SENSA

2024.01.28

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!am8・miida and The Department・First Love is Never Returnedほか全28作品 -2024.1.27-

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!am8・miida and The Department・First Love is Never Returnedほか全28作品 -2024.1.27-

カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。 キュレーターの金子厚武とナビゲーターの奥宮みさとによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!



New Release Digest Part 1


みさと:1月22日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜、全28作品の中からPart-1ご紹介しました。リリースおめでとうございます。まず、はじめましてさんです。酩酊麻痺

金子:FRIENDSHIP.には2 ピースのバンドがいくつかいて、Kill The Gossipだったり、最近加わってくれたドミコだったりがいるわけですけど、この酩酊麻痺も2 ピースで、ただ編成がちょっと変わっていて。ボーカル・ギターとキーボード・シンセの2人なんだけど、ドラムを解体してそれぞれがパートを分業していて、ギター・ボーカルのヒさんがバスドラム、キーボード・シンセのマリンさんがスネア・シンバル・フロアタムを担当し、それぞれ人力で演奏するという。

みさと:面白い。観てみたいですね。

金子:YouTubeにライブ動画があって、実際にこの編成で演ってて、面白いなと思いました。

みさと:しかもプラスでそれぞれギターやキーボード、シンセも弾いてるってことですもんね。これはちょっとYouTube確認しないと。

金子:さらに今回はThe Novembersのケンゴマツモトがプロデュースに入って、この曲では複数人のコーラスも入れたりとか、新しい要素も入ったEPになってるということです。



みさと:EP全体のムードとして、今まで自分たちで縛ってたルールを取っ払っているっていうところがすごくいいなと思っていて。周りに求められる形とか慣習的な立ち振る舞いから自分らしさを作ることって当たり前のようにあると思うんですけど、クリエイティブをしてる人ならなおさらこの"もがき"というのを経験してると思うんですよね。
初めてスカートを履いた日とか、初めて一人でライヴハウスに行った日、みたいな。そういう、自分にとってはとてつもない勇気がいることっていうのが、このEP全体から感じられる雰囲気があって、共感できるところ多いんじゃないかなと思います。

金子:そんな作品を『光』というタイトルにしてるのもいいですよね。

みさと:いいですね。そしてODD Foot Worksのギターでもある有元キイチがEPをリリースです。

金子:これも良かったですね。

みさと:良かったねー。

金子:一瞬"ODD Foot Worksのあの人なの?"って思っちゃうくらい、エッジな要素ももちろんあるんだけど、よりスタンダード感のある作品になっていて。さらには今回『Tama, Tokyo』っていう自分の出身をテーマにした、すごくパーソナルな手触りの作品になっていて、それも良かったですね。




みさと:過去の作品も含めて、彼が書く言葉のチョイスが日常とか景色が見える、今どこに住んでるのかとか、何と日常で接点があるのかっていうのが見えてくるっていうところが、まさに人に歴史ありが詰まった作品で、今まではODDのキイチしか見えてなかったけど、彼そのものが見えてきたというか、憂いとか耽美とかそういった雰囲気も感じさせる、すごく素晴らしい。

金子:先週アルバムをリリースしたERWITが自分の音楽のことを"ポストアコースティック"って呼んでましたけど、この作品もちょっと"ポストアコースティック"な感じがして。

みさと:しますね。

金子:だから、odolともリンクを感じるし、並べて聴いてもいいんじゃないかなって感じしましたね。



みさと:もう、どうしましょう。2024年本当に良い曲ばかりで、素晴らしいですね。そんなPart-1からご紹介するのはどうしましょう?

金子am8の新曲を紹介しようと思います。

みさと:かっこよかったですね。

金子:am8はいろんなボーカリストをフィーチャリングしながら曲を発表してますけど、また意外なところを呼んできて、たなかくんを呼んできましたね。元ぼくのりりっくのぼうよみで、現在はDiosというバンドでも活動してるたなかくんですけど、am8のエレクトロポップなサウンドとの相性良かったです。
あと今回結構シリアスな"終わりの見えない争いや悲しみに対し、我々は「どう考え、どう動けば良いのか?どう生きていくのか?」"というメッセージが綴られていて、去年Diosが『&疾走』というアルバムを出してるんですけど、それもテーマ的に近いものがあったんですよね。僕がDiosの取材をしたときに印象的だったのが、"自由に生きる"みたいなことって昔から言われてるけど、でももうその概念がちょっと古くなってる、もう固定概念化しちゃってて、"実際はもっと鎖に縛られた方がいいんじゃないか"って話をしてて。
"鎖に縛られる"っていうのは、要は自分とは違う価値観としっかりと向き合って、そこから学びを得ながら生きていくっていうことで、ただ自由を与えられてもどうしていいか分からなくなっちゃいがちだから、むしろ縛られることによってそこから学びを得ていく、今はそっちが大事なんじゃないかって話をしたのがすごく印象的で、その感覚はこの曲にも入ってる気がして。

みさと:"ぼくりり"が絶頂のときにやめるっていう選択をできる人じゃないですか。今を生きることに優先順位を持てる、彼が歌うことで説得力が増すなっていうのも今の話含めて感じました。

金子:たなかくん、面白いですよね。焼き芋屋やったりとかね。

みさと:しかも2ヶ月で1.5トンも売り上げたとかね。謎の経歴がどんどん増えていくけど(笑)、この彼じゃないと歌えないというか、説得力のない楽曲作りをずっと続けてるんですね。



New Release Digest Part 2


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-2でした。リリースおめでとうございます。はじめましてさんです、 Ueki Soyokaさん。

金子:大阪府出身のシンガーソングライターで、2018年に音楽活動を開始。すでにSpotifyのオフィシャルのプレイリストに過去曲が入ったりしていて、ネクストブレイクアーティストとして話題と。パッと聴き、ソウル/R&Bの印象がありつつ、でもサビは音数が多かったりして、いい意味でいわゆるソウル/R&Bのアーティストとも違う感じだなと思って資料を見てみたら、The Cheserasera宍戸翼さんがプロデュースをしているということで、なるほどっていう感じがすごくして。
The Cheseraseraはバンドとしては活動を再開したわけですけど、宍戸さんがソロで培ったものをこうやってプロデュースに生かしてるっていうのもすごくいいなと思ったし、Uekiさんご自身のこれからも楽しみですね。



みさと:レコードの針を落としたときのようなノイズからスタートして、歌詞の中にもアナログワードが散りばめられていて、とっても丁寧な休日を味わえるような一曲になってますよね。そしてEnfantsがリリースです、EPです。待ってました。

金子:年明け恒例の「関ジャム」の年間ベスト10の中で蔦谷好位置さんがEnfantsの「Play」という曲を挙げていて、また改めて話題になってますが、そんな中でEPが出るっていうのはタイミング的にもすごくいいですよね。

みさと:素晴らしいですね。

金子:この「デッドエンド」という曲も「Play」にも通じる非常にタイトなバンドサウンドがかっこいい曲で、間違いなく話題になるんじゃないでしょうか。

みさと:松本くんの声が地上と地底を行き来するような、その自由さっていうのも感じるし、オルタナティブを楽しんじゃう彼のこういった作品が聴けるEnfantsが始動して、また波に乗ってくれて嬉しい限りですよね。



金子:「関ジャム」には川谷絵音くんも出てて、川谷くんはベスト10にbedを挙げてて。

みさと:最高だね、絵音くん。

金子:今回のEnfantsの曲、このベースリフのループのちょっとポストパンクっぽい感じがbedとも通じるところがあって、FRIENDSHIP.的にはこの2バンドはさらに推していきたいですよね。

みさと:2024年ぜひライブにも足をお運びください。そんなPart-2ですが、紹介するのはどうしましょうか?

金子miida and The Departmentの新曲を紹介しようと思います。

みさと:ミーデパ、待ってました。

金子:FRIENDSHIP.のキュレーターでもあるミズキさんですけど、最近はコラボレーショの楽曲を結構リリースしてて、miida名義のリリースとしては2022年のアルバム以来1年半ぶり。さらにThe Departmentとのこの名義では2年半ぶりと。そんなに経ってたのかって感じしましたけどね。

みさと:活動自体はずっと続けてらっしゃって、その間にご出産とかもあったにも関わらず、歩みが止まってないっていうのは素晴らしいですよね。

金子:今回の曲もサウンド的にさらに更新されていて、The Departmentの太郎さんの"ディスコ、UKガラージ、そして80'sシティポップ風味もあるような無いような...要するにありそうで無さそうなナンバーに仕上がったんじゃないか"っていう、まさにこのコメント通りで。ダンサブルな雰囲気があって、かっこいいサウンドでしたね。

みさと:"逃げる"というネガティブワードがポジティブに変換される曲なんだなっていうことと、サウンドは洗練された大人が満足できるような音なのに、歌詞は自分の中の"中二マインド"が刺激されるというか、その塩梅が本当に最高だなと。逃げる勇気がまだ持てなくても、ちょっと外走ってきますって言いたくなるような楽曲になってました。

金子:ジャケットもね、このバイクで逃げていくんだろうなって感じでいいですよね。



New Release Digest Part 3


みさと:お送りしたのは1月22日週リリースの新譜ダイジェスト、Part-3でした。リリースおめでとうございます。はじめましてさんが二組です。まずはCidres

金子:長野県松本市生まれの松本諒さんによるソロプロジェクト。この人はデモテープ審査からリリースに至った人で、デモテープを聴いたときにもフィルス・スペクター、大瀧詠一的なウォールオブサウンド、 ボーカルの感じは毛皮のマリーズの志磨さんにも通じるなという印象があったんですけど、今回の曲もやっぱりそうで。実際にご本人のコメントでも"フリッパーズ、大瀧詠一、時計の針を進めれば毛皮のマリーズ、For Tracy Hydeが実践してきたようなサンプリングによるデジャヴの魔法でのみ触れられる琴線があると確信しています"という、まさにって感じしますね。

みさと:鍵盤・ドラム・ストリングス、雰囲気・歌唱方法もすべて相当研究されてるんだなっていうアウトブット、 素晴らしかったです。

金子:これを宅録ベースでやってるってところも現代的だし。



みさと:すごいですね。もう一組、colloidです。

金子:この人たちも面白かったですね。"ネオ・トライバルユニット"と資料にはある5人組ですけど、新しい民謡っていうか、そんな雰囲気がして。メンバーの中には折坂悠太くんのバンドでベースを弾いてる方がいたり、この5人で中村佳穂さんのライブでコーラスをやってたりとか、そういう人たちに通じる土着的な、でもちゃんと現在進行系の音楽としてそれをやってる、その感じを持っていて、とても良かったです。



みさと:十分尺を使った歌い出しだけでグッと引き込まれました。絶対的な歌唱力と、声と言葉が揃わないとこの構成にはできないなと思って、素晴らしい曲でしたね。そんなPart-3からどうしましょう?

金子First Love is Never Returnedの新曲をかけようと思います。

みさと:売れちゃうんじゃない? 2024年は売れちゃうんじゃない?

金子:かもしれない。

みさと:ヒゲダンみたいになっちゃうんじゃないかと思いましたけど。



金子:Enfantsが「関ジャム」のベスト10で選ばれたって話をしましたけど、First Love is Never Returnedは Spotifyが毎年年明けに発表している 「Early Noise」という今年期待する10組の中に選ばれまして、彼らもどんどん話題になってきていると。

みさと:いいねー。 みなさん、今のうちにちゃんと古参ぶらないといけないですよ(笑)。

金子:この番組を聴いてる人は確実に古参って名乗っていいと思います(笑)。今回の曲も非常に彼ららしい、キャッチーなメロディーと歌の素晴らしさがあって。さらにサウンド的にはゲームミュージックの要素があり、かなり遊んでいたりもして、またいろんなバリエーションを見せてくれてますね。

みさと:本当に毎作、歌詞、サンプリング、細かいところで世界観をビルドアップしていて聴き流せない、一秒たりとも耳が離せない構成にしているのは抜かりないですよね。

RADIO INFORMATION

FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」

fmgfukuoka_curatedhour_logo_ok_2204.jpg FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。番組後半ではThe fin.のYuto Uchinoが月替りでゲストを迎え、深い音楽談義を繰り広げるコーナーを展開。 放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55 放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)


番組MC

kanekoatsutake_20210528.jpg 金子厚武 1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。 @a2take / @a2take3 misato_a_photo.jpg 奥宮みさと ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。 TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。 安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。 @_M1110_ / @11misato10 yuto_solo_a_1215.jpgYuto Uchino(The fin. Vocal / Synth / Guitar) 神戸出身、ロックバンドThe fin.のフロントマン、ソングライター。80~90年代のシンセポップ、シューゲイザーサウンドから、リアルタイムなUSインディーポップの影響や、チルウェーヴなどを経由したサウンドスケープは、ネット上で話題を呼び、日本のみならず海外からも問い合わせ殺到している。 The Last Shadow Puppets、MEW、CIRCA WAVESなどのツアーサポート、そしてUS、UK、アジアツアーを成功させるなど、新世代バンドの中心的存在となっている。 オフィシャルサイト / @_thefin / @yuto__the_fin


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