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2023.01.22
FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!DENIMS・Gateballers・mol-74ほか全26作品 -2023.01.21-
カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。 キュレーターの金子厚武とサトーカンナによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!
カンナ:1月16日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜全26作品の中から、まずはPart 1の9作品をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます!最後にかかりましたLOBSTERははじめましてですね。
金子:2021年に結成された東京を拠点に活動する5ピースのバンドということで、ヒリついたポストパンクっぽいサウンドがかっこいいですね。近年はイギリスを中心にポストパンクの盛り上がりがあって、まだ日本ではそこまでかもしれないけど、アンダーグランドからはジワジワとかっこいいバンドが出てきているので、LOBSTERもこれからが楽しみです。
カンナ:ジャケットも「ザ・パンク」という感じですごくかっこ良かったです。
金子:コメントでも「TikTokでバズらない、月9のドラマ主題歌にも出来ない、狂犬のような目つきで現代社会に噛みついている、そんな曲」とありますね。
カンナ:最高!続いてはオランダのシンガーソングライターMAXINEさんが、miidaさんを客演に迎えたシングルをリリースしました。
金子:FRIENDSHIP.のキュレーターでもあるmiidaと海外アーティストとのコラボレーションです。年明けの放送で「今年は日本の音楽シーンもどんどん外向きになって、海外と繋がっていくと面白い」みたいな話をしたかと思うんですけど、こうやって実際にコラボレーションが起こるとすごく面白いし、曲もめちゃめちゃポップでいいですね。MAXINEはアメリカのプロデューサーのマックス・マーティンが褒めてたりとか、BTSのV(ヴィ)も楽曲をピックアップしていたり、かなり注目を集めている方のようです。なおかつJ-Popの大ファンでもあるということで、良い組み合わせの曲だなと思いました。
カンナ:途中から日本語に切り替わるんですけど、全然違和感がなくて、気づいたらmiidaさんが入ってきていて「相性いいんだな〜」って思いました。
金子:英語とかで歌わないで日本語で歌うのがまたいいですよね。
カンナ:そして、アルバムが出たDENIMS、おめでとうございます!
金子:おめでとうございます。Part 1はそんなDENIMSの曲をかけようかなと思います。3年半ぶりの3作目がついに完成したということで、これまで番組でも曲が出るたびに紹介してきましたが、そういった曲が詰まっています。前のメンバーで最後に出した「LAST DANCE」や、去年出たアユニ・Dさんフィーチャリングの「ふたり」だったりももちろん入っていて、さらに新曲も加わっての全12曲。良い曲ばかりでしたね。DENIMS印の素晴らしいポップソングがたくさん入っているアルバムでした。
カンナ:Special Favorite Musicでもベースを弾いている土井さんが参加されて初めてのアルバムということで、土井さんのグルーヴィーなベースが大好きなので、そこにも注目してほしいなと思います。
金子:今回タイトルが『ugly beauty』で、最後にタイトル曲の「ugly beauty」が入ってるんですけど、ここで歌われている〈相対するものふたつそこにあって 矛盾して混ざり合ってその先へ行こう〉という、ここが明確なメッセージになっていると感じました。今から聴いてもらう「Life Is Good」も人生賛歌的な一曲で、DENIMSの持っている人生観みたいなものもすごく感じられる作品になっていると思います。
カンナ:新譜ダイジェストPart 2でした。リリースおめでとうございます。7曲目と8曲目にかかりました三好文水さんとtorontoは今回がはじめましてですが、FRIENDSHIP.のデモ審査を通過したアーティストなんですよね。
金子:そうなんです。毎月キュレーターとFRIENDSHIP.のスタッフとみんなでデモ音源を聴いて、審査を通過したアーティストの楽曲はFRIENDSHIP.の流通でどんどんリリースをしているので、2023年もこの番組を聴いていただいているミュージシャンの方はぜひデモをお送りいただきたいなと。SNSなりホームページなり見ていただけたらなと思います。
カンナ:ぜひお待ちしております。そして1曲目にかかりましたHelsinki Lambda Clubの15分を超える大冒険作「NEW HEAVEN」。
金子:すごいのが来ましたね。1曲15分(笑)。まあ、らしいといえばらしいというか、Helsinki Lambda Clubのある種のパンクな部分が表れている曲で、サブスクの時代になって曲の尺がどんどん短くなり、若者は長いものは楽しめないみたいなことが言われている中で、15分の曲を出すという。これだけでバンドの姿勢が伝わってきますね。
カンナ:そうですね。
金子:セルフライナーノーツも来てるんですけど「サイケデリックロックを軸にしつつ、アンビエント、ニューエイジ、マッドチェスター、ミニマルテクノ、ハードロック、民族音楽など今まで以上にあらゆるジャンルを融合して、完全にジャンルで括れなくなりました」とあって、まさにそういう曲になっています。15分間じっくり聴いてもいいし、流し聴きしてもいいし、いろんな楽しみ方をしてほしいですね。
カンナ:個人的には真ん中のミニマルパートが好きでした。
金子:良いですよね。
カンナ:それぞれのお気に入りパートを探してみてください。さてPart 2から何をお送りしましょうか?
金子:Gateballersをかけようと思います。
カンナ:おひさしぶりですね。
金子:3年ぶりの作品ということで、この番組で紹介するのは初めてなんですよね。インディーロック好きならご存じの方も多いと思うんですけど、FRIENDSHIP.とも関わりの深いバンドというか、いまカネコアヤノさんのバンドとかゆうらん船でベースを弾いてる本村くんが元Gateballersのメンバーで、ギターボーカルの濱野夏椰くんも前にカネコさんのバンドでギターを弾いていたり、あと踊ってばかりの国の下津くんと一緒にGODというバンドをやっていたりもします。濱野夏椰くんとドラムの久富奈良くんはいま元andymoriの小山田壮平くんのバンドでも活動していたりとか、いろんなところで活動している、非常に愛されているバンドだなと。
カンナ:そうなんですね。
金子:濱野夏椰くんが2020年に交通事故にあってしまって、両腕を骨折してしまい、そこからちょっと活動が空いてしまったんですけど、リハビリや治療を繰り返してようやく復帰をして、ついに新作が届いたという。
カンナ:おかえりなさいですね。
金子:なおかつ去年お子さんが生まれたそうで、今回の作品にはそうやって父親になった夏椰くんのモードも入っているようで、今回聴いてもらう「Dancing」はGateballersの曲の中でもとりわけポップな曲です。彼らはサイケデリックなイメージがあるんですけど、この曲に関してはすごくポップ。それこそ子供でも踊れるようなダンサブルな曲になっていて、新しい側面を感じました。
カンナ:私は夏椰くんと仲がいいというか。SNSとかで「子供が生まれたよ」というのを見て、「よかったな〜。事故にあってちょっと心配だったけど」というところだったので、また新たに曲がたくさん聴けるのを楽しみにしています。
カンナ:新譜ダイジェストPart 3でした。リリースおめでとうございます。Part 3は関西勢が多いですね。最後にかかりましたMlle.(マドモアゼル)は大阪のバンド。はじめましてです。
金子:2019年の結成で、行きつけの喫茶店の名前が"マドモアゼル"だったそうです。ホームページを覗いたら「ネオ・シネマ・ポップ」という言葉を掲げているそうで、実際映画的でポップな世界観を作り出していて。今回の「HENSHIИ」という曲に関しては、「昔ながらの仮面ライダー、セーラームーン、マーベルヒーローなどの変身シーンを想起させるようなサウンドを作りたかった」ということです。ホーンセクションの華やかさがヒーロー感や変身感を出していますよね。
カンナ:くるくる回りながら変身している映像が浮かびました(笑)。続いて、こちらも京都のバンド・東京少年倶楽部がEPをリリースしました。おめでとうございます。
金子:かっこいい作品でしたね。ロックバンドのロマンチシズムを感じたいなら今これを聴け、という感じの。
カンナ:まさにそんな感じでしたね。
金子:シンプルにそういうロックバンドとしてのカッコよさも感じるんですけど、やっぱりこのバンドは音像が面白いんですよね。いまのロックバンドは綺麗な録音で、分離がはっきりしたプロダクションを作ることももちろん可能なのに対して、このバンドはある意味分離の悪い音像なんだけど、それが今聴くとすごく新鮮だったりします。「mesmerism」もサビで背後にずっとサイケな音が鳴っていて、いわゆるシューゲイザーのウォールオブサウンドみたいなものともまたちょっと違う、かなり奇妙な音で。その感じもすごくかっこよかったですね。
カンナ:自分が中高校生のときにこれを聴いていたら、めちゃめちゃ泣いちゃう感じがしました。
金子:そういう熱さとサウンドのいい意味での奇妙さも含めて、銀杏BOYZとかを今に受け継ぐようなカッコいいバンドだなと思います。
カンナ:さてPart 3から聴いていただく曲はどちらにしましょうか?
金子:Part 3はmol-74をかけようと思います。
カンナ:こちらも京都のバンドですね。
金子:そうなんですよね。FRIENDSHIP.からは初リリースなんですけど、このバンドもバンド好きの人からしたらわりとお馴染みのバンドかもしれないです。過去にはアニメの主題歌とかもやっていたりして、活動歴のあるバンドなんですけど、昨年の12月に自主レーベルを設立して、新たな一歩の作品となります。
カンナ:そうなんですね。
金子:もともと北欧のポストロックとかが影響源にあって、冬の空気をまとった感じの音像と、ボーカルの武市くんのファルセットを用いた歌声が特徴のバンドです。今回もその雰囲気を漂わせつつ、"バンド"というよりは打ち込み 色が強くて、プリズマイザーというボコーダー的なボーカルとか、打ち込みのビートが印象的です。「インディーR&B以降」みたいなプロダクションをやるバンド自体はそこまで珍しいわけではないかもしれないけど、それをこれだけポップな形で、自分たちの世界観で表現して、ここまでクオリティが高いのはなかなかないと思います。
カンナ:繊細なのに力強さもあり、本当に「美しい」という言葉が似合うなと感じました。
金子:サビの歌詞の「ばらの花言葉を咲かせて」とか、すごく映像的ですよね。
FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、MISATOと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。現在はお休み中のMISATOに替わり、サトーカンナがMCを務めている。番組後半ではThe fin.のYuto Uchinoが月替りでゲストを迎え、深い音楽談義を繰り広げるコーナーを展開。
放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55
放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)
金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
サトーカンナ
ボーカル、コーラス、作詞、ナレーション、執筆など、声と言葉にかかわる幅広い活動を続ける。
バンド(Kurhaus、グッド・ライフ・フェロウズ)ではシンセサイザーやパッドの演奏も担当。
ウェブサイト / @milkcupcakes / @kannasat
Yuto Uchino(The fin. Vocal / Synth / Guitar)
神戸出身、ロックバンドThe fin.のフロントマン、ソングライター。80~90年代のシンセポップ、シューゲイザーサウンドから、リアルタイムなUSインディーポップの影響や、チルウェーヴなどを経由したサウンドスケープは、ネット上で話題を呼び、日本のみならず海外からも問い合わせ殺到している。
The Last Shadow Puppets、MEW、CIRCA WAVESなどのツアーサポート、そしてUS、UK、アジアツアーを成功させるなど、新世代バンドの中心的存在となっている。
オフィシャルサイト / @_thefin / @yuto__the_fin
FRIENDSHIP.
New Release Digest Part 1
カンナ:1月16日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜全26作品の中から、まずはPart 1の9作品をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます!最後にかかりましたLOBSTERははじめましてですね。
金子:2021年に結成された東京を拠点に活動する5ピースのバンドということで、ヒリついたポストパンクっぽいサウンドがかっこいいですね。近年はイギリスを中心にポストパンクの盛り上がりがあって、まだ日本ではそこまでかもしれないけど、アンダーグランドからはジワジワとかっこいいバンドが出てきているので、LOBSTERもこれからが楽しみです。
カンナ:ジャケットも「ザ・パンク」という感じですごくかっこ良かったです。
金子:コメントでも「TikTokでバズらない、月9のドラマ主題歌にも出来ない、狂犬のような目つきで現代社会に噛みついている、そんな曲」とありますね。
カンナ:最高!続いてはオランダのシンガーソングライターMAXINEさんが、miidaさんを客演に迎えたシングルをリリースしました。
金子:FRIENDSHIP.のキュレーターでもあるmiidaと海外アーティストとのコラボレーションです。年明けの放送で「今年は日本の音楽シーンもどんどん外向きになって、海外と繋がっていくと面白い」みたいな話をしたかと思うんですけど、こうやって実際にコラボレーションが起こるとすごく面白いし、曲もめちゃめちゃポップでいいですね。MAXINEはアメリカのプロデューサーのマックス・マーティンが褒めてたりとか、BTSのV(ヴィ)も楽曲をピックアップしていたり、かなり注目を集めている方のようです。なおかつJ-Popの大ファンでもあるということで、良い組み合わせの曲だなと思いました。
カンナ:途中から日本語に切り替わるんですけど、全然違和感がなくて、気づいたらmiidaさんが入ってきていて「相性いいんだな〜」って思いました。
金子:英語とかで歌わないで日本語で歌うのがまたいいですよね。
カンナ:そして、アルバムが出たDENIMS、おめでとうございます!
金子:おめでとうございます。Part 1はそんなDENIMSの曲をかけようかなと思います。3年半ぶりの3作目がついに完成したということで、これまで番組でも曲が出るたびに紹介してきましたが、そういった曲が詰まっています。前のメンバーで最後に出した「LAST DANCE」や、去年出たアユニ・Dさんフィーチャリングの「ふたり」だったりももちろん入っていて、さらに新曲も加わっての全12曲。良い曲ばかりでしたね。DENIMS印の素晴らしいポップソングがたくさん入っているアルバムでした。
カンナ:Special Favorite Musicでもベースを弾いている土井さんが参加されて初めてのアルバムということで、土井さんのグルーヴィーなベースが大好きなので、そこにも注目してほしいなと思います。
金子:今回タイトルが『ugly beauty』で、最後にタイトル曲の「ugly beauty」が入ってるんですけど、ここで歌われている〈相対するものふたつそこにあって 矛盾して混ざり合ってその先へ行こう〉という、ここが明確なメッセージになっていると感じました。今から聴いてもらう「Life Is Good」も人生賛歌的な一曲で、DENIMSの持っている人生観みたいなものもすごく感じられる作品になっていると思います。
DENIMSの最新のライブレポートがあがっております!あわせてチェックしてみてください!
New Release Digest Part 2
カンナ:新譜ダイジェストPart 2でした。リリースおめでとうございます。7曲目と8曲目にかかりました三好文水さんとtorontoは今回がはじめましてですが、FRIENDSHIP.のデモ審査を通過したアーティストなんですよね。
金子:そうなんです。毎月キュレーターとFRIENDSHIP.のスタッフとみんなでデモ音源を聴いて、審査を通過したアーティストの楽曲はFRIENDSHIP.の流通でどんどんリリースをしているので、2023年もこの番組を聴いていただいているミュージシャンの方はぜひデモをお送りいただきたいなと。SNSなりホームページなり見ていただけたらなと思います。
カンナ:ぜひお待ちしております。そして1曲目にかかりましたHelsinki Lambda Clubの15分を超える大冒険作「NEW HEAVEN」。
金子:すごいのが来ましたね。1曲15分(笑)。まあ、らしいといえばらしいというか、Helsinki Lambda Clubのある種のパンクな部分が表れている曲で、サブスクの時代になって曲の尺がどんどん短くなり、若者は長いものは楽しめないみたいなことが言われている中で、15分の曲を出すという。これだけでバンドの姿勢が伝わってきますね。
カンナ:そうですね。
金子:セルフライナーノーツも来てるんですけど「サイケデリックロックを軸にしつつ、アンビエント、ニューエイジ、マッドチェスター、ミニマルテクノ、ハードロック、民族音楽など今まで以上にあらゆるジャンルを融合して、完全にジャンルで括れなくなりました」とあって、まさにそういう曲になっています。15分間じっくり聴いてもいいし、流し聴きしてもいいし、いろんな楽しみ方をしてほしいですね。
カンナ:個人的には真ん中のミニマルパートが好きでした。
金子:良いですよね。
カンナ:それぞれのお気に入りパートを探してみてください。さてPart 2から何をお送りしましょうか?
金子:Gateballersをかけようと思います。
カンナ:おひさしぶりですね。
金子:3年ぶりの作品ということで、この番組で紹介するのは初めてなんですよね。インディーロック好きならご存じの方も多いと思うんですけど、FRIENDSHIP.とも関わりの深いバンドというか、いまカネコアヤノさんのバンドとかゆうらん船でベースを弾いてる本村くんが元Gateballersのメンバーで、ギターボーカルの濱野夏椰くんも前にカネコさんのバンドでギターを弾いていたり、あと踊ってばかりの国の下津くんと一緒にGODというバンドをやっていたりもします。濱野夏椰くんとドラムの久富奈良くんはいま元andymoriの小山田壮平くんのバンドでも活動していたりとか、いろんなところで活動している、非常に愛されているバンドだなと。
カンナ:そうなんですね。
金子:濱野夏椰くんが2020年に交通事故にあってしまって、両腕を骨折してしまい、そこからちょっと活動が空いてしまったんですけど、リハビリや治療を繰り返してようやく復帰をして、ついに新作が届いたという。
カンナ:おかえりなさいですね。
金子:なおかつ去年お子さんが生まれたそうで、今回の作品にはそうやって父親になった夏椰くんのモードも入っているようで、今回聴いてもらう「Dancing」はGateballersの曲の中でもとりわけポップな曲です。彼らはサイケデリックなイメージがあるんですけど、この曲に関してはすごくポップ。それこそ子供でも踊れるようなダンサブルな曲になっていて、新しい側面を感じました。
カンナ:私は夏椰くんと仲がいいというか。SNSとかで「子供が生まれたよ」というのを見て、「よかったな〜。事故にあってちょっと心配だったけど」というところだったので、また新たに曲がたくさん聴けるのを楽しみにしています。
New Release Digest Part 3
カンナ:新譜ダイジェストPart 3でした。リリースおめでとうございます。Part 3は関西勢が多いですね。最後にかかりましたMlle.(マドモアゼル)は大阪のバンド。はじめましてです。
金子:2019年の結成で、行きつけの喫茶店の名前が"マドモアゼル"だったそうです。ホームページを覗いたら「ネオ・シネマ・ポップ」という言葉を掲げているそうで、実際映画的でポップな世界観を作り出していて。今回の「HENSHIИ」という曲に関しては、「昔ながらの仮面ライダー、セーラームーン、マーベルヒーローなどの変身シーンを想起させるようなサウンドを作りたかった」ということです。ホーンセクションの華やかさがヒーロー感や変身感を出していますよね。
カンナ:くるくる回りながら変身している映像が浮かびました(笑)。続いて、こちらも京都のバンド・東京少年倶楽部がEPをリリースしました。おめでとうございます。
金子:かっこいい作品でしたね。ロックバンドのロマンチシズムを感じたいなら今これを聴け、という感じの。
カンナ:まさにそんな感じでしたね。
金子:シンプルにそういうロックバンドとしてのカッコよさも感じるんですけど、やっぱりこのバンドは音像が面白いんですよね。いまのロックバンドは綺麗な録音で、分離がはっきりしたプロダクションを作ることももちろん可能なのに対して、このバンドはある意味分離の悪い音像なんだけど、それが今聴くとすごく新鮮だったりします。「mesmerism」もサビで背後にずっとサイケな音が鳴っていて、いわゆるシューゲイザーのウォールオブサウンドみたいなものともまたちょっと違う、かなり奇妙な音で。その感じもすごくかっこよかったですね。
カンナ:自分が中高校生のときにこれを聴いていたら、めちゃめちゃ泣いちゃう感じがしました。
金子:そういう熱さとサウンドのいい意味での奇妙さも含めて、銀杏BOYZとかを今に受け継ぐようなカッコいいバンドだなと思います。
カンナ:さてPart 3から聴いていただく曲はどちらにしましょうか?
金子:Part 3はmol-74をかけようと思います。
カンナ:こちらも京都のバンドですね。
金子:そうなんですよね。FRIENDSHIP.からは初リリースなんですけど、このバンドもバンド好きの人からしたらわりとお馴染みのバンドかもしれないです。過去にはアニメの主題歌とかもやっていたりして、活動歴のあるバンドなんですけど、昨年の12月に自主レーベルを設立して、新たな一歩の作品となります。
カンナ:そうなんですね。
金子:もともと北欧のポストロックとかが影響源にあって、冬の空気をまとった感じの音像と、ボーカルの武市くんのファルセットを用いた歌声が特徴のバンドです。今回もその雰囲気を漂わせつつ、"バンド"というよりは打ち込み 色が強くて、プリズマイザーというボコーダー的なボーカルとか、打ち込みのビートが印象的です。「インディーR&B以降」みたいなプロダクションをやるバンド自体はそこまで珍しいわけではないかもしれないけど、それをこれだけポップな形で、自分たちの世界観で表現して、ここまでクオリティが高いのはなかなかないと思います。
カンナ:繊細なのに力強さもあり、本当に「美しい」という言葉が似合うなと感じました。
金子:サビの歌詞の「ばらの花言葉を咲かせて」とか、すごく映像的ですよね。
RADIO INFORMATION
FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」
FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、MISATOと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。現在はお休み中のMISATOに替わり、サトーカンナがMCを務めている。番組後半ではThe fin.のYuto Uchinoが月替りでゲストを迎え、深い音楽談義を繰り広げるコーナーを展開。
放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55
放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)
番組MC
金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
サトーカンナ
ボーカル、コーラス、作詞、ナレーション、執筆など、声と言葉にかかわる幅広い活動を続ける。
バンド(Kurhaus、グッド・ライフ・フェロウズ)ではシンセサイザーやパッドの演奏も担当。
ウェブサイト / @milkcupcakes / @kannasat
Yuto Uchino(The fin. Vocal / Synth / Guitar)
神戸出身、ロックバンドThe fin.のフロントマン、ソングライター。80~90年代のシンセポップ、シューゲイザーサウンドから、リアルタイムなUSインディーポップの影響や、チルウェーヴなどを経由したサウンドスケープは、ネット上で話題を呼び、日本のみならず海外からも問い合わせ殺到している。
The Last Shadow Puppets、MEW、CIRCA WAVESなどのツアーサポート、そしてUS、UK、アジアツアーを成功させるなど、新世代バンドの中心的存在となっている。
オフィシャルサイト / @_thefin / @yuto__the_fin
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FM福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」FRIENDSHIP.