたね。

みさと:セルフライナーで、「日々の暮らしにおける混沌と安寧をブレンドコーヒーのそれと掛け合わせて、『Blend』という曲名にした」とあるんですけど、ジャケットにも日常に使われているアイテムが並んでいて、腕時計の穴の部分に折り目がついてたりとか、タバコが少しヨレてるとか、ピックの印刷部分のプリントがはげてるとか、針山の糸はこんがらがってる。でもすごく丁寧に使ってるのが見える。その日常に対するあったかい表現がとっても素敵だなと思って。MVも公開予定なんですが、メンバーでの手作りということなので、きっと同じ世界観も楽しめると思いますので、こちらもチェックしていただきたいです。

金子:"今日だけは未来のことは考えずに、2人でのんびりしよう"っていうメッセージもあるということで、4月が始まって新しい環境でバタバタとした日々を過ごしてる人も多いと思うけど そういう人にね、コーヒーをパッと差し出すような、そういう曲だなって感じしますね。

みさと:ゴールデンウィーク明けの5月病の時なんかにもずっと愛されるような曲だと思う。

New Release Digest Part 2


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-2でした。リリースおめでとうございます。はじめましてさんになります。伊澤一葉さん。

金子:伊澤さんがFRIENDSHIP.から出してくれるんですね。東京事変でありthe HIATUSであり、ご自身のバンド"あっぱ"など様々に活動している伊澤さんですけれども、今回はソロツアーに合わせてアルバムがリリースされて、そこからの先行で2曲ということです。the HIATUSでも一緒に活動している ドラマーの柏倉さん、toeのドラマーとしてもお馴染みですけど、すごい2人が一緒にやっている曲がリリースされます。本人のコメントで 「90年代オルタナ色を曲に感じたので柏倉さんに依頼しました」とあって、確かにオルタナって感じもするし、ピアノとドラムが軸になっているんだけど、ポストプロダクションでエフェクトをかけたり、その要素も強いから、それもある意味90年代っぽいというか、エレクトロニカとかそういう要素はthe HIATUSにもあったりするから、彼らのキャリアを考えても「このサウンドだよな」って感じがしました。



みさと:確かに。そして柏倉さんにお願いした理由として、ジャズ、ポップス、ロックを叩ける人って稀有だなと思うので、この二人だからこそ為せた技だろうなっていう、完成度はもう言わずもがな、素晴らしい作品で。2曲リリースになるわけなんですけど、通じるところもありつつも、それぞれの個性が際立っていて、これが伊澤さんの見せる技なんだなと、脱帽です。ぜひ聴いてほしいですね。そして、Yasei Collectiveの中西道彦さんのソロ名義nknこつぶさんを迎えてリリースになってます。

金子:コラボレーションという意味では伊澤さんとも通じる部分がありつつ、前作はFiJAさんを迎えていて、今回はこつぶさんということで、わりとFRIENDSHIP.に縁のある方たちで固めていただいていて(笑)。

みさと:聴き応えがありますし、嬉しいですよね。



金子:今回は「さくらまじ」というタイトルで、この「さくらまじ」というのは桜の花の咲く頃に南から吹いてくる暖かい風のことだそうで、"美しく優しい風景に滑り込ませてあるザラつきが伝われば嬉しいです"というコメントもあって。確かにスムースなネオソウルっぽいニュアンスは美しくて優しい感じがあるんだけど、でもその中にストレンジな音も入り込んでいて、オルタナ感があって、そのあたりはYasei Collectiveとも通じる部分も感じたし、まさに「さくらまじ」な曲だなと感じましたね。

みさと:前作のFiJAさんもそうですけど、ボーカリストの声と世界観を広げる音作りって秀逸ですよね。やはり言葉を持たずに音楽活動をされてきた中西さんならではだなと思うし、強い味方を手に入れるとさらにパワーアップされるな、という一曲だと思いました。さあ、そんなPart-2からご紹介するのはどうしましょう?

金子6 mabを紹介しようと思います。

みさと:福岡の星よ!私、このEP聴いて、ずっと好きなんだけど。

金子:6 mabいいですよね。

みさと:さらに好きになっちゃった。すごいよ、このEPは。



金子:これまでの楽曲もそうだったけど、生演奏とプログラミングを折り混ぜたミニマルなトラックで、ポストロック、エレクトロニカ、インディR&Bとかにも通じるようなトラック、プラス歌心もあって、独自の世界観を築いていますよね。特に今回の「Golden Age」という曲はピチカートがフィーチャーされてて、ちょっと神々しい雰囲気がある感じはSerphっていう日本のトラックメーカーとも通じる雰囲気を僕は感じて、相変わらずかっこいいなと思いましたね。

みさと:一聴してパターンの中の構築美が詰まっていまして、まさに幾何学的だなとも感じて、そこに偶発的とも捉えられるような意外性もあって、だけどボーカルはこの声じゃなくちゃダメだっていう。"名詞的な1枚"とセルフライナーでもいただいているので、これを聴いたらファンになるし、絶対に聴いてほしい1枚です。

金子:本人のコメントで、「何かで『本当に音楽の才能がある人は似たような良い曲をいくつも作れる』と読んだことがありますが、どうやら自分はそのタイプではないなと確信するほど、今作も1曲1曲にキャラクターが芽生えてしまいました」と。

みさと:いいのよ、そのままでいてよ。

金子:確かに1曲1曲キャラクターあるんだけど、でも僕としてはもうすでに6 mabの色があって、「似たような良い曲」というか、6 mabらしい良い曲を毎回届けてくれる印象がすごくあって。変な話、これって弾き語りにしても、6 mabの色がめちゃめちゃあると思うし、逆に言うと、歌を抜いちゃってトラックだけにしても、それはそれで6 mab色がある気がするし、それってなかなかいないなって思いましたね。

みさと:"これをライブで演奏するのどうしよう"って、ご本人も言ってるみたいなんですけど、3人しかいないですからね。もちろんそれをライブで頑張ってる姿も観たいけど、今おっしゃった弾き語りじゃないですけど、あえて何かを抜かして表現するライブステージがあってもいいのかなっていう。とにかく可能性があるバンドです。

金子:もっともっと広がってほしいですね。



New Release Digest Part 3


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-3でした。リリースおめでとうございます。いやー、とってもかっこよかったです。SYCLESがEPのリリースになります。おめでとうございます。

金子:SYCLESはBROKEN HAZEことKeisuke ItoやYuta Hoshiらによるエレクトロニックミュージック・ユニット。星くんは2月にDALLJUB STEP CLUBのアルバムが出て、先月はWOZNIAKのアルバムも出て、大忙しな感じですけど、SYCLESとしてはUKの先端のクラブミュージックと並走するような非常にかっこいいダンスミュージックをやっていて、しかも今回のEPにはTempalayの藤本夏樹くんのリミックスが入ってると。Tempalayはそんなにダンスミュージックのイメージはないですけど、でも夏樹くんはソロだとダンスミュージック的なアプローチもやってて、なおかつ、いわゆるわかりやすい四つ打ちっていうよりは、今回の曲もポリリズムっぽい感じになってたり、複雑な拍子を絡めることによって、より陶酔感のあるダンスミュージックにする、そういう要素を感じさせてすごくかっこいいリミックスでした。



みさと:ハイエンドなアパレルのコレクションでそのまま使われていそうなアヴァンギャルドさと洗練さっていうところで、まさに陶酔感、ポリリズムは形になってるなぁって思いましたし、サイクルさせるだけじゃなくて、展開もドラマチック。一言で言うと、超かっこいいEPです。そしてDENIMSなんですが、前身バンドのAWAYOKUBAの2011年リリース楽曲をセルフカバーした楽曲になります。

金子:ドミコも過去曲をセルフカバーしてますけど、DENIMSもということで。しかも前身バンドのセルフカバーで、2011年リリースの曲だから10年以上前。なので最近のDENIMSの曲に比べるとすごくフレッシュですよね。

みさと:ですよね。

金子:元気ですよね。

みさと:元気だね、勢いある(笑)。



金子:でもライブを観ると、今もこのエネルギッシュさはしっかり持っていて、この曲からはそれがわかりやすく感じられましたね。

みさと:ドミコと共通してますけど、スタイルが確立されてからだとどんな曲も今のDENIMSとして演奏できるんだなってすごく思わせてもらいますよね。そんなPart-3からご紹介するのはどうしましょうか。

金子sangdeiを紹介しようと思います。

みさと:EPリリースです。おめでとうございます。

金子:sangdeiもコンスタントに曲をリリースしてきて、その曲たちも含む6曲入りのEPなんですけど、すごく良かったですね。どんどん洗練されてきて、ポップさも増してきて、「Concrete Jungle」という曲もすごく良くて。この曲についてはコメントで、「東京の街を表していて、都会で挑戦する中で、ぶれない心を持ち続けることの大切さや、今置かれている状況や周りで支えてくれる人々への感謝の気持ちを表した曲です。2番ではヒップホップに対する愛だけでなく、自分が音楽を始めるきっかけにもなった先輩アーティストたちへの思いを込めたバースにもなっています」とあって。sangdeiくんと言うと、Wezくんに影響を受けたということを以前から語っていて、Wezくんは去年出したアルバムで、「This Too Shall Pass=これもまた過ぎ去る」っていう、大変なこと、悲しいこともいろいろあるけど、でもこれも過ぎ去っていくんだっていう、ある種の諦念が希望へと変わるような表現をしてましたよね。sangdeiくんの「Concrete Jungle」に関しても、都会で生きていくことは大変なことが多いんだけど、 でもそれを乗り越えた先に希望を見出すことができるっていう表現になってるのが、先輩の背中を重ねて見えるというか、ただ音楽としてだけじゃなくて、表現者としての成長がすごく感じられる曲だなと思いました。



みさと:私たちはsangdeiさんの初期というか、わりと早い段階から聴かせてもらってますけど、今のsangdeiさんは歌声にすごく自信を感じますよね。もともと別に自信がなかったってわけではないだろうし、こなれた力の抜き加減とかスムースな表現っていうのは変わりないですが、サウンドからも、そして歌詞からも歌声からも迷いがないなというか。"他人に何を言われても、人生の決断は自分で決める。そして今置かれている状況に感謝をしながら、希望を持って挑戦し続ける。この1年、音楽を通した様々な出会いや経験から、私が学んだことです"って一言もセルフライナーでいただいていて、まさにこうやって背景を知らずとも表現で伝わるってあるんだなと、人の成長を見させてもらえてるのは結構、胸アツですよね。

金子:こうやって毎週曲を紹介してるとそういう成長も垣間見えて、今回の作品はそれを象徴してるような気もしますね。

みさと:またこれからも追いかけていきたいと思わせてくれる、そんな一作になっています。


番組ゲストには、高値ダイスケ(くだらない1日)が2週連続で登場!
登場パートはradikoをチェック。

くだらない1日「とても大事」Music Video

RADIO INFORMATION

FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」

fmgfukuoka_curatedhour_logo_ok_2204.jpg FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。番組後半ではThe fin.のYuto Uchinoが月替りでゲストを迎え、深い音楽談義を繰り広げるコーナーを展開。 放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55 放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)


番組MC

kanekoatsutake_20210528.jpg金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
1697255226457.jpg奥宮みさと
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。 TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。 安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10

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