SENSA

2023.07.30

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!Ålborg・Kenzo Martiniほか全15作品 -2023.07.29-

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!Ålborg・Kenzo Martiniほか全15作品 -2023.07.29-

カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。 キュレーターの金子厚武とナビゲーターの奥宮みさとによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!



New Release Digest Part 1


みさと:7月24日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜全15作品の中から、まずはPart-1、8作品をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます。はじめましてさんが2組いらっしゃって、Umisayaeckeです。

金子:最後にかかったUmisayaはもともとsimsiisというバンドで活動をしていてFRIENDSHIP.からのリリースもあった人たちなんですけど、simsiisは活動休止しちゃって、そのメンバーが新たに組んだのがこのUmisayaというバンドです。バンド名に"Umi"って入ってるように、「海を奏でるパワートリオ」というキャッチフレーズがあります。音を聴いても分かる通り、エモとかポストロックといった音楽性がベーシックにありつつ、そういう自分の好きな音楽をどれだけ邦ロックに落とし込むかを強く意識しているそうで、それがよく分かる仕上がりになっていますね。



みさと:伝わってくる。エンディングのドラムもすごく好みだったし、1曲最後の最後までちゃんと楽しませてくれる完成度の高さも感じたところと、その"海"というところの縛りというか、コンセプトをどうやって今後続けていくのか見モノだなという期待も込めて楽しみにしてます。eckeはいかがでしたか?

金子:eckeも、もともとFRIENDSHIP.とは縁があるというか、マスダミズキさんのmiidaを一緒にやってたのがeckeのドラムのsugawaraくんで、ecke自体は結構昔から活動してたんですけど、もともとバンド編成だったのが、今回からボーカルのNao Moriさんとsugawaraくんの2人編成になって再始動という形。だからこそというか、バンドサウンドにこだわらず、ちゃんと生演奏の良さも生かしつつ、打ち込みとかも取り入れることによって、より自由度の高いアレンジになっていて、格好良かったですね。



みさと:確かに、今のトレンドをちゃんと押さえてるなっていう印象。もうイントロからグッドメロディーで心を掴まれて、親指ひとつでザッピングな現代において最初の15秒ってめちゃめちゃ大事だと思うんですけど、その15秒で続き聴きたいなって思わせる曲の構成感というのは素晴らしいなと感じました。

金子:もちろんmiidaとも相性良さそうだし、あとEmeraldとも交流があるみたいで。一緒にやったら絶対良いですよね。

みさと:さて、7月29日といえば、フジロックがですね。

金子:やってるんですよ。

みさと:今まさにやってるわけですが、今回はですね、Daisy JaineÅlborgがフジロックのRookieに出演。

金子:毎年何組かFRIENDSHIP.のアーティストがRookieに出ていて、ちなみに今日この後の3時からはbedも出ます。

みさと:うわっ!私の大好きな。

金子:狙って最後にしてくれって言ったんじゃないかなって。

みさと:絶対そうでしょ。

金子:そんなbedもいますが、今週リリースのDaisy Jaineは今日の23時からの出演だったので、ちょうど終わったところなんですよね。

みさと:お疲れさまでございます。

金子:まあでも格好良いですね。ひさびさの新曲なんですけど、彼らは兵庫の出身で、FRIENDSHIP.にはThe fin.をはじめ兵庫出身のサイケデリックな格好良いバンドたちがいっぱいいて、Daisy Jaineもその中の筆頭と言っていいんじゃないかって感じがして。60年代、70年代、80年代、クラシカルなロック成分盛り盛りなのに、でも古さ感じない、ちゃんと今に着地してるこの感じ。独特ですよね。

みさと:特に今回の曲は60年代から80年代に書いたSFの物語みたいな、そういう視点でも感じ取れるような世界観があって、だからこその古くならない感覚なんでしょうかね。面白い曲作りですよね。



金子:いずれFIELD OF HEAVENとかに出てそう。

みさと:良いね、出て欲しい!そんな中、Alborgをかけましょうか?

金子:はい。Ålborgは金曜日に出演を終えているはずで。

みさと:お疲れ様でございました。

金子:そんなÅlborg、カクバリズムからリリースをすることが決まりまして。

みさと:これは私たちもなんか嬉しい。おめでとう。

金子:トロンボーンがメンバーにいて、管楽器を目立たせている感じと、このちょっとインディーフォークな感じの組み合わせって、確かにカクバリズムから出すのも納得だなと。今回の曲もめちゃめちゃ良かったですね。



みさと:今深く何度もうなずいてしまいました。セルフライナーノーツに「全てが常に変化していることについて歌った曲。変化は必要だけど変化は怖いものです」という風に書かれてるんですけど、表現活動をある程度、アウトプット先が増えていった段階というのは、この問題に必ず直面するんじゃないかなとも思うし、ただ変化がないクリエイターって面白いのかなっていう視点も考えてみると、いや、これから星の数ほど色んな方に出会って、もっともっと変化を続けていく度にまたこの問題と向き合いながら、ちょっとずつ日進月歩で進まれていくのかな、なんて思いながら聴いてました。

金子:カクバリズムから出すっていうのは、バンドにとって本当に大きな変化のタイミング、ターニングポイントだと思うから、そういうタイミングで「変化」と向き合った曲を出すというのも意味を感じますよね。

New Release Digest Part 2


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-2でした。リリースおめでとうございます。今週も大豊作、もう全部触れたいところなんですが、先ほどフジロックの話が出たので、サマソニの深夜のSONIC MANIAに出演されるShōtaro Aoyamaさん、いかがでしょうか?

金子:ちょっと前までサカナクションの一郎さんとNF1ROOMというツアーを回っていて、そこでも恐らくはフロアをガンガン盛り上げたであろう、そしてSONIC MANIAも盛り上げるであろう、まさにフロア対応のトラックでめちゃめちゃ格好良くて。ボーカルはAoyamaさん自身の声を加工して使ってるみたいで、それ含めてちょっとダフトパンクの「Around The World」を彷彿させる感じがして。

みさと:確かに。

金子:もともとパリのKITSUNEにいた人なので、ちょっとルーツをうかがわせるなって感じもしました。



みさと:本当にフロアを知り尽くしている方、緩急からブリッジのタイミングにビートの入り方、"これこれこれ待ってた!"っていう。だけどやっぱり新しい試みというか、チャレンジもしてくれている、縦笛を使ってたりとか、自分たちの固定概念をちゃんと覆してくれる。3歩先を行ってDJの機材の前に立ってくれてるっていうのがやっぱり格好良い。

金子:「和」の取り入れ方はAoyamaさんらしいですよね。

みさと:そしてSangdeiさん、私すごく好きでしたよ、今回の曲も。

金子:EPが完成ということですが、Sangdeiくんは前にもこの番組で紹介したことがあるように、もともとWez Atlasから影響を受けたっていう話があって、今回のEPにはプロデューサー陣としてw.a.uのメンバーが参加してたり、Nonomiとかuinとか、Wezくんとも絡みがある人たちが結構参加していて。そういう意味では憧れに近付きつつ、でもWezくんはどちらかって言うとラップがメインだけど、Sangdeiくんの場合は歌がメインで、ヒップホップに対する愛情はすごくありつつ、ただ憧れを追いかけるだけじゃなくて、追いかけながらちゃんと自分の表現を見つけていってる。その感じもちゃんと伝わってくるので、すごく良いなと思いました。

みさと:確かに。自分の表現という切り口だと、この「Such is life」というタイトル、"それが人生さ"という意味なんですけど、言い方が悪いけど使い古された、一度聞いたことがあるような言葉、例えばケセラセラとか仕方がないよねとか、色んな表現がある中で、彼が「Such is life」というこの言葉を選んだっていうことも彼のオリジナリティだと思うし、その言葉のチョイスとかも細かい事なんだけど、ちゃんとSangdeiがやってる、というのが伝わってくるEPになってるかなと思います。



金子:ちゃんとオリジナルでありつつ、でもWezくんの「It is What It Is」とか「Life's A Game」とかともリンクする部分が結果的にあるのは良いですよね。

みさと:確かにね。好きなものへのフックの引っかかる感覚がもともと近い?

金子:そういうことでしょうね。

みさと:それも含めていいなあ。さあ、Part-2からはどなたをかけましょうか?

金子Kenzo Martiniをかけようと思います。

みさと:素晴らしいアーティストですね。

金子:良かったですね。それこそWezくんとか、Sangdeiくん、VivaOlaくんとか、FRIENDSHIP.からはR&B、ヒップポップ系の良質な男性シンガーソングライターがたくさん出てるわけなんですけど、そこに新たな有望株が加わったな、という感じで。Kenzoくんはフィリピン・マニラ出身の日系フィリピン人なんですけど、10代後半で東京に留学して、そこから5年を過ごす中で、東京が自分自身の芸術的な目的を見つけるために最適な場所なんじゃないかと思い、日本を拠点に活動することになったと。

みさと:嬉しいな。

金子:クィアの若者たちに自由で堂々と生きることを鼓舞しようと努力しているという、メッセージもしっかり持ったアーティストですね。

みさと:Ne-Yoが歌ってそうなポップさとロマンチックさを感じる。とはいえエレピの音のかわいらしい音色とかもあるし、ミニマルなサウンドなんだけど、だからこそ彼の表現力と歌唱力がなかったら成り立たないぐらい、すごく削ぎ落とした作品になっているので末恐ろしいなという、素晴らしいアーティストさんの底力を感じます。

金子:タイトルは「No love」で、恋愛関係の気持ちが冷めたときの心情を温めるために書いた曲ということで。これが暗い曲だったら気持ちも沈んじゃうけど、そこをちゃんとポップにすることで温めてくれていますね。彼はYouTubeのチャンネル登録者数が11万人、インスタのフォロワーも5万人いたりとか、インフルエンサー的な側面もあるということで、また新たな広がり方をしてくれそうな気もします。

みさと:これからのアイコンになっていかれるでしょう。



RADIO INFORMATION

FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」

fmgfukuoka_curatedhour_logo_ok_2204.jpg FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。番組後半ではThe fin.のYuto Uchinoが月替りでゲストを迎え、深い音楽談義を繰り広げるコーナーを展開。 放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55 放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)


番組MC

kanekoatsutake_20210528.jpg 金子厚武 1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。 @a2take / @a2take3 misato_a_photo.jpg 奥宮みさと ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。 TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。 安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。 @_M1110_ / @11misato10 Yuto_Uchino_photo.jpg Yuto Uchino(The fin. Vocal / Synth / Guitar) 神戸出身、ロックバンドThe fin.のフロントマン、ソングライター。80~90年代のシンセポップ、シューゲイザーサウンドから、リアルタイムなUSインディーポップの影響や、チルウェーヴなどを経由したサウンドスケープは、ネット上で話題を呼び、日本のみならず海外からも問い合わせ殺到している。 The Last Shadow Puppets、MEW、CIRCA WAVESなどのツアーサポート、そしてUS、UK、アジアツアーを成功させるなど、新世代バンドの中心的存在となっている。 オフィシャルサイト / @_thefin / @yuto__the_fin


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