SENSA

2024.01.21

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!ERWIT・WUJA BIN BIN・TAMTAMほか全25作品 -2024.1.20-

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!ERWIT・WUJA BIN BIN・TAMTAMほか全25作品 -2024.1.20-

カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。 キュレーターの金子厚武とナビゲーターの奥宮みさとによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!



New Release Digest Part 1


みさと:1月15日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜全25作品からPart-1ご紹介しました。リリースおめでとうございます。まずは我らがユアネス。2ndミニアルバム、リリースとなるんですね。

金子:それに先駆けての先行配信ということですね。彼らはバンドシーンとアニソンとかボカロの2次元のシーンとの間を行く 2.5次元バンドとしての立ち位置がより明確になってきて、サウンド的にはシンセとかエレクトロニックな要素が増えつつ、でもバンド的なかっこよさもあるし、黒川くんのボーカルの生々しさもあるという。バンドの"ここだ"という道がしっかり決まって、そこに向けて突き進んでる感じがすごくしますね。

みさと:本当ですねー。イントロ〜Aメロぐらいまでは誰が歌ってるんだろうって言うか、どのバンドだろうってちょっと分からないぐらいだったんですけど。

金子:それぐらいより洗練されてますよね。



みさと:そう。そして今回フィーチャリングでRINOさんとご一緒してることもあって、男女のツインボーカルのバンドなのかなって思うぐらい、黒ちゃんのハイトーンにさらに負けない強さと歌唱力を持った女性ボーカルがいるんだっていう発見もあって。二人は声質もあってますよね。

金子:RINOさん、YouTubeでカバー動画とかもあげてて、そこでユアネスの「私の最後の日」のカバーもしてて。もしかしたらそれで見つけて、ピックアップしたのかもしれなくて。

みさと:なるほど。今っぽいなー。

金子:そういうところも彼らっぽいですよね。

みさと:いいですね。2ndミニアルバム、2月を楽しみにしていましょう。そして、はじめましてさんがいます。ベランダです。

金子:ベランダはリリースが実に6年ぶりなんですけど......僕は勝手にベランダはFRIENDSHIP.から出してくれるんじゃないかと思っていたところがあって。

みさと:予言者(笑)。

金子:だから"きた!"と思って。ベランダは最高なんですよね。



みさと:私、初めて聴きました。どんなバンドなんですか?

金子:京都の出身で、今は東京で活動してるバンドで......すごくわかりやすく言っちゃうと、僕の中ではくるりとPeople In The Boxの中間みたいなイメージ。

みさと:なるほど。ルーツ的にも"うんうん"って感じしますね、納得。

金子:今回ひさびさの新曲で、ジャズやヒップホップの要素がより強まりつつ、でもそっちに寄り過ぎずに、ちゃんとポップバンドとしての立ち位置も守っていて。だからさっき言った2つのバンドにもう1個ceroが加わったみたいな。

みさと:あ、そうですね、それ思いました。エッジなギターロックceroみたいな感じだなと思って聴いてたんですけど。

金子:そんなバンド、絶対嫌いな人いないじゃん!っていう。

みさと:いない。本当、多方面にファンを獲得できる楽曲だなと思ったのと、成人式があるこの1月のタイミングに、この歌詞いいなと感じさせてくれました。〈デタラメくらいが楽しい 大人になりたいだけなのに〉っていう、この2行が印象的だなと思って。聴き応えありますね。

金子:歌詞は結構シニカルだったり、批評眼的な視点もあったりして。もともと活動は緩やかなんだけど、インディシーンの中には"ベランダすごく好き"っていう人が多いと思うので、待望のリリースではないかなと。今年は結成10周年だったりもするので、まとまった作品にも期待したいですね。

みさと:今後、私も聴いていきます。そんなPart-1からどの曲を紹介しましょうか?

金子:それはもう、ERWITをかけましょう。

みさと:あら、いいんですか?

金子:年明けの放送で、みさとさんが今年の推しだと。

みさと:そうなのよ!

金子:そのERWITから早速アルバムが届いちゃいました。

みさと:ほら、もうこんなに頑張ってるもん。そう、今年いきますよ。

金子:アルバム、良かったですよね。 どうですか、みさとさん?

みさと:既存曲を一つにまとめたようなアルバムではあるんですが、リード曲は新曲「いつかのように」で、今回ピアノの共同アレンジにodolの森山くんが参加していて、森山くんだよなっていう、(森山)節も感じるんですけど、神谷さんとのタッグという、今まで培ってきた信頼関係も見えつつ、やっぱりいいアーティストがこうやって集まる、ミュージシャンから愛される人なんだなっていうのを感じると、やっぱり今年行くでしょうって確信に変わりましたね、このアルバムがリリースになって。

金子:資料を見ると"ポストアコースティック"という言葉がキーワードとして出てきていて。ポストロックとかポストクラシカルとかありますけど、ポストアコースティックという言葉を掲げてるのはアコースティックな音楽、フォークとかだけど、より音響的な側面も強く反映されてるような意味合いで使ってるのかなという印象で。それを考えたときに、odolの森山くんはやっぱり相性がぴったりで、この二人の出会いは運命だったなと感じさせるような曲ですね。

みさと:いいですねー。杉山さんの声もまた際立っていて、これだけのメンバーが集まったら他のボーカルでも成り立つかもしれないけど、やっぱり杉山さんの声で聴きたいなって思わせる、彼のソロプロジェクトの所以というか、それを感じるアルバム、一曲になっています。



New Release Digest Part 2


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-2でした。リリースおめでとうございます。さあ、我らがLITEです。

金子:LITEも今月末にアルバムを控えての先行トラックになるわけなんですけど。

みさと:2023年もコンスタントにリリースを続けてきましたけど、まだまだ歩みは止まりませんね。

金子:で、最近の曲は武田さんのボーカルが特徴になってるわけですけど、もうラップになっちゃいましたね。

みさと:進化が止まらない(笑)。 次、何やってくれるんだろう?って、ニヤニヤしながら期待しちゃいますよね。



金子:去年LITEはZAZEN BOYSとツーマンをやってて、今月ZAZEN BOYSも12年ぶりのアルバムが出たりするんですけど、向井さんのボーカルもちょっとラップっぽいニュアンスがあったり、あとLITEのもともとのルーツである2000年代初頭には54-71というハードコアとヒップホップを組み合わせたようなバンドもいたし、日本のオルタナとラップっていう組み合わせは昔からあるっちゃあって。そういう意味ではそれをLITEがやるっていうのもわかる気がするし、なおかつ"日本語ラップが楽器の一つに聴こえるようにするインストバンドの挑戦です"というコメントもあったりして、確かに!という感じがすごくしますね。

みさと:ちゃんとインストバンドという自身の立ち位置をブラしてないのがかっこいいですよね。あくまで声も楽器なんだと、これをやってるのは別に歌を歌いたいからではなく、インストバンドとしてやってるんだっていう、気概がかっこいい。もうこれアルバム楽しみですね。さらに、インストと言えばのアツムワンダフルさん。

金子:一服trackもね、もちろん基本はインストなんですけど、今回初めてアツムさんの歌も入ってるトラックになっていて。ただこれも歌モノというよりかはLITEと同じで、歌も楽器的なニュアンスで入れていて、チルなトラックにより人肌のぬくもりを加える楽器としての声、みたいな感じはしましたね。



みさと:そうですね。いつも一服trackシリーズは肩の力が抜けるなとか、優しい雰囲気にさせてくれますけど、よりぬくもりを感じるような、この感覚になれる「this is fine」。やっぱり人の声の持つ周波数みたいなものがしっかり届いてる一曲ですよね。 じゃあ、この流れで一曲紹介するのは?

金子WUJA BIN BINを紹介しようと思います。

みさと:私、ケイタイモさんの漫画の大ファンでして、「家も頑張れお父ちゃん!」という家族の日常漫画を描いてるんですけど、英語バージョンのリリースのタイトルが「sidekick daddy」なんですよね。

金子:なるほどね。

みさと:で、そのタイトルの曲が今回アルバムのリード曲になっていて、ついに5人家族のあのドタバタ賑やかなものにテーマソングができたんだと、まさにそのドタバタ感を楽曲からも感じます。

金子:WUJA BIN BINもインストではあるけれど、声の要素が大きくて、そのドタバタ感みたいな意味でもこのスキャットは印象的ですよね。音楽的にはすごく洗練されてるけど、アウトプットとしてユーモラスに聴こえるのは、この声の存在がすごく大きいだろうなって感じしますよね。

みさと:この漫画の影響もあるんですけど、すごく人が見えてくる、インストバンドなのに人とか光景が見えてくるっていうテーマ性と、そのスキャットを入れてみたり、この13人の織りなす技っていうのが存分に発揮された一曲、そしてアルバムになってるんじゃないかと思います。

金子:この13人も、大家族みたいなものですよね。

みさと:そうでしたね。13人もドタバタされてらっしゃるんじゃないかと思います(笑)。



New Release Digest Part 3


みさと:お送りしたのはPart-3でした。リリースおめでとうございます。さあ、今週は"我らが"シリーズですね。我らがShimon Hoshinoさん、1曲目でした。

金子:アルバムがリリースになりましたね。

みさと:おめでとうございます。



金子:Shimonさんは年明けから働かれてましたけど......。

みさと:年末も働いてるし、彼に休みはないですね。

金子:前のアルバムが出たのが去年の8月なので、半年足らずでまたアルバムができちゃったと。とはいえね、ほぼ毎週新曲をリリースしてるようなものなので、そりゃそうだって気もするけど。

みさと:まとめればアルバムになるだろうという気もしますが。

金子:前回もアルバムを出すとよりリスナーの幅が広がったっていうのがあったから、今回もアルバムにすることでよりリスナーの幅が広がると思います。あと最後に「piano sonata by my daughter」って曲が入ってて、この曲は生後5ヶ月の娘さんがキーボードを適当に触れて、出てきたフレーズをそのまま生かしちゃったっていう。そういう人柄が、パーソナルな部分が見れるのもいいですよね。

みさと:Shimonさんって作ってる中に自分の日常を落とし込んでるから、人となりが表れやすい楽曲作りをされてると思うし、アルバムにしたのもリスナーさんから"アルバムにしてよ"っていうDMをもらったからっていうエピソードもあるじゃないですか。それに"あ、うん分かった、やるよ!" って呼応しちゃうところも含めて、ずっと彼には変わらずこの制作スタイルとスピリッツを持ってやってて欲しいですよね。そしてPart-3にもはじめましてさんがいらっしゃいます。Fly By Midnightです。

金子:彼らはニューヨーク発で、現在はLA拠点のポップユニット。今週来日公演をしてて、ちょうど終わったところなはずなんですけど。本国ではすごく人気で、Spotifyの月間リスナーが160万人いるユニットで、今回の曲は去年出したアルバムの曲にSincereさんというボーカリストが参加しての日米コラボ曲になっていると。

みさと:すごくかっこよかったです。聴かせるメロディアスな美メロとは意外な、こんな速いブレイクビーツ、BPM速めの組み合わせにするんだっていう驚きがあって、そのいいとこ取りが一つになってるなっていう、とってもかっこいい曲でした。



金子:FRIENDSHIP.的にもこういう海外とのコラボは2024年もどんどんやっていってほしいですよね。

みさと:期待ですね。そんなPart-3からご紹介するのはどうしましょう。

金子TAMTAMの新曲をかけようと思います。

みさと:今回は5曲を収録したEPになるんですけど、全部かっこいいです。

金子:TAMTAMはドラムのアフィくんのソロだったり、ちょっと企画っぽい音源は過去にFRIENDSHIP.から出したことがあるんだけど 今回バンドとしての作品自体3年ぶりで、ちゃんとしたオリジナルをFRIENDSHIP.から出すのは初めて。こちらも"待ってました!"っていう感じですけど ホントかっこよくて。ここ最近のTAMTAMの感じ、フューチャーソウルっぽい感じもありつつ、でももうちょっとノスタルジックなテイストもあって 音像的にはアンビエントとかエレクトロニカとか、そういう感じもするし、でもビートミュージックとしての心地よさもある。言ってみれば、フューチャーノスタルジアソウルみたいな、すごくかっこいい音楽になってるなと思いました。

みさと:そこにオリエンタルな、アジアな香りが漂っているっていうのも、ご自身が東京を拠点にされていて、ここから発信していくっていうものも感じるというか。1曲目の「Doors」もまさにドアを開けて、ここから私たちの世界にどうぞ、という没入感を感じさせるというか、5曲なんだけどがっつりTAMTAMの世界に入れるEPになってるなと思って、満足感高いですよね。

金子:そういうエキゾチックな部分だったり、僕が言ったノスタルジックな雰囲気だったりとか、この音楽を通じて過去にも未来にも どんな場所にでも繋がれるみたいな、そういう感じしますよね。

みさと:本当ですね。「虹の彷徨」、まさにそんないろんな未来であったり、問わない場所に連れてってくれる、そんな雰囲気を感じる一曲ではないでしょうか。



RADIO INFORMATION

FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」

fmgfukuoka_curatedhour_logo_ok_2204.jpg FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。番組後半ではThe fin.のYuto Uchinoが月替りでゲストを迎え、深い音楽談義を繰り広げるコーナーを展開。 放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55 放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)


番組MC

kanekoatsutake_20210528.jpg 金子厚武 1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。 @a2take / @a2take3 misato_a_photo.jpg 奥宮みさと ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。 TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。 安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。 @_M1110_ / @11misato10 yuto_solo_a_1215.jpgYuto Uchino(The fin. Vocal / Synth / Guitar) 神戸出身、ロックバンドThe fin.のフロントマン、ソングライター。80~90年代のシンセポップ、シューゲイザーサウンドから、リアルタイムなUSインディーポップの影響や、チルウェーヴなどを経由したサウンドスケープは、ネット上で話題を呼び、日本のみならず海外からも問い合わせ殺到している。 The Last Shadow Puppets、MEW、CIRCA WAVESなどのツアーサポート、そしてUS、UK、アジアツアーを成功させるなど、新世代バンドの中心的存在となっている。 オフィシャルサイト / @_thefin / @yuto__the_fin


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