SENSA

2023.02.05

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!She Her Her Hers・FULL OF LOVE・Wez Atlasほか全22作品 -2023.02.04-

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!She Her Her Hers・FULL OF LOVE・Wez Atlasほか全22作品 -2023.02.04-

カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。
キュレーターの金子厚武とナビゲーターのMISATOによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!

New Release Digest Part 1


MISATO:1月30日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜全22作品の中から、まずはPart 1の8作品をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます!復帰したばかりなんですけど、お休みを伸ばして「ナスティ・ハウス」に行ってきてもいいですか(笑)?

金子:あはは。眞名子 新さんの新曲、「ナスティ・ハウス」はどんな場所なんですかね。

MISATO:ちょっと逃避したいときに良さそうな場所ですよね。

金子:ゆったりとした時間が流れてましたね。



SENSA主催の「Highlighter Live」にも眞名子 新が出演します!あわせてチェックしてみてください!



MISATO:そうですよね。そしてPart 1には画家、そしてミュージシャンとしても活躍されている方がお二人。日暮愛葉さんとKEISUKE SAITOさん。

金子:日暮愛葉さんはSeagull Screaming Kiss Her Kiss Herというバンドをやっていた、ある意味伝説的なミュージシャンですけど、2020年から画家に転身していて、近年では個展も開催したり、本格的に活動しています。

MISATO:すごいですね。

金子:曲としては一年半ぶりぐらいの新曲で、今回は名古屋で2000年代の初頭から活躍している、6EYESというポストパンクバンドのツチヤチカらさんがトラックメイカー・アレンジャーをしているという。なので、曲調的にも新境地を感じさせるもので、ここに来てさらに新しい領域を開拓しているというのがすごいなと。

MISATO:歌唱方法がわりと無機質だなと思っていたんですけど、音への実験性が散りばめられていて、聴き手に委ねているところでの"画家"というか。作品を展示されている方ならではの感性なのかなと感じました。



金子:それで言うと、KEISUKE SAITOさんはインストだから、より聴き手に委ねられている感じありますね。年末の放送で「去年はOsteoleucoのアルバムをよく聴いていた」というコメントを寄せてくれましたよね。

MISATO:そうなんです。よかったですね。

金子:KEISUKE SAITOさんは最近ソロでも本格的に活動されていて、去年から画家としての活動もスタートさせているという。

MISATO:没入感とスピード感をすごく感じるジャケットだなと思っていたんですけど、まさに1分14秒という短い時間の中に、没入感とスピード感が詰まっているなという印象です。

金子:KEISUKE SAITOさんは過去に大病を患って、生きることや死ぬこと、人生について深く見つめて、そこから絵という表現に向かっていった。日暮愛葉さんにもそういう側面があるような気もします。



MISATO:ではPart 1からの1曲どうしましょうか?

金子:Part 1はShe Her Her Hersをかけようと思います。

MISATO:すごくよかった!

金子:MISATOさんの復帰を祝うかのように、お友達のShe Her Her Hersが新曲を届けてくれたという。

MISATO:嬉しい!またすごい透明感のある曲で、新しいスタートに側にいてほしい曲ですね。

金子:約1年ぶりのリリースで、前作は去年の3月に出たんですけど、やっぱり冬の時期が似合いますよね。

MISATO:似合いますね〜。

金子:透明感のあるトラックで、でもベースラインとかかっこよくて、ちゃんと熱も同時に感じられて、「やっぱりShe Her Her Hersだな」っていう感じが伝わってきましたね。

MISATO:まさに、冷たいだけじゃなくて熱があるというのはよく分かります。

金子:今回は「non zero sum game」というタイトルで、"ゼロサムゲーム"っていうのは、ゲームとか経済の理論で参加者全員の勝ち分と負け分がトータルで0になるという理論のことを指します。

MISATO:そうだったんだ。知らなかった。

金子:要は勝った人がいれば、負けた人もいて、トータルでゼロになるという。でもShe Her Her Hersのこの曲は「non zero sum game」だから、「ゼロサムゲームじゃなくて、全員が勝てるようにするにはどうしたらいいのかをちゃんと考えていきたいよね」というメッセージが込められていて。今回はとまそんさんの作詞みたいなんですけど、こういう人生哲学がちゃんと込められているのもShe Her Her Hersらしさかなと。



MISATO:冬の冷たい空気が鼻を通って、脳まで行く感じってあるじゃないですか?その空気感があるけど、厚武さんがおっしゃったように「みんなが勝つにはどうしたらいいか」という熱が顔全体に行き渡るような曲ですね。


New Release Digest Part 2


MISATO:新譜ダイジェストPart 2でした。リリースおめでとうございます!どの曲もかっこいいですが、加速するラブズがはじめましてですね。

金子:京都で2013年に結成された3ピースのバンドで、2017年に活動休止を発表して、少しお休みしていたんですが、去年の11月にワンマンライブをして復活。その日はチケットが即日完売だったらしいです。それを経て、今回復活の新曲をついにリリースと。ここでもお休みしてた人が復活しているという(笑)。

MISATO:他人ごととは思えない(笑)。ファン待望の感じですね。ポップの王道を行くようなメロだけど、アレンジとか歌い尻はこだわりがあるんだなというのを感じます。

金子:パワーポップっぽい感じもあるし、「加速するラブズ」というバンド名であり、「初恋のエリア」というタイトルからも感じさせる、フレッシュさや甘酸っぱさみたいなのも、男女ツインボーカルですごく表されていて、非常に彼ららしい仕上がりなんじゃないかと思いました。



MISATOFake Creatorsもとてもいいですね。今回は女性ボーカルを招いているんですか?

金子:今回は台湾のアーティスト、Misi Ke(ミシケ)さんをゲストボーカルに迎えたコラボ曲になっています。もちろんFake Creatorsらしいオルタナ感やサイケ感もあるんだけど、やっぱり女性ボーカルが中心にあることでポップス性が強まっていて、まさに新境地だなという感じがしましたね。



MISATO:夢の中で空を飛んでいるみたいなドリーミー感がありますね(笑)。では、そんな中からPart 2は何をかけますか?

金子FULL OF LOVEをかけようと思います。

MISATO:いいですね。

金子:このバンドはFRIENDSHIP.からリリースするのははじめましてだし、世間的にもあまり聞き馴染みのない人が大半かと思うんですけど、元andymoriの小山田壮平くんが新しく始めたバンドです。去年YouTubeに「FULL OF LOVE」という曲のライブ動画とMVが急に上がって、「なんだこれ?」ってなりつつ、すごくいい曲で。

MISATO:そうなんですね。

金子:キャッチコピーとして「バラナシ発沖縄経由アンドロメダ行きミュージックロケット」とあるんですけど、小山田壮平くんは旅が好きな人で、FULL OF LOVEは旅をする中で出会ったミュージシャンたちと一緒に始めたバンドで。だから固定メンバーはいなくて、流動的な形で、そのときに集まった人たちでやる、そういうバンドなんです。

MISATO:なるほど。これからどこに行くんでしょうね(笑)?

金子:"アンドロメダ行き"と書いてあるから、宇宙に行っちゃうんじゃないですか?

MISATO:「こんな小さな世界では止まっていられないぜ」という感じなんですかね。

金子:曲のタイトルが「青い空の幻」で、小山田壮平くんは旅が好きだし、空が好きな人で。世界各地を旅して、その場所の空模様に自分の心模様を重ねて曲を作ってきた人だから、今回もそれをすごく感じます。



MISATO:肩を組んで「青い空って幻だったのかも」って、夕日を見ながら歌っている感じにも聴こえます。

金子:アコーディオンとか入ってるから、楽団っぽい感じもしますよね。

MISATO:そうそう!ちょっとフォーク味があると、哀愁感でません?

金子:そうですね。

MISATO:ね!青い空というより、「青い空だったのかな?」みたいな。

金子:"幻"とタイトルに入ってますしね。



New Release Digest Part 3


MISATO:新譜ダイジェストPart 3でした。リリースおめでとうございます!毎回思っていたんですけど、厚武さんが話してるのって、"それってあなたの感想ですよね?"

金子:一番最後にかかったSHU-MIの「Wrong Pop」の"論破"ですか(笑)?

MISATO:私の推しのSHU-MIがまた変なこと歌っています(笑)。

金子:面白いですよね。



MISATO:最高ですね。みんないじりたいけど、避けてきたところをポップにするのが上手だなというSHU-MIが、今回は"論破"をテーマに曲を書いていますので、こちらもおすすめです。そして今回初登場が2組いまして、GialloTHE TREES

金子:Gialloは「ホラー映画に影響を受けたガレージロックデュオ」とプロフィールにあります。

MISATO:なんでFRIENDSHIP.って変わった方ばかり集まるんでしょうかね(笑)?

金子:でも曲を聴くと、「あれ?聴き馴染みのある声な気がする」という感じでして。FRIENDSHIP.にはbedというバンドもいて、bedもボーカルを聴くと、「あれ?聴いたことある気がする」という感じで。

MISATO:ですよね。

金子:もともと別の形で活動していた人たちがコロナ禍を経て、衝動的なフラストレーションを発露するような音楽に向かうというのは、ひとつの傾向としてあるかもしれない。

MISATO:いわゆる"裏アカ"ですね。

金子:そうとも言えるかも(笑)。



MISATO:彼らにとっての裏アカは自分のこだわりみたいなところがだいぶ詰まっているので、それは面白くなりますよね。そして、THE TREES。

金子:こちらは千葉県出身のメンバーを中心に結成したギターポップバンド。2021年に元シャムキャッツで今はSAMOEDOとして活動している菅原慎一くんをプロデューサーに迎えてデビューアルバムを発表していると。その後にお休み期間があったみたいで、今回1年半ぶりの新曲になります。

MISATO:よかったです。

金子:すごくナイーブな感じが伝わってくる、叙情的なギターポップでいいですよね。

MISATO:海って寄せては返すじゃないですか?それって3歩進んで2歩下がるような進み方なのかもしれないなって、この曲を聴いて気が付かされました。

金子:シャムキャッツも彼らも千葉県出身で、シャムキャッツも海をテーマにした曲をよく出していて。やっぱり千葉の人たちにとって"海"というのはひとつの象徴的なモチーフなのかなと感じたりもしました。



以前「Highlighter」にてTHE TREESのインタビューを公開しております!あわせてチェックしてみてください!



MISATO:そして、Part 3の中で選ぶのは?

金子Wez Atlasの新曲をかけようと思います。

MISATO:Wezくんって、私が休んでいる間もずっとカッコ良かったんですね!

金子:そうなんですよねえ。

MISATO:なんでこんなにずっとかっこいいんですかね。

金子:Wezくんは本当にずっと活動を続けていて、自分の曲はもちろん、客演の参加もすごく多くて、2022年だけで7曲に参加したらしいんですよ。

MISATO:えー!すごいな。

金子:そんな経験を経て、3月にミニアルバムのリリースも予定されていて、そこからの先行曲ということです。今回のプロデュースは盟友のVivaOlaくんと、あとorigami PRODUCTIONSの手掛けるASTERI ENTERTAINMENTから作品を出している、さらささんのプロデュースなどを手がけるKota Matsukawaくんの2人が関わっています。なので、トラックも非常にかっこいいし、なおかつ、Wezくんがラッパーとしてカッコいいのはもちろん、メロディーメーカー、シンガーとしてもかなりパワーアップしている印象があって。

MISATO:たしかに!

金子:それはやっぱり、いろんなジャンルの客演をたくさんやってきたひとつの成果が表れているのかなと。

MISATO:いろいろ揉まれて、吸収してきたことが形になったんですね。

金子:そんな感じがしますね。



MISATO:Wezくんからのコメントが届いていて、「It Is What It Is」は日本語で「まあ、しょうがない」と訳すということが書いてあるのと、最後に「今年も頑張りすぎずに、頑張って行こう!」とあって、すごく共感しました。もちろん頑張りたくないわけじゃないし、頑張りたいこともあるけど、でも頑張りすぎないようにしようという。客演を7本やられて、さらに2023年も予定が控えている彼が言える「It Is What It Is」なんだなと。いいですね。

金子:いやホントに、今年は頑張りすぎずに頑張りましょう(笑)。

MISATO:今年の座右の銘みたいな感じですね。

金子:これも復帰したばかりのMISATOさんに贈られた言葉なのかもしれないですね。

MISATO:良い曲を、みなさんありがとうございます。


RADIO INFORMATION

FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」
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FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、MISATOと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。番組後半ではThe fin.のYuto Uchinoが月替りでゲストを迎え、深い音楽談義を繰り広げるコーナーを展開。

放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55
放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)

番組MC
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金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3

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MISATO
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。
TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。
安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10

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Yuto Uchino(The fin. Vocal / Synth / Guitar)
神戸出身、ロックバンドThe fin.のフロントマン、ソングライター。80~90年代のシンセポップ、シューゲイザーサウンドから、リアルタイムなUSインディーポップの影響や、チルウェーヴなどを経由したサウンドスケープは、ネット上で話題を呼び、日本のみならず海外からも問い合わせ殺到している。
The Last Shadow Puppets、MEW、CIRCA WAVESなどのツアーサポート、そしてUS、UK、アジアツアーを成功させるなど、新世代バンドの中心的存在となっている。
オフィシャルサイト / @_thefin / @yuto__the_fin


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