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2024.01.29
独自の音楽スタイルを持つ4組の共演。「RUSH BALL in 台湾 on the ROAD ~RUSH BALL 25years Goes On!~」Zepp New Taipei公演を現地ライターがレポート!
★台湾華語で書かれた文章を日本語に翻訳しています
日本の大人気大型音楽イベント「RUSH BALL」が、コロナ禍を経て5年ぶりに台湾にやってきた!「RUSH BALL in 台湾 on the ROAD ~RUSH BALL 25years Goes On!~」が12月13日(水)に台中、12月14日(木)に台北で開催され、日本から招かれた[Alexandros]、Creepy Nuts、go!go!vanillas、Saucy Dogの4組による熱いステージが繰り広げられた。台北会場は、ライブハウスZepp New Taipei。会場自体も日本仕様だが、演出も日本の手法がそのまま持ち込まれ、さらに日本からはるばる駆けつけたファンも多く、まるで日本にいるような錯覚に陥った。また、注目すべき点は、4つのバンドが順に出演するにもかかわらず時間の遅延が全くなかったことだ。わずか15分のセットチェンジではスタッフが一斉に出て来たかと思うと、効率良くあっという間に機材を全て移動させ、時間通りに完了させていた。改めて日本人スタッフの仕事のスピードと正確さに感心した。
場入口の左側には、台湾らしい「RUSH BALL」というネオンサインが飾られている。そして、右側には巨大な看板があり、出演アーティスト4組の直筆サインが書かれているだけではなく、観客にステッカーが配られ、それぞれ自分の出身地を書いて貼り付けられるようになっていた。またロビーではライブペインティング・パフォーマンスが行われ、この日のためのオリジナル作品が描かれた。
出演した4組はいずれも独自の音楽スタイルを持つグループだ。平日にもかかわらず満員の会場で、先陣を切ったのはCreepy Nuts。まずは「よふかしのうた」、「堕天」で会場を盛り上げた。R-指定が中国語で「一起跳吧!(一緒にジャンプしよう!)」と叫ぶやいなや、強烈な歌詞とパワフルなビートが弾丸の如く会場を襲い、その熱い曲に一気にボルテージの上がった観客席はハイテンションでジャンプし盛り上がった。そして「合法的トビ方ノススメ」が始まると、R-指定の動きに合わせて観客全員が両手を上げ、祈るように前に揺れた。まるで宗教的な礼拝のように、会場が一体となって音楽に酩酊していた。
R-指定が中国語と日本語で「これが初の海外なんだけど、ほんとかな?!何度も来てるみたいな、まるでホームグラウンドのような感じ!最高の気分!ありがとう!みんな日本語が上手いよね。俺がめちゃくちゃな中国語で話しても分かってくれて、すごいね!ここからは日本語で話してもいい?みんなは楽しんでますか?俺たちも超楽しんでます!」と高揚した気分を表現し、最後の曲「のびしろ」を皆で歌おうと観客に呼びかけた。R-指定が「歌詞がわからなくても大丈夫。口を開けて一緒に口ずさめばOK」と観客を気遣う言葉を加えたが、練習などなくとも観客たちの見事な大合唱が会場を揺らした。
続いて登場したのは、一昨年紅白にも出場したSaucy Dog。さっそく人気曲「シンデレラボーイ」を歌い始めると、会場はつい先ほどまでのエネルギッシュな雰囲気から一瞬で落ち着いたソフトロックの空気に変わった。ギター・ボーカルの石原慎也が台湾語と中国語を織り交ぜて、「打給厚,我們是Saucy Dog、請多多指教!(みんなこんにちは。僕たちはSaucy Dogです。どうぞよろしく!)」と挨拶し観客を喜ばせた。
ドラムスのせとゆいかは、少し神妙な口調で「日本の流行語を教えるね」と切り出したかと思うと、その言葉はなんと「ゆいかちゃん、かわいい!」。そして観客席から次々と「ゆいかちゃん、かわいい」が聞こえてくると、石原が思わず声を荒げ、「やめろ!うるさい!これ以上かわいいってほめるな!」と言ったので、会場は笑いに包まれた。
スリーピースという編成はロックバンドとしては人数が少ない方だが、ステージでの3人のパフォーマンスはバランスがとてもよい。特に「雷に打たれて」では、ステージで口数の少ないベース・秋澤和貴の存在感が存分に表現されていた。イントロは秋澤のクールなベースソロで始まり、曲の途中では、石原と秋澤が場所を入れ替わることもあった。
今回の台湾ライブのために中国語を超真剣に勉強してきた石原は、「開心嗎?台灣、台北,真的好開心!(楽しんでますか?台湾・台北、本当に楽しい!)」「我是Saucy Dog(Saucy Dogです)」「你們喜歡日本嗎?(皆さん日本は好き?)你們喜歡Saucy Dog嗎?(皆さんSaucy Dogは好き?)」「真的?(本当に?)」と、勉強の成果を発揮した。観客席が大喜びで反応すると、石原は「好了好了!(OK、OK!)」と返し、会場は笑いに包まれた。最後に演奏したグループの代表曲「いつか」では、石原が厚みのある歌声に即興のハミングも加え、抜群の歌唱力でファンを酔いしれさせた。
次に登場したアーティストは、5年前にもRUSH BALL台湾に出演したgo!go!vanillasだ。カーニバルのような曲調の「RUN RUN RUN」をBGMに、ボーカルの牧達弥がステージに登場。今回台北に来て赤峰街で買ったというTシャツを着ている。「哩厚!我們是go!go!vanillas,嗨到最後!(こんにちは!go!go!vanillasです。最後まで気分アゲていこう!)」と牧達弥が中国語で観客に挨拶。そして「青いの。」、「サイシンサイコウ」を続けて演奏し、会場を一気に盛り上げた。
「エマ」を演奏する前には、ベースの長谷川プリティ敬祐が中国語で「準備好了嗎?(準備OK?)」と観客に尋ね、会場の熱気を上げた。そして、ギターの柳沢進太郎がまるでマリオのように大きくキックやジャンプをしながら演奏し、ドラムスのジェットセイヤはさらに興奮したように立ち上がるとドラムスティックを放り投げた。こうした全力の熱が観客にも伝わったようで、歌詞が分からない観客も溢れる熱気に包まれていった。
柳沢進太郎が中国語で「Everybody 尖叫聲!(みんな大きな声で!)」と叫び、続いて英語で「go!go!go!go!go!go!go!go!Taipei! go!go!go!go!go!go!go!go!vanillas!」と叫びながら、会場の熱気を徐々に上げていく。「カウンターアクション」の途中で、牧達弥と柳沢進太郎がテンションが上がって同じマイクで歌い始め、会場を熱狂の渦に巻き込んだ。最後の曲は「コンビニエンスラブ」。演奏がおわると、中国語で「我愛你台灣!(台湾大好き!)」と叫び、大盛り上がりの余韻を残しながら退場した。
フィナーレを飾ったのは過去に何度も台湾を訪れている[Alexandros]で、ステージに上がるやいなや大歓声が沸き起こった。「Dracula La」の「Ooh Ooh Ooh wow~」というサビになると、ボーカル川上洋平のリードで観客も合唱。5年ぶりのライブ復活を待ち望んでいた想いが爆発して、屋根を突き破らんばかりの大合唱になり、川上が歓喜の声を上げた。「我愛你們台北!(台北のみんな愛してる!)」。
「台北のみなさん、こんばんは。お久しぶり、5年ぶりですね!みんな今日は来てくれてありがとう!一緒に叫んで盛り上がろう!」こう言って上着を脱ぎ、代表曲「Starrrrrrr」、「Adventure」が続くと、会場全体がまさに一体となって大合唱に包まれた。メンバーからも笑顔がこぼれ、パフォーマンスもヒートアップし、会場中が一つになった。
ドラムスの庄村聡泰が「勇退」し新体制になった[Alexandros]が台湾でライブをするのは今回が初めて。この代表曲の2曲にも、以前とは違う新しいアレンジも加わっていた。川上はまた、「台湾といえば小籠包やタピオカミルクティーが有名だけど、今は日本にもたくさん入って来て、台湾より多いかも。だから今日台湾に来た目的はそれじゃなくて、みんなに会うためなんだ!この30分のために4時間かけて飛行機で来たんだ!俺たちは一夜限りの恋じゃないから、来年もまた来るよ。みんな、絶対来てくれるよね?また来年も会いましょう!」と約束した。それを聞いて会場は歓喜の渦に。最後に「ワタリドリ」と「閃光」を演奏し、熱狂的な大合唱でライブを締めくくった。
台湾の皆さんが、すごく温かくてもてなしてもらっている感覚でした。
やればやるほど、かませばかますほど、皆さんが反応を返してくださるので台湾であの曲をやったらどうなるんだろう?という想像が膨らんだ2公演でした。また来たいです。
Creepy Nuts
初めての海外でのライブでした。
日本の音楽シーンがどのくらい台湾に通用するのか定かではなかったので、不安と期待でドキドキしていましたが、とても温かく迎えてくれてとても嬉しかったです。
また台湾でライブしたいです!!!下次見!!謝謝!!
Saucy Dog
台湾の文化に沢山触れられ、ライブハウスの熱量をガシッと感じることが出来て最高でした。
次来る時は台湾のバンドと対バンをしてみたいです。
go!go!vanillas
我愛你們台北!(台北のみんな愛してる!)
[Alexandros]