SENSA

2023.10.15

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!シナリオアート・RiE MORRiS・Sundayカミデほか全22作品 -2023.10.14-

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!シナリオアート・RiE MORRiS・Sundayカミデほか全22作品 -2023.10.14-

カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。 キュレーターの金子厚武とナビゲーターの奥宮みさとによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!



New Release Digest Part 1


みさと:10月9日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜全22作品の中から、Part-1の8作品でした。リリースおめでとうございます。はじめましてさんです、PURIKURA MIND

金子:彼らは今年の夏結成で、今回が初めてのレコーディング作品となる、出来立てホヤホヤなバンドですね。バンド名がなかなかインパクトありますけど、このプリクラ世代感といいますか、全体として2000年代初頭の感じ、Y2Kリバイバルみたいなことも言われてますけど、その感じも意識しているらしく、実際このオルタナなギターサウンドも確かに2000年代初頭感がありますね。「分かってないよ」で注目されたWurtSにも通じる2000年代リバイバル感があって、人気出そうだなと思いました。



みさと:本当ですね。リバイバルの中での共通点って、ちょっと世の中を皮肉というか斜めから見た視点が組み込まれていたりとか、ポップだけではないっていう、その"ひと癖"っていうところも共通して見えてくるかなって。その意味では"歌詞がすごくしっかり書けた"ってご本人もおっしゃっているので、注目して聴いて欲しいですね。そして、MIDORINOMARUがアルバムのリリースです。おめでとうございます。

金子:MIDORINOMARUはコンスタントにアルバムをリリースしてて、去年も出してましたけど、また新作が完成ということで。

みさと:精力的です。

金子:今回は11曲中10曲がグランドピアノで録音されているそうです。

みさと:しかもすごいグランドピアノなんですよね。

金子:ハービー・ハンコックだったり、ダニール・トリフォノフがツアーで使用しているグランドピアノ。

みさと:いやあ贅沢です。



金子:ピアノとドラムの2人組のインストバンドなので、その良さを全面に活かしつつ、でもその一方ではアナログシンセだったり、スティールパンだったりも曲ごとに取り入れていて、その面白さも感じますね。

みさと:音圧と温もりと、懐の広さを感じるようなグランドピアノの音色っていうところももちろんですし、身を委ねて私の心をお任せしますって言えるような1枚の作品、終わった後にホカホカと心が柔らかくなるような、そんな印象のあるアルバムでした。そんなPart-1から1曲お送りするのはどうしましょう?

金子シナリオアートをかけようと思います。

みさと:シナリオアート、初めてになるんですか?

金子:FRIENDSHIP.からは初めてのリリースですね。でも日本のバンドシーンが好きな人なら知ってる人も多いバンドだと思います。もともと2009年に結成されているバンドで、スリーピースなんですけど、ドラマーが女性で、ツインボーカルが最大の特徴で。今回の曲はスリーピースのシンプルなサウンドを生かしていて、これまでは上モノとか色々被せたりすることも多かったけど、今回に関してはある種の原点回帰というか、3人でシンプルに鳴らしていて、初期衝動が感じられるし、でも細かく聴くと技巧的なアレンジも入っていて、そのあたりはさすが長くやってる人たちだなっていうのも感じるし、良い曲でしたね。

みさと:ドラム・ボーカルならではのこのメロとリズムが絶妙に重なる気持ち良さっていうのは、この編成とこの人たちじゃないとできないな、っていうところもあるし、リズム隊の一体感とか、ツインボーカルの一体感とか、たくさんのペアが揃ってロイヤル・ストレート・フラッシュみたいな、そういう武器を持ってるバンドですね。

金子:でもこの曲が出来るまではなかなか新しい曲が出来なかったらしく、そういうちょっと鬱屈した気持ちも歌詞に込められてて、"いますぐやれ!"って歌ってて、それも良かった。Part-1のこの後にかかった影山朋子さんも"動くことさ 動くことさ"って歌ってて、"いますぐやれ!動くことさ!"って、背中を押されてる感じがしました(笑)。

みさと:お尻叩かれましたね。



New Release Digest Part 2


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-2でした。リリースおめでとうございます。さあ、こちらにもはじめましてさんです、金子駿平さん。

金子:最近FRIENDSHIP.に金子さんが多いっていう話を少し前にしましたけど。

みさと:新興勢力がねー。また加入されましたね。

金子アヤノさん、Fumihiroさんに続いて、駿平さんが入ってきてくれました。

みさと:ようこそ、おいでくださいました。

金子:金子駿平さんは栃木出身のシンガーソングライターということで、曲を聴くと何気ない日常のやり取りというか、旅行のことを題材に、メロウなポップソングに仕上げていて、曽我部さんとかシャムキャッツの夏目くんとかに通じるシンガーソングライターだなって印象がありました。ちょっとローファイでサイケなアレンジもユニークだったり、聴くポイントのたくさんある人でしたね。



みさと:歌詞の切り口がポニーのヒサミツ感あるなと思ってて、この"旅行雑誌に煽られて京都まで行こうとするけど結局近場の旅行になっちゃった"。多分、これパートナー=恋人と一緒に行く予定だったと思うんですけど、聴きながら、"だったら歌ってないで予約してよ!"ってちょっと思ったんですよ。

金子:あはは。

みさと:それか言ってくれたら私予約するのに!って、ちょっとなんかダメンズ感が出てるんですよね(笑)。その切り口というか、でもやっぱり何かこういう人がいいんだよなっていう。

金子:憎めない。

みさと:そうそう、憎めない系のね、ぜひ歌詞を読みながら聴いて欲しいですね。そして日暮愛葉さんもリリースになりました。

金子:Part-2はULTRAのリリースもあって、ULTRAはマスドレ(MASS OF THE FERMENTING DREGS)の宮本さんがやってるわけですけど、そういう女性のオルタナティブなバンドっていうことでいうと、日暮さんがさらにその上にいる大先輩という感じもしつつ、でも日暮さんがソロで出し始めてからは、いわゆるバンドサウンドみたいなのって、あんまりやってなかった印象で。でも今回は日暮さんがバンドサウンドで歌っていて、ただ今回プロデュースで入ってるのがircleのギターの仲道くんで、彼30代半ばぐらいだと思うから、日暮さんよりもちょっと下の世代と一緒にやるっていうのもわりと珍しい気がして。だから、バンドサウンドではあるんだけど日暮さんがこれまでやってきたのともまた違う、もうちょっとオーバーグラウンド感があるというか、それもすごく新鮮でした。

みさと:こういった日暮さんが見たかったっていうファンはたくさんいるんじゃないかなっていう感じと、あと終わり方の唐突さというか、すごく全体の構成がドラマチックだなって。



金子:ピアノがすごく印象的に使われてますね。

みさと:でしたね。それに愛葉さんの歌唱方法というか表現者としての見せ方にこちらもあてられるっていうか、彼女の曲を聴いた後は語りたくなってしまう、リスナーが詩人になってしまうような、そういう感受性を引き出してくれるアーティストだなっていうのを改めて感じました。さあ、そんなPart-2はどの曲をかけましょう。

金子RiE MORRiSさんの新曲をかけようかなと思います。

みさと:本当にいい声。

金子:これはもうひたすらに気持ちいいですね。

みさと:気持ちいい。秋の夜長にもぴったりで。

金子:ゆったり聴きたいなっていう。RiE MORRiSさんは毎回コラボレーターを呼んで一緒に曲作りをしていて、前はNenashiさんと一緒にやってたりもしましたけど、今回のお相手はuruwashiさんで、FRIENDSHIP.でもお馴染みの名前ですし、すでにお互いの楽曲でコラボレーションもしている関係性なので、お互いに対する理解も深まった上で、今回よりスムーズに曲作りができたんじゃないかなというのが、楽曲自体のスムーズさにも表れてる感じがしました。



みさと:RiE MORRiSさんもともと1人でやってたときって、もっとメロウなイメージだったけど、こうやってビートが乗るものもすごくハマるんだなっていう。コラボレーションをし始めてから、RiE MORRiSさんの新たな魅力がどんどん広がってる気がしますね。

みさと:Part-1のWAZGOGGさんにしても、毎回コラボレーションでいろんな表情を見せてくれるし、RiE MORRiSさんもそうで、もちろんビートメーカーとシンガーでまた違うけど、RiE MORRiSさんはどのトラックメーカーと組んでも自分の色に染めていくっていうか、そういう感じもありますよね。

New Release Digest Part 3


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-3でした。リリースおめでとうございます。はじめましてさんがいます。Carpenter's Blueです。

金子:Carpenter's BlueとLarkus Louというどちらも東京のバンドシーンで活躍している2組によるスプリットで、その中から今回Carpenter's Blueをご紹介しているということですね。オルタナ~シューゲイズ系のバンドサウンドでじわじわじわじわと上り詰めていって、後半でスケールでかく爆発するこの感じ、ドラマチックな感じはすごく印象的でした。

みさと:洗練されてるのに、その盛り上がりが衝動さを兼ね備えてるっていうのが"ロックバンドだわ!"って思わせてくれる、その高揚感というか、最後に向かって高まっていく展開はやっぱりいいですね。

金子:都内にオルタナなかっこいいバンド増えてますね。

みさと:さらにDan Mitchelさん、アルバムリリースです。

金子:Dan Mitchelさんもわりとコンスタントにリリースをされてますが、今回は夏を舞台にした様々なラブストーリーを、これまでのキャリアの中から11編セレクトしたというコンセプチュアルなアルバムです。

みさと:13年間書き続けてきた楽曲の中から選んだって書いてあるから、それを聴き直す作業も大変だっただろうにと思いますが、良い曲を11曲セレクトしてくれました。

金子:この曲に関してはポエトリーっぽい感じで、もともとDan Mitchellさんは舞台とかで役者経験もある方なので、その経験が生かされてるなって感じがありつつ、ちょっと野暮なことを言うと、『夏のおわりのラブストーリー』って、ちょっと前だったら「9月かな」みたいな感じするじゃないですか。でも最近9月でも暑いから、9月に聴くよりも10月に聴く方が合う気がする。



みさと:本当、ちょうどいいタイミングでアルバムをリリースしてくれたなと思うし、『夏のおわりのラブストーリー』と言いつつも、夏の始まりにもちょっと1ヶ月前を想像しながら聴けるし、10月、11月ぐらいまでも振り返るにはちょうど良い時系列だと思うので、徐々に季節感が変わってきてますから、ばっちりなタイミングでリリースしていただきました。そんなPart-3からお送りするのはどうしましょう。

金子Sundayカミデさんをかけようかなと思います。

みさと:Sundayカミデさん、今3作連続リリースしてるじゃないですか。最近泣かせに来てません?ホントに泣いちゃう。今回の楽曲とか、ホント素晴らしい。

金子:毎回良い曲ですよね。Sundayさん、ワンダフルボーイズだったり、天才バンドだったり、色んなアウトプットがあるわけですけど、ソロだとピアノ弾き語りに近いニュアンスでやっていて、音源もトラックが付いたりっていうのはありつつ、その延長線上にあるので、やっぱりSundayさんの歌、メロディーが染みる曲たちが多いですよね。

みさと:後半に遠くから鳴っていて、たくさんの人でクラップをしてるようなあの距離感と、人が本当にたくさんいるんだ、というアレンジの仕方っていうんですかね。それが今回のテーマでもある許し合うこととか、みんなが手を取り合っていく様っていうのが、クラップの音一つ取っても想像できてしまうっていう、人の心を動かす楽曲作り、この人は天才!すごい!

金子:やっぱり天才バンドの人だった(笑)。「Life is so sweet」っていうタイトルで、実際には人生は甘くないんだけど、でもやっぱり美しいよねっていう、この歌詞の書き方もすごくいいですしね。

みさと:ちゃんとマイナスのところも目をつぶらないっていうのがいいですね。大人だなって感じ。



RADIO INFORMATION

FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」

fmgfukuoka_curatedhour_logo_ok_2204.jpg FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。番組後半ではThe fin.のYuto Uchinoが月替りでゲストを迎え、深い音楽談義を繰り広げるコーナーを展開。 放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55 放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)


番組MC

kanekoatsutake_20210528.jpg 金子厚武 1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。 @a2take / @a2take3 misato_a_photo.jpg 奥宮みさと ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。 TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。 安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。 @_M1110_ / @11misato10 Yuto_Uchino_photo.jpg Yuto Uchino(The fin. Vocal / Synth / Guitar) 神戸出身、ロックバンドThe fin.のフロントマン、ソングライター。80~90年代のシンセポップ、シューゲイザーサウンドから、リアルタイムなUSインディーポップの影響や、チルウェーヴなどを経由したサウンドスケープは、ネット上で話題を呼び、日本のみならず海外からも問い合わせ殺到している。 The Last Shadow Puppets、MEW、CIRCA WAVESなどのツアーサポート、そしてUS、UK、アジアツアーを成功させるなど、新世代バンドの中心的存在となっている。 オフィシャルサイト / @_thefin / @yuto__the_fin


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