SENSA

2023.09.24

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!salan・音沙汰・Noranekogutsほか全20作品 -2023.09.23-

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!salan・音沙汰・Noranekogutsほか全20作品 -2023.09.23-

カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。 キュレーターの金子厚武とナビゲーターの奥宮みさとによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!



New Release Digest Part 1


みさと:9月18日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜全20作品の中から、まずはPart-1の7作品をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます。Zuma.さんがEPリリースです。おめでとうございます。

金子:Zuma.さんは色んな活動をされていて、音楽プロデューサーとしての自分、DJとしての自分、コラボレーターとしての自分、色んなサウンドアプローチがある中で、"自分自身の色は?"ということを自問自答した中で、今回のEPが作られているということです。その自問自答の中で「水」というコンセプトが生まれて、器の中に入れば器の形になったり、凍らせたら硬くなったり、様々な形がありつつ形のない性質っていうところと自分を重ね合わせて、作品を作っていったと。



みさと:厚武さんがご説明された作品についてのセルフライナーがもう本当にグッときちゃって、自分を取り戻した作品ができたんだなっていう、この作品を作ったことでどれだけ前に進むエネルギーを得たのかなって思うのと、あと「音楽プロデューサーだってアーティストなんだということを見せつけたい」って一言もいただいてるんですけど、プロデューサー業をやったからこそ見えてきた、具体的なテクニックであったりも絶対培われてるだろうし、刺激的なサンプリング使いとかはきっとそういうところで学ばれたんじゃないかなって思うと、それも含めてZuma.さんなんだっていう、現時点でのZuma.集大成みたいなものができたんじゃないかと、素晴らしいEPでした。そしてPROCYON、私今回のリミックスすごく好きです。

金子:先月はPROCYONの「Marble」という曲をSTAP Sigh Boysがリミックスしたバージョンが出ていて、今回はSTAP Sigh Boysの「ぱお〜ん」という曲をPROCYONがリミックスしていると。さらに言うとPROCYONのオオタヨシキさんが今年からDJ&トラックメイキングプロデュースの名義としてYOYを始めていて、そのYOYによるリミックス、アレンジメントということになってるわけですね。

みさと:みなさん仲良し。

金子:いいですよね、コラボのやりあい。

みさと:いいですね。割と没入感のあるアレンジというか、すごく踊れるんだけど、元々の原曲の良さももちろん残っているし、でも聴き比べたくなるような、それぞれ引き立つアレンジになっていて、意思疎通がある関係値じゃないと、ここまではいじることができないというか、ここまでのアレンジにはできないだろうなと思いながら、とっても素晴らしい作品でした。



金子:めっちゃダンストラックですよね。PROCYON自体はバンドだけど、楽曲がクラブミュージック的なエッセンスもあるものになってるのは、オオタさんのような人がメンバーにいるからなんだなっていうのも改めて分かりました。

みさと:さあ、そんなPart-1からお送りするのは。

金子salanをかけようかなと思います。

みさと:元ジオラマラジオのLenさんと、サポートをしていたKaitoさんによる2人組のバンドになるわけですね。

金子:FRIENDSHIP.からリリースするのは初めてなんですけど、彼らは2021年の12月に初めてのアルバム『Novel』というのを出してて、僕それ聴いたときにすごく面白いなと思って、そのときから名前は気にしていたので、今回FRIENDSHIP.から出るということで"おーっ"となったんですけど、やっぱり面白いですね。ソングライティングは本当に「日本のポップス」って感じなんですけど、アレンジメントはかなりオルタナティブで、曲によっても結構色んなテイストがあるんですけど、今回の曲に関してはインディーロック的なテイストのもので。もともとドラムのサポートがMONONOAWAREの柳澤くんで、今回ゲストボーカルにLaura day romanceの井上花月さんとBROTHER SUN SISTER MOONのAyu Megumiさんという、インディーシーンでは話題の2人が参加してる、そのチョイスもセンスあるなと思いました。

みさと:2人でここまで出来ちゃうんだっていう幅の広さとか、深さというものが目に見えて分かる作品になっているし、あと映画好きには堪らない、ちょっと映画のワードが入っていて。

金子:歌詞も面白いんですよね、ワード使いも面白いし、ちょっと皮肉が効いてたりとかするし。この曲自体はLenさんがジオラマラジオをやっていた時代、6年ぐらい前にもともと原型があって、温め続けていて、それを今回遂に解禁ということらしく、思い入れも強い曲なんでしょうね。

みさと:タイトルもまさに映画のタイトルになってますので、みなさん想像しながら聴いてみてください。



New Release Digest Part 2


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-2でした。リリースおめでとうございます。ツッコミどころ満載な「かににさされた!」も触れたいところなんですが、9月の終わりで少し死生観を感じるような、とがるの曲もありつつ、「彼岸」もそんな曲だったんじゃないかと。Fumihiro Kanekoさん、リリースなってます。

金子:Kanekoさんの曲にカンナさんがボーカルなので、もうちょっと前のFRIENDSHIP.RADIOですね。

みさと:あはは。本当ですね。金子さん多くない、FRIENDSHIP.?

金子:多いかな?でも確かに、アヤノさんもいるしね。

みさと:そうそうそう、「金子」が幅を利かせてるFRIENDSHIP. RADIO。

金子:でも僕よりもやっぱりカンナさんがね、ここ最近幅を利かせてる......っていうと言い方があれだけど(笑)。

みさと:私がちょっと悪いワードを使っちゃったけど、でも大活躍!



金子:先々週にはSpecial Favorite Musicの曲にもフィーチャリングで参加してたんですけど、今回はFumihiro Kanekoさんの曲に参加していて、Special Favorite Musicのときともまた違うテイストで。あっちは温かさを感じさせるようなテイストだったけど、今回は良い意味での冷たさというか、こういうトラックもカンナさんの声の乗りが良いですね。

みさと:本当、好き。本当にいい声ですね。今回の世界観、書かれている歌詞はカンナさんが書いてらっしゃるみたいなんですけど、後ろで聞こえる会話が回想シーンのようになってて、あなたを振り返りながらいつでも考えてしまうっていう、その構成も素晴らしいし、曲が終わったと思ったら、エンドロールのように最後の歌詞が流れるんですよね。その言葉が"ぼやけた岸辺を いつかは渡ろう かなしみは豊か あなたが浮かぶから"で終わるんですけど、過去を振り返る時間ってある種後ろ向きな時間かもしれないけど、そんなあなたとの時間を肯定してもらえるっていう、この季節に、そして喪失体験がある方にはもう刺さってしまうね。

金子:「彼岸」というタイトルがそのムードを表してますね。

みさと:素晴らしい歌詞ですね、もう大好き。そしてアンニュイ・ホリデイ、とってもおひさしぶりですよね。

金子:リリースはひさしぶりですね。こちらもフィーチャリングで猫戦の原田美桜さんを迎えている曲で、さらにはビート&アンビエント・プロデューサーのTOMCと初めてコラボをしているということで。こちらもエレクトロニックな、わりとムーディーなトラックではあるんだけど、でもそこにポップなボーカルが乗っていて、後半にはノイジーなギターも入ってきたりして。このトラックとこのギターの組み合わせは珍しいし、そこはアンニュイ・ホリデイならではのバランス感覚な気がして、これも面白い曲でしたね。



みさと:今回「踊れないダンスミュージック」をコンセプトに制作されたということで、本当かよって思って、踊らないぞって思いながら聴いてたんですけど......踊れませんでした(笑)。サウンドはビートも効いてるし、おっしゃるようにギターの入り方もすごく面白いので、インスト・パートはすぐ踊れちゃうけど、彼女の声が入ると聴き入ってしまうし、揺れるような、そんな踊れない曲ではありました。検証しました。みなさんも検証してください。さあ、そんなPart-2からお送りするのはどうしましょう?

金子音沙汰をかけようと思います。

みさと:良いですね。素晴らしいです。

金子:永原真夏さんと工藤歩里さんの2人組で、真夏ちゃんは最近ソロとかトロピカル・ハイサイでもリリースしてますけど、音沙汰はずっと前からやっていて、今年が20周年。

みさと:記念の年なんですね。

金子:真夏ちゃんと歩里はSEBASTIAN X時代からずっとやってるし、さらにはもともと高校の同級生というところからずっと一緒にやっていて、その2人が20年間やってきての初めてのフルアルバム。しかも、いわゆるこれまでの集大成とかそういうのでもなく、このアルバムのために新曲を全部作りきったという。アニバーサリーだけど今の自分たちを閉じ込めていて、そこもいいなと思いました。



みさと:2人の関係値からしたら、今まで出さなかった理由もきっとそこにあるのかなって思いますしね。あと私、個人的には真夏さんが書かれる歌詞の一人称の使い方がすごい好きで、僕と私っていうのをすごく使い分けてらっしゃるんですけど、歌詞の世界観にすごくフィットする使い分けをしていて、どんな存在がこの物語を語っているのかが見えてくる、歌でありながらすごくお話というか、物語を奏でているような2人なんだなっていうのがより伝わってくるアルバムだったかなと思いました。

金子:今回の作品自体、テーマとして「ヒーリングとストーリー」という二つを設けてたということで、基本的にはピアノとボーカルで、そこにトロピカル・ハイサイでも使ってたウクレレがちょっと入ったりぐらいの音数なので、ヒーリング感っていうのはあるし、今みさとさんが言ってくれたようなストーリー性というのはどの曲にもあって、この「美しい森」という曲も色んな受け取り方ができるけど、真夏ちゃんと歩里の関係性のようにも受け取れる。そんな2人の関係性についてのコメントがあって、"2人で1つというよりは、2人は2人だからいいと思えるような作品に仕上がりました"と。

みさと:良いコメント。

金子:すごくいいですよね。これだけ長く一緒にやってるわけだし、2人で1つとか言いたくなっちゃうけど、そうじゃなくて、2人は2人だからいい。本当に、そういう作品になってると思いますね。

New Release Digest Part 3


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-3でした。リリースおめでとうございます。さあ、はじめましてさんがいらっしゃいます。BOND LOST ACTです。

金子:彼らは多摩美術大学の同窓生で結成されたという2人組。ミュージックビデオとかアートワークも全部彼らのチームで制作しているみたいなんですけど、曲自体も面白くて、ドラムとかパーカッション以外は全部ハードのシンセサイザーで作っていたり、サラウンドな音像を提供すべく2通りの音源を作っていたり、歌詞は芥川龍之介の「河童」から題材を得ていたり、聴き処がたくさんある曲でした。



みさと:小さく"あ、河童"って入ってたり、おどろおどろしい音が入っていたり、すごくユニークな音使いと、あとまさに「河童」の世界観で、人間とか問題提起ってどの時代もずっと変わらないなっていうのをすごく感じる、昔に読んだ作品なんですけど、断片的に思い出せるような、そういう懐かしさも同時に感じさせてもらいました。そして我らがWAZGOGGもリリースになっていまして、最近ヒット連発すごいですよね。

金子:SKRYUとFuma no KTRとコラボで出した「How Many Boogie」という曲が今めちゃめちゃバズってて、Spotifyだと400万回再生、ミュージックビデオはもう700万回再生とか。

みさと:すごい!

金子:TikTokも含めてかなり盛り上がってます。WAZGOGGはもともと色んな人とコラボレーションしてるから、色んなタイプの曲がありますけど、今回はSUTEZENIとのコラボレーションで、YouTubeでSUTEZENIの音源を聴いて、ストレートなメッセージ性のあるラップが気に入ってWAZGOGGからオファーをしたそうです。この曲はすごくポップな路線ですよね。



みさと:日本語ラップの良いところがいっぱい詰まってるなっていう。日本特有のカラオケ文化ってあるじゃないですか。そういったところでリンクする、"ここを歌いたい、ラップも真似したい"みたいな。女性コーラスの入ってくるところも含めてみんなで歌いたいって思わせるような、シンプルに日本語ラップいいよね、ヒップホップいいよねっていうのが詰まってる楽曲で、ご機嫌な1曲ですね。最後の「ああ、気持ち悪い」も含めても最高でした。さあ、そんなPart-3ですが、お送りするのは......。

金子Noranekogutsをかけようと思います。

みさと:Noranekogutsも初ですか?

金子:そうですね、初めてFRIENDSHIP.からのリリースで、ちなみに今週は3パートとも二人組の曲をかけてるっていうのが裏コンセプトだったりします。

みさと:気付きませんでした。

金子:みたいなところもありつつ、でももちろん曲自体が良いから選んでいて。さっきのBOND LOST ACTが多摩美の出身って話しましたけど、Noranekogutsは京都の精華出身の2人組で、ボーカルギターのガッツさんとドラムとコーラスのポテトさんの2ピースバンド。彼女たちも自分たちでミュージックビデオの撮影とか編集まで行っているという人たちですね。ボーカルギターとドラムのツーピースみたいな編成って、ガレージな感じになりがちなイメージがあるんですけど、ボーカルのガッツさんはヒップホップとかテクノとかも好きみたいで、だから2人組っていう最小編成なんだけど、音楽的にはただのバンドサウンドだけじゃなくて、色んな要素を取り入れていて。で、さらにこの曲は我らがDENIMSのカマチューさんが初めて他の人たちをプロデュースしているということで、ヒップホップをはじめ、やっぱりブラックミュージックはカマチューさんの得意分野なので、そこを上手くNoranekogutsに落とし込んでいて、ポップかつ音楽的にも聴き応えのある曲になってました。

みさと:ガッツさんすごくかわいらしい声を持ってらっしゃるのに、そこを売りにせず、すごく男前なスタイルでやってるのも好感が持てます。

金子:映像見たけどカッコ良かった。ギター弾いてる姿とか。

みさと:カッコいいですよね。

金子:名前もガッツですしね。

みさと:そうなんですよね、だいぶ気合が入ってる。

金子:Noranekogutsっていい名前ですよね。

みさと:ドラムの方はポテトさん。

金子:その対比も面白いですね(笑)。



RADIO INFORMATION

FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」

fmgfukuoka_curatedhour_logo_ok_2204.jpg FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。番組後半ではThe fin.のYuto Uchinoが月替りでゲストを迎え、深い音楽談義を繰り広げるコーナーを展開。 放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55 放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)


番組MC

kanekoatsutake_20210528.jpg 金子厚武 1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。 @a2take / @a2take3 misato_a_photo.jpg 奥宮みさと ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。 TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。 安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。 @_M1110_ / @11misato10 Yuto_Uchino_photo.jpg Yuto Uchino(The fin. Vocal / Synth / Guitar) 神戸出身、ロックバンドThe fin.のフロントマン、ソングライター。80~90年代のシンセポップ、シューゲイザーサウンドから、リアルタイムなUSインディーポップの影響や、チルウェーヴなどを経由したサウンドスケープは、ネット上で話題を呼び、日本のみならず海外からも問い合わせ殺到している。 The Last Shadow Puppets、MEW、CIRCA WAVESなどのツアーサポート、そしてUS、UK、アジアツアーを成功させるなど、新世代バンドの中心的存在となっている。 オフィシャルサイト / @_thefin / @yuto__the_fin


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