SENSA

2024.03.31

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!WOZNIAK・Otomodatchi・ゲシュタルト乙女ほか全24作品 -2024.3.31-

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!WOZNIAK・Otomodatchi・ゲシュタルト乙女ほか全24作品 -2024.3.31-

カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。 キュレーターの金子厚武とナビゲーターの奥宮みさとによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!



New Release Digest Part 1


みさと:3月25日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜、全24作品の中から、まずはPart-1の8作品をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます。さてさて、今日のはじめましてさんです。TORO

金子:TOROは「ロックの復権」をコンセプトに 2023年4月に結成されたバンドということで、確かにロックでしたね。特にUKロックな感じがすごくして。みさとさん、WINOってわかりますか?

みさと:わからないです。



金子:2000年前後ぐらいに人気だった日本のバンドで、今年の2月に20年以上ぶりにライブをやって復活して、話題になったんですけど、TOROを聴いてWINOをちょっと思い出して。WINOも当時Oasisとか、UKロックの影響を受けながら、それを自分たちなりにやってたバンドで、彼らにもちょっと似た雰囲気があったので、確かにロックの復権だなって、そこからも感じましたね。

みさと:そのUK味はありつつも、ボコーダーを使って、エフェクトなのかな、遊び方がベッドルーム感があるっていうのが今のアウトプットの仕方なんだなって思うし、それこそライブになったらもっとUKロック味を全面に出したアレンジで、ちょっと音圧太めにして聴かせて欲しいなって思うところもあって、いろんな可能性がありますね。そしておひさしぶりです、三好文水さん。

金子:1年弱ぶりぐらいですかね。Part-1はいい曲いっぱいあったので、もう1曲紹介するのをどれにしようかめっちゃ迷ったんですけど、僕この曲すごく好きで。前回の三好さんの曲ともまたちょっと違う雰囲気で、5拍子基調のポストロックっぽいアレンジで、前は日本語だったけど、英語詞もすごくかっこよくて。エンジニアもスーパーカーとかクラムボンとかを手掛けている益子さんがやっているということで、音的にもかっこよかったですし、これめっちゃ良かったですね。



みさと:彼がルーツとして少年期をアメリカで過ごすことがあったので、初めて英語詞にチャレンジしたっていうのが意外だなというのと、けれどもタイトルは日本語だっていうギャップとか、一つひとつの中で、ちょっと裏と表みたいなところを感じさせる1曲の構成になっていて、探求心の高さが窺えると言いますか、音楽的な境地が高い方だなって思わせる作品でした。

金子:以前Podcastの方で「rowbaiがバンドセットでライブをやるならブリストルつながりでpile of hexとやったらいいかも」みたいな話をしたんですけど、三好さんがこの曲をバンドセットでやるならbutohesがぴったりだなって思いました。

みさと:そんなPart-1ですが、ご紹介するのはどうしましょうか?

金子WOZNIAKを紹介しようと思います。

みさと:WOZNIAK、今回アルバムなんです。おめでとうございます。

金子:ただね、普通のアルバムではない。

みさと:もう、笑っちゃいますね。

金子:最近だとDALLJUB STEP CLUBのアルバムが出たり、SYCLESも新曲が出たり、いろんなところで活躍している星優太くんの本体とも言うべきWOZNIAKなんですけど、毎回いろんな面白い作品を出していて、今回に関しては26分の1曲を60チャプターに分けて1作品にしていると。WOZNIAKはミニマル・ミュージックが基本にあって、時期ごとにバンド寄りになったり、エレクトロニック寄りになったり、みたいな感じの振れ幅があるんですけど、今は割とバンド寄りで、ミニマル、繰り返しで音が増えたり減ったり、変わったり、という中でチャプターが切り替わっていく。だから数秒の曲もあるし、長くても2分弱みたいな、これでアルバムにしちゃうっていうのは面白いですよね。



みさと:例えば、1から11までは同じリフを使っているんですけど、12、13のトラックぐらいでちょっとリズムが変わっていって、少しずつ変化があるっていう。チャプターがどんどん変わっていく中でどこを切り取っても使えるというか、恐らくDJさんたちからすると、"ここのトラックだけお借りします"っていうことができるような、玄人が喜びそうなアルバムになってるな、という印象でした。

金子:アルバムタイトルが『Shuffle This Album!』だから、要はシャッフルして聴いてもらって順番がめちゃくちゃになっても、それはそれで曲として聴けちゃうよっていう。BPMが同じだからそれが成立するっていうのは、DJ的であり、ダンスミュージック的な考え方ですよね。

みさと:素晴らしいですね。こういうコンセプトのアルバム、私は他に知らないので。

金子:DALLJUB STEP CLUBも音はかっこいいけど、ちょっとユーモラスな、三枚目な側面があって、そういうコンセプトを担ってるのは星くんなんだろうなっていうのが、WOZNIAKの活動を見てても感じるというか、そんな気もしましたね。

みさと:ブレインのさらなる脳内にお邪魔します、というアルバムになっています。

New Release Digest Part 2


みさと:新譜ダイジェストPart-2でした。リリースおめでとうございます。こちらのはじめましてさんはmolphobiaです。

金子:この方はサンプリングとシンセサイザーのコラージュを基調としたスタイルのビートメーカーで、Stag Beatというヒップホップユニットでも活動していて。だからベースにある音楽はヒップホップなんだけど、活動をしていく中でいろんな音楽を吸収していって、molphobia個人としてはUKのドープなダンスミュージックにも接近していて。この後に出るアルバムが『Crossroads』というタイトルになってるそうなんですけど、そうやって変化・分岐をしていってる今の自分を表現しているということですね。



みさと:インストパートもラップパートもしっかり聴かせる、抜かりない1曲1曲というところと、さっきのWOZNIAKとも通じている、どこを切り取っても、それこそ他の方の二次創作の意欲に繋がりそうな、そんな楽曲作りですね。そして、いちやなぎは今回ダブルシングルの形態でリリースです。

金子:いちやなぎさんは去年の年末に「窓を開ければ」という曲が出ていて、あれもすごく良かったですけど、今回もいいですね。サイケ期のビートルズからの反響を感じるようなアレンジで、サックスとかフルートとかいろんな音色が使われているのも楽しいし、細野さんからトクマルさんに至るようなオリジナルな日本のシンガーソングライターだなって感じもするし、やっぱりこの人面白いなと改めて思いました。



みさと:エンディングがドラマチックだったし、最後、森の怪獣が勢揃いするようなというか、この森の怪獣はとっても優しくてユニークなんだろうなとか、見えてないものが見えてくる、そんな色使いもカラフルでイマジネーションを掻き立てられますよね。いい曲でした。そんなPart-2から紹介するのはどうしましょう?

金子Otomodatchiを紹介しようと思います。今年に入って毎月新曲を出してて、「mabanuaさんとのコラボレーションも話題」みたいな話を前にしましたけど、今回はフィーチャリングにKenzo Martiniを迎えた楽曲になっています。Kenzo Martiniもクィアを公言して活動している方ですけど、Amiideさんも自分がクィアであることを公言して パートナーと一緒にメディアに出たりしているから、そういう意味でも親和性があるし、音楽的にもKenzoさんの声が加わることによる広がりがあって、これは一緒にやるべくしてやることになった組み合わせだなって感じがしましたね。

みさと:本当、そうですね。明日なんですけど、3月31日、東京でライブで、それこそAmiちゃんのパートナーのLauraも出るし、Kenzo Martiniさんも出られるんですけど、こういった色んなことに対してのジェンダーレスというかボーダーレスというか、場所ができることがすごく意味あることだなと思っていて。もともとJyodanとAmiちゃんって同じ場所にいて、そこでコミュニケーションを取って、一緒に曲を作るタイプだったんですよ。それを大切にしているタイプだったんですけど、今はロンドンとLAという距離がある拠点にいて、それでもこれだけ高いクリエイティビティを持っていることと、2人が本当にお友達だからできているっていうこと、そして東京でそういった仲間たちが集まって一緒にイベントをするっていうことが、こういうマイノリティを抱えている人たちの居場所になっているんだなと思うし、彼女たちが大切にしている活動の真ん中にあることだと思うので 素晴らしいアウトプットの仕方だなと思って、胸が熱くなっています。

金子:ライブにもきっと色んな人たちが集まるでしょうからね。



New Release Digest Part 3


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェスト、Part-3でした。リリースおめでとうございます。こちらは2組、はじめましてさんです。まずCISSE

金子:彼らは石川県金沢市で活動しているロックバンドで、今月3月にベースが脱退しちゃったみたいで、今は3ピースなんですけど、音源にはベースも入っています。荒削りな演奏とローファイな音質の中にキラリと光るいいメロディーラインがたくさんあって、原石だなって感じがすごくしましたね。くるりとかandymoriとか、そういうところに行けるような気もするし、あとHelsinki Lambda Clubの初期はこんな感じだったなって個人的に思いました。



みさと:何が好きで何がやりたいのかが見えてくる好感度高いバンドだなっていうのと、あと歌詞に関しては固有名詞とか共感できる心情のリアリティのある描写とファンタジーが上手く融合されてるのもすごく好みでした。もう1組はじめましてさんです。Kaco

金子:この方は愛媛県の出身で15歳より作曲活動を開始していると。2016年にはKan Sanoさんが参加したミニアルバムを出しているという方なんですけど、今回の新作に関してはサウンドプロデュースが象眠舎、CRCK/LCKSの小西遼さん、ベースがYasei Collectiveの中西道彦さんで、ドラムがROTH BART BARONとかでも叩いている工藤明さんということで、結構FRIENDSHIP.ファミリーでもある人たちが名を連ねていて、本当にいい曲ですよね。声もめちゃめちゃ個性があっていいし、サウンドプロデュースが小西さんなのでその良さもあって、クラシックやジャズをベースに感じさせつつ、ちゃんとモダンな今のサウンドプロダクションで構築されている感じ。個人的にはクラムボンとかそういう名前も連想するような、すごくいい曲でした。



みさと:コーラスワークも素晴らしくて、語尾の発音というか、彼女らしい癖が良い意味で耳に残っていくのと、ヨンシーの曲って次々に鳥が飛び立つようなイメージあるじゃないですか。Kacoさんって、踏んだところから花が咲いていくみたいな、ちょっとリンクするようなイメージがありました。これ、小西くんの為せる技なのかもしれない。

金子:マジカルなところはありますよね。

みさと:さあ、そんなPart-3からご紹介するのは?

金子ゲシュタルト乙女を紹介しようと思います。今回の曲はthe band apartの荒井さんをフィーチャリングで迎えていて、共同プロデュース、ギターのアレンジ・演奏で参加していると。「フィーチャリング荒井岳史」って書いてあって、歌ってるのかなと思って曲を聴いたら「歌ってないんかい!」と思ったけど(笑)、でもこのギターを聴けば確かに荒井さん節で、めちゃめちゃかっこよかったです。あと資料を見るとこのタイミングでベースに新しくメンバーが加わったみたいで。the band apartを聴いても思うけど、ギターの絡みがかっこいいと、イコールベースもめちゃめちゃ重要なポジションで、そのギターに対してどう絡むかもとても重要。で、この曲はやっぱりベースラインもすごく印象的なので、新しく入ったメンバーの色もちゃんと入ってるっていうのが、バンドの新たな一歩の曲としてバッチリなんじゃないかなって感じがしました。

みさと:やはり荒井さんの懐の広さというか、やってきたその熟練の技といいますか、先輩の背中ってこんなに大きいんだなって思わせる、その引き上げ方がありましたよね。曲自体は「生き急ぐ人たちが丁寧に暮らせるように祈る」というテーマになっていて、きっと「副都心」という場所は世界各地に、色んなところにあるんだろうなとか、自分の近くにもあるもので、自分の心の中にもあるような感覚なんじゃないかっていう、どんどん広がりを見せてくれる曲をこのタイミングで出すっていうのもいいですね。本当にいい曲でした。



RADIO INFORMATION

FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」

fmgfukuoka_curatedhour_logo_ok_2204.jpg FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。番組後半ではThe fin.のYuto Uchinoが月替りでゲストを迎え、深い音楽談義を繰り広げるコーナーを展開。 放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55 放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)


番組MC

kanekoatsutake_20210528.jpg金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
1697255226457.jpg奥宮みさと
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。 TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。 安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10 yuto_solo_a_1215.jpgYuto Uchino(The fin. Vocal / Synth / Guitar) 神戸出身、ロックバンドThe fin.のフロントマン、ソングライター。80~90年代のシンセポップ、シューゲイザーサウンドから、リアルタイムなUSインディーポップの影響や、チルウェーヴなどを経由したサウンドスケープは、ネット上で話題を呼び、日本のみならず海外からも問い合わせ殺到している。 The Last Shadow Puppets、MEW、CIRCA WAVESなどのツアーサポート、そしてUS、UK、アジアツアーを成功させるなど、新世代バンドの中心的存在となっている。 オフィシャルサイト / @_thefin / @yuto__the_fin


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