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2023.02.03
〈醜いこの世も美しいと思えたよ/当たり前の事を歌うのさ〉(「Life Is Good」より)
DENIMSがどんなことを歌うバンドなのかと聞かれたら、この一文を差し出せばいい。彼らは"特別なこと"ではなく"当たり前のこと"を歌う。それはたとえば情けない自分自身のこと、醜いけど美しいこの世界のこと、あとはちょっとした期待とか愛情とか反骨心を、釜中健伍は踊るようなリズムに乗せて歌っている。〈経年変化シワが増えた〉という歌い出しも彼らしい。ソウル、ファンク、ロックを織り交ぜた折衷サウンドに乗せるのは、日々の中で感じる生活者としての心緒である。
昨年だけでも4曲のシングルを発表してきたDENIMSであるが、まとまったパッケージとしては2020年の『more local』以来、アルバムとしては前作の『makuake』から3年半の時間が経っている。2021年にはメンバー脱退という寂しいニュースもあったが、昨年には初のライブから数えて10年という節目も迎えている。ともあれ本作『ugly beauty』は、土井徳人(Ba)が加入してから初めてのアルバムである。
ひとまず晴れやかな作品だと言えるだろう。とりわけ70年代ソウルのエッセンスを感じるギターで幕を開ける「Life Is Good」。軽快なタッチの8ビートで突き抜けていくロックンロール「ひかり」。アユニ・D(BiSH/PEDRO)を招いたことでも話題になった朗らかなカントリーロック「ふたり feat. アユニ・D」。こうした前半の数曲が、本作のポジティブなムードを引き立てているのは間違いない。
前作収録の「I'm」がそうであるように、スウィートな曲調のミッドテンポもDENIMSの個性である。エレクトリックピアノが寂しげな気分をもたらす「way back」はその好例。新鮮さを感じるのはジャズからの影響も嗅ぎ取れる「Midnight Drive」で、都会の夜景を臨むような色気のあるファンクネスを聴くことができる。岡本悠亮の詞曲による「Too dry to die」は、ブリティッシュ・サウンドをDENIMS流に料理したような楽曲で、もしかしたら彼のThe Beatles愛が表れたものかもしれない。〈ただ生きるのは罪〉〈まともになってる暇はないぜ〉というリリックには、彼らの生き方や、音楽に傾ける情熱がうっすらと表れているように思う。
さて、本編ラストの表題曲は、彼らのホームであるOSAMI studio でレコーディングされている。親近感を抱く音色はこのバンドの人柄そのもので、終わってみれば陽気だけど湿っぽい、踊れるけどほろっとくる、そんな人間味溢れる両価的な作品になっている。好きな音楽を散々ミックスした先に浮かび上がる、ある種のいなたさ。それが彼らの音楽の魅力なのだろう。
ちなみに『ugly beauty』について彼らは、"現代に生きる俺達の人生賛歌"だと説明している。DENIMSが祝福するのは我々の平凡でさえない毎日、されど愛おしいその日々である。〈至って普通で悪くないね〉(「Life Is Good」より)。その通り。ヒドイことも沢山ある世の中だけれども、存外喜びだって転がっているのだ。
文:黒田隆太朗
DENIMS「ugly beauty」
2023年1月18日(水)
品番:OSAMI-0006
価格:¥2,800(税込)
Track:
1.Life Is Good
2.syotyu-mimai
3.ひかり
4.ふたり feat.アユニ・D
5.AIWO
6.way back
7.Midnight Drive
8.RAGE
9.Too dry to die
10.Story of the Mountain side
11.LAST DANCE
12.ugly beauty
2023年1月21日(土)
福岡 BEAT STATION
2023年1月22日(日)
広島 4.14
2023年2月5日(日)
高松 TOONICE
2023年2月12日(日)
札幌 ベッシーホール
2023年2月23日(木・祝)
名古屋 CLUB QUATTRO
2023年2月25日(土)
金沢 GOLD CREEK
2023年2月26日(日)
新潟 RIVERST
2023年3月12日(日)
大阪 BIGCAT
2023年3月23日(木)
仙台 enn 2nd
2023年3月25日(土)
恵比寿 リキッドルーム
<チケット情報>
各地一般発売中!
受付URL:https://w.pia.jp/t/denims/
@DENIMS_official
@denims_official
DENIMSがどんなことを歌うバンドなのかと聞かれたら、この一文を差し出せばいい。彼らは"特別なこと"ではなく"当たり前のこと"を歌う。それはたとえば情けない自分自身のこと、醜いけど美しいこの世界のこと、あとはちょっとした期待とか愛情とか反骨心を、釜中健伍は踊るようなリズムに乗せて歌っている。〈経年変化シワが増えた〉という歌い出しも彼らしい。ソウル、ファンク、ロックを織り交ぜた折衷サウンドに乗せるのは、日々の中で感じる生活者としての心緒である。
昨年だけでも4曲のシングルを発表してきたDENIMSであるが、まとまったパッケージとしては2020年の『more local』以来、アルバムとしては前作の『makuake』から3年半の時間が経っている。2021年にはメンバー脱退という寂しいニュースもあったが、昨年には初のライブから数えて10年という節目も迎えている。ともあれ本作『ugly beauty』は、土井徳人(Ba)が加入してから初めてのアルバムである。
ひとまず晴れやかな作品だと言えるだろう。とりわけ70年代ソウルのエッセンスを感じるギターで幕を開ける「Life Is Good」。軽快なタッチの8ビートで突き抜けていくロックンロール「ひかり」。アユニ・D(BiSH/PEDRO)を招いたことでも話題になった朗らかなカントリーロック「ふたり feat. アユニ・D」。こうした前半の数曲が、本作のポジティブなムードを引き立てているのは間違いない。
前作収録の「I'm」がそうであるように、スウィートな曲調のミッドテンポもDENIMSの個性である。エレクトリックピアノが寂しげな気分をもたらす「way back」はその好例。新鮮さを感じるのはジャズからの影響も嗅ぎ取れる「Midnight Drive」で、都会の夜景を臨むような色気のあるファンクネスを聴くことができる。岡本悠亮の詞曲による「Too dry to die」は、ブリティッシュ・サウンドをDENIMS流に料理したような楽曲で、もしかしたら彼のThe Beatles愛が表れたものかもしれない。〈ただ生きるのは罪〉〈まともになってる暇はないぜ〉というリリックには、彼らの生き方や、音楽に傾ける情熱がうっすらと表れているように思う。
さて、本編ラストの表題曲は、彼らのホームであるOSAMI studio でレコーディングされている。親近感を抱く音色はこのバンドの人柄そのもので、終わってみれば陽気だけど湿っぽい、踊れるけどほろっとくる、そんな人間味溢れる両価的な作品になっている。好きな音楽を散々ミックスした先に浮かび上がる、ある種のいなたさ。それが彼らの音楽の魅力なのだろう。
ちなみに『ugly beauty』について彼らは、"現代に生きる俺達の人生賛歌"だと説明している。DENIMSが祝福するのは我々の平凡でさえない毎日、されど愛おしいその日々である。〈至って普通で悪くないね〉(「Life Is Good」より)。その通り。ヒドイことも沢山ある世の中だけれども、存外喜びだって転がっているのだ。
文:黒田隆太朗
RELEASE INFORMATION
DENIMS「ugly beauty」
2023年1月18日(水)
品番:OSAMI-0006
価格:¥2,800(税込)
Track:
1.Life Is Good
2.syotyu-mimai
3.ひかり
4.ふたり feat.アユニ・D
5.AIWO
6.way back
7.Midnight Drive
8.RAGE
9.Too dry to die
10.Story of the Mountain side
11.LAST DANCE
12.ugly beauty
LIVE INFORMATION
DENIMS ONE MAN TOUR "Sing a Simple Song"
2023年1月21日(土)
福岡 BEAT STATION
2023年1月22日(日)
広島 4.14
2023年2月5日(日)
高松 TOONICE
2023年2月12日(日)
札幌 ベッシーホール
2023年2月23日(木・祝)
名古屋 CLUB QUATTRO
2023年2月25日(土)
金沢 GOLD CREEK
2023年2月26日(日)
新潟 RIVERST
2023年3月12日(日)
大阪 BIGCAT
2023年3月23日(木)
仙台 enn 2nd
2023年3月25日(土)
恵比寿 リキッドルーム
<チケット情報>
各地一般発売中!
受付URL:https://w.pia.jp/t/denims/
LINK
オフィシャルサイト@DENIMS_official
@denims_official