SENSA

2022.10.17

YONA YONA WEEKENDERS磯野くんの〈ラーメンから歌が聴こえる〉season2

YONA YONA WEEKENDERS磯野くんの〈ラーメンから歌が聴こえる〉season2

〈ツマミになるグッドミュージック〉を奏でるバンド、YONA YONA WEEKENDERSのVo.磯野くん。自他共に認める大好物の"ラーメン"を音楽に例える連載企画「ラーメンから歌が聴こえる」が4月にMikikiで1度最終回を迎え、新たにSENSAで2ndシーズンがスタート!引き続き、各地のラーメンから聴こえてくる歌と共に紹介していく!

僕がかつてパンクバンドでシャウトしていた頃、ホームだった池袋MANHOLEと、南柏DRUNKERS STADIUMというハコの交換イベントがあり、各ライブハウスから選出されたバンド達でライブを行った。その時に出会ったのが、柏発のスリーピースバンド"odd"だ。

彼らはカーディガンズの"Lovefool"で颯爽とステージに登場すると、メロディック・パンクを軸に、ボサノヴァやソウル、サンバなどを織り交ぜた独自のアレンジで、Vo.ryo(以下りょーくん)のソウルフルな歌声を聴かせる。当時界隈にメロコアバンドは沢山いたが、oddのサウンドは唯一無二で、僕は一発で心を撃ち抜かれた。

その魅力はサウンドだけに留まらず。ボーカルのりょーくんは、お洒落でカッコいいライブが台無しになるくらいMCがくだらなくて面白い(褒めてます)。優しくて後輩思いなナイスガイで、すぐに仲良くなり、ツアーに同行させて貰ったりもした(高崎でのライブ後、高崎城で花見しながら打ち上げだ!と意気揚々と向かうも、一輪の花も咲いておらず"木見"になってしまったのは良い思い出)。

oddは現在活動休止中だが、りょーくんは同時並行していた飲食業界での修行を経て、2019年6月に葛飾区青砥にて自身の店をオープンした。昼はラーメン屋、夜はもつ焼き屋という珍しい業態だ。
本連載はラーメンのコラム。本来なら昼に伺うべきだが、もつ焼きも酒も楽しみたい・・・。と思ったら、夜もシメのラーメンを出しているということで、今回は居酒屋メニューを楽しんでからラーメンを食べるというスタイルで取材を敢行することに。

od945e0ecb015d1788b00b63a58010399_4800432307292517335_220930_94.jpg
向かったのは、青砥駅から徒歩1分ほどの場所に店を構える"もつ焼きセキヤ"。前述の通り、昼間は二郎インスパイア系のラーメン店"豚麺ポルコ"として営業している。18時半頃に到着すると、店内は既に多くのお客さんで賑わっていた。

od945e0ecb015d1788b00b63a58010399_4800432307292517335_220930_90.jpg
"もつ焼きセキヤ"は、その名の通り備長炭焼きのもつ焼きを中心に、新鮮なもつ刺しや自家製のおでんなどを提供している。
その他にも、ズッキーニの上にほぐしたもつとサルサソースが載った"モツコンサルサ"や、パクチーサラダ"ラオフーツァイ"など、りょーくんのセンスが爆発した日替わりメニューも豊富だ。

od945e0ecb015d1788b00b63a58010399_4800432307292517335_220930_87.jpgod945e0ecb015d1788b00b63a58010399_4800432307292517335_220930_75.jpgod945e0ecb015d1788b00b63a58010399_4800432307292517335_220930_88.jpg
そんなツマミと供に頂く"セキヤハイボール"は、立石三大もつ焼き屋の一角"江戸っ子"で30年間店長をしていた師匠(現在は青砥「より道」オーナー兼店主)から原液の製造法を受け継いだもの。
江戸っ子の頃とはまた違うレシピだそうなので、師匠の味が飲めるのは"より道"とセキヤのみとのことだ。

5B234203-9885-435C-95B1-00A1ED1F5290.jpg
酒もツマミもりょーくんのこだわりが詰まった逸品ばかりで、取材を忘れついつい酒が進んでしまう。同行したスタッフは酒が進み過ぎて、僕がグラスを一杯空ける間に三杯も飲んでいた。
居酒屋メニューを楽しんだ後は、いよいよシメのラーメン。スタッフは夜のグランドメニューにラインナップされているセキヤラーメン(850円)を、僕は昼営業の"豚麺ポルコ"で提供しているブタメン並(750円)を特別に作ってもらうことに。

ラーメンを待っている間も、仕事帰りのサラリーマンや、綺麗なお姉さんグループ、一人飲みの若いお兄ちゃんなど、本当に様々な人が来店し、酒と料理はもちろん、りょーくんとの会話を楽しんだり、お客さん同士で盛り上がっていたのが印象的だった。

54336BC7-D21B-4D22-A4F3-3D7A6DFA2E97.jpg
そうこうしているうちにお待ちかね、ブタメンの到着だ。二郎インスパイアを掲げる通り、厚切りの豚が二枚、こんもりと盛られたヤサイ、背脂にニンニクという安心安定のビジュアル。
すっかり酔っ払ってしまったので、ちゃんと歌が聴こえて来る様に五感を研ぎ澄ませながら、先ずはスープを一口。

od945e0ecb015d1788b00b63a58010399_4800432307292517335_220930_36.jpg
豚の旨味が凝縮された濃度のある乳化スープが、アルコールの回った体にじんわりと染み渡る。良い出汁が取れるという豚の"頭骨"まで使ったこだわりスープは、しっかり二郎系のパンチもありつつ、優しくまろやかな甘みもあり、なんとも人懐っこい味わいだ。ニンニクを溶かせば、あっという間に"背徳"のスープに様変わりする。

od945e0ecb015d1788b00b63a58010399_4800432307292517335_220930_21.jpg
必殺"天地返し"をお見舞いしヤサイをクタらせつつ、次は麺を頂く。こちらは加水率や麺の厚み・太さ等あらゆる試作を繰り返し辿り着いた、完全オーダーメイド、オーション100%の特製麺。ワシワシと食べ応えがあり、濃厚なスープとの相性は抜群だ。

od945e0ecb015d1788b00b63a58010399_4800432307292517335_220930_19.jpg
厚切りの豚ウデチャーシューは、ジューシーでムチムチとした食感がたまらない"神豚"。コロナによる外出制限でラーメン屋に行けなかった頃、ポルコのブタメンを通販で購入したのだが、この豚を食べた時あまりの美味さと有り難さに感動して涙したことを思い出した。

ツマミで満たされていたはずの胃袋だったが、やはり飲酒後のラーメンは別腹らしい。勢いよく食べ進め、あっという間に完食した。
"セキヤラーメン"はブタメンと同じ濃厚スープだが、ストレートの細麺に青ネギ、うずら、メンマがトッピングされたもの(ランチタイムでは"中華そば"として800円で提供)。僕の様に特別な訓練を受けていない諸君はこちらでシメることを推奨する。

下町の温もりを感じながら頂く、りょーくんのセンス光るブタメンから聴こえるのは、90年代のメロコア・スカコアブームの雄、SNAIL RAMPの3rdアルバム、"FRESH BRASH OLD MAN"だ。



ゴキゲンなスカ・ナンバー、B・M・Wからスタートするこの作品は、1stアルバムからホーンが加わり、ニンニクを溶かしたスープの様にパンチが増したA PIZZA ALREADY、AKIO氏のロックなセンスが光るUNLUCKY CHOICE、PIECE OF LUGGAGEなど全10曲を収録。

東京下町出身、TAKEMURA氏のどこか情けなくて(褒めてます)味のあるボーカル、ISHIMARU氏の疾走感溢れるビート。英詞でキレのあるクールなサウンドだが、当時のメロコア・スカコアブームの中で個人的にはダントツの人懐っこさを感じる。カッコ良さと温かさを兼ね備えたSNAIL RAMPの名を全国に轟かせた名盤だ。

od945e0ecb015d1788b00b63a58010399_4800432307292517335_220930.jpg
ラーメンを食べた後は、店の前で記念写真をパシャリ。お互い木見をした時より少し肥えたけど、りょーくんは相変わらず面白くて優しくてナイスガイだった。
フィールドは違えど、自分の"好き"を貫いている先輩の姿はカッコ良いし、刺激になる。

今度はメンバー皆んなで忘年会やりに行きます!

PROFILE

yyw_A_1400.jpg
YONA YONA WEEKENDERS
"ツマミになるグッドミュージック" を奏でるメロコア・パンク出身の4人組バンド。
Vo. 磯野くんの表現力豊かな歌声と骨のあるバンドサウンド、長きにわたってアンダーグラウンドなシーンの最前線で活躍した彼らが作りだすステージは必見。
メジャーデビュー1周年となる2022年4月7日に1st Album「YONA YONA
WEEKENDERS」LP盤、配信シングルとしてbonobosのフロントマン・蔡忠浩とfeatした「夜行性 feat.蔡忠浩(bonobos)」をリリース。同月にbonobosを迎えたツーマンイベントを大盛況で終え、5月には配信シングル「1989's」をリリース。そして、6月には初となる恵比寿・LIQUIDROOMでのワンマンライブを開催した。


RELEASE INFORMATION

yyw_jk_1200.jpg
YONA YONA WEEKENDERS「嗜好性」

Track:
1.考え中 
2.1989's
3.Ice Cream Lover
4.夜行性 feat. 蔡忠浩(bonobos)
5.月曜のダンス



LIVE INFORMATION

嗜好性 EP Release Oneman Tour
yyw_chirashi.jpg
2022年11月12日(土)大阪府 Shangri-La 
2022年11月13日(日)愛知県 池下CLUB UPSET
2022年11月19日(土)福岡県 graf 
2022年11月26日(土)岡山県 CRAZYMAMA 2nd Room
2022年12月11日(日)東京都 LIQUIDROOM


LINK
オフィシャルサイト
@yyw_from_tyo

気になるタグをCHECK!