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2023.11.19
FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!She Her Her Hers・odol・Pictured Resortほか全24作品 -2023.11.18-
カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。 キュレーターの金子厚武とナビゲーターの奥宮みさとによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!
New Release Digest Part 1
みさと:11月13日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜、全24作品の中からPart-1をご紹介しました。リリースおめでとうございます。はじめましてさんです。幸木野花さん。
金子:1998年生まれ、愛知県出身のシンガーソングライター。ノスタルジックな雰囲気があって、 FRIENDSHIP.的には、みらんさんとかKiss The Gamblerとかも連想させる部分がありますね。「ラムネの夏」という曲で、「11月に『ラムネの夏』か」って一瞬思ったけど、曲を聴いてみると、夏を思い返すような、それこそノスタルジックな雰囲気の曲で、今このタイトルでリリースするのは面白いなと思いました。
みさと:言葉尻の歌い方も含めて、なんだかフフッと微笑みたくなるような、そんな可愛らしさと表現力があるシンガーですね。続きまして、PAJAUMIです。
金子:新曲は結構ひさしぶりですね。1年以上ぶりかな。
みさと:そうですね、とってもかっこよかった。
金子:この曲はまだバンドになる前、別所さんのソロだったときのPAJAUMIが2020年にリリースしていて、でも近年はずっとバンドで演奏されていて、今回はトリオで再録をしていると。かっこよかったですね。
みさと:別所さんのラグジュアリーなイントロから始まって、1分前後のところでだんだんヒリヒリとした緊張感のある、戦いみたいな、そういうジャズならではのセッションみたいなところもあって。最後やっぱり最初のリフに戻るっていう安心感も含めて、瞬きができない、耳を離すことができない、そんな一曲でしたよね。
金子:最後戻ってくるの、やっぱりかっこいいですよね。
みさと:あれがジャズのバンドの良さというか、セッションができる方たちの良さですよね。
金子:ドラムがめちゃめちゃ乱れ打った後に鍵盤とベースのユニゾンに行くとこがね。
みさと:超かっこいい。
金子:これクリックもなしで3人でレコーディングしてるみたいで。
みさと:一発録りだそうです。
金子:そのかっこよさが詰まってますね。
みさと:そんな中、Part-1からお送りするのはもちろんこのアルバムですよね。
金子:She Her Her Hersのアルバムを紹介しましょう。
みさと:いやもう素晴らしいですよ。
金子:今年は躍進の1年というか、中国をはじめアジア圏での盛り上がりがあり、その集大成と言ってもいいようなアルバムになってるんじゃないでしょうか。
みさと:今までのShe Her Her Hersはもちろんのこと、アレンジしてもここまでかっこいいっていう、揺るがないステージが一つ上がったんだなっていうのを教えてくれる楽曲が並んでたなと思いました。
金子:今回すごく印象的なのは、やっぱりグルーヴですかね。「Bystanders」が1曲目で、2曲目に以前紹介した「Chelsea」が入っていて、このちょっとエレクトロハウスっぽい、よりグルーヴィーな曲が今のShe Her Her Hersを象徴してる感じがして。それは前も言ったかもしれないけど、中国をはじめライブの舞台が広がってる中で、よりフィジカルな楽曲というところに向かったのかなと。他の曲だと、元Lucky Tapesの田口くんのベースがグルーヴを担っている曲もあったり、最近のライブで特徴になってるバイオリンの曲もあったり、バスーンが入ってる曲もあったり、曲ごとの色合いも多彩で、めちゃいいアルバムになってると思います。
みさと:この前インタビューをさせてもらったんですけど、とまそんが歌詞を書くときに、「ヒロヤスくんが歌うのを想定して書いてるんですか?」って聞いたら、まあもちろんそうだと。特にサ行とカ行を意識してるんですって。サ行って無声音で消えるじゃないですか、その世界観ってシューゲイズに合うなって思ったのと、あとカ行ってカ・キとかアクセントになるから、そこでタイトな感じ、それがビートとまたドラムと重なるという、なるほど!と思って。最近ボキャブラリーとして語彙がどんどん出尽くしちゃって困ってるって話もしてましたけど、緻密に計算された言葉選び、という部分でも、ぜひ耳をそば立てて聴いて欲しいアルバムです。
金子:日本語で歌っててもグローバルに通じるっていうのは、そういうサウンドとしての気持ち良さをちゃんと考えてるからってことですね。
New Release Digest Part 2
みさと:お送りしたのはPart-2でした。 リリースおめでとうございます。まず、はじめましてさんですが、今週のはじめましてさんはみなさん夏を振り返っております。FOYOさん。
金子:2019年に結成されて、コロナ禍での休止期間を経て2023年再始動、現在はオンラインをベースに都内で活動する5人組ということです。確かに夏っぽさというか、パーカッションとかカッティングが非常に心地良くて、ドライビングソングにぴったりだなと。
みさと:本当ですね、高速で聴きたいですね。トロピカルなカッティングギターが入るタイミングとか、ベースが入るタイミングとかもう素晴らしいなっていうのと、それぞれのパートにちゃんとスポットライトが当たる時間があるので、バンドでやってる意味というか、和気藹々とやってらっしゃる風景も見えるような、すごく良いチームなんだなっていうのを感じました。
金子:オンラインだけど、ちゃんとそこで和気藹々としてるっていうかね。
みさと:いい感じですね。
金子:最後のサンバになるのもオシャレでしたね。
みさと:オシャレでした。そして阿佐ヶ谷ロマンティクスです。
金子:FOYOをかけたから、阿佐ヶ谷ロマンティクスもかけようと思って。阿佐ヶ谷ロマンティクスは普段ミドルテンポの曲が多いんですけど、今回はわりとアップテンポな感じだったので FOYOの曲とも並べて聴きたいなって感じがして。
みさと:確かに。
金子:これもジャケットが海の写真で、曲の内容もちょっと昔を思い出す、懐かしい気持ちをテーマにしてるということで。寒くなってきて、ちょっと暖かい頃を思い出したくなるタイミングでもあるんですかね。
みさと:まさにそうですよね。でも完全にまだ冬になりきれてない、暖冬じゃないですか。だからこそ暖かいときのことを思い出しやすいのかなと思って、今年に合うリリースの仕方をみなさんされてますよね。そんなPart-2からお送りするのは、このアルバムでいいですよね?
金子:odolですね。アルバム、いやー、これは良かったなあ。odolは3人体制になってから少しずつ曲を作り続けてきて、今回はこれまで単曲でリリースしてきたのも含めて全12曲が収録されていて。3人体制になったことによって、曲ごとに色んなミュージシャンを招くようになって、ギタリストに西田修大、岡田拓郎、細井徳太郎、ドラムに大井一彌、深谷雄一、バイオリンに須原杏などなど、音楽好きだったらこの名前の並びを聞いただけでも"やばそう"ってなると思うんですけど、その通りやばくて。ストリングスがわりとどの曲にも入ってて、生楽器の繊細さがありつつ、そこにシンセがレイヤーされて、odol流のアンビエントなポップスというものが一つここで完成したんじゃないかぐらいの手応えを感じましたね。
みさと:本当に今おっしゃったように音だけでもう大満足のアルバムなんですが、ミゾベくんの丁寧な歌唱がさらに際立っていたと思っていて。今の時代、聴き流せないこと、立ち止まらせることっていうのがヒットの理由になるのかなと思っていて、歌詞を見なくても全部言葉が理解できるっていう、そのシンプルな言葉選びと歌唱方法っていうのがもう本当、素晴らしいなと思って。どんどん進化を遂げていると感じてます。
金子:特に、この「遠い街」という曲はすごく映像的な曲で。アルバムタイトルが『DISTANCES』で、最後に「時間と距離と僕らの旅」という彼らが昔からずっと演奏してる曲の再録も入ってて、つまりは時間とか精神的・物理的な距離をずっと描いてるんだけど、この「遠い街」はその中での別れを描いている曲で。で、めっちゃピンポイントなんですけど、歌詞で"じゃあ部屋の鍵はひとりで返しておくから"というところがあって、そこに多分ギターの弦を"ピン"ってこすった音が入ってて。
みさと:ちょっとだけ入ってますよね。
金子:あれ、多分鍵の音をイメージしてると思うんですけど、そういうすごく映像的なこだわりも感じられて。
みさと:めっちゃ良かった。
金子:イントロがちょっと間が空いてるのとかも。
みさと:10秒空いてるんですよね。
金子:さよならを言い出すまでのちょっとの間なのかなって感じがしたりとか。
みさと:あと2分半のところも1秒だけ空いてるじゃないですか。あれも多分、躊躇してんだなっていう、余白みたいな、すごく映像美、構築美、様式美というか、本当に美しい作品でしたね。あと自分がどこの立場から聴くか、見るか、主語を誰と置くかで世界がどんどん変わっていける、その面白さもありました。距離の見え方が変わる、そんなアルバムじゃないでしょうか。
New Release Digest Part 3
みさと:お送りしたのはPart-3でした。リリースおめでとうございます。まず、はじめましてさん、Bed Gravityです。
金子:2023年6月に活動をスタートした4ピースバンドで、メロディックパンクとかエモとかを感じさせるバンドなんですけど、ボーカルがSakuraさんという方で、FRIENDSHIP.から前にソロでリリースをしているシンガーソングライターで。
みさと:福井の方?
金子:そうそう。4月に「new morning」というタイトルの曲を出してて、曲のリリース自体がひさしぶりだったから、new morning=新しい朝が始まったんだな、みたいな話をした気がするんですけど。
みさと:覚えてます。
金子:バンドでの活動スタートが6月ってことなので、つまりは「バンドをやろう」みたいなタイミングだったのかなって。
みさと:そういう心境も重ねてたわけですね。
金子:多分だけど。
みさと:ソロのときと全然違いますね。歌唱方法とかキャラクターが違うというか、気付きませんでした。どっちも好き。
金子:人気出そうな感じしますね。
みさと:しますね。そしてBlue Mash。
金子:こちらも今のバンドだなっていう感じがすごくしました。
みさと:寝屋川はやっぱりバンドの街ですね。
金子:2018年に結成して、年間100本ライブをやってるというバンドで、『スペシャ烈伝』に出たり、ヤングスキニーのイベントに出たり、既に盛り上がってきているバンドで。今にすごくフィットする、このちょっとエモい歌と歌詞、ジャケットも女の子の写真だったりとか、今の若い世代に響くだろうなっていう要素を色々持っているバンドだなって感じました。
みさと:令和版の"木綿のハンカチーフ"っていう感じもします。
金子:それ、すごいな(笑)。
みさと:若い子はググってください!そんなPart-3からお送りするのは?
金子:Pictured Resortをかけようと思います。
みさと:とっても良かったですね。
金子:Part-1とPart-2で夏を振り返ってる人たちがたくさんいたので、もう夏にしちゃえっていう。
みさと:そんなに忘れられないんだったらPictured Resort聴こうよ。
金子:振り返るとかでもなく、Pictured Resortを聴けばもう夏!という。
みさと:最高!
金子:しかもPictured Resort、今月にタイでのライブが決まっていまして、アジアですごく人気出てきてるみたいで、バンコクのレーベルからベストアルバムも出たり。
みさと:世界がPictured Resortを求めている。私たちも負けじと追いかけなくちゃいけませんね。
金子:そういうタイミングでこのPictured Resortの真骨頂的なブギー、ディスコな非常にライブ映えのする曲を出してきたっていうのも、なるほどって感じしましたね。
みさと:DJをやってる方にお薦めしたい。すっごく使い勝手の良さそうな、ミックスもしやすそうだし、絶対これかけたらみんな踊るから。
金子:間違いないね。
みさと:リフレインされているワードも一回で歌えるようになっちゃうこのキャッチーさも含めて、クラブでも使える一曲ではないでしょうか。
金子:ご本人が現地に行く前から、すでにアジアのクラブでかかってるのかもしれないですね。
RADIO INFORMATION
FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」
FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。番組後半ではThe fin.のYuto Uchinoが月替りでゲストを迎え、深い音楽談義を繰り広げるコーナーを展開。 放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55 放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)
番組MC
金子厚武 1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。 @a2take / @a2take3 奥宮みさと ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。 TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。 安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。 @_M1110_ / @11misato10 Yuto Uchino(The fin. Vocal / Synth / Guitar) 神戸出身、ロックバンドThe fin.のフロントマン、ソングライター。80~90年代のシンセポップ、シューゲイザーサウンドから、リアルタイムなUSインディーポップの影響や、チルウェーヴなどを経由したサウンドスケープは、ネット上で話題を呼び、日本のみならず海外からも問い合わせ殺到している。 The Last Shadow Puppets、MEW、CIRCA WAVESなどのツアーサポート、そしてUS、UK、アジアツアーを成功させるなど、新世代バンドの中心的存在となっている。 オフィシャルサイト / @_thefin / @yuto__the_fin