- TOPICS
- FEATURE
2024.03.30
VivaOla、前作から2年半の変化と、今作に至るまでの軌跡を深掘りするblock.fm特別番組「Waiting is the only mistake」レポート!
新時代を切り開くR&BシンガーVivaOlaが、1stフルアルバム「Juliet is the moon」から2年半を経て待望の2ndフルアルバム「APORIE VIVANT」をリリース。
ダンスミュージック、ヒップホップ、R&B、ポップミュージックなど国内外の音楽情報を中心に、最新のユースカルチャーを発信しているblock.fmでオンエアされたVivaOlaによる特別番組のオンエア内容を一部レポート!
MCには、ラジオDJやヒップホップ関連の音楽ライターとして活躍している渡辺志保さんをお迎えし、VivaOlaと共にこの2年半の変化と、今作に至るまでの軌跡を深掘りしています。
VivaOla:こんばんはVivaOlaです。この番組は1stフルアルバム『Juliet is the moon』から2年半を経て2ndフルアルバム『APORIE VIVANT』をリリースした僕、VivaOlaの番組です。
今回は今、放送しているblock.fmとWEBメディアSENSAのコラボレーションとなってます。
放送の感想は#ビバオラジオをつけてXにてポストしてください。
さらに今回は音楽ライターでblock.fmではヒップポップ・プログラム「INSIDE OUT」でお馴染みの渡辺志保さんをお迎えしてます。お願いします。
渡辺志保:お願いします。こんばんは、渡辺志保です。今回、お呼びいただきまして非常に、非常に嬉しいです。
VivaOla:ありがとうございます。めっちゃ緊張してます。
渡辺志保:マジですか?私、このblock.fm、もう12年以上やってるのでちょっと変な感じ。私は逆に今回、お招きいただいた立場なので、ちょっと変な感じもありつつ、だけど、少し前に、それこそ『APORIE VIVANT』が出るちょっと前に私の他のラジオ番組にVivaOlaさん、ゲストで来てくださって。
VivaOla:そうなんですよ、その時、俺、すごく楽しくて。
渡辺志保:えー!?ホントですか?
VivaOla:その時、是非と思って、今回はお願いしました。
渡辺志保:嬉しい!ありがとうございます。VivaOlaさんってリスナーの皆さんも同じように感じてらっしゃると思うけど、やっぱりちょっとミステリアスで。
VivaOla:ほんと?
渡辺志保:ミステリアスでしょ。アーティスト写真とかもお顔が分かるのか分からないのかみたいな感じもあるから。
VivaOla:確かに。
渡辺志保:一体どんなパーソナリティの方なんだろう?っていうのは私も個人的に前から気になっていて。
VivaOla:なるほど。
渡辺志保:一体どのようにしてあの美しい楽曲の数々を作り出しているのか、そういったところも是非、伺いたいなと思っています。
VivaOla:ありがとうございます。じゃあ、とりあえず景気付けにと言っちゃなんですが、自分の紹介として『APORIE VIVANT』から一曲流させてください。
渡辺志保:すごく一発目から豪華なコラボ曲、聴かせていただきましたけれども、すごく美しさと美しさが重なりあった2人の歌声みたいな。藤田織也さんとはプライベートでもお付き合いとかあるんですか?
VivaOla:そうですね、プライベートというプライベートはないですけど、やっぱり音楽めっちゃ好きだから、お互いの曲作りですごく遊ばせてもらってます。
渡辺志保:織也さんとの出会いはどんな感じだったんですか?
VivaOla:出会いは元々インスタのDM。
渡辺志保:え?
VivaOla:よくあるじゃないですか。俺が一方的に聴いてたんですよ。YouTubeで「You Feel Me?」って曲があってそれの幼い版っていうか。
渡辺志保:デモ?
VivaOla:本当に初期。ちょっと界隈で話題になった。それをずっと聴いてて、流石にちょっと会いたくなって。
渡辺志保:そうだったんだ。
VivaOla:ちょっとした気持ちでDMしてタグ付けしたら、LAのプロデューサーがVivaOlaを知ってたみたいで。
渡辺志保:すごい!
VivaOla:"じゃあ、もう会おうよ"みたいになって、彼がちょっと前に出した『Enfant Terrible』っていう。
渡辺志保:彼の初めてのEP。
VivaOla:そうですね、あの名作ですね。是非、聴いてください。そのEPで自分、ライティングに入ってて。
渡辺志保:ああ、そうか、そうか。
VivaOla:「RHRN」って曲と「Heartbreaker」って曲のサビを一緒に書いてて、ちょっといいコラボでしたね。
渡辺志保:いいコラボ。年齢も似てる?
VivaOla:3個違い。
渡辺志保:でも同世代の範疇。
VivaOla:そうですね。でも、ちょっとギャップは感じます、たまに。
渡辺志保:なるほど。同じアーティストとして藤田織也さんと似てるなって思うところとかありますか?曲のテイストとか。
VivaOla:聴いて育った音楽は近いですよね。でもバックグラウンドは全然違くて、彼、ダンスできるし、歌上手いし、華がある。エンターティナー感。
渡辺志保:そうかそうか。
VivaOla:これ、おこがましいんですけど、勝手に彼がマイケル・ジャクソンだと思って、勝手に俺がプリンスだと思ってます。
渡辺志保:確かに。
VivaOla:ちょっとヒストリーが似てるというか、俺はすごくプリンス好きでミュージシャンどこまで行ってもそれが自分に出てるかなって思って。逆に藤田織也くんも全然楽器とかはやらないけど、歌で全部ぶつける、ステージで全部ぶつける、それがやっぱり華がある人と言うか。
渡辺志保:この「O.M.M」という曲は2人でどのようにして作った曲なんでしょうか?
VivaOla:これ(w.a.uの)Matsukawaくん、もちろんプロデュースしていて、最初はSWVの「You're always on my mind」って曲があってそれをサンプリングしたんですよ。
渡辺志保:そうだったんですね?
VivaOla:それが使えなくなっちゃって、まあ使えなくなった音を引き摺っても仕方無いので、それっぽい旋律で同じバイブスを持った曲になりましたね。
渡辺志保:そうなんだ。
VivaOla:それで"on my mind"って言ってて。
渡辺志保:そういうことね。そこはSWVの原曲にちょっとレファレンスをなぞりながら。
VivaOla:結構、多いです。歌詞読んでいただけたら、そういうレファレンスいっぱいある。90s~00sの風景っていうか、車でとか。あと、織也くんすごく車好きで、俺も好きなんですけど、で1行目が"I'm a swerving Mercedes"で、swervingのスペルがS-W-E-R-V。
渡辺志保:ああ、言われてみれば。
VivaOla:それで入れたんですよ。そういう技がいっぱいあって。2人でラッパーごっこじゃないけど、彼はラップしちゃってるから、色んなのをお借りして。
渡辺志保:そうだったんですね。2人で同じ場所に居て、あーだこーだ言いながら作ってた曲?
VivaOla:そうです。俗に言うCo-Writeやってました。
渡辺志保:VivaOlaさんってご自身でも自分で自分の曲を書くことももちろんあるし、さっきおっしゃったみたいに織也さんとか他のアーティストの楽曲のライティングをしたりプロデュースをしたりってこともあるじゃないですか。自分のために書く曲と他の人のために書く曲っていうのは全然違うベクトルの作業ですか?
VivaOla:そうですね。自分が書けるものは自分のスキルセットに限られていることだから仕方ないけど、ある程度飛び出したいというか、遊びたいことは遊ぶし。自分の曲は自分でしかできないことをやるし、例えば自分で書いててボツになる曲があるんですよ。これ、俺じゃなくていい。使命感を感じないというか。
渡辺志保:あ、なるほどね。そういうところでジャッジするんだ。
VivaOla:そう。だからそれを敢えて出すというか、ちょっと今はロールプレイじゃないけど、俺が今、織也だったら、こういうの歌ってほしい。
渡辺志保:へーっ。
VivaOla:そうなんですよ。元々ソングライティングすごく好きだったので。
渡辺志保:じゃあ私から1曲、リクエストしてもいいですか?
VivaOla:もちろんです。
渡辺志保:私が今回のVivaOlaさんのニューアルバム『APORIE VIVANT』で一番好きな曲を。
渡辺志保:私はこのリリックの感じもすごく好き。献身的な恋愛について歌っているんだけど、セルフ・センタードっていうか、ちょっと自己中心的な部分もあって、その相反する2つの恋愛感が1曲の中に入ってる感じも好きだし、もちろんサウンド感とかコーラスのアレンジの感じも好きですね。
VivaOla:歌詞に触れていただけるのがすごく嬉しくて。
渡辺志保:本当ですか?
VivaOla:綺麗事を歌うのが嫌いなんですよ、無駄に。リアリティを求めてたので。
渡辺志保:でもすごく大事なところだと思います。
VivaOla:結論で言うと、これ良くないなって思ってて歌ったんですよ。
渡辺志保:え、そういうこと?
VivaOla:これが俺って言うより、こうなりたくないからこうだった自分もいたし、記録しようって思って。すごくチープな例えなんですけど、好きな花があったら持って帰らない、摘まないで水を与えなさい、みたいな。
渡辺志保:そこにいて咲かせなさい。
VivaOla:それが「GIVE MINE」のテーマっていうか。
渡辺志保:へーっ。
VivaOla:Give mine like my time、時間、反比例するわけじゃないし、比例するわけでもないし、色んな形があるから無理することがよくない。みんな最初に、そういうステージがあったり、最初じゃなくても抜け出せない人もいるし、そのマインド・セットから。だから、等価交換というか、あげたから返せ、返してもらったからあげる、みたいなのって愛情においてはコンディショナルかなと思って。
渡辺志保:そうか、無償の愛とは逆のね、何か見返りを求めちゃう、みたいなね。
VivaOla:そう、無償の愛じゃなくて条件付きの愛みたいなのをテーマに歌いました。
渡辺志保:そうなんですね。今回の『APORIE VIVANT』の楽曲のリリックの数々って、ちょっとシビアな言い方だったりすごくリアリスティックだったり、仰る通りキレイごとじゃない感じが私はすごくいいなと思ったし、都会的な孤独であるとか刹那的なやるせなさとかっていうのすっごく感じ入って、めちゃめちゃ逆に没入感あったんですよ。
VivaOla:良かったです。
渡辺志保:リリックはどのようにして書いていったんですか?
VivaOla:リリックはそうですね、強いて言うなら、バークリーみたいな場所でソングライティング学んでたんですけど、そういうのを1回外して、ライムとかも日々変わってるんですよね、スタンダードとかやり方とか。だから、ここでレベルアップしなきゃいけないなって時期があって、今回の曲は全部1人で書き直したというか。
渡辺志保:へーっ。
VivaOla:全部、Matsukawaくんがプロデューサーとして入ってるけど、テーマに入ってるんですよ、話とかで。でも実際のライムとか言葉選びとかは全部自分でやってます。
渡辺志保:パソコンに打って書くんですか?
VivaOla:そうです。基本的に俺、携帯で打って、なるべく綺麗に。要らないって思ったら捨てる、そのラインは要らない、これは要るってやって。だから1時間したけど4行しかないみたいな。でもその裏には多分100何行あって、選んだ4行ってのがありますね。
渡辺志保:ボストンのバークリーは世界最高の音楽を学ぶ場所だと思うんですけれども、そこでソングライティングを学ぶって、どんなことを学ぶのか素人には検討もつかないって感じなんですけど。
VivaOla:難しいですよね。イメージはジャズ・スクールっていうか硬派ではありますよね。歴史的にはニュースクールですよね。ジャズってクラシックに比べたらニューなんですよね。でも今の人からはジャズなんて古いから、そういう謎の立ち位置にいる学校で、その中だと学ぶことって理論とか多いんですよね。音楽を数字で喩えたり、でもソングライティングはそれをやめろっていう学科で。
渡辺志保:そうなんですね。
VivaOla:4コードじゃなくて、これはどんな感情のコードか自分で付けなさいみたいな。
渡辺志保:そうなんだ、そんなにいわゆる感覚的な授業もあるんですね。
VivaOla:教えます、メインで。ちょっとメンターシップに近いっていうか修行に近い。例えば、曲書いてきてプロデュースした曲を出す生徒に対して、"1回ピアノとボーカルだけでやってみて"って。やってみると結構しょぼくなったりするんですよ。やっぱりコアができてないからサウンドでちょっと被せちゃったね、誤魔化しちゃったね、みたいな。
渡辺志保:へぇー、高度なやりとりだな。
VivaOla:そう、それは理論じゃないっていうか、感情をやっぱり大事にしてるので。
渡辺志保:そうなんですね。
VivaOla:例えば、シティポップのコード進行4、3の、分かる人は分かるんですけど、4、3、6っていうのがあって。ベースラインでもいいですけど。そういう番号じゃなくて、なんでこれがこの言葉の上で鳴った時にこんなにエモいのかとか。
例えば、自分の事務所の先輩にサカナクションさんがいるんですけど、毎回、曲のメロディで9th、だからスケールの1個上、このコードの1個上の音を選ぶんですよ、サビとかで。
そうすると分離感が出るんですよね。浮遊感が超大事っていうか、彼らの音楽には。そういうところをソングライティングで感覚的に身に付ける。
渡辺志保:そうなんだ。
VivaOla:これがジャジーだから良いとかではなくて、自分の言葉を探す。
渡辺志保:へえ、面白い。
VivaOla:9thって分離感あるから、じゃあ俺もそう使おう、とか。
渡辺志保:はいはい。
VivaOla:じゃあ、例えば「GIVE MINE」の話に戻るんですけど、結構、7thとか使ってて、いわゆるジャズっぽいんですよね。で、ハモリが90sっぽい。それこそ織也くんの話に戻るんですけど、俺らはJODECIとか通ってて。
渡辺志保:おー、正統派。
VivaOla:そこで流れると一瞬のハモリ、Brian McKnightとか。みんなルーツにちゃんとSOULとJAZZがある。やっぱりそのハモリにちょっと近づきたかったっていうか、そのハーモニー。そういうところは理論じゃ分からない。理論だと事実しかもらえないんですよ、実際、これです、って。
ソングライティングで学ぶのは、"じゃあ、あなたはそれをどう説明するんですか、主観的に?"そうなると味が出てくるというか、大体。
渡辺志保:そうなんですね。「GIVE MINE」に限ってと言うか、『APORIE VIVANT』全体に共通することだと思うんですけど、ソニカルな部分、音楽的な、サウンド的なところはどうやって構築していったんですか?
VivaOla:レファレンスとかしっかりあって、めざしたのは、よく他のインタビューでも言ってるんですけど、『T R A P S O U L』とか。
渡辺志保:Bryson Tillerの『T R A P S O U L』
VivaOla:そうです、2010年の後半以降から出た、ちょっとモダンなR&B。俗に言うThe Weekndの初作とか、ダークR&Bみたいな。それに共通するのってエレクトロが定着化した後のアンビエントなサウンド。そこをすごくめざしてて、俗に言うチルな音とかじゃなくて......俺、勝手に思ってるのはMiles Davisの『Kind of Blue』みたいな感じで、すごく華やかだったJAZZの時代から突然に1個のスケールで永遠と演奏してるMode Jazz。
ファッションもそうですよね、モードファッションとか入ってきて、そういうとこにあるっていうか、白黒。100ゼロ。
渡辺志保:削ぎ落としたところにあるっていう。
VivaOla:そうです。ひとつの道筋でちょっと光ってる、そういうシンプルさに惹かれたところがあって、今回のサウンドメイキングは全部シンプル。Simple is the best。
渡辺志保:そうなんだ。
VivaOla:はい、少ない方がいい。
渡辺志保:でもすごくそれがやっぱりアルバム全体通してめちゃめちゃ伝わってくる感じはありますね。
VivaOla:途中からふざけててMatsukawaくんと俺がトラック少なければ少ないほど勝ちみたいになって。
渡辺志保:マジでゼロに近づける作業みたいな(笑)。
VivaOla:そうなんですよ。だからその辺を聴いていただきたいですね、是非。あるんですよ、1曲。
渡辺志保:一体どこまでそのシンプリシティを追求したのかっていう感じで。
VivaOla:トラック数、6トラックかな、ボーカル入れて。
渡辺志保:少な!ラップじゃん、みたいな。
VivaOla:実際、ラップで。ポーカルがあって、ビートじゃなくて、ビートを書き出したのにトラックしてるんですよ、ポーカルを。もうラッパーみたいにやってる、トップラインって技を使ってましたから
渡辺志保:なるほどね、じゃあ制作の方法もこの一曲に関しては違うぞと。
VivaOla:完全にもうラッパーじゃん、っていう曲をお聴きください。
トークの続きはblock.fmのアーカイヴをチェック。
感想などは番組ハッシュタグ #ビバオラジオ をつけてSNS投稿してくださいね!
VivaOla「APORIE VIVANT」
2024年3月20日(水)
Format:Digital/LP
Track:
1.VIVA
2.HURT
3.TOO LATE
4.GIVE MINE
5.BOLD (feat. reina)
6.ROLLS ROYCE
7.PRESENCE
8.HANDLE
9.O.M.M (feat. 藤田織也)
試聴はこちら
LP盤通販ストア
https://vivaola.stores.jp/
※3月25日(月)までの予約購入でVivaOlaの直筆サイン入りLPをお届け
2024年3月30日(土)
東京・渋谷WWWX
OPEN 17:00/START 18:00
前売り ¥4,000(D別)
出演:VivaOla with w.a.u band
Featuring guest:reina、藤田織也、Jua、Sagiri Sól、SIRUP、Wez Atlas、ZIN
2024年4月26日(金)
大阪・yogibo HOLY MOUNTAIN
OPEN 18:00/START 19:00
前売り ¥4,000(D別)
出演:VivaOla with w.a.u band
Featuring guest:reina、藤田織也 and more...
チケット購入リンク
https://linktr.ee/vivaola
オフィシャルサイト
@viva0la
@viva0la
@VivaOla
渡辺志保
@shiho_wk
@shiho_watanabe
@hiphop.sawakai
block.fm
オフィシャルサイト
@blockfmjp
@blockfm
@BLOCKFMradio
ダンスミュージック、ヒップホップ、R&B、ポップミュージックなど国内外の音楽情報を中心に、最新のユースカルチャーを発信しているblock.fmでオンエアされたVivaOlaによる特別番組のオンエア内容を一部レポート!
MCには、ラジオDJやヒップホップ関連の音楽ライターとして活躍している渡辺志保さんをお迎えし、VivaOlaと共にこの2年半の変化と、今作に至るまでの軌跡を深掘りしています。
VivaOla:こんばんはVivaOlaです。この番組は1stフルアルバム『Juliet is the moon』から2年半を経て2ndフルアルバム『APORIE VIVANT』をリリースした僕、VivaOlaの番組です。
今回は今、放送しているblock.fmとWEBメディアSENSAのコラボレーションとなってます。
放送の感想は#ビバオラジオをつけてXにてポストしてください。
さらに今回は音楽ライターでblock.fmではヒップポップ・プログラム「INSIDE OUT」でお馴染みの渡辺志保さんをお迎えしてます。お願いします。
渡辺志保:お願いします。こんばんは、渡辺志保です。今回、お呼びいただきまして非常に、非常に嬉しいです。
VivaOla:ありがとうございます。めっちゃ緊張してます。
渡辺志保:マジですか?私、このblock.fm、もう12年以上やってるのでちょっと変な感じ。私は逆に今回、お招きいただいた立場なので、ちょっと変な感じもありつつ、だけど、少し前に、それこそ『APORIE VIVANT』が出るちょっと前に私の他のラジオ番組にVivaOlaさん、ゲストで来てくださって。
VivaOla:そうなんですよ、その時、俺、すごく楽しくて。
渡辺志保:えー!?ホントですか?
VivaOla:その時、是非と思って、今回はお願いしました。
渡辺志保:嬉しい!ありがとうございます。VivaOlaさんってリスナーの皆さんも同じように感じてらっしゃると思うけど、やっぱりちょっとミステリアスで。
VivaOla:ほんと?
渡辺志保:ミステリアスでしょ。アーティスト写真とかもお顔が分かるのか分からないのかみたいな感じもあるから。
VivaOla:確かに。
渡辺志保:一体どんなパーソナリティの方なんだろう?っていうのは私も個人的に前から気になっていて。
VivaOla:なるほど。
渡辺志保:一体どのようにしてあの美しい楽曲の数々を作り出しているのか、そういったところも是非、伺いたいなと思っています。
VivaOla:ありがとうございます。じゃあ、とりあえず景気付けにと言っちゃなんですが、自分の紹介として『APORIE VIVANT』から一曲流させてください。
渡辺志保:すごく一発目から豪華なコラボ曲、聴かせていただきましたけれども、すごく美しさと美しさが重なりあった2人の歌声みたいな。藤田織也さんとはプライベートでもお付き合いとかあるんですか?
VivaOla:そうですね、プライベートというプライベートはないですけど、やっぱり音楽めっちゃ好きだから、お互いの曲作りですごく遊ばせてもらってます。
渡辺志保:織也さんとの出会いはどんな感じだったんですか?
VivaOla:出会いは元々インスタのDM。
渡辺志保:え?
VivaOla:よくあるじゃないですか。俺が一方的に聴いてたんですよ。YouTubeで「You Feel Me?」って曲があってそれの幼い版っていうか。
渡辺志保:デモ?
VivaOla:本当に初期。ちょっと界隈で話題になった。それをずっと聴いてて、流石にちょっと会いたくなって。
渡辺志保:そうだったんだ。
VivaOla:ちょっとした気持ちでDMしてタグ付けしたら、LAのプロデューサーがVivaOlaを知ってたみたいで。
渡辺志保:すごい!
VivaOla:"じゃあ、もう会おうよ"みたいになって、彼がちょっと前に出した『Enfant Terrible』っていう。
渡辺志保:彼の初めてのEP。
VivaOla:そうですね、あの名作ですね。是非、聴いてください。そのEPで自分、ライティングに入ってて。
渡辺志保:ああ、そうか、そうか。
VivaOla:「RHRN」って曲と「Heartbreaker」って曲のサビを一緒に書いてて、ちょっといいコラボでしたね。
渡辺志保:いいコラボ。年齢も似てる?
VivaOla:3個違い。
渡辺志保:でも同世代の範疇。
VivaOla:そうですね。でも、ちょっとギャップは感じます、たまに。
渡辺志保:なるほど。同じアーティストとして藤田織也さんと似てるなって思うところとかありますか?曲のテイストとか。
VivaOla:聴いて育った音楽は近いですよね。でもバックグラウンドは全然違くて、彼、ダンスできるし、歌上手いし、華がある。エンターティナー感。
渡辺志保:そうかそうか。
VivaOla:これ、おこがましいんですけど、勝手に彼がマイケル・ジャクソンだと思って、勝手に俺がプリンスだと思ってます。
渡辺志保:確かに。
VivaOla:ちょっとヒストリーが似てるというか、俺はすごくプリンス好きでミュージシャンどこまで行ってもそれが自分に出てるかなって思って。逆に藤田織也くんも全然楽器とかはやらないけど、歌で全部ぶつける、ステージで全部ぶつける、それがやっぱり華がある人と言うか。
渡辺志保:この「O.M.M」という曲は2人でどのようにして作った曲なんでしょうか?
VivaOla:これ(w.a.uの)Matsukawaくん、もちろんプロデュースしていて、最初はSWVの「You're always on my mind」って曲があってそれをサンプリングしたんですよ。
渡辺志保:そうだったんですね?
VivaOla:それが使えなくなっちゃって、まあ使えなくなった音を引き摺っても仕方無いので、それっぽい旋律で同じバイブスを持った曲になりましたね。
渡辺志保:そうなんだ。
VivaOla:それで"on my mind"って言ってて。
渡辺志保:そういうことね。そこはSWVの原曲にちょっとレファレンスをなぞりながら。
VivaOla:結構、多いです。歌詞読んでいただけたら、そういうレファレンスいっぱいある。90s~00sの風景っていうか、車でとか。あと、織也くんすごく車好きで、俺も好きなんですけど、で1行目が"I'm a swerving Mercedes"で、swervingのスペルがS-W-E-R-V。
渡辺志保:ああ、言われてみれば。
VivaOla:それで入れたんですよ。そういう技がいっぱいあって。2人でラッパーごっこじゃないけど、彼はラップしちゃってるから、色んなのをお借りして。
渡辺志保:そうだったんですね。2人で同じ場所に居て、あーだこーだ言いながら作ってた曲?
VivaOla:そうです。俗に言うCo-Writeやってました。
渡辺志保:VivaOlaさんってご自身でも自分で自分の曲を書くことももちろんあるし、さっきおっしゃったみたいに織也さんとか他のアーティストの楽曲のライティングをしたりプロデュースをしたりってこともあるじゃないですか。自分のために書く曲と他の人のために書く曲っていうのは全然違うベクトルの作業ですか?
VivaOla:そうですね。自分が書けるものは自分のスキルセットに限られていることだから仕方ないけど、ある程度飛び出したいというか、遊びたいことは遊ぶし。自分の曲は自分でしかできないことをやるし、例えば自分で書いててボツになる曲があるんですよ。これ、俺じゃなくていい。使命感を感じないというか。
渡辺志保:あ、なるほどね。そういうところでジャッジするんだ。
VivaOla:そう。だからそれを敢えて出すというか、ちょっと今はロールプレイじゃないけど、俺が今、織也だったら、こういうの歌ってほしい。
渡辺志保:へーっ。
VivaOla:そうなんですよ。元々ソングライティングすごく好きだったので。
渡辺志保:じゃあ私から1曲、リクエストしてもいいですか?
VivaOla:もちろんです。
渡辺志保:私が今回のVivaOlaさんのニューアルバム『APORIE VIVANT』で一番好きな曲を。
渡辺志保:私はこのリリックの感じもすごく好き。献身的な恋愛について歌っているんだけど、セルフ・センタードっていうか、ちょっと自己中心的な部分もあって、その相反する2つの恋愛感が1曲の中に入ってる感じも好きだし、もちろんサウンド感とかコーラスのアレンジの感じも好きですね。
VivaOla:歌詞に触れていただけるのがすごく嬉しくて。
渡辺志保:本当ですか?
VivaOla:綺麗事を歌うのが嫌いなんですよ、無駄に。リアリティを求めてたので。
渡辺志保:でもすごく大事なところだと思います。
VivaOla:結論で言うと、これ良くないなって思ってて歌ったんですよ。
渡辺志保:え、そういうこと?
VivaOla:これが俺って言うより、こうなりたくないからこうだった自分もいたし、記録しようって思って。すごくチープな例えなんですけど、好きな花があったら持って帰らない、摘まないで水を与えなさい、みたいな。
渡辺志保:そこにいて咲かせなさい。
VivaOla:それが「GIVE MINE」のテーマっていうか。
渡辺志保:へーっ。
VivaOla:Give mine like my time、時間、反比例するわけじゃないし、比例するわけでもないし、色んな形があるから無理することがよくない。みんな最初に、そういうステージがあったり、最初じゃなくても抜け出せない人もいるし、そのマインド・セットから。だから、等価交換というか、あげたから返せ、返してもらったからあげる、みたいなのって愛情においてはコンディショナルかなと思って。
渡辺志保:そうか、無償の愛とは逆のね、何か見返りを求めちゃう、みたいなね。
VivaOla:そう、無償の愛じゃなくて条件付きの愛みたいなのをテーマに歌いました。
渡辺志保:そうなんですね。今回の『APORIE VIVANT』の楽曲のリリックの数々って、ちょっとシビアな言い方だったりすごくリアリスティックだったり、仰る通りキレイごとじゃない感じが私はすごくいいなと思ったし、都会的な孤独であるとか刹那的なやるせなさとかっていうのすっごく感じ入って、めちゃめちゃ逆に没入感あったんですよ。
VivaOla:良かったです。
渡辺志保:リリックはどのようにして書いていったんですか?
VivaOla:リリックはそうですね、強いて言うなら、バークリーみたいな場所でソングライティング学んでたんですけど、そういうのを1回外して、ライムとかも日々変わってるんですよね、スタンダードとかやり方とか。だから、ここでレベルアップしなきゃいけないなって時期があって、今回の曲は全部1人で書き直したというか。
渡辺志保:へーっ。
VivaOla:全部、Matsukawaくんがプロデューサーとして入ってるけど、テーマに入ってるんですよ、話とかで。でも実際のライムとか言葉選びとかは全部自分でやってます。
渡辺志保:パソコンに打って書くんですか?
VivaOla:そうです。基本的に俺、携帯で打って、なるべく綺麗に。要らないって思ったら捨てる、そのラインは要らない、これは要るってやって。だから1時間したけど4行しかないみたいな。でもその裏には多分100何行あって、選んだ4行ってのがありますね。
渡辺志保:ボストンのバークリーは世界最高の音楽を学ぶ場所だと思うんですけれども、そこでソングライティングを学ぶって、どんなことを学ぶのか素人には検討もつかないって感じなんですけど。
VivaOla:難しいですよね。イメージはジャズ・スクールっていうか硬派ではありますよね。歴史的にはニュースクールですよね。ジャズってクラシックに比べたらニューなんですよね。でも今の人からはジャズなんて古いから、そういう謎の立ち位置にいる学校で、その中だと学ぶことって理論とか多いんですよね。音楽を数字で喩えたり、でもソングライティングはそれをやめろっていう学科で。
渡辺志保:そうなんですね。
VivaOla:4コードじゃなくて、これはどんな感情のコードか自分で付けなさいみたいな。
渡辺志保:そうなんだ、そんなにいわゆる感覚的な授業もあるんですね。
VivaOla:教えます、メインで。ちょっとメンターシップに近いっていうか修行に近い。例えば、曲書いてきてプロデュースした曲を出す生徒に対して、"1回ピアノとボーカルだけでやってみて"って。やってみると結構しょぼくなったりするんですよ。やっぱりコアができてないからサウンドでちょっと被せちゃったね、誤魔化しちゃったね、みたいな。
渡辺志保:へぇー、高度なやりとりだな。
VivaOla:そう、それは理論じゃないっていうか、感情をやっぱり大事にしてるので。
渡辺志保:そうなんですね。
VivaOla:例えば、シティポップのコード進行4、3の、分かる人は分かるんですけど、4、3、6っていうのがあって。ベースラインでもいいですけど。そういう番号じゃなくて、なんでこれがこの言葉の上で鳴った時にこんなにエモいのかとか。
例えば、自分の事務所の先輩にサカナクションさんがいるんですけど、毎回、曲のメロディで9th、だからスケールの1個上、このコードの1個上の音を選ぶんですよ、サビとかで。
そうすると分離感が出るんですよね。浮遊感が超大事っていうか、彼らの音楽には。そういうところをソングライティングで感覚的に身に付ける。
渡辺志保:そうなんだ。
VivaOla:これがジャジーだから良いとかではなくて、自分の言葉を探す。
渡辺志保:へえ、面白い。
VivaOla:9thって分離感あるから、じゃあ俺もそう使おう、とか。
渡辺志保:はいはい。
VivaOla:じゃあ、例えば「GIVE MINE」の話に戻るんですけど、結構、7thとか使ってて、いわゆるジャズっぽいんですよね。で、ハモリが90sっぽい。それこそ織也くんの話に戻るんですけど、俺らはJODECIとか通ってて。
渡辺志保:おー、正統派。
VivaOla:そこで流れると一瞬のハモリ、Brian McKnightとか。みんなルーツにちゃんとSOULとJAZZがある。やっぱりそのハモリにちょっと近づきたかったっていうか、そのハーモニー。そういうところは理論じゃ分からない。理論だと事実しかもらえないんですよ、実際、これです、って。
ソングライティングで学ぶのは、"じゃあ、あなたはそれをどう説明するんですか、主観的に?"そうなると味が出てくるというか、大体。
渡辺志保:そうなんですね。「GIVE MINE」に限ってと言うか、『APORIE VIVANT』全体に共通することだと思うんですけど、ソニカルな部分、音楽的な、サウンド的なところはどうやって構築していったんですか?
VivaOla:レファレンスとかしっかりあって、めざしたのは、よく他のインタビューでも言ってるんですけど、『T R A P S O U L』とか。
渡辺志保:Bryson Tillerの『T R A P S O U L』
VivaOla:そうです、2010年の後半以降から出た、ちょっとモダンなR&B。俗に言うThe Weekndの初作とか、ダークR&Bみたいな。それに共通するのってエレクトロが定着化した後のアンビエントなサウンド。そこをすごくめざしてて、俗に言うチルな音とかじゃなくて......俺、勝手に思ってるのはMiles Davisの『Kind of Blue』みたいな感じで、すごく華やかだったJAZZの時代から突然に1個のスケールで永遠と演奏してるMode Jazz。
ファッションもそうですよね、モードファッションとか入ってきて、そういうとこにあるっていうか、白黒。100ゼロ。
渡辺志保:削ぎ落としたところにあるっていう。
VivaOla:そうです。ひとつの道筋でちょっと光ってる、そういうシンプルさに惹かれたところがあって、今回のサウンドメイキングは全部シンプル。Simple is the best。
渡辺志保:そうなんだ。
VivaOla:はい、少ない方がいい。
渡辺志保:でもすごくそれがやっぱりアルバム全体通してめちゃめちゃ伝わってくる感じはありますね。
VivaOla:途中からふざけててMatsukawaくんと俺がトラック少なければ少ないほど勝ちみたいになって。
渡辺志保:マジでゼロに近づける作業みたいな(笑)。
VivaOla:そうなんですよ。だからその辺を聴いていただきたいですね、是非。あるんですよ、1曲。
渡辺志保:一体どこまでそのシンプリシティを追求したのかっていう感じで。
VivaOla:トラック数、6トラックかな、ボーカル入れて。
渡辺志保:少な!ラップじゃん、みたいな。
VivaOla:実際、ラップで。ポーカルがあって、ビートじゃなくて、ビートを書き出したのにトラックしてるんですよ、ポーカルを。もうラッパーみたいにやってる、トップラインって技を使ってましたから
渡辺志保:なるほどね、じゃあ制作の方法もこの一曲に関しては違うぞと。
VivaOla:完全にもうラッパーじゃん、っていう曲をお聴きください。
トークの続きはblock.fmのアーカイヴをチェック。
感想などは番組ハッシュタグ #ビバオラジオ をつけてSNS投稿してくださいね!
RELEASE INFORMATION
VivaOla「APORIE VIVANT」
2024年3月20日(水)
Format:Digital/LP
Track:
1.VIVA
2.HURT
3.TOO LATE
4.GIVE MINE
5.BOLD (feat. reina)
6.ROLLS ROYCE
7.PRESENCE
8.HANDLE
9.O.M.M (feat. 藤田織也)
試聴はこちら
LP盤通販ストア
https://vivaola.stores.jp/
※3月25日(月)までの予約購入でVivaOlaの直筆サイン入りLPをお届け
LIVE INFORMATION
THE HILL YOU DIE ON
2024年3月30日(土)
東京・渋谷WWWX
OPEN 17:00/START 18:00
前売り ¥4,000(D別)
出演:VivaOla with w.a.u band
Featuring guest:reina、藤田織也、Jua、Sagiri Sól、SIRUP、Wez Atlas、ZIN
2024年4月26日(金)
大阪・yogibo HOLY MOUNTAIN
OPEN 18:00/START 19:00
前売り ¥4,000(D別)
出演:VivaOla with w.a.u band
Featuring guest:reina、藤田織也 and more...
チケット購入リンク
https://linktr.ee/vivaola
LINK
VivaOlaオフィシャルサイト
@viva0la
@viva0la
@VivaOla
渡辺志保
@shiho_wk
@shiho_watanabe
@hiphop.sawakai
block.fm
オフィシャルサイト
@blockfmjp
@blockfm
@BLOCKFMradio