SENSA

2023.06.11

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介! am8・Shōtaro Aoyama・WOLVEs GROOVYほか全20作品 -2023.06.10-

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介! am8・Shōtaro Aoyama・WOLVEs GROOVYほか全20作品 -2023.06.10-

カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。 キュレーターの金子厚武とナビゲーターの奥宮みさとによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!




New Release Digest Part 1


みさと:6月5日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜全20作品の中から、まずはPart1、7作品をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます。おひさしぶりなところで言うと、金廣真悟さん、EPですね。

金子:金廣さんは今年の4月30日に40歳になられて。

みさと:見えないよね。

金子:僕も40歳過ぎてるので、40歳を迎えての心境をリアルに綴ってるのはグっとくるものがあります。もともと中学生ぐらいの頃から、40歳になったら「40」という楽曲を書こうと思っていたそうなんですけど、「まさかこういう歌詞の内容になるとは思ってもみなかった」っていう、このコメントがすごいリアルですね。

みさと:セルフライナーノーツに、「40歳になって子供も生まれて自分の周りの環境やそれに対する姿勢・考え方が10年前20年前と変わってきたなと思う」と書かれていたので、このタイミングで家族が増えるってことも、もしかしたら当時は想像してなかったかもしれないですもんね。金廣さんの声、すごく説得力があるなって感じて、彼の日記というか自伝のような歌詞世界なので、よりそれが感じられるんだろうなと思うんですけど、やっぱり彼の持つ声っていうのは変わらないですね、ずっと。



金子:今回EPを出して、7月にアルバムも出て、9月にはグッドモーニングアメリカとして3年半ぶりのライブをやるそうで。

みさと:ねー。

金子:金廣さんの中での一つ区切りをソロとして出して、またバンドに戻っていくみたいな感じなのかなと。

みさと:いいなー。そしてひさしぶりなところで言うと1曲目のフリージアン

金子:最近この番組リリースの数が多くて、ちょっと前までときどき出てもらった"FRIENDSHIP.の中の人"のS尾さんが出れてないじゃないですか。

みさと:ですよね(笑)。追いやっちゃってますよね、私たち。

金子:でもS尾さんによるとフリージアン最近すごく好調らしく。

みさと:そうなんだ。

金子:彼らすごいライブが良くて、どんどん評判が上がってるっていうのをちょっと前に聞いてて。で、今回ひさしぶりの新曲を聴いて、確かになっていうか、この勢いと熱さみたいな部分はライブで絶対映えそうだなって。イメージ的にはSUPER BEAVERとかとも近いというか、熱さがあって、楽曲的にはストレートにビートの効いたロックっていう。これは人気出るなって感じがすごくしましたね。

みさと:歌メロのイメージとはかけ離れたサウンドというか、もっとマイルドでも十分成り立つだろうけどギターギャンギャンだし。

金子:歌だけでも十分成立しそうな強さがあるけど。



みさと:ポップなのに、リズム隊も何kcal消費するんですかっていうぐらいの(笑)。ビックマック50個ぐらい並べて全然余裕みたいな。

金子:相当のハイカロリー(笑)。

みさと:っていうのが、なんかその対極じゃないけど、「バンドで、これだけ俺たちできるぜ!」っていうのが体現できてる感じ。

金子:それこそグッドモーニングアメリカとかも先輩にあたるバンドと言えるかもしれないですね。ビーバーとかグドモとかがいて、フリージアンがいるみたいな。

みさと:いやあ、ライブ本当良さそう。

金子:生で見てみたいですね。

みさと:そんなPart1からはどなたをかけましょうか。

金子am8をかけようかなと思います。

みさと:なんだかちょっと渋谷系な雰囲気も感じつつ、面白い楽曲でした。



金子:今回はmekakusheさんをフィーチャリングに迎えていて、「YT」というタイトルには「ヤングタイム」という意味があって、若い頃の衝動をテーマに、ある種の応援ソングになってるっていうのがありつつ、でもこの曲は裏テーマとして、今年亡くなられた高橋幸宏さんに捧げられているということで。渋谷系って話もありましたけど、am8はもともとそのさらに上のルーツであるYMOにすごく影響を受けていて、だから幸宏さんに捧げるという意味で、「YT」は「Yukihiro Takahashi」でもあるっていう。実際曲調も幸宏さんっぽさがすごくあって、幸宏さんは一時期、原田知世さんをボーカルに迎えたpupaというバンドをやってましたけど、あのバンドにも通じるようなエレクトロポップになっていて、あと後半に男性の声でコーラスが入ってくるんですけど、それがめっちゃ幸宏さんで。いろんなところに愛とリスペクトがちりばめられた曲になってるのをすごく感じました。

みさと:幸宏さんに対してのリスペクトを表現するひとつとして、ドラマーとして大井くんに叩いてもらってるっていうのが納得というか、この後、この時代を背負っていくのは彼なんじゃないかなっていうところもありますね。

金子:yahyelやDATSのメンバーであり、YMO関連のトリビュート的なイベントにも出てたりして、幸宏さんを継ぐドラマーとして期待されてる人でもあるし、それこそ「ヤング」な世代でもあるから、そういう人が参加してるっていうのも、曲のテーマに合っていると言えるかもしれないですね。

みさと:そうですね。こうやって脈々と受け継がれていく。切ない気持ちはもちろんあるけど、「大丈夫ですよ、僕たちがいるんで」っていうのがすごく見えてくる楽曲でもあります。

New Release Digest Part 2


みさと:新譜ダイジェストPart2でした。リリースおめでとうございます。ちょっと怖かった、ハロウィンかと思っちゃった。はじめましてさんです。STRAM

金子:ちょっとおどろおどろしい感じですよね。

みさと:だいぶ攻撃的で、暴力的で、おどろおどろしくて。

金子:ゴシックな感じでしたよね。彼らは東京を中心に活動する5人編成のバンドで、ボーカルが金子くんという名前らしいので親近感を覚えますけど。資料には「ポストパンク」みたいな言葉もあったりするけど、もっといろんな要素がある感じはして、この曲に関して言うと、歌い方も含めて一時期のアークティック・モンキーズみたいな、ストーナーロックをやってた頃のアークティックっぽさもあり。

みさと:分かる!



金子:Queen of the Stone Ageとかに影響を受けてた頃のアークティック・モンキーズみたいな。曲によって色々なバンドサウンドから影響を受けてやってるんだろうなっていうのが伝わってくる、かっこいいバンドだと思います。

みさと:他の曲も楽しみですね。そして、pandagolffがアルバムです。

金子pandagolffはリリースペース早いですよね。

みさと:早いのよ。

金子:去年もアルバムを出してて、今年もコンスタントに単曲でリリースしてて、またアルバムができちゃって。

みさと:すごいな。



金子:今回は彼らの4枚目のアルバムなんですけど、これまでの中でも最もバンドサウンドを指向して、ソリッドでざらついた音像のアルバムになっているということで。もともとインダストリアルとかの要素もあったから、電子的な要素もあったんだけど、より音数を削ぎ落としたバンドサウンドになっていて。今回のリード曲の「GURUGURUGU」とかは、普段のハイテンションなイメージに比べると、もうちょっと緩い感じの、スカスカな音像になっていて、こっちも行けるんだ、みたいな感じがありましたね。

みさと:STRAMと違った暴力性というか。

金子:どっちも「ポストパンク」っていう言葉がキーワードにはなってるけど、こんなに違うんだ、みたいなね。

みさと:本当に。pandagolffの既存曲とSTRAMを比べたら通じるところはまた増えたりもするんだけど、やっぱりどちらも幅の広さというか、末恐ろしいバンドがこんなにいるんだなっていう。面白いですね。そして、Part2からはどの曲をかけましょうか。

金子Shōtaro Aoyamaの新曲をかけようと思います。

みさと:もうかっこよすぎて、永遠リピート中です。

金子:かっこよかったですね。新曲としてはひさびさのリリース、1年半ぶりぐらいのリリースになるんですけど。Shōtaro Aoyamaさんはサカナクション・山口一郎さんが主催しているNFに関わられてる方で、今年6月10日からNFのツアーで、山口さんとAoyamaさんが全国を回るらしく。

みさと:行きたーい。

金子:福岡も6月23日の金曜日にBeat Stationでやるらしいんですけど。おそらくはそこに向けてっていうところもあって、こういうダンストラックになってるのかなと。

みさと:これド深夜に聴いたら大変なことですよ。

金子:いいですよね。

みさと:映画のサントラみたいですよね。

金子:もともと曲自体が宇宙をテーマにしていて、民間人が宇宙旅行へ気軽に行けるようになる近い未来をイメージして、それをサウンドにしてるということで、確かにって感じですよね。

みさと:序盤に地球と交信してるんだなっていう無線の音みたいな声も入っていたりして。そこからいま多分大気圏だなとか、ここから無重力空間だなとか。ビートと音の強弱でだんだん没入感、だんだんこれ無重力の世界なんだっていう表現が見てないのにわかるじゃないですか。いや、この表現はなかなかできないですよね。

金子:さすがですよね。



みさと:これはセンスという言葉だけでまとめていいのか、何と表現したらいいのか。

金子:サウンドメイクに関しては今回特にアナログな機材を用いてるらしくて、シンセもそうだし、アナログのテープエコーも使ってたりとか。

みさと:一番最初のあたりとかね。

金子:そういうところがサウンドの立体感に繋がっていて、そこはもう職人技というか、長くやってるからこそっていう部分も間違いなくありますよね。

みさと:あと私一番最後の終わり方が気になる。地球に戻ってこないで、そこで終わってしまったのか、それともどこかに不時着じゃないけど、どこかに着いたのか。これをまたNFとかでどういう風に他の曲に繋げるのか......。

金子:「Dark Energy」というタイトルだったりするのも、果たしてどんなストーリーなのか......みたいなね。

みさと:うわーっ!これ、どうやって回すのか、みなさん現場で確認してほしいですね。

New Release Digest Part 3


みさと:新譜ダイジェストPart3、お送りしました。リリースおめでとうございます。PENPALSおひさしぶりです。

金子:Part3はR&B系とバンド系とが交互に並んでたような感じもしますけど、今週はバンド系をピックアップさせていただきまして。PENPALSはもう相変わらずというか、いい意味での音の薄さ、90年代感をずっとまとっていて、今回も「Summer」というタイトルなので、「Summer Babe」という名曲のあるPavementを思い出したりして。FRIENDSHIP.には、ちょっと前にTENDOUJIが加わったじゃないですか。TENDOUJIとPENPALSって相性よさそうだなと。

みさと:あー、そうか。

金子:TENDOUJIも90年代とかの感じを今に引き継いでる感じがあるから、そのオリジネーターであるPENPALSと今一緒にやったらどうなるんだろう、みたいな。

みさと:世代はちょっと違うとはいえ、オーディエンス側からするとすごくまとまって見える。

金子:近しいものを持ってる気がしますね。



みさと:TENDOUJIがワーッて言ったら、PENPALSのメンバーがちょっと引いちゃいません?(笑)

金子:いや、PENPALSも年齢は重ねましたけど、悪ガキたちなんで(笑)。

みさと:そうか、まだ丸くなってないか。

金子:いい感じになるんじゃないですかね。

みさと:そしておひさしぶりなところで言うと、Mercy Woodpecker

金子:こちらも約1年ぶりぐらいですかね。今月末にアルバム『解放のススメ』をリリースすることが決まっていて、そこからのリードトラックである「解放戦線」。まさにこの「解放」という言葉が表している通り、コロナ禍でバンドは色々な苦労をしたんだけど、ようやく収まってきて、さあここから解放していくぞっていう、その感じが今回の曲調にもめちゃめちゃ表れてましたね。



みさと:本当に挑戦が詰まっていて、それが解放ということへの表現方法なのかなって。ベースのスラップとか。

金子:ちょっとマスロック感あるのがLITE 先輩とも通じるような部分だったり。

みさと:言葉の並び方も面白いし、詰め込みましたね。あと構成が後半に「おっ」「えっ」っていうような、あえてちょっとタメが入ってきたりとか、なんかもう全部詰め込んでる。

金子:サビとかはストレートでシンガロングできるような感じだけど、このバンドは音楽的にもいろいろ挑戦してる感じが伝わってくるから、そこは応援したくなりますよね。

みさと:そんなPart3から1曲ピックアップするのは......。

金子WOLVEs GROOVYをかけようかなと思います。



みさと:アヤコノちゃんなんだけど。

金子:お知り合い?

みさと:ううん、ただのファンです(笑)。

金子:2023年3月に結成されたばかりのスリーピースバンドで、スリーピースバンドっていうのはいっぱいいるわけですけど、このバンドの場合はWOLVEs GROOVYというバンド名が表している通り、一匹狼だった人たちが3人集まってバンドになってるっていう面白さがあって。アヤコノさんは前からファンだったんですか?

みさと:そうそう、ツイッターで彼女ずっとバズってたから、ずっとタイムラインに流れてきていて、私の知り合いのおじさんたち、バンドやってるおじさんたちがアヤコノちゃんにコメントしたりとか、先輩方からもかわいがられてて。もちろんテクニックもあってっていうところから私は彼女を知ったんですけど。

金子:弾いてみた動画がバズってるんですよね。

みさと:そうそう、すごいですよね、上手で。若いときからね、活動されてて。

金子:そこにさらに、ご自身でもシンガーソングライターとして活動してきたましのみさん、ちょっと前にGuibaにフィーチャリングで参加したりもしてましたけど、この2人を中心に一緒に何かやろうみたいな話になって、そこにドラマーの詩音さんも加わってということで。GROOVYっていう言葉がバンド名についてるぐらいだから、やっぱり非常にグルーヴィーな曲で、ましのみさんはもともとダンスミュージック寄りな曲をやってたっていうのもあるし、アヤコノさんがボーカルとしているからこそ、このベースのグルーヴ感っていうのも詰め込まれてる。それぞれ一匹狼ではあるのかもしれないけど、でもそういう人たちだからこそのグルーヴ感っていうのがこの3人にはきっとあるんでしょうね。

みさと:私は歌詞の世界にも共感をしていて、加減がわからなかったみたいな歌い始めから歌詞が続いていくんですけど、10代のアヤコノちゃんが歌っても20代のましのみちゃんが歌っても30代の私が聴いても、「あ、わかるな」っていうのは単純に私が幼いからだけじゃなくて、すごく共通した気持ちを彼女たちが書いてるっていう、それがすごく素敵なことだなと思って。一匹狼ではありつつ、すごく万人が共感できるような曲を作れる人たちなんだなと思って、これからも期待をしています。

RADIO INFORMATION

FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」

fmgfukuoka_curatedhour_logo_ok_2204.jpg FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。番組後半ではThe fin.のYuto Uchinoが月替りでゲストを迎え、深い音楽談義を繰り広げるコーナーを展開。 放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55 放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)


番組MC

kanekoatsutake_20210528.jpg 金子厚武 1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。 @a2take / @a2take3 misato_a_photo.jpg 奥宮みさと ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。 TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。 安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。 @_M1110_ / @11misato10 Yuto_Uchino_photo.jpg Yuto Uchino(The fin. Vocal / Synth / Guitar) 神戸出身、ロックバンドThe fin.のフロントマン、ソングライター。80~90年代のシンセポップ、シューゲイザーサウンドから、リアルタイムなUSインディーポップの影響や、チルウェーヴなどを経由したサウンドスケープは、ネット上で話題を呼び、日本のみならず海外からも問い合わせ殺到している。 The Last Shadow Puppets、MEW、CIRCA WAVESなどのツアーサポート、そしてUS、UK、アジアツアーを成功させるなど、新世代バンドの中心的存在となっている。 オフィシャルサイト / @_thefin / @yuto__the_fin


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