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2024.02.15
FM福岡で毎週水曜日 26:00~26:55にオンエアしている音楽番組「Room "H"」。ユアネスの黒川侑司、アツキタケトモ、Wez Atlasが週替わりでMCを務め、彼らが紹介したい音楽をお届けし、またここだけでしか聴けない演奏も発信していく。
今週のMCは、アツキタケトモが担当。SENSAでは、オンエア内容を一部レポート!(聴き逃した方やもう一度聴きたい方は、radiko タイムフリーをご利用下さい。)
皆さんこんばんは。ここからの1時間はRoom"H"、DJを務めます音楽家のアツキタケトモです。
2024年は忙しいですね。去年1年間?去年って言うか一昨年1年間分ぐらいの仕事量を1か月でやったみたいな感じでしたね。去年くらいからちょいちょい忙しくはなってたんですけど、一昨年は本当に宅録で作業して何か月かに1回、曲を出すぐらいしか動いてなかったので、もう一昨年の全スケジュール足しても、この1か月の仕事量に満たないんじゃないか、ぐらい。
普通に作業とかいつも通りやりながら、稼働がとにかくめちゃめちゃ多くてですね、大阪にCPで行ったり、ライヴもこの放送の頃には渋谷クアトロでのライヴも終わってる頃ですので4本演ってて、バンドセットとミニマムセットって3ピースの編成の打ち込み主体のセット 2パターンアレンジを考えたり、セットリストも各々で全然違かったりしたので、そのリハーサルもあったり、アルバムの曲を今4曲ぐらい同時進行でレコーティングをしていて、もうあっという間に1ヶ月が過ぎてもう2月なのかっていう感じです。
バレンタインデーですって、僕には完全に無関係ですけども、では早速番組始めていこうかなと思いますが、今日の1曲目はドラマ「佐原先生と土岐くん」のエンディング主題歌になっていた「#それな」という曲をお届けしたいんですがね、最終回も今月の頭に終わってしまって、最終回でこの曲はめちゃめちゃいい感じで流してもらえて超感動してました。
作って良かった!みたいな、そんな気持ちにもなったし、あとライヴでもこの曲演ってるんですけど、アレンジがめちゃめちゃかっこよくなってて、他の曲から繋いでメドレーっぽく演ってますけどそういうのも含めて、めちゃめちゃこの曲への愛着が湧いていって。ただ歌うの難し過ぎね。"ブレスポイントっていう概念ありますか?"って作者さんに問いたいんですけどね、まあ、自分で作りました、はい。そんな曲をご紹介します。
ここからは@リビングルーム。僕、アツキタケトモの回では毎週1組、僕が大好きなアーティストをピックアップしてそのアーティストへの愛を熱く語らせていただきます。
今夜の特集アーティストは、満を持して、サカナクションを特集しようと思います。まあね、(このRoom"H"は)ヒップランドミュージックゆかりのアーティストがお送りしている番組ですけど、ヒップランドミュージックといえばサカナクションという印象を僕はすごく持ってたんです、所属する前から。
(サカナクションとの)出会いは中学ぐらいかな?中学ぐらいの時に「ネイティブダンサー」っていう曲のMVがCSとか音楽番組、ミュージックビデオ流れる番組ですごく流れている時期があって、そこで足元のアップでネオンっぽいエフェクトかかってる、あの映像もすごく当時の僕の感覚で言うと新鮮だったし、僕、結構ロック少年でOASISとか聴いてたりとか、ポップス、例えばミスチルとか聴いてたんですけど、こんなダンスミュージックと歌謡性って両立するんだっていうか、こんなに素敵な感じになるんだ、こんな音楽があるんだってすごく衝撃を受けて、そこから僕はダンスミュージックみたいなものを好むようになるんですけど。
それこそ初期で言うとエイフェックス・ツインとかケミカル・ブラザーズとかアンダーワールドとかを聴くようになるんですけど、そういう音楽に傾倒していくきっかけになってくれたのがサカナクションというか、そのロック的な気持ち良さを取り入れたままダンスミュージックに導線を引っ張ってくれる感じがあるから、ずっとロックだけ聴いてた人が自然にそっちにいけるみたいな、その入り口を作ってくれてるバンドだなっていう風に...今も印象あんまり変わらないですけどね。
でも実際、僕にとってそういう入門編、入り口になってくれた大切なバンドで、いわゆる邦楽ロックと言われるカテゴライズの中では僕は一番サカナクションから影響を受けている、周りの友達とか世代的にバンプがすごく好きとかそこから影響受けている人が多いんですけど、もちろん僕もバンプ好きだし聴いてはいたけど、すごく影響を受けたっていうところで言うとやっぱりサカナクションが僕にとっては一番、2010年代の邦楽ロックを象徴するバンドだなと僕は勝手に思っているっていう感じですかね。それぐらい大きな影響がありますので語っていきたいなと思います。
僕、アツキタケトモ的サカナクション、ベストソング、今日は6曲皆さんにダイジェスト的に聴いていただきます。いつもは5曲なんですけど、さすがに選びきれないよということで6曲選ぼうと思いますのでちょっとテンポ早めにいつもよりお届けします。
まず1曲目は「もどかしい日々」です。サカナクション特集で「もどかしい日々」からって、なかなか他のラジオ番組ではやらないんじゃないかなと思いますけども、カップリング曲なんですけど「セントレイ」のカップリングだったかな。
僕はこの曲聴いたとき本当に衝撃を受けて、J-POPってAメロ〜Bメロ〜サビがあって、それが2回繰り返されて途中でエモーショナルな間奏があって、落ちサビがあってラスト転調するサビみたいな、そういう形があってそこをちょっと崩すみたいな感じなんですけども、この曲ってサビとかってよりも、ドロップ的な価値観だったりもするし、割と洋楽的な構造、でもそこに乗ってるメロディーはフォーキーな部分もあるし、すごく踊るっていうことにもフィーチャーした曲で、それが2008年にリリースされてるって、今でこそTikTokとかも流行って踊るってことが一般化してるからドロップがサビになってる曲はいっぱいあるけど、当時マジでなかったんですよね、そういうの、日本でやってるっていうのが。
しかもそのメジャーシーンというか、大きいシーンの中でそれをやってる人っていうのは全然いなかったから中学時代の僕にとっては本当に衝撃的な曲で、この曲を夢中になって聴きまくって、夜めちゃめちゃ踊っていたというそんな思い出があります。この曲ね2分54秒ぐらいで1回ブレイクしてそこからスーパーダンスタイムが来るのでそこを中心に聴いて欲しいなと思います。
いやーめちゃめちゃ今聴いても衝撃的ですね。改めてこの収録の帰り道にまた聴き直したいな、ぐらいの、めちゃめちゃかっこよかったですね。
続いて2曲目に選んだサカナクションのアツキ的ベストソングは「ライトダンス」 このジェッジェッジェッジェッジェっていうギターのリフがめちゃめちゃ印象的な曲ですけど、この曲も当時中学時代、ロックテイストなんだけど踊れる、みたいなことで僕は衝撃受けてたんですけど 特に一番、今となってというか、すげーなこの曲って思うのは"手に不安"っていう歌詞。
"手に不安"ってすごくない!?と思って。手に不安っていう文字面を見ても何かこう余白があるし、すごく考えさせられる意味があるのに、日本語にあんまり感じない鳴り方をしてるっていう。
僕はこのイントロで"手に不安"って歌い出した時点でこの曲は評価されるべきっていうか、もう優勝してるなっていう。
その作詞センスと音楽に対する言葉の当て方、よく一郎さん、言葉が歌詞になることで意味を超える瞬間、みたいなことを言ってますけど、まさにそれを一番強く感じるのがこの曲ということで選んできました。
中学時代この曲が入ってる『シンシロ』ってアルバム、中学〜高校の時にすごくずーっと聴いていたロックの目覚めであり、ダンスミュージックの目覚めの作品なので思い出しますね、色々。
サカナクションのアツキ的ベストソング3曲目は「目が明く藍色」ですね。これはもう外せない曲っていうか、当時、僕は薄い記憶で覚えてるんですけど、ナタリーとかニュースの記事で"山口一郎が9年かけて作った曲"、みたいな。1曲に9年ってかかるの?みたいな、当時の中学生の僕は思ってたんですけど。
でも聴いてすごく、その言葉の意味が理解できたというか、これ組曲みたいになってるから、いろんな時期のいろんなものが合わさってこの素晴らしい曲ができたんだなっていう。
それこそバラードとかで7分ある曲って割とJ-POPにたまにあったりするんですけど、やっぱり長いなというか、まあ歌を聴かせたいのはすごくわかるけど、1曲聴くだけで疲れちゃうって思ってたけど、この曲って1曲っていうのをもったいないぐらい、1曲で1枚のアルバム聴いてるぐらいの感じもあったりするし、初めてこの曲を聴いた時、7分が一番短く感じた瞬間だったなと思ってて。まあ、この曲は色々語るのもヤボなんでね、とにかく聴いてください。
この曲ね、本当にストーリーというかね、全部聴いて、フルで聴いて真価を発揮する曲だと思うので是非サブスクとかで皆さん聴いて欲しいですね。
4曲目は サカナクション「スローモーション」ですね。この曲も多分最初カップリングだったんですけどね、それこそ今この収録の日、収録してる場所では、雪が今、どんどん強くなってて、帰れるかなとちょっと不安になってますけど。
この曲も雪の描写がある曲ですけど、途中でギターソロが入ってくるところ、僕はそこでシューゲイザーという概念を知ったというか。
そこまでシューゲイザーってジャンル知らなかったんですけど、ここでこういきなりジャカ、ギーンってなり始めて、この轟音めっちゃかっこいいと思って、色々インタビューとか見てたら シューゲイザーっていうジャンルがあって、それを意識して、いきなりこんなに激しくなるんだみたいな。
それでマイ・ブラッディ・バレンタインの『ラブレス』とか、そういうところから入って、こういうジャンルがあるんだっていう。オルタナティブな音楽とか洋楽のディスクガイドじゃないですけど、最初の一歩目を踏み出させてくれたバンドだなって改めて思いますね。
この曲、カップリング曲とはいえライヴでも結構演ってたりする曲だったりするし、これだけ叙情性とそのサウンドの面白さを両立させてる曲ってなかなかできないことだと思うので、本人ももしかしたら気に入ってる曲なのかなと思いつつ、僕もこの曲の完成度はえげつないものだなと、それをカップリングで出す空気になってた当時のサカナクションチームってめちゃめちゃクリエイティブな現場だったんだろうなぁと思って、羨ましいなっていうか、別に僕がそうじゃないってわけじゃないんですけど、なんかすげーなと思いますよね。
続いて5曲目にお届けするのは「ワンダーランド」。サカナクションの中においてこの曲を何で選んだかって言ったら、この曲を初披露したツアーでのライヴでの演出がカッコ良すぎたっていうことで。
僕、ちょっと語弊があるけど作品性とか録音に対して興味があったから、ライヴってそんなに僕にとって重要じゃなかったんです、聴き手として。
アーティストも音源が良くなかったらライヴも行きたいと絶対思わないし、音源がまず良くて それがあるからライヴでそれを復習するみたいなニュアンスで考えてたんですけど、サカナクションのライヴ観てからこれは絶対ライヴじゃないと体験できない音楽体験をさせてもらえるっていうのがすごく感じられて、そこでライヴって面白いんだ、と初めて思えたっていう。
そういう意味でもすごくサカナクションは大事なバンドなんですけど、この「ワンダーランド」初披露したとき、その映像とその音が完全に一体化してちょっとトリップしちゃったんですよね、そのライヴの時。そういう超印象的な思い出があるのでこの曲は流したいなと思いました。
ラスト6曲目をお届けします。6曲目に選んだのはサカナクションで「フレンドリー」という曲で、こちらは最新アルバムからの曲ですけど、なんて言うんだろうな、最近、一郎さんはコンセプトを立ててそこに対して書いてるっていう感じがしたんですけど、この「フレンドリー」に関してはそういう作為性っていうよりかは一郎さんという人間から出てきたものみたいな、そういうものを歌詞からすごく感じて、そういう感覚って初期のアルバムとかにはすごく感じられてたんですけど、最近はこういうテーマがあって作家として書いてるみたいな、そこまでのことじゃないのかもしれないけど、その言葉が意味を超える瞬間を求めてクリエイティブに作っているって感じがしたんですけど、久々にフォークシンガーとしての山口一郎さんみたいな、そういうものをすごく感じるものに対して、すごくサウンドもバンドで、基本オーガニックな感じで、すごく洗練された演奏になってるっていう意味で、やっぱり15年以上活動してきて辿り着く境地なのかなと思って、すごくお気に入りの一曲だったし、中学時代とか、学生時代の振り返りみたいになってたんですけど、最後は今のサカナクションのモードに対してお届けしたいなと思ってこの曲を選びました。
サカナクション「もどかしい日々」
サカナクション「ライトダンス」
サカナクション「目が明く藍色」
サカナクション「スローモーション」
サカナクション「ワンダーランド」
サカナクション「フレンドリー」
アツキタケトモ「アイデンティティ」
アツキタケトモ「カモフラージュ」
番組へのメッセージをお待ちしています。
Twitter #fmfukuoka #RoomH をつけてツイートしてください。MC3人ともマメにメッセージをチェックしています。レポート記事の感想やリクエストなどもありましたら、#SENSA もつけてツイートしてください!
放送時間:毎週水曜日 26:00~26:55
放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)
黒川侑司(ユアネス Vo.&Gt.)
福岡で結成された4人組ロックバンド。感情の揺れが溢れ出し琴線に触れる声と表現力を併せ持つヴォーカルに、変拍子を織り交ぜる複雑なバンドアンサンブルとドラマティックなアレンジで、詞世界を含め一つの物語を織りなすような楽曲を展開。
重厚な音の渦の中でもしっかり歌を聴かせることのできるLIVEパフォーマンスは、エモーショナルで稀有な存在感を放っている。2021年12月1日に初のフルアルバム「6 case」をリリース。2022年8月24日にシングル「ありえないよ。」を、同年11月30日にはシングル「Blur」をリリース。2022年6月1日にソロ第1弾シングル「この星からの脱出」をリリース。2022年7月8日にはソロ第2弾シングルでギタリスト「こーじゅん」をフィーチャリングに迎えた「フライディ・チャイナタウン (Acoustic Cover)」をリリース。
オフィシャルサイト/ @yourness_on/ @yourness_kuro
アツキタケトモ
2020年7月より活動開始。作詞・作曲・編曲を自ら手がける新世代の音楽家。日常に潜むちょっとした違和感を、独自のダンスミュージックで表現する。
1stアルバム『無口な人』は2020年9月にリリースされ、ノンプロモーションながらSpotifyやApple Musicなどのストリーミングサービスで多くのプレイリストに選出され、早耳の音楽ファンから好評を得た。2022年にはSG「Outsider」をリリースし、Billboard Heatseekersや、J-WAVETOKIO HOT 100に入るなど注目を高めている。
1月5日に配信SG「匿名奇謀」をリリース。
オフィシャルサイト/ @atsukitaketomo / @atsukitaketomo
Wez Atlas
東京を拠点とするヒップホップアーティスト。多文化なスタイルを取り入れ、高いスキルで日本語と英語を組み合わせたラップを魅せる。HYPEBEAST JAPAN による注目の U20 アーティストに選ばれるなど徐々に注目を集める存在に。2021 年 6 月に starRo をプロデューサーに迎えた「Zuum!」をリリースし、SpotifyJapan の公式プレイリスト「Next Up」のカバー、そして 1 曲目に、さらには「Tokyo Super Hits!」にも選ばれた。今後の活躍が期待される中、2021年7月に待望の1stミニアルバム「Chicken Soup For One」をリリース。客演のオファーも多く寄せられ、Helsinki Lambda Clubや韓国のシンガーソングライターYunBなど、国内外のアーティストの作品に数多く客演参加。
2022年は自身名義のシングルも5作発表し、2023年3月には2ndミニアルバム「This Too Shall Pass」をリリース。
@wezzyatlas
今週のMCは、アツキタケトモが担当。SENSAでは、オンエア内容を一部レポート!(聴き逃した方やもう一度聴きたい方は、radiko タイムフリーをご利用下さい。)
皆さんこんばんは。ここからの1時間はRoom"H"、DJを務めます音楽家のアツキタケトモです。
2024年は忙しいですね。去年1年間?去年って言うか一昨年1年間分ぐらいの仕事量を1か月でやったみたいな感じでしたね。去年くらいからちょいちょい忙しくはなってたんですけど、一昨年は本当に宅録で作業して何か月かに1回、曲を出すぐらいしか動いてなかったので、もう一昨年の全スケジュール足しても、この1か月の仕事量に満たないんじゃないか、ぐらい。
普通に作業とかいつも通りやりながら、稼働がとにかくめちゃめちゃ多くてですね、大阪にCPで行ったり、ライヴもこの放送の頃には渋谷クアトロでのライヴも終わってる頃ですので4本演ってて、バンドセットとミニマムセットって3ピースの編成の打ち込み主体のセット 2パターンアレンジを考えたり、セットリストも各々で全然違かったりしたので、そのリハーサルもあったり、アルバムの曲を今4曲ぐらい同時進行でレコーティングをしていて、もうあっという間に1ヶ月が過ぎてもう2月なのかっていう感じです。
バレンタインデーですって、僕には完全に無関係ですけども、では早速番組始めていこうかなと思いますが、今日の1曲目はドラマ「佐原先生と土岐くん」のエンディング主題歌になっていた「#それな」という曲をお届けしたいんですがね、最終回も今月の頭に終わってしまって、最終回でこの曲はめちゃめちゃいい感じで流してもらえて超感動してました。
作って良かった!みたいな、そんな気持ちにもなったし、あとライヴでもこの曲演ってるんですけど、アレンジがめちゃめちゃかっこよくなってて、他の曲から繋いでメドレーっぽく演ってますけどそういうのも含めて、めちゃめちゃこの曲への愛着が湧いていって。ただ歌うの難し過ぎね。"ブレスポイントっていう概念ありますか?"って作者さんに問いたいんですけどね、まあ、自分で作りました、はい。そんな曲をご紹介します。
サカナクションを特集@リビングルーム
ここからは@リビングルーム。僕、アツキタケトモの回では毎週1組、僕が大好きなアーティストをピックアップしてそのアーティストへの愛を熱く語らせていただきます。
今夜の特集アーティストは、満を持して、サカナクションを特集しようと思います。まあね、(このRoom"H"は)ヒップランドミュージックゆかりのアーティストがお送りしている番組ですけど、ヒップランドミュージックといえばサカナクションという印象を僕はすごく持ってたんです、所属する前から。
(サカナクションとの)出会いは中学ぐらいかな?中学ぐらいの時に「ネイティブダンサー」っていう曲のMVがCSとか音楽番組、ミュージックビデオ流れる番組ですごく流れている時期があって、そこで足元のアップでネオンっぽいエフェクトかかってる、あの映像もすごく当時の僕の感覚で言うと新鮮だったし、僕、結構ロック少年でOASISとか聴いてたりとか、ポップス、例えばミスチルとか聴いてたんですけど、こんなダンスミュージックと歌謡性って両立するんだっていうか、こんなに素敵な感じになるんだ、こんな音楽があるんだってすごく衝撃を受けて、そこから僕はダンスミュージックみたいなものを好むようになるんですけど。
それこそ初期で言うとエイフェックス・ツインとかケミカル・ブラザーズとかアンダーワールドとかを聴くようになるんですけど、そういう音楽に傾倒していくきっかけになってくれたのがサカナクションというか、そのロック的な気持ち良さを取り入れたままダンスミュージックに導線を引っ張ってくれる感じがあるから、ずっとロックだけ聴いてた人が自然にそっちにいけるみたいな、その入り口を作ってくれてるバンドだなっていう風に...今も印象あんまり変わらないですけどね。
でも実際、僕にとってそういう入門編、入り口になってくれた大切なバンドで、いわゆる邦楽ロックと言われるカテゴライズの中では僕は一番サカナクションから影響を受けている、周りの友達とか世代的にバンプがすごく好きとかそこから影響受けている人が多いんですけど、もちろん僕もバンプ好きだし聴いてはいたけど、すごく影響を受けたっていうところで言うとやっぱりサカナクションが僕にとっては一番、2010年代の邦楽ロックを象徴するバンドだなと僕は勝手に思っているっていう感じですかね。それぐらい大きな影響がありますので語っていきたいなと思います。
一郎さんのツアーに行った際のアツキタケトモ本人のインスタストーリー
僕、アツキタケトモ的サカナクション、ベストソング、今日は6曲皆さんにダイジェスト的に聴いていただきます。いつもは5曲なんですけど、さすがに選びきれないよということで6曲選ぼうと思いますのでちょっとテンポ早めにいつもよりお届けします。
まず1曲目は「もどかしい日々」です。サカナクション特集で「もどかしい日々」からって、なかなか他のラジオ番組ではやらないんじゃないかなと思いますけども、カップリング曲なんですけど「セントレイ」のカップリングだったかな。
僕はこの曲聴いたとき本当に衝撃を受けて、J-POPってAメロ〜Bメロ〜サビがあって、それが2回繰り返されて途中でエモーショナルな間奏があって、落ちサビがあってラスト転調するサビみたいな、そういう形があってそこをちょっと崩すみたいな感じなんですけども、この曲ってサビとかってよりも、ドロップ的な価値観だったりもするし、割と洋楽的な構造、でもそこに乗ってるメロディーはフォーキーな部分もあるし、すごく踊るっていうことにもフィーチャーした曲で、それが2008年にリリースされてるって、今でこそTikTokとかも流行って踊るってことが一般化してるからドロップがサビになってる曲はいっぱいあるけど、当時マジでなかったんですよね、そういうの、日本でやってるっていうのが。
しかもそのメジャーシーンというか、大きいシーンの中でそれをやってる人っていうのは全然いなかったから中学時代の僕にとっては本当に衝撃的な曲で、この曲を夢中になって聴きまくって、夜めちゃめちゃ踊っていたというそんな思い出があります。この曲ね2分54秒ぐらいで1回ブレイクしてそこからスーパーダンスタイムが来るのでそこを中心に聴いて欲しいなと思います。
いやーめちゃめちゃ今聴いても衝撃的ですね。改めてこの収録の帰り道にまた聴き直したいな、ぐらいの、めちゃめちゃかっこよかったですね。
続いて2曲目に選んだサカナクションのアツキ的ベストソングは「ライトダンス」 このジェッジェッジェッジェッジェっていうギターのリフがめちゃめちゃ印象的な曲ですけど、この曲も当時中学時代、ロックテイストなんだけど踊れる、みたいなことで僕は衝撃受けてたんですけど 特に一番、今となってというか、すげーなこの曲って思うのは"手に不安"っていう歌詞。
"手に不安"ってすごくない!?と思って。手に不安っていう文字面を見ても何かこう余白があるし、すごく考えさせられる意味があるのに、日本語にあんまり感じない鳴り方をしてるっていう。
僕はこのイントロで"手に不安"って歌い出した時点でこの曲は評価されるべきっていうか、もう優勝してるなっていう。
その作詞センスと音楽に対する言葉の当て方、よく一郎さん、言葉が歌詞になることで意味を超える瞬間、みたいなことを言ってますけど、まさにそれを一番強く感じるのがこの曲ということで選んできました。
中学時代この曲が入ってる『シンシロ』ってアルバム、中学〜高校の時にすごくずーっと聴いていたロックの目覚めであり、ダンスミュージックの目覚めの作品なので思い出しますね、色々。
サカナクションのアツキ的ベストソング3曲目は「目が明く藍色」ですね。これはもう外せない曲っていうか、当時、僕は薄い記憶で覚えてるんですけど、ナタリーとかニュースの記事で"山口一郎が9年かけて作った曲"、みたいな。1曲に9年ってかかるの?みたいな、当時の中学生の僕は思ってたんですけど。
でも聴いてすごく、その言葉の意味が理解できたというか、これ組曲みたいになってるから、いろんな時期のいろんなものが合わさってこの素晴らしい曲ができたんだなっていう。
それこそバラードとかで7分ある曲って割とJ-POPにたまにあったりするんですけど、やっぱり長いなというか、まあ歌を聴かせたいのはすごくわかるけど、1曲聴くだけで疲れちゃうって思ってたけど、この曲って1曲っていうのをもったいないぐらい、1曲で1枚のアルバム聴いてるぐらいの感じもあったりするし、初めてこの曲を聴いた時、7分が一番短く感じた瞬間だったなと思ってて。まあ、この曲は色々語るのもヤボなんでね、とにかく聴いてください。
この曲ね、本当にストーリーというかね、全部聴いて、フルで聴いて真価を発揮する曲だと思うので是非サブスクとかで皆さん聴いて欲しいですね。
4曲目は サカナクション「スローモーション」ですね。この曲も多分最初カップリングだったんですけどね、それこそ今この収録の日、収録してる場所では、雪が今、どんどん強くなってて、帰れるかなとちょっと不安になってますけど。
この曲も雪の描写がある曲ですけど、途中でギターソロが入ってくるところ、僕はそこでシューゲイザーという概念を知ったというか。
そこまでシューゲイザーってジャンル知らなかったんですけど、ここでこういきなりジャカ、ギーンってなり始めて、この轟音めっちゃかっこいいと思って、色々インタビューとか見てたら シューゲイザーっていうジャンルがあって、それを意識して、いきなりこんなに激しくなるんだみたいな。
それでマイ・ブラッディ・バレンタインの『ラブレス』とか、そういうところから入って、こういうジャンルがあるんだっていう。オルタナティブな音楽とか洋楽のディスクガイドじゃないですけど、最初の一歩目を踏み出させてくれたバンドだなって改めて思いますね。
この曲、カップリング曲とはいえライヴでも結構演ってたりする曲だったりするし、これだけ叙情性とそのサウンドの面白さを両立させてる曲ってなかなかできないことだと思うので、本人ももしかしたら気に入ってる曲なのかなと思いつつ、僕もこの曲の完成度はえげつないものだなと、それをカップリングで出す空気になってた当時のサカナクションチームってめちゃめちゃクリエイティブな現場だったんだろうなぁと思って、羨ましいなっていうか、別に僕がそうじゃないってわけじゃないんですけど、なんかすげーなと思いますよね。
続いて5曲目にお届けするのは「ワンダーランド」。サカナクションの中においてこの曲を何で選んだかって言ったら、この曲を初披露したツアーでのライヴでの演出がカッコ良すぎたっていうことで。
僕、ちょっと語弊があるけど作品性とか録音に対して興味があったから、ライヴってそんなに僕にとって重要じゃなかったんです、聴き手として。
アーティストも音源が良くなかったらライヴも行きたいと絶対思わないし、音源がまず良くて それがあるからライヴでそれを復習するみたいなニュアンスで考えてたんですけど、サカナクションのライヴ観てからこれは絶対ライヴじゃないと体験できない音楽体験をさせてもらえるっていうのがすごく感じられて、そこでライヴって面白いんだ、と初めて思えたっていう。
そういう意味でもすごくサカナクションは大事なバンドなんですけど、この「ワンダーランド」初披露したとき、その映像とその音が完全に一体化してちょっとトリップしちゃったんですよね、そのライヴの時。そういう超印象的な思い出があるのでこの曲は流したいなと思いました。
ラスト6曲目をお届けします。6曲目に選んだのはサカナクションで「フレンドリー」という曲で、こちらは最新アルバムからの曲ですけど、なんて言うんだろうな、最近、一郎さんはコンセプトを立ててそこに対して書いてるっていう感じがしたんですけど、この「フレンドリー」に関してはそういう作為性っていうよりかは一郎さんという人間から出てきたものみたいな、そういうものを歌詞からすごく感じて、そういう感覚って初期のアルバムとかにはすごく感じられてたんですけど、最近はこういうテーマがあって作家として書いてるみたいな、そこまでのことじゃないのかもしれないけど、その言葉が意味を超える瞬間を求めてクリエイティブに作っているって感じがしたんですけど、久々にフォークシンガーとしての山口一郎さんみたいな、そういうものをすごく感じるものに対して、すごくサウンドもバンドで、基本オーガニックな感じで、すごく洗練された演奏になってるっていう意味で、やっぱり15年以上活動してきて辿り着く境地なのかなと思って、すごくお気に入りの一曲だったし、中学時代とか、学生時代の振り返りみたいになってたんですけど、最後は今のサカナクションのモードに対してお届けしたいなと思ってこの曲を選びました。
2月14日(水) オンエア楽曲
アツキタケトモ「#それな」サカナクション「もどかしい日々」
サカナクション「ライトダンス」
サカナクション「目が明く藍色」
サカナクション「スローモーション」
サカナクション「ワンダーランド」
サカナクション「フレンドリー」
アツキタケトモ「アイデンティティ」
アツキタケトモ「カモフラージュ」
番組へのメッセージをお待ちしています。
Twitter #fmfukuoka #RoomH をつけてツイートしてください。MC3人ともマメにメッセージをチェックしています。レポート記事の感想やリクエストなどもありましたら、#SENSA もつけてツイートしてください!
RADIO INFORMATION
FM 福岡「Room "H"」
毎週月曜日から金曜日まで深夜にオンエアされる、福岡市・警固六角にある架空のマンションの一室を舞台に行われ、次世代クリエイターが様々な情報を発信するプログラム「ミッドナイト・マンション警固六角(けごむつかど)」。"203号室(毎週水曜日の26:00~26:55)"では、音楽番組「Room "H"」をオンエア。ユアネスの黒川侑司、アツキタケトモ、Wez Atlasが週替わりでMCを務め、本音で(Honestly)、真心を込めて(Hearty)、気楽に(Homey) 音楽愛を語る。彼らが紹介したい音楽をお届けし、またここだけでしか聴けない演奏も発信していく。放送時間:毎週水曜日 26:00~26:55
放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)
番組MC
黒川侑司(ユアネス Vo.&Gt.)
福岡で結成された4人組ロックバンド。感情の揺れが溢れ出し琴線に触れる声と表現力を併せ持つヴォーカルに、変拍子を織り交ぜる複雑なバンドアンサンブルとドラマティックなアレンジで、詞世界を含め一つの物語を織りなすような楽曲を展開。
重厚な音の渦の中でもしっかり歌を聴かせることのできるLIVEパフォーマンスは、エモーショナルで稀有な存在感を放っている。2021年12月1日に初のフルアルバム「6 case」をリリース。2022年8月24日にシングル「ありえないよ。」を、同年11月30日にはシングル「Blur」をリリース。2022年6月1日にソロ第1弾シングル「この星からの脱出」をリリース。2022年7月8日にはソロ第2弾シングルでギタリスト「こーじゅん」をフィーチャリングに迎えた「フライディ・チャイナタウン (Acoustic Cover)」をリリース。
オフィシャルサイト/ @yourness_on/ @yourness_kuro
アツキタケトモ
2020年7月より活動開始。作詞・作曲・編曲を自ら手がける新世代の音楽家。日常に潜むちょっとした違和感を、独自のダンスミュージックで表現する。
1stアルバム『無口な人』は2020年9月にリリースされ、ノンプロモーションながらSpotifyやApple Musicなどのストリーミングサービスで多くのプレイリストに選出され、早耳の音楽ファンから好評を得た。2022年にはSG「Outsider」をリリースし、Billboard Heatseekersや、J-WAVETOKIO HOT 100に入るなど注目を高めている。
1月5日に配信SG「匿名奇謀」をリリース。
オフィシャルサイト/ @atsukitaketomo / @atsukitaketomo
Wez Atlas
東京を拠点とするヒップホップアーティスト。多文化なスタイルを取り入れ、高いスキルで日本語と英語を組み合わせたラップを魅せる。HYPEBEAST JAPAN による注目の U20 アーティストに選ばれるなど徐々に注目を集める存在に。2021 年 6 月に starRo をプロデューサーに迎えた「Zuum!」をリリースし、SpotifyJapan の公式プレイリスト「Next Up」のカバー、そして 1 曲目に、さらには「Tokyo Super Hits!」にも選ばれた。今後の活躍が期待される中、2021年7月に待望の1stミニアルバム「Chicken Soup For One」をリリース。客演のオファーも多く寄せられ、Helsinki Lambda Clubや韓国のシンガーソングライターYunBなど、国内外のアーティストの作品に数多く客演参加。
2022年は自身名義のシングルも5作発表し、2023年3月には2ndミニアルバム「This Too Shall Pass」をリリース。
@wezzyatlas