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2023.10.05
FM福岡で毎週水曜日 26:00~26:55にオンエアしている音楽番組「Room "H"」。ユアネスの黒川侑司、アツキタケトモ、Wez Atlasが週替わりでMCを務め、彼らが紹介したい音楽をお届けし、またここだけでしか聴けない演奏も発信していく。
今週のMCは、アツキタケトモが担当。SENSAでは、オンエア内容を一部レポート!(聴き逃した方やもう一度聴きたい方は、radiko タイムフリーをご利用下さい。)
皆さんこんばんは、ここからの1時間はRoom"H"、DJを務めます音楽家のアツキタケトモです。3週間ぶりですが皆さんお元気でしたでしょうか?最近は基本、制作をして、アルバムというものを、今、目標に作ってます。僕、前回出したアルバムが2021年の7月リリースなので、もう2年以上出してないということで、すごく久々に作ろうとすると、アルバムってこんなにゴールなかったっけみたいな。(笑)
なんかもう永遠じゃんみたいな、もうやってもやっても終わらないですけど、すごく最近、僕のクリエイティブの調子が良くて、やっぱり届けたいって気持ちが強まってる。
今までは自分の理想とする音楽を作りたい、みたいなモチベーションで作ってて、でもそれだと限界があるっていうか、自分のは、これ出来たって言ったら、それでストーリーが終わっちゃう感じがして、あんまりモチベーションが上がりきらないみたいなことも多かったんですけど。
最近どうやったらライブで楽しめるかなとか、僕自身まだライブやってないですけど、今後ライブやる時にどういう曲作ったら盛り上がるかなとか、どういう時に聴いて欲しいかなとか、聴き手の気持ちをすごく考えるように最近なってて、そうするとまた生み出せるもの、音楽ジャンルとか、やることの幅が最近すごいバーっと広がってて、すごく音楽家としては充実した日々を過ごしてるんですけども、でも音楽家として充実すれば充実するだけ生活は退廃的になっていくといいますか(苦笑)、もう最近本当に"すき家"しか食べてない。やばいと思う、まじで。
別に、たまにだったらいいと思うんですけど毎日すき家はもう、最近ちょっとやばいですね、たるみが。ちょっとマジで、そろそろランニングとかしたいのでランニング得意なミュージシャンの方いらっしゃいましたら僕を外に出して欲しいです。(笑)
FM FUKUOKAからアツキタケトモがお送りしているRoom"H"、 ここからは、@リビングルーム、僕、アツキタケトモの回では毎週1組、僕が大好きなアーティストをピックアップしてそのアーティストへの愛を熱く語らしていただいているんですけれども、今週は趣向を軽く変えましてアルバムで特集していこうかなと思います。
今夜、特集するのは、大好きなジェイムス・ブレイクのファーストアルバム。セルフタイトルということで、その名も『ジェイムス・ブレイク』。
ジェイムス・ブレイクと言えば、僕が、ある意味、打ち込みの音に傾倒していったきっかけのアーティストと言っても過言ではなくて、それこそ前にも特集したスガシカオさん、僕、小学校のときからスガさん聴いてたんですけど、中2とか中3の頃にスガさんが、当時、メルマガかブログか何かで最近やばい新譜として紹介していたのがジェイムス・ブレイクで。
そこまで僕ほとんど洋楽は聴いたことなくて、オアシスとかジャミロクワイとか中古CDショップで、当時まだ小学生でお小遣い500円しかないので、500円コーナーで売ってる有名な自分も名前も知ってるバンドを聴いてたんですけど。ジャミロクワイはちょっと打ち込みの要素は入ってますけど、エレクトロニカという感じじゃない、どちらかと言うとちょっとバンド要素が強い印象だったんですけど、そういう打ち込みの音楽、エレクトロみたいなものにちゃんとは触れてなかった中で、スガさんが紹介したジェイムス・ブレイクのこのファーストアルバムを聴いたんですけど、その時スガさんが"リズムの概念を変えた"みたいなこと言ってて、"リズムの概念を変えた"ってどういうことなんだろうと思ったんですけど、当時中学生の耳ながらも、リズムの概念を変えられたんですね、まさに本当に。
自分の中で、まだその頃は裏拍とか、その位の知識はあったかもしれないけど、細かく16分音符とかそういう価値観がない中で、刻み方とか腰でノるとかそういう価値もあまりない中で、でもそれまで聴いてたJ-POPとかロックとかにはないリズムの取り方というか、ちょっとずらしたりとか、今でこそレイドバックするみたいなことってJ-POPの中にも取り入れられてますけど、ちゃんと拍に合ってるというものが正解だと思ったのに、そこをずらしたりとか違和感を作ることで気持ち良さを生み出す音楽の深さみたいなことを、中学生ながらこのアルバムと出会って学んだということですごく僕にとっては大きな、そこから色々音楽を聴くようになった、それこそエイフェックスツインとか、フライングロータスとか、そういうのを聴き始めたきっかけもジェイムス・ブレイクにはまったことで、自然に聴けるようになってって。
今でこそ僕の音楽は打ち込みも多くなって、それはジェイムス・ブレイクがいなかったら絶対ありえなかったなという、そんな大事な存在です。
では、ジェイムス・ブレイクのファーストアルバムの楽曲、早速聴いていただきましょう。
1曲目「Tep And The Logic」、これいきなりイントロから心掴まれたというか、いきなり一音鳴ってディレイだけで時が止まるというか、再生したはずなのに時が止まるんですよね、始まった瞬間に。
これ当時、僕はそんな音楽知らないで聴いても衝撃的だったけど、多分今これが出ても、"何これ?"っていう1曲だと思うんですよね。掴みとして完璧というか、スガさんが言ってたリズムの概念を覆されたっていう言葉がよく分からなかったのに、この冒頭の音だけでそれを説明される、それを感じさせられるみたいな。完璧な始まり方ですよね。衝撃を受けた一曲目でした。
2曲目「Unluck」。この曲は冒頭のブォーッみたいな、あの音、結構インパクトあると思うんですけど。これ今、僕の耳で聴くと、オープン・ハイハットみたいな役割なのかなと思って、"ツ・ツ・ツ・ツ・ツ・ツァー"っていうあの"ツァー"って開くときのハイハットの音みたいなもの、すごい刻み方が独特なんですけど、そこに、飛行機の音?ノイズの音?多分、シンセのノイズの音だと思うんですけど、が入ってきて後半どんどんそのシンセの"ビーッ"という音が、カットオフと言うんですけど"ヴァーッ"と音が攻撃的になって、耳がジリジリするような音になってってカオスになってくるんですけど、このシンセのジリジリ音、ポリシンセみたいな音が好きになったのも多分この曲で、だんだん閉じていくところからだんだん音が開いていくことの気持ち良さっていうか、そういうものを学ばせてもらったのが始まりで。
これこそ"ツ・ツ・ツ・ツ"っていうハイハットの刻み方とか、今もう、要は"大3連符時代"になってますけど、なんか昔って"ツ・ツ・ツ・ツ"という刻み方とかが主流だったり、"ツクツクツクツク"位が細かい刻みだったけども、それこそ、槇原ドリルと言われてる槇原敬之さんの「もう恋なんてしない」をトラップのビート、ドリルのビートに乗せて踊るっていうのが今すごいTikTokで流行ってるんですけど、それも要は槇原さんの曲の時代って"タン・タ・タン"みたいな、"タン・タン・さようならと"だけど、3連符で刻んで踊るっていうのが今っぽくなるみたいで、でもメロディーは普遍的だから、時代を超えるんだなと思ってるんですけど。そのリズムの刻み方が、3連符になったきっかけをジェイムス・ブレイクも担ってたんじゃないかなって今聴くと思いますね。
7曲目「Limit to Your Love」。このアルバムの中でも一番代表的な曲だと思うんですけど、これをこの前ソニックマニアで聴いて、このサビの"ブブブブーッ"と言う低音を生で、しかも結構前の方に陣取って、ウーハースピーカーの目の前だったので、もう低音が体に染み渡る、サウナより整った、というか整うんだ、音で!っていう位、もう気持ち良くって。okkaaaくんっていう友達のミュージシャンと一緒に観てたんですけど、okkaaaくんと眼を合わせながら、やばいね、気持ち良いね、みたいな、音による快感という感じでした。これは生でライブ会場で感じた快感だけど、当時、高校とかの時もこのアルバムすごくよく聴いてて、嫌なことあった帰り道とかにこの曲の低音を聴くとどうでもよくなるっていうか、その低音に包まれてダウナーな気持ちを全部消してくれてるような、MVで部屋の色んなものが振動するんですよ、この低音に合わせて。そういうイメージで自分の邪気を震えさせて"バキーン"ってガラスのコップみたく割って、色んな嫌な気持ちを全部この曲がぶっ壊してくれたっていう、そういう想像をしていたこともあったので、それをこの前、生でその低音を体感できて、色んな気持ちが成仏するような、負の気持ちが成仏するような感覚があった。これは僕、人生で永遠に聴き続ける、人生の10曲に入る位大好きな1曲ですね。
13曲目「You Know Your Youth」、この曲でこのアルバムは終わるわけですけど、1曲目の「Tep And The Logic」とリズムの感じとか音の雰囲気が近い感じで、この曲で終わることでアルバムが統一感ある状態で締まって、またリピートしたくなるみたいな、同じ世界観で終わる感じが、その作り方も含めて完璧だなっていう感じなんですけど。
今まで、この番組では、邦楽アーティストの"この曲"と言うのを特集してきたんですけど、洋楽アーティストの場合、ディスコグラフィー全部聴いてるアーティストがあんまりなくて、割と名盤とか、自分の好きなアルバムをめちゃめちゃ聴いてるっていうことが多いんですね。
それで言うと、このジェイムス・ブレイクのファースト・アルバムとか、本当に中学生・高校生の時から、多大なる影響を受けに受けて、このアルバムがなければこの番組の1曲めに流した「Period」みたいな曲は絶対生まれなかったし、エレクトロに傾倒することもなかったと言っても過言ではない位、すごく大きな影響を与えてくれた作品で、これ以降、縦ノリだけじゃない横ノリの低音感とか、シンセベースの気持ち良さみたいなものに対しての意識も上がってきてたりとか。
今、僕、次のシングルを作ってるんですけど曲調は全然違うんですけど、その曲も結構シンセベースが肝になってたりして、そういうデジタルの感覚はこのジェイムス・ブレイクに育ててもらったな、と今日改めてこの名盤を聴きながら感じていました。
James Blake「Tep And The Logic」
James Blake「Unluck」
James Blake「The Wilhelm Scream」
James Blake「I Never Learnt To Share」
James Blake「Lindisfarne I」
James Blake「Lindisfarne II」
James Blake「Limit To Your Love」
James Blake「Give Me My Month」
James Blake「To Care (Like You)」
James Blake「Why Don't You Call Me」
James Blake「Mind」
James Blake「Measurements」
James Blake「You Know Your Youth」
アツキタケトモ「Isolation」(デモ音源)
アツキタケトモ「カモフラージュ」
番組へのメッセージをお待ちしています。
Twitter #fmfukuoka #RoomH をつけてツイートしてください。MC3人ともマメにメッセージをチェックしています。レポート記事の感想やリクエストなどもありましたら、#SENSA もつけてツイートしてください!
放送時間:毎週水曜日 26:00~26:55
放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)
黒川侑司(ユアネス Vo.&Gt.)
福岡で結成された4人組ロックバンド。感情の揺れが溢れ出し琴線に触れる声と表現力を併せ持つヴォーカルに、変拍子を織り交ぜる複雑なバンドアンサンブルとドラマティックなアレンジで、詞世界を含め一つの物語を織りなすような楽曲を展開。
重厚な音の渦の中でもしっかり歌を聴かせることのできるLIVEパフォーマンスは、エモーショナルで稀有な存在感を放っている。2021年12月1日に初のフルアルバム「6 case」をリリース。2022年8月24日にシングル「ありえないよ。」を、同年11月30日にはシングル「Blur」をリリース。2022年6月1日にソロ第1弾シングル「この星からの脱出」をリリース。2022年7月8日にはソロ第2弾シングルでギタリスト「こーじゅん」をフィーチャリングに迎えた「フライディ・チャイナタウン (Acoustic Cover)」をリリース。
オフィシャルサイト/ @yourness_on/ @yourness_kuro
アツキタケトモ
2020年7月より活動開始。作詞・作曲・編曲を自ら手がける新世代の音楽家。日常に潜むちょっとした違和感を、独自のダンスミュージックで表現する。
1stアルバム『無口な人』は2020年9月にリリースされ、ノンプロモーションながらSpotifyやApple Musicなどのストリーミングサービスで多くのプレイリストに選出され、早耳の音楽ファンから好評を得た。2022年にはSG「Outsider」をリリースし、Billboard Heatseekersや、J-WAVETOKIO HOT 100に入るなど注目を高めている。
2023年8月9日に「自演奴」を配信リリース。
オフィシャルサイト/ @atsukitaketomo / @atsukitaketomo
Wez Atlas
東京を拠点とするヒップホップアーティスト。多文化なスタイルを取り入れ、高いスキルで日本語と英語を組み合わせたラップを魅せる。HYPEBEAST JAPAN による注目の U20 アーティストに選ばれるなど徐々に注目を集める存在に。2021 年 6 月に starRo をプロデューサーに迎えた「Zuum!」をリリースし、SpotifyJapan の公式プレイリスト「Next Up」のカバー、そして 1 曲目に、さらには「Tokyo Super Hits!」にも選ばれた。今後の活躍が期待される中、2021年7月に待望の1stミニアルバム「Chicken Soup For One」をリリース。客演のオファーも多く寄せられ、Helsinki Lambda Clubや韓国のシンガーソングライターYunBなど、国内外のアーティストの作品に数多く客演参加。
2022年は自身名義のシングルも5作発表し、2023年3月には2ndミニアルバム「This Too Shall Pass」をリリース。
@wezzyatlas
今週のMCは、アツキタケトモが担当。SENSAでは、オンエア内容を一部レポート!(聴き逃した方やもう一度聴きたい方は、radiko タイムフリーをご利用下さい。)
皆さんこんばんは、ここからの1時間はRoom"H"、DJを務めます音楽家のアツキタケトモです。3週間ぶりですが皆さんお元気でしたでしょうか?最近は基本、制作をして、アルバムというものを、今、目標に作ってます。僕、前回出したアルバムが2021年の7月リリースなので、もう2年以上出してないということで、すごく久々に作ろうとすると、アルバムってこんなにゴールなかったっけみたいな。(笑)
なんかもう永遠じゃんみたいな、もうやってもやっても終わらないですけど、すごく最近、僕のクリエイティブの調子が良くて、やっぱり届けたいって気持ちが強まってる。
今までは自分の理想とする音楽を作りたい、みたいなモチベーションで作ってて、でもそれだと限界があるっていうか、自分のは、これ出来たって言ったら、それでストーリーが終わっちゃう感じがして、あんまりモチベーションが上がりきらないみたいなことも多かったんですけど。
最近どうやったらライブで楽しめるかなとか、僕自身まだライブやってないですけど、今後ライブやる時にどういう曲作ったら盛り上がるかなとか、どういう時に聴いて欲しいかなとか、聴き手の気持ちをすごく考えるように最近なってて、そうするとまた生み出せるもの、音楽ジャンルとか、やることの幅が最近すごいバーっと広がってて、すごく音楽家としては充実した日々を過ごしてるんですけども、でも音楽家として充実すれば充実するだけ生活は退廃的になっていくといいますか(苦笑)、もう最近本当に"すき家"しか食べてない。やばいと思う、まじで。
別に、たまにだったらいいと思うんですけど毎日すき家はもう、最近ちょっとやばいですね、たるみが。ちょっとマジで、そろそろランニングとかしたいのでランニング得意なミュージシャンの方いらっしゃいましたら僕を外に出して欲しいです。(笑)
大好きなジェイムス・ブレイク特集!
FM FUKUOKAからアツキタケトモがお送りしているRoom"H"、 ここからは、@リビングルーム、僕、アツキタケトモの回では毎週1組、僕が大好きなアーティストをピックアップしてそのアーティストへの愛を熱く語らしていただいているんですけれども、今週は趣向を軽く変えましてアルバムで特集していこうかなと思います。
今夜、特集するのは、大好きなジェイムス・ブレイクのファーストアルバム。セルフタイトルということで、その名も『ジェイムス・ブレイク』。
ジェイムス・ブレイクと言えば、僕が、ある意味、打ち込みの音に傾倒していったきっかけのアーティストと言っても過言ではなくて、それこそ前にも特集したスガシカオさん、僕、小学校のときからスガさん聴いてたんですけど、中2とか中3の頃にスガさんが、当時、メルマガかブログか何かで最近やばい新譜として紹介していたのがジェイムス・ブレイクで。
そこまで僕ほとんど洋楽は聴いたことなくて、オアシスとかジャミロクワイとか中古CDショップで、当時まだ小学生でお小遣い500円しかないので、500円コーナーで売ってる有名な自分も名前も知ってるバンドを聴いてたんですけど。ジャミロクワイはちょっと打ち込みの要素は入ってますけど、エレクトロニカという感じじゃない、どちらかと言うとちょっとバンド要素が強い印象だったんですけど、そういう打ち込みの音楽、エレクトロみたいなものにちゃんとは触れてなかった中で、スガさんが紹介したジェイムス・ブレイクのこのファーストアルバムを聴いたんですけど、その時スガさんが"リズムの概念を変えた"みたいなこと言ってて、"リズムの概念を変えた"ってどういうことなんだろうと思ったんですけど、当時中学生の耳ながらも、リズムの概念を変えられたんですね、まさに本当に。
James Blake、今まで観たライブの人生ベストアクトだった。早めに来てスピーカーの近くで聴けたことで理想の音像で聴けた。本当にえぐかった。あまりにいい音を聴くと涙が出てくるんだね。
— アツキタケトモ / Atsuki Taketomo (@atsukitaketomo) August 18, 2023
自分の中で、まだその頃は裏拍とか、その位の知識はあったかもしれないけど、細かく16分音符とかそういう価値観がない中で、刻み方とか腰でノるとかそういう価値もあまりない中で、でもそれまで聴いてたJ-POPとかロックとかにはないリズムの取り方というか、ちょっとずらしたりとか、今でこそレイドバックするみたいなことってJ-POPの中にも取り入れられてますけど、ちゃんと拍に合ってるというものが正解だと思ったのに、そこをずらしたりとか違和感を作ることで気持ち良さを生み出す音楽の深さみたいなことを、中学生ながらこのアルバムと出会って学んだということですごく僕にとっては大きな、そこから色々音楽を聴くようになった、それこそエイフェックスツインとか、フライングロータスとか、そういうのを聴き始めたきっかけもジェイムス・ブレイクにはまったことで、自然に聴けるようになってって。
今でこそ僕の音楽は打ち込みも多くなって、それはジェイムス・ブレイクがいなかったら絶対ありえなかったなという、そんな大事な存在です。
では、ジェイムス・ブレイクのファーストアルバムの楽曲、早速聴いていただきましょう。
1曲目「Tep And The Logic」、これいきなりイントロから心掴まれたというか、いきなり一音鳴ってディレイだけで時が止まるというか、再生したはずなのに時が止まるんですよね、始まった瞬間に。
これ当時、僕はそんな音楽知らないで聴いても衝撃的だったけど、多分今これが出ても、"何これ?"っていう1曲だと思うんですよね。掴みとして完璧というか、スガさんが言ってたリズムの概念を覆されたっていう言葉がよく分からなかったのに、この冒頭の音だけでそれを説明される、それを感じさせられるみたいな。完璧な始まり方ですよね。衝撃を受けた一曲目でした。
2曲目「Unluck」。この曲は冒頭のブォーッみたいな、あの音、結構インパクトあると思うんですけど。これ今、僕の耳で聴くと、オープン・ハイハットみたいな役割なのかなと思って、"ツ・ツ・ツ・ツ・ツ・ツァー"っていうあの"ツァー"って開くときのハイハットの音みたいなもの、すごい刻み方が独特なんですけど、そこに、飛行機の音?ノイズの音?多分、シンセのノイズの音だと思うんですけど、が入ってきて後半どんどんそのシンセの"ビーッ"という音が、カットオフと言うんですけど"ヴァーッ"と音が攻撃的になって、耳がジリジリするような音になってってカオスになってくるんですけど、このシンセのジリジリ音、ポリシンセみたいな音が好きになったのも多分この曲で、だんだん閉じていくところからだんだん音が開いていくことの気持ち良さっていうか、そういうものを学ばせてもらったのが始まりで。
これこそ"ツ・ツ・ツ・ツ"っていうハイハットの刻み方とか、今もう、要は"大3連符時代"になってますけど、なんか昔って"ツ・ツ・ツ・ツ"という刻み方とかが主流だったり、"ツクツクツクツク"位が細かい刻みだったけども、それこそ、槇原ドリルと言われてる槇原敬之さんの「もう恋なんてしない」をトラップのビート、ドリルのビートに乗せて踊るっていうのが今すごいTikTokで流行ってるんですけど、それも要は槇原さんの曲の時代って"タン・タ・タン"みたいな、"タン・タン・さようならと"だけど、3連符で刻んで踊るっていうのが今っぽくなるみたいで、でもメロディーは普遍的だから、時代を超えるんだなと思ってるんですけど。そのリズムの刻み方が、3連符になったきっかけをジェイムス・ブレイクも担ってたんじゃないかなって今聴くと思いますね。
7曲目「Limit to Your Love」。このアルバムの中でも一番代表的な曲だと思うんですけど、これをこの前ソニックマニアで聴いて、このサビの"ブブブブーッ"と言う低音を生で、しかも結構前の方に陣取って、ウーハースピーカーの目の前だったので、もう低音が体に染み渡る、サウナより整った、というか整うんだ、音で!っていう位、もう気持ち良くって。okkaaaくんっていう友達のミュージシャンと一緒に観てたんですけど、okkaaaくんと眼を合わせながら、やばいね、気持ち良いね、みたいな、音による快感という感じでした。これは生でライブ会場で感じた快感だけど、当時、高校とかの時もこのアルバムすごくよく聴いてて、嫌なことあった帰り道とかにこの曲の低音を聴くとどうでもよくなるっていうか、その低音に包まれてダウナーな気持ちを全部消してくれてるような、MVで部屋の色んなものが振動するんですよ、この低音に合わせて。そういうイメージで自分の邪気を震えさせて"バキーン"ってガラスのコップみたく割って、色んな嫌な気持ちを全部この曲がぶっ壊してくれたっていう、そういう想像をしていたこともあったので、それをこの前、生でその低音を体感できて、色んな気持ちが成仏するような、負の気持ちが成仏するような感覚があった。これは僕、人生で永遠に聴き続ける、人生の10曲に入る位大好きな1曲ですね。
13曲目「You Know Your Youth」、この曲でこのアルバムは終わるわけですけど、1曲目の「Tep And The Logic」とリズムの感じとか音の雰囲気が近い感じで、この曲で終わることでアルバムが統一感ある状態で締まって、またリピートしたくなるみたいな、同じ世界観で終わる感じが、その作り方も含めて完璧だなっていう感じなんですけど。
今まで、この番組では、邦楽アーティストの"この曲"と言うのを特集してきたんですけど、洋楽アーティストの場合、ディスコグラフィー全部聴いてるアーティストがあんまりなくて、割と名盤とか、自分の好きなアルバムをめちゃめちゃ聴いてるっていうことが多いんですね。
それで言うと、このジェイムス・ブレイクのファースト・アルバムとか、本当に中学生・高校生の時から、多大なる影響を受けに受けて、このアルバムがなければこの番組の1曲めに流した「Period」みたいな曲は絶対生まれなかったし、エレクトロに傾倒することもなかったと言っても過言ではない位、すごく大きな影響を与えてくれた作品で、これ以降、縦ノリだけじゃない横ノリの低音感とか、シンセベースの気持ち良さみたいなものに対しての意識も上がってきてたりとか。
今、僕、次のシングルを作ってるんですけど曲調は全然違うんですけど、その曲も結構シンセベースが肝になってたりして、そういうデジタルの感覚はこのジェイムス・ブレイクに育ててもらったな、と今日改めてこの名盤を聴きながら感じていました。
10月4日(水) オンエア楽曲
アツキタケトモ「Period」James Blake「Tep And The Logic」
James Blake「Unluck」
James Blake「The Wilhelm Scream」
James Blake「I Never Learnt To Share」
James Blake「Lindisfarne I」
James Blake「Lindisfarne II」
James Blake「Limit To Your Love」
James Blake「Give Me My Month」
James Blake「To Care (Like You)」
James Blake「Why Don't You Call Me」
James Blake「Mind」
James Blake「Measurements」
James Blake「You Know Your Youth」
アツキタケトモ「Isolation」(デモ音源)
アツキタケトモ「カモフラージュ」
番組へのメッセージをお待ちしています。
Twitter #fmfukuoka #RoomH をつけてツイートしてください。MC3人ともマメにメッセージをチェックしています。レポート記事の感想やリクエストなどもありましたら、#SENSA もつけてツイートしてください!
RADIO INFORMATION
FM 福岡「Room "H"」
毎週月曜日から金曜日まで深夜にオンエアされる、福岡市・警固六角にある架空のマンションの一室を舞台に行われ、次世代クリエイターが様々な情報を発信するプログラム「ミッドナイト・マンション警固六角(けごむつかど)」。"203号室(毎週水曜日の26:00~26:55)"では、音楽番組「Room "H"」をオンエア。ユアネスの黒川侑司、アツキタケトモ、Wez Atlasが週替わりでMCを務め、本音で(Honestly)、真心を込めて(Hearty)、気楽に(Homey) 音楽愛を語る。彼らが紹介したい音楽をお届けし、またここだけでしか聴けない演奏も発信していく。放送時間:毎週水曜日 26:00~26:55
放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)
番組MC
黒川侑司(ユアネス Vo.&Gt.)
福岡で結成された4人組ロックバンド。感情の揺れが溢れ出し琴線に触れる声と表現力を併せ持つヴォーカルに、変拍子を織り交ぜる複雑なバンドアンサンブルとドラマティックなアレンジで、詞世界を含め一つの物語を織りなすような楽曲を展開。
重厚な音の渦の中でもしっかり歌を聴かせることのできるLIVEパフォーマンスは、エモーショナルで稀有な存在感を放っている。2021年12月1日に初のフルアルバム「6 case」をリリース。2022年8月24日にシングル「ありえないよ。」を、同年11月30日にはシングル「Blur」をリリース。2022年6月1日にソロ第1弾シングル「この星からの脱出」をリリース。2022年7月8日にはソロ第2弾シングルでギタリスト「こーじゅん」をフィーチャリングに迎えた「フライディ・チャイナタウン (Acoustic Cover)」をリリース。
オフィシャルサイト/ @yourness_on/ @yourness_kuro
アツキタケトモ
2020年7月より活動開始。作詞・作曲・編曲を自ら手がける新世代の音楽家。日常に潜むちょっとした違和感を、独自のダンスミュージックで表現する。
1stアルバム『無口な人』は2020年9月にリリースされ、ノンプロモーションながらSpotifyやApple Musicなどのストリーミングサービスで多くのプレイリストに選出され、早耳の音楽ファンから好評を得た。2022年にはSG「Outsider」をリリースし、Billboard Heatseekersや、J-WAVETOKIO HOT 100に入るなど注目を高めている。
2023年8月9日に「自演奴」を配信リリース。
オフィシャルサイト/ @atsukitaketomo / @atsukitaketomo
Wez Atlas
東京を拠点とするヒップホップアーティスト。多文化なスタイルを取り入れ、高いスキルで日本語と英語を組み合わせたラップを魅せる。HYPEBEAST JAPAN による注目の U20 アーティストに選ばれるなど徐々に注目を集める存在に。2021 年 6 月に starRo をプロデューサーに迎えた「Zuum!」をリリースし、SpotifyJapan の公式プレイリスト「Next Up」のカバー、そして 1 曲目に、さらには「Tokyo Super Hits!」にも選ばれた。今後の活躍が期待される中、2021年7月に待望の1stミニアルバム「Chicken Soup For One」をリリース。客演のオファーも多く寄せられ、Helsinki Lambda Clubや韓国のシンガーソングライターYunBなど、国内外のアーティストの作品に数多く客演参加。
2022年は自身名義のシングルも5作発表し、2023年3月には2ndミニアルバム「This Too Shall Pass」をリリース。
@wezzyatlas