SENSA

2023.10.08

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!Fake Creators・NITRODAY・6 mabほか全17作品 -2023.10.07-

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!Fake Creators・NITRODAY・6 mabほか全17作品 -2023.10.07-

カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。 キュレーターの金子厚武とナビゲーターの奥宮みさとによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!



New Release Digest Part 1


みさと:10月2日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜、全17作品の中から、まずはPart-1の6作品をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます。はじめましてさんが、烏兎-uto-です。

金子:よかったですね、烏兎-uto-。

みさと:とってもよかった、癒されました。

金子:今年の9月に結成が発表されて、10月に初ライブという、本当に生まれたてのユニットで、もともと北海道出身の幼なじみであるピアノの窪田ひかりさんとボーカルのベイ佐藤さん、2人によるユニットということです。先月音沙汰のリリースがあって、あの2人も高校からの同級生でボーカルとピアノという組み合わせでしたけど、また違ったタイプの2人組ユニットが出てきて、ピアノと歌を基調にしつつ、まずはやっぱり歌そのもののよさが際立つ1曲だなっていう印象でした。



みさと:抑えた歌唱法の中にしっかり表現力を感じる実力派だなという印象と、この歌詞が様々な解釈ができる歌詞だなと思って、ピアノのメロディーも含めて、何か聴き手に委ねてくれる余白がある、心を揺さぶるような構成になっているのがすごく印象的な素晴らしい曲だったなと感じました。そして、pollyがリリースになりました。

金子:pollyは6月に初めて中国ツアーをやってたり、活動の範囲をどんどん広げてますけど、今回はそれを経ての新曲ということで、パッと聴きはいかにもpollyらしいシューゲイズ・ポップという感じではあるんだけど、でもボーカルの加工とかはかなり凝っていて。実際いわゆるバンドサウンド以外の、EDMだったり、最近のヒップホップだったり、そういうところからの影響も伺えて、かなり技巧的なアレンジが施されていて、ちゃんと前進が見える一曲になってるなと思いました。



みさと:サウンドのスケール感っていうのが、目の前が開かれていくような、何か光からまとわれてまたさらに大きくなっていくような、そんな印象を受けて。あと今回2018年に書いた「生活」という曲に対してのアンサーソングっていうライナーノーツをいただいていて、まさにその雰囲気、次の段階に行くっていうのが歌詞や世界観、サウンドメイクにも表れてる楽曲でしたね。さあ、そんなPart-1から、どの曲をかけていきましょうか?

金子Fake Creatorsをかけようかなと思います。

みさと:こちらはEPのリリースとなります。Misi Keさんとのコラボはすごいですね。

金子:まさかEPという形にまでなるとはっていう感じですけど、台湾出身のシンガーソングライターのMisi Keさんとのコラボレーションということで、さっきのpollyの中国に続いて、やっぱりアジアとの結びつきがどんどん強くなってる感じがしますよね。そしてやっぱりコラボだからこそ、Fake Creatorsの前作のイメージともまた違う感じになっていて、特にこの「Rain Candy」という曲はかなりポップで、それこそちょっとシューゲイズ・ポップ、80年代感もあるから、pollyっぽくもあるような。

みさと:ありましたね。

金子:こういう曲をLITEDE DE MOUSEの組み合わせがやるっていうのもすごい新鮮ですよね。



みさと:Misi Keさんがいなかったらこうはならなかったんだろうなっていう、Misi KeさんありきのEP「Rain Dreams」ができたなという印象と、彼女のボーカリゼーションが最高で、英語でありながら、メロに中国語を感じるというか、グローバルミックス感っていうのが彼女とこのメンバーじゃないとできないっていう由縁にもなっていて、やっぱり素晴らしいですね。

金子:最近アジアと日本みたいな話で言うと、やっぱり「シティポップ」って言葉がよく使われるわけだけど、でももともとシューゲイザーとかニューウェイヴっぽい感じ、イギリスにルーツがあるようなロックの感じって、アジア全体に人気の基盤があって、ポストロックもアジアでファンが多いですしね。Misi Keさんも英語で歌ってるってことは、多分そういうものを聴いてきてるだろうから、もともと相性がよかったのかもしれないですね。

New Release Digest Part 2


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェスト、Part-2でした。リリースおめでとうございます。さあ、はじめましてさんです。キッサ・コッポラ

金子:こちらは東京発の4ピースバンド。2021年に下北沢でやってるシモニテ登竜門オーディションで優勝して、その後にファーストアルバムをリリース、東京のインディーズシーンの中では少しずつ注目を集めているバンドということですね。ほどよくサイケ風味もあり、オルタナ風味もあり、でも最終的にはちゃんとポップっていうこの感じはFRIENDSHIP.感あるなと思いながら聴いてて、そうしたら11月のリリースライブにGateballersが出たり、あとこの曲を録音したのがHelsinki Lambda Clubとかも使ってるhmc studioだったりとか、そういう情報を集めていくと、なるほどなっていう感じが個人的にはすごくしましたね。



みさと:"恋に落ちそうよ"のフレーズを中心にドラマが生まれる感じで、一番最後に階段を落ちていくようなエンディングと言いますか、終わり方も最高だったなって。やっぱりひと癖あるっていうところはFRIENDSHIP.からのリリースですね、という納得の方が来てくださいました。そして、ひさしぶりなのがアロワナレコードです。

金子:リリースは1年以上ぶりですね。Part-2はGuibaからのアロワナレコードが美メロ続き、良い歌続きな感じでしたけど、アロワナレコードもホント美メロですよね。インディー感みたいなのもあるんだけど、でもそういう枠を飛び越えて、もっと広くに届くような、良い歌、美メロ、という感じがすごくしました。



みさと:9月とか10月にぴったりな季節感のある曲で、あえて思い出そうとするほどの記憶ではない、何気ない日常への切り口なんですけど、その積み重ねが今日を作ってるってことなんだよなっていう、納得感というか、共感性の高い歌詞世界になっていて、その何気ない風景の中に、自分の過去を思い出すヒントが隠されてるんだなーなんて、色々気付かせてくれる一曲でした。

金子:キッサ・コッポラも「夕日の匂い」を歌ってて、アロワナレコードも「サンセットタウン」で、夏が終わって秋になり、みんなちょっと感傷的な気分なのかも。

みさと:いやまさに、本当に今週リリースの曲、"秋だなーっ"て感じさせるリリースが多いなと思いました。そういう意味では、NITRODAYも秋の空に似合うような。

金子:彼らは秋空を突き抜けていきそうですね(笑)。

みさと:良いバンドですね。

金子:NITRODAYは今年アルバムを出してますけど、それはライブレコーディングしたものをそのままアルバムにしてるっていうものだったから、スタジオ録音の新曲となると、かなりひさびさな気がしますね、2020年末に活動休止してたので。でもNITRODAYはそこから先の動きが非常に面白くて、ドラムの岩方ロクローくんは今Ålborgでカクバリズムからリリースをしてて、ギターのやぎひろみさんはFRIENDSHIP.から出してるCruyffをやってて、あといまART-SCHOOLのサポートギターをやぎさんがやってて。

みさと:そうなんですね。

金子:やぎさんはめちゃめちゃかっこいいギタリストで、出てきたときからすごく注目されてたけど、まさかART-SCHOOLに抜擢されるとはっていう。でもちょっと前にステージを初めて見たんですけど、あの屈強な男たちに囲まれながらもめちゃめちゃ存在感あって、すごくかっこよくて。そういう個々の活動も含めて、やっぱりNITRODAYにはこれからのシーンを引っ張るようなバンドになって欲しいし、今回の曲を聴いてもそのポテンシャルは十分にあるなと改めて思いました。

みさと:素晴らしいですね。小室さんのボーカルももちろんなんですけど、後ろのリズム隊の圧倒的な安心感と安定感と、そして何か心を揺さぶってくれるような情熱が乗った演奏力っていうのが曲の中で秀でている、良いバンドですね。



金子:この曲は「光」がテーマになっていて、しばらく曲を作ってなかったところから、本当に光が差すようにこの曲が生まれて、そこからバンドの再始動へ向かっていったということで、アレンジ自体もね、さっき言ってくれたリズム隊の勢いも含め、降り注ぐ光が曲の後半に向かってウワーってなっていく展開に表れてる感じがしますね。

みさと:"僕たちが向かうことへの祝福の歌"というライナーノーツもいただいています。

New Release Digest Part 3


みさと:新譜ダイジェストPart-3をお送りしました。リリースおめでとうございます。はじめましてさんは、Bambi Clubです。

金子:彼らは2022年結成のスリーピースバンド。プロフィールを見ると「ガレージ・ロック・バンド」って書いてあるんですけど、この曲に関しては、個人的にはそんなにガレージ感は感じなくて。ご本人のコメントには、"ソリッドなようでメロウ、でもって跳ねる、ジャンルにとらわれない新しいルーツ・ロック"って書いてあって、こっちの方がしっくりくる感じがしましたね。

みさと:もともとはガレージ・ロック・バンドでスタートしたっていうルーツもありつつ、今作はまた違ったベクトルでっていう作品になってるのかもしれないですね。

金子:でも途中で急にThe Whoみたいなキメが入って、そのあたりはガレージ・ロック感もあった。



みさと:確かに好きな個性っていうかね、魅力は消えないってところがあるのかもしれないですけど、説明不要なシンプルさというか、もう3人がいてこの言葉が並んで僕たちこんな感じっていうのがすごく伝わってくる、潔い印象でした。そしてCape of good hope、ニューシングル「above」リリースになってます。

金子:Cape of good hopeはわりとコンスタントにリリースがあるわけなんですけど、でもこの毎回ご紹介しているプロフィールの"バンドかユニットか、はたまたソロか、国籍すら明かされない謎の有機体"って......なかなか明かされないですよね(笑)。

みさと:ずっと明かされないですね。



金子:ずっと謎のまま来ていて、でもやっぱり曲は毎回面白くて。ボーカルはみんなのうた的なちょっと童謡っぽさもあるような感じなんだけど、でもアレンジは毎回凝ってて、今回の曲はアーロ・パークスがイメージメンターだっていう話もあるし、その組み合わせの絶妙さに毎回驚かされるので......そろそろね、正体を明かしていただき、アルバムとかも聴いてみたいなと思いますね。

みさと:まさにコンスタントに出てるので、1枚できそうな今の流れではありますし。

金子:曲数は多分いっぱいあるだろうから。

みさと:その曲を聴いていくと、ちょっとずつヒントというか、Cape of good hopeの、その謎の有機体はどんな謎を秘めてるのかっていうのにも繋がっていくと思うので、ぜひみなさん過去作も聴いていただければと思います。そんなPart-3からはどなたをかけましょうか?

金子6 mabをかけましょう。

みさと:福岡を拠点に活動しているポップス・トリオですけれども。

金子:お待たせいたしました。福岡のアーティストはご紹介していかないとね。

みさと:紹介しましょう。

金子:そして何より、曲が良い。

みさと:すごくかっこよかった。

金子:6 mab、やっぱり良いですよね。彼らは4月にEPが出てるんですけど、今回はシングルということで、ご本人のコメントもあるんですけど、"シングルはキラーチューンをかますよりも普段の自分の中で決めてる枠からちょっと足を出す場と解釈する。それによって普段はバンドで曲を作るとなると、他のメンバーのプレーの量、さじ加減がどうしても頭をよぎるが、それを捨て去った"ということで。実際ほとんどギターとボーカルだけで展開していくような感じもあるんだけど、でもそこに声をサンプリング的に使って、独自の空間を作り上げてる、そのアレンジがまず面白いし、なおかつ6 mabはやっぱり歌自体が非常に個性的だし、メロディーラインもきれいだし、このバランス感覚は他ではなかなかないんですよね。

みさと:そうですよね。もう一言一句同感です。このちょっとしたビートとサンプリングでこんなに成り立つものなのかなって思ったときに、いやこのシンプルさに耐え得る彼の声、サンプリング、アレンジあってこそ、成り立っているというのが、まさにバランスというか、なかなかいないですね。

金子:それこそ基本的にはバンドだし、もうちょっと音数増やしたりしたくなっちゃいそうなもんだけど、でも削ぎ落として空間を作ることによって一つひとつの音を際立たせて、帯域的にも広く出せるようにとか、かなり緻密に考えられてるんじゃないかなって感じもしました。

みさと:良い意味で聴き流せるというか、隣に置いておけるBGM感っていう、コテコテじゃない感じ、気づかずに3回ループしてたっていうような、サブスクの時代にもとっても合っている軽さもありました。



RADIO INFORMATION

FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」

fmgfukuoka_curatedhour_logo_ok_2204.jpg FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。番組後半ではThe fin.のYuto Uchinoが月替りでゲストを迎え、深い音楽談義を繰り広げるコーナーを展開。 放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55 放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)


番組MC

kanekoatsutake_20210528.jpg 金子厚武 1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。 @a2take / @a2take3 misato_a_photo.jpg 奥宮みさと ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。 TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。 安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。 @_M1110_ / @11misato10 Yuto_Uchino_photo.jpg Yuto Uchino(The fin. Vocal / Synth / Guitar) 神戸出身、ロックバンドThe fin.のフロントマン、ソングライター。80~90年代のシンセポップ、シューゲイザーサウンドから、リアルタイムなUSインディーポップの影響や、チルウェーヴなどを経由したサウンドスケープは、ネット上で話題を呼び、日本のみならず海外からも問い合わせ殺到している。 The Last Shadow Puppets、MEW、CIRCA WAVESなどのツアーサポート、そしてUS、UK、アジアツアーを成功させるなど、新世代バンドの中心的存在となっている。 オフィシャルサイト / @_thefin / @yuto__the_fin


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