SENSA

2022.09.28

ODD Foot Works「Master Work」──深化した「ポップ」と「ドープ」のバランス

ODD Foot Works「Master Work」──深化した「ポップ」と「ドープ」のバランス

 笑顔は愛嬌満点だが眼光はギラついている。派手な振る舞いはしないのにやけに気になる。デビュー当初から掲げてきた「ポップ」と「ドープ」のバランスは、この3作めでさらに深化した感がある。

 例えば、パスピエの成田ハネダとKing Gnuの勢喜遊を迎えた話題作「卒業証書」。メンバー自らときどき言及していたSMAPの、例えば「ダイナマイト」が彷彿とする華やかさとハッピーさを発散しながらも、油断ならない鋭さをチラ見せしてくるのが心憎い。

 ニュージャックスウィングをアップデートしたようなビートとよく動くベースが実に心地よい「I Love Ya Me!!!」も同様だ。古今東西の音楽を愛し、とにかくまめに聴いていることがよくわかるのは、僕がODD Foot Worksに好感を抱く理由のひとつである。

 その振幅は曲単位でも、ひとつの曲の中にもある。「ODD Knows」や「SEE U DAWN」はディープで邪悪なヒップホップ、「ジュブナイルジャーニー」や「Summer」はチルなミディアム、「GOLD」や「燃えろよ桜」はハイブリッドなファンク、といったように大づかみに分類できないこともないが、どの曲にも多種多様な要素が詰め込まれ、ひと筋縄ではいかない。タイトルそのままに音楽そのものへの讃歌のような「音楽」に至っては団体戦のロックナンバーだ。

 ODD Foot Worksを聴くと僕は以前からスライやPファンクやザップなどのファンクを思い出すのだが、諸要素の折衷ぶり、自由闊達なエネルギー、ひたむきで楽しそうな雰囲気が僕の場合はファンクのイメージに合致しているだけで、ヒップホップと言う人もいればJ-POPと言う人もいるだろう。包容力のある音楽なのだ。

 メンバーは3人だが、Taishi Sato(「ジュブナイルジャーニー」「I Love Ya Me!!!」)、Yohji Igarashi(「SEE U DAWN」)、三宅正一(「音楽」)、それに勢喜遊など周囲の人たちも巻き込んだクリエイションにはバンドというよりコレクティブっぽい雰囲気がある。それも彼らの魅力のひとつだ。

文:高岡洋詞




RELEASE INFORMATION

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ODD Foot Works「Master Work」
2022年9月28日(水)
Format:Digital
Label:Tokyo Invader

Track:
1.ODD Knows
2.卒業証書
3.ジュブナイルジャーニー
4.Heavenly Bluetooth
5.SEE U DAWN
6.I Love Ya Me!!!
7.GOLD
8.燃えろよ桜
9.Summer
10.音楽 

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LIVE INFORMATION

ODD Foot Works " Master Work TOUR 2022"

ODD_flyer_1000_20220914.jpg
2022年10月6日(木)
愛知:名古屋CLUB QUATTRO
OPEN 18:15 / START 19:00

2022年10月7日(金)
大阪:ユニバース
OPEN 18:15 / START 19:00

2022年10月14日(金)
福岡:BEAT STATION
OPEN 18:15 / START 19:00

2022年10月20日(木)
東京:Spotify O-EAST
OPEN 18:15 / START 19:00

チケット一般発売中!


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オフィシャルサイト
@oddfootworks
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