SENSA

2023.12.17

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!SPENSR・Jane Jade(藤原さくら、優河)・ドミコ ほか全24作品 -2023.12.16-

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!SPENSR・Jane Jade(藤原さくら、優河)・ドミコ ほか全24作品 -2023.12.16-

カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。 キュレーターの金子厚武とナビゲーターの奥宮みさとによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!



New Release Digest Part 1


みさと:12月11日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜、全24作品の中からPart-1の8作品をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます。さあ、はじめましてさんからです、奔走狂走局

金子:「局」が郵便局の「局」っていう、面白い名前ですよね。東京発のギターロックバンドでプロフィールによるとメンバーは現在3人なんですかね。オルタナティブなバンドサウンドで 叙情的な、フォーキーなメロディーで、歌い出しからしてクリープハイプ、尾崎世界観さんとか、あの辺りを連想させる感じがあって。SNSを覗いたら12月に以前紹介した超☆社会的サンダルと一緒に演ったりするみたいで、このちょっと内省的でエグみもありエモさもありみたいな、今のギターロックバンドな感じは通じるところありますよね。



みさと:まさにイントロから"いなたいなー"と思いながら聴いてましたけど、そのエグみとエモさっていうのが、しっかり味になって伝わってくる、いい完成形だなと思いながら聴かせてもらいました。そして我らがThe fin.です。

金子:我らがThe fin.、ひさびさの新曲が届きました。

みさと:3rdアルバム『Outer Ego』 以来となります、新曲「Swans」です。

金子:番組後半で曲が流れるんじゃないかという気がしつつ、ひとまず紹介させてもらっちゃうと、まあかっこよくて。

みさと:はい。

金子:Yutoくんのコメントには「『Outer Ego』 がThe fin.としての表現のそれまでの集大成で、それ以降は新しい音を探求する旅に出て、この2年で自分が求める表現のニュアンスやテクスチャを徐々に見つけていき、遂に新曲をリリース」というようなことが書いてあって。実際に曲を聴いてみると、結構ビートが強めになってたり、後半のサックスが印象的だったりして。

みさと:ピアノもあるし、生音も多くなった印象でした。

金子:結構ヒップホップとかジャズの側面が出てて。The fin.らしいロマンティックな部分とかエレガントな部分ももちろんあるし、シンセの要素もあるんだけど、確かに変化が感じられて、また新しい側面を出してきたなという感じがしました。

みさと:今までのThe fin.って深海の、鳴るはずのない場所で音が鳴ってるみたいな、深さとか幻想的な雰囲気をすごく感じてたんですけど、地上に上がってきたな、という感じがするというか。

金子:わかります。

みさと:それがおっしゃってた、新しいジャンルのエッセンスと生音感とか、ビートの強さというリアルなThe fin.、形がちょっと見えるThe fin.に、進化なのか分かりませんが、変化を遂げてるなという感じがします。



金子:前作の時は「Deepest Ocean」だったから海の深くに潜ってたけど、そこから出てきた感じ確かにありますよね。 「Swans」だから、あれかな?池にあるアヒルのボートみたいなやつ。

みさと:カップルがデートする時に使うやつ。やっぱり地上ですね(笑)。これをひっさげて、どういうふうに2024年活躍されるのか、楽しみ。さあ、そんなPart-1からどうしましょうか?

金子:FRIENDSHIP.からは初のリリースとなるSPENSRを紹介しようと思います。

みさと:バチバチにかっこよかったですね。

金子:かっこよかったですね。 SPENSRは岡山出身で現在は東京を拠点にするシンガー/プロデューサー。作詞・作曲・アレンジ・演奏・デザイン・映像までセルフプロデュースするマルチアーティストと。

みさと:いやー恐ろしい、末恐ろしい。

金子:近年はプロデュースとか曲提供が多くて、FRIENDSHIP.でもROUとかmichel koAKIRAとかにプロデュースで関わってたんですけど。

みさと:毎作かっこよかった。



金子:今回はひさびさにご本人の曲ですけど、非常にかっこよくて。R&Bとかネオソウルとかをこれまでベースにしてきたというのはありつつも、今回はギターががっつり鳴っていて、ご本人のコメントでも「SPENSRとしてのキャリア開始以前に影響を受けたUKロック などのエッセンスも盛り込まれており」とあって。今ってR&Bとかネオソウルでも、ただ綺麗でスムースなだけじゃなくて、もっといろんなジャンルが混ざってて、ロック的な要素・ギターサウンドの要素も強くなってきてたりする中で、SPENSRのこのミクスチャー感、非常にかっこよかったですね。

みさと:ですね。しかもシンガーとして優れているというか、とても素晴らしい声を持っていて、歌モノとしてもしっかり成り立つ、キャッチーさとポップさも併せ持った楽曲なのにトラックもかっこいい。

金子:かっこいいですね。

みさと:レイドバックされたビートとか、洗練された印象っていうのが第一印象として伝わってくる、このバランス感覚。トータルでセルフプロデュースをされてる方ならではなのかなという、素晴らしい才能ですね。

金子:曲のテーマとしては怒りが背景にあるそうで、Sen Morimotoさんのこの前のアルバムもそうでしたよね。この曲の背景にどういうテーマでの怒りがあるのかはまだちょっと分からないけど、内に秘めた怒りがサウンド的な荒々しさに繋がってるような面もあるのかなという感じはしました。

New Release Digest Part 2


みさと:Part-2もはじめましてさん多いですが、まずthe slow films

金子:このバンドは2019年結成の4人組で、下北沢を中心に活動しているとのことです。最近ずっと言ってますが、女性ボーカルでちょっとオルタナな感触があるいいバンドがどんどん出てきてて、今年だけでいいバンド何組出てきてんだろう、みたいな感じがありますけど、またかっこいいバンドが出てきちゃいましたね。サウンドもかっこいいけど特にボーカルが、ボーカルのmikuさんの声にちょっと中性的な、男性的な部分もあると言うか、そういうニュアンスがあって、そこがサウンドのシューゲーザっぽいリヴァービーな感じとも相まって、このバンドの個性にすごくなっているなという感じがしました。



みさと:mikuさんのこのちょっとしたザラつきと歌詞やサウンド感のザラつき、感傷的な雰囲気っていうのがすごくマッチしていて、彼女がフロントにいる理由を感じるバンドというか。でもきっとメンバー間でも意思疎通がしっかりできてるんだろうな、っていう風な形に落とし込まれているのも感じますよね。そして一応はじめましてです。大ベテラン、WUJA BIN BIN

金子:WUJA BIN BIN 、FRIENDSHIP.からリリースなんですね。

みさと:ありがとうございます!

金子:WUJA BIN BINは 2011年に結成の、13人組ジャズ・ロック・オルタナ・プログレ吹奏楽団。ベーシストのケイタイモさんはBEAT CRUSADERSの活動でも知られていますが、それ以前からMONGHANGというバンドをやっていて、その発展系がWUJA BIN BINになってるから、MONGHANG時代から数えたら活動歴はもっと長い、ベテランのバンドと言えますね。で、さっきの「ジャズ・ロック・オルタナ・プログレ吹奏楽団」という名前通り、管(楽器)が非常に印象的に使われていて、類家心平さんとか元在日ファンクの後関さんとか、達者な人たちが参加していて、ジャズ、ファンクにちょっとエキゾな要素、ブラジル音楽だったりとか、非常に多彩な要素が入っている非常にかっこいいバンドです。



みさと:ケイタイモさん、イラストの作家としても大活躍中じゃないですか。年明けの1月に個展をやるみたいなんですけど、そこでニューアルバムを買えるんですって。 しかも、その場でジャケットの絵を描いて、そのまま買えるっていう、出来立てホヤホヤがゲットできるみたいで。

金子:へーっ!

みさと:1枚ずつ描くって単価いくらで売る!?みたいなことをされてるんですけど、この曲も収録されているニューアルバムがリリースになりますので、ぜひ足をお運びください。さあ、そんなPart-2からはいかがしましょう?

金子:はじめましてのJane Jadeを紹介しようと思います。。

みさと:はじめまして......ですが、このお二人の名前を紹介させていただくと驚かれるのではなかろうかと。

金子:藤原さくらさんと優河さんが2人でJane Jadeを結成と。いやー、この2人が結びつくとは。

みさと:でもこの曲を聴くと、結びつくのを約束された2人っていう感じもしますよね。



金子:フォーク、カントリーをベースに、お互いの声の良さを活かし合っている非常にいい曲でしたけど、Xを覗いてたら、結成のニュースに対して「日本でもボーイジーニアスが始まるのか」って言ってる人がいて、確かにと思って。ボーイジーニアスはアメリカのフィービー・ブリジャーズ、ジュリアン・ベイカー、ルーシー・ダッカスという3人のシンガーソングライターが結成したグループで、今年出したアルバムがグラミーで7部門にノミネートされてたり、アメリカではかなり大きな動きになっていて、Jane Jadeは2人だけど、確かにボーイジーニアス的な動きとも言えるなと思って。でもボーイジーニアスにするにはあと1人必要だから......。

みさと:誰にする、誰にする(笑)?

金子:僕の中ではカネコアヤノさん。

みさと:言うと思った、絶対言うと思ったよ。

金子:まあ、完全に勝手な妄想なんですけどね(笑)。でも俺昔から、ホント勝手な妄想だけど、カネコアヤノさんは日本のフィービー・ブリジャーズだとずっと思ってたんですよ。だから、ここにカネコアヤノさんが入っちゃったら、本当に日本のボーイジーニアスだなとか思うんですけど、まあそんな妄想はさておき、もうこの2人で十分に完成度が高いですし、優河さんのバンドにも参加している岡田拓郎くんがこのグループにも関わっていて、さすがのサウンドメイクを施してたりもして。最近はシティポップ以降の流れと、その一方でのオルタナティブロックが音楽ジャンル的には盛り上がってる印象ですけど、もうちょっとフォーク・カントリー的な流れを盛り上げるきっかけのひとつにもなり得るんじゃないかと思うので、非常に楽しみですね。

みさと:こんなに2人の周波数が同じ声ってあるんだって驚くくらい、声が重なってもどっちがどっちを歌ってるのか分かるんだけど分からないような、本当に交わることの自然さ、この2人の声っていうのはなかなか出会えない組み合わせだなと思って。Jane Jade、楽しみですね。

New Release Digest Part 3


みさと:さあ、こちらにもはじめましてさんです。p/asma

金子:p/asmaは曲を聴いて普通に日本のアーティストかと思ったら、台湾出身ということで驚きました。メンバーは子供の頃から日本カルチャーの影響を受け、自分たちの日本音楽を作りたいと思いバンドを組んだということで、本当に普通に日本の音楽でしたね。

みさと:全部日本語で歌ってるミニアルバムなんですけど、発音がネイティブですよね。

金子:そこちょっと考えたんですけど、日本の音楽、日本語の音楽って、英語圏の音楽からの影響を日本語に落とし込んで表現してるものが多かったりするじゃないですか。例えば、She Her Her Hersとかわかりやすいですけど。だから、発音がネイティブと言っていいのかは難しいというか、多分この人たちがちゃんと日本語を喋れるかって言ったら、決してめちゃめちゃ上手いわけでもない気がするんですよ。

みさと:音として捉えてる?

金子:そうそう。日本の音楽の影響を受けてるから、音として日本語を上手く使えてるけど、日本人のように喋れるかと言ったらまた違うのかなって。

みさと:なーるほど、そうかもしれないですね。

金子:そういうことかもなって、ちょっと思ったりして。



みさと:実際に私たち、まだp/asmaにはお会いしたことないですけど。

金子:めちゃめちゃ流暢に日本語喋るかもしれないけど(笑)。

みさと:かもしれないけど、でもきっと、そういうアイデンティティって生まれ持ったものにしか通用しないものではなくて、育んだりとか生み出すことができるものなんだなっていうのを、彼女たちのアルバムを聴いて思えたので、まさにそうかもしれないですよね、音楽はこういうふうに受け取ってきたとか、カルチャーをこう受け取ってきた、それを形にはできるっていう。面白い。"今"だなって。

金子:ご本人にお話聞いてみたいですね。

みさと:ルーツを聞いてみたいですね。さあ烏兎-uto-もねー、烏兎-uto-がねー、よくてねー(笑)。

金子:いいですよねー、2曲目のリリースですけど。

みさと:歌詞の世界観、素晴らしい。



金子:歌詞は1個前の突然少年が「何でもないよ」って歌ってて、その次の烏兎-uto-が「なんでもいいよ」だから、曲順を考えてる"中の人"ことS尾さんの茶目っ気なんじゃないかなと言う気がしますけど(笑)。

みさと:それで、ちょっとKANA-BOONを思い出す感じ。

金子:僕はマカロニえんぴつを思い出しましたけど(笑)。まあ、そういう既にある有名な曲と同じぐらいめちゃめちゃいい曲で、"なんでもいいよ"のスタンダードを烏兎-uto-が更新したというか。曲も歌もいいし、今回はベースが伊賀航さん、細野さんのバンドとかでも弾いてる方ですけど、そしてドラムがBREIMENのKanno Soくんだったりと、演奏陣も素晴らしい。やっぱり烏兎-uto-いいですね。

みさと:技術がしっかりあるっていうのは彼女たちお墨付きですけど、この"なんでもいいよ"の世界観が、この気持ちが一方通行だと歪みが生まれるじゃないですか。でもそうじゃない関係値を作れている人に出会えてる、そして一緒にいるっていうことの奇跡というか、これは理想であってリアルの世界の中にはなかなか難しいことだと思うから、でも、それがもしかしたら近くにあるかもよ、とも教えてもらえてる気もするし。寒くなって人肌恋しい季節に愛を確認できる楽曲に聴こえてきます。そんなPart-3から何を紹介しましょう。

金子:こちらもFRIENDSHIP.的にははじめましてですが、ドミコを紹介しましょう。

みさと:ようこそー。ドミコー!ずっとずっと大好き。

金子:今週はブランニューの新しい人もいっぱいいるし、これまで既に長く活動をやってきて、FRIENDSHIP.に来てくれた人たちもいるし、どんどん層が厚くなっている感じしますね。

みさと:そうですねー。

金子:ドミコは2011年結成か。もう10年以上やってるんですね。

みさと:そうなんですよね。しかも今回って再録バージョンになるんですけど、だから10年以上演奏してきたような楽曲たちをリアレンジして、バンドで修行してきた曲たちのアップデートを聴かせてもらえるっていうのが、ライブバンドだよねって思わせてくれましたね。

金子:ドミコはボーカル・ギターとドラム・コーラスの2人組なわけですけど、とは思わせないぐらいの非常にかっこいいサウンドを鳴らしてて、特にギターサウンドがね、今時こんなすごい音鳴らしてる人はあんまりいないですね。DURANさんとかとはまた別の角度で、よりガレージロック寄りな音色で、近年この感じを鳴らしてる人はなかなかいないなっていう、めちゃめちゃかっこいい音です。あとドミコはTempalayとかMONO NO AWAREとかとも仲が良くて、一緒に中国ツアーをやってたり、すでに海外でも実績があるから、FRIENDSHIP.的には海外展開という意味でもドミコのこれからがまたさらに楽しみになるなという感じもします。



RADIO INFORMATION

FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」

fmgfukuoka_curatedhour_logo_ok_2204.jpg FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。番組後半ではThe fin.のYuto Uchinoが月替りでゲストを迎え、深い音楽談義を繰り広げるコーナーを展開。 放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55 放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)


番組MC

kanekoatsutake_20210528.jpg 金子厚武 1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。 @a2take / @a2take3 misato_a_photo.jpg 奥宮みさと ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。 TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。 安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。 @_M1110_ / @11misato10 yuto_solo_a_1215.jpgYuto Uchino(The fin. Vocal / Synth / Guitar) 神戸出身、ロックバンドThe fin.のフロントマン、ソングライター。80~90年代のシンセポップ、シューゲイザーサウンドから、リアルタイムなUSインディーポップの影響や、チルウェーヴなどを経由したサウンドスケープは、ネット上で話題を呼び、日本のみならず海外からも問い合わせ殺到している。 The Last Shadow Puppets、MEW、CIRCA WAVESなどのツアーサポート、そしてUS、UK、アジアツアーを成功させるなど、新世代バンドの中心的存在となっている。 オフィシャルサイト / @_thefin / @yuto__the_fin


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