SENSA

2022.09.25

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介! 踊ってばかりの国・Niiiya・Mark Diamondほか全17作品 -2022.09.24-

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介! 踊ってばかりの国・Niiiya・Mark Diamondほか全17作品 -2022.09.24-

カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。
キュレーターの金子厚武とサトーカンナによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!

New Release Digest Part 1


カンナ:9月19日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜全17作品の中から、まずはPart 1の6作品をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます!最後に流れた曲は、はじめましての微熱くん

金子:名前がいいですね。微熱くんはキュレーターの会議の中から選ばれてリリースに至ったアーティストなんですけど、東京出身のシンガー・ソングライターであり、トラックメーカーでもあり、プロデューサーでもある方です。まだ若い方ですが、プロフィールによると幼少期にサカナクションに影響を受けて音楽を作り始め、学生時代にはロバート・グラスパーやエリカ・バドゥなどR&Bやネオソウルにも傾倒したとのこと。音楽学校を卒業して、作詞・作曲・編曲・ミックス・マスタリングなどを全部独学で行い、今年から微熱くん名義で活動を開始したそうです。

カンナ:満を持してという感じですね。"幼少期にサカナクションに影響を受けた"という話が、新世代すぎます(笑)。

金子:たしかに(笑)。

カンナ:びっくりしちゃいました(笑)。

金子:でも結果的に出来上がっているのが、サカナクションっぽいエレクトロニックな感じのバンドサウンドかというとそうでもないし、ロバート・グラスパーやエリカ・バドゥみたいなネオソウルかというとそうでもなくて、どっちとも違うんだけど、でもどちらの要素も確かにあり、新しいものになってる感じがすごくいいなと。誰かと比較するなら、Vaundyとかに通じるポップさを持っているのをすごく感じて、人気出そうだなと思いました。

カンナ:そうですね。夜道を歩きながらゆったり聴けるようなナンバーで良かったです。

金子:タイトルも「クチサキオンナ」で、"口裂け女"をもじって、"口先だけの女の子"みたいなところに持ってきていると思うから、そういうセンスも面白いですし、これからが楽しみですね。



カンナ:ユーモアを感じますね。続いても初登場、"MURAバんく。"です。

金子:こちらも面白かったですね。プロフィールによると、"きわめて最高なセカイ系エンターテイメント音楽集団"で、2018年に愛知で結成、2020年より東京を拠点に活動している5人組のインストバンドとのことです。資料にも書いてあるんですけど、SAKEROCKを連想させるところがありますよね。今回の曲のテーマとして"オンラインエキゾ"という言葉を掲げているみたいで、SAKEROCKもエキゾというのは1つのテーマだったから、やはりリンクする部分がありつつ、でもそこに"オンライン"がくっついていて、音作りはゲームの音とかを意識して作っているらしく、そのあたりの感覚は非常にユニークですよね。



カンナ:私は彼らの生演奏を見たことがあるんですよ。

金子:対バンしたことあるんですか?

カンナ:そうなんです!初めて見たときからステージの作り方も面白いし、グッズやプロダクトも色々あって、すごいユニークなんですよね。自分たちで新聞を発行したりとかもするようなグループなので、これから何を出してきてくれるのかすごく楽しみです。 それではPart 1から1曲、どの曲にしましょうか?

金子踊ってばかりの国を紹介しようかなと思います。7曲収録のEP『Paradise review』がリリースされました。踊ってばかりの国もこの番組ではずっと紹介をしてるんですけど、今回は全曲オープンリールのテープでアナログレコーディングをしているそうです。

カンナ:そうなんですね。

踊ってばかりの国のEP「Paradise review」のレビューもぜひチェックしてください!



金子:曲ができた順番通りに録っていった7曲になっているらしくて、本当に今のバンドの状態がそのまま、加工無しで録音されている作品だと言えると思います。彼らは2017年に現在の体制になって、新しいギタリストが2人加入して、2018年から毎年アルバムをリリースしていて。

カンナ:それはすごいですね...。

金子:そうやってずっと制作を続けてきた中で、今の5人編成の演奏がカチッと固まって、だからデジタルで加工する必要なく、そのままアナログで録って、もうそれでいいじゃんという、バンドとしてそれぐらいの完成度にまで行ったんだなというのが感じられる作品になっているなと思いました。

カンナ:この曲自体も今の感じをちゃんと込めてきている曲なんじゃないかなと感じました。

金子:歌詞を読むと、かなり時世が反映されていて、 ストレートな言い回しも下津くんらしいなと思うし、今の時代に対するある種の批判も含まれた、考えさせられる言葉が他の曲も含めて並んでいるので、じっくり聴いてみてほしいです。




New Release Digest Part 2


カンナ:新譜ダイジェストPart 2でした。リリースおめでとうございます!はじめましてのこつぶさんはいかがでしたか?

金子:Part 2は良い女性ボーカルがたくさんいましたよね。

カンナ:そうですね!

金子:こつぶさんはもともとGentle Forest Jazz Bandの中でも活動していて、3人組のコーラスグループ=Gentle Forest Sistersとしても活動していたという経歴があります。Gentle Forest Jazz Bandは、Yasei Collectiveの松下マサナオくんとか、パジャ海の別所さんとかも参加しているバンドですね。さらにソロでも、"こつぶと楽しいお豆たち"という名前で活動していたり。

カンナ:かわいいですね(笑)。

金子:そして、今年からソロアーティスト"こつぶ"として活動を始めての、今回の曲ということですね。もうこのキャリアが証明していますけど、めちゃめちゃいい歌い手ですね。

カンナ:めちゃくちゃ良いです。軽快な感じなのに、ちょっと寂しい歌詞がすごく好きでした。



金子:演奏しているバックの人たちも素晴らしいミュージシャンが揃っていて、カントリーやブルーグラスっぽい感じがあり、非常に良かったですね。

カンナ:そしておひさしぶりとなります、みらんさんの「夏の僕にも」!

金子:みらんさんは曽我部恵一さんがプロデュースした「低い飛行機」という映画の主題歌にもなった曲が話題になったんですけど、FRIENDSHIP.からはひさびさのリリースとなります。今回はプロデューサーにSpecial Favorite Musicの久米さんが参加されているということなんですけど、カンナさんのKurhausも久米さんと一緒に録っているんですよね?

カンナ:そうなんですよ。レコーディングを一緒にやらせてもらっています。

金子:久米さんってどんな方なんですか?

カンナ:とにかく音楽がすごく好きという感じです。ポップスを作っていても、全く違うバックグラウンドから音を持ってきたりとか、曲に新しく息を吹き込んでくれるような方です。

金子:なるほど。みらんさんの今回の曲は夏がテーマになっていて、非常に清々しい曲でしたけど、そこに久米さん節もきっと吹き込まれているんでしょうね。



カンナ:アイデアたっぷりな曲だなと感じました。ではPart 2からは何をかけましょうか?

金子:こちらも女性ボーカルで、Niiiyaを紹介しようかなと思います。

カンナ:私も気になる3人組です!福岡発ということで!

金子:福岡発の3ピースです。女の子3人組のバンドというとSHISHAMOとかHump Backとかたくさんいますけど、彼女たちも注目かなと。

カンナ:新世代の注目株ですね。

金子:プロフィールを読むと、3人は音響系の専門学校で出会ったそうで、もともとレコーディング科に入学したもののバンドに熱中して、3人揃ってギター科に転科してそこで曲作りを始めたという。このエピソードは良いですね。ドラマとか映画の始まりになりそうな感じがしますよね(笑)。

カンナ:既にドラマがありますね。

金子:さらに言うと、ボーカルの宮城杏菜さんはTikTokで活動もしていて、既に4万人を超えるフォロワーを持つということで、このあたりもまさに次世代ですね。ちょっと覗いてみましたけど、いろんな人のカバーをカラオケ動画であげていて、やっぱりいい声ですよね。

カンナ:いい声ですね...。

金子: あと彼女たちは3ピースと言いつつ、ギター・ベース・ドラムではなくて、ドラムがいないんですよね。ボーカルとベースとギターの3人で、ドラムは音源だと打ち込みだったりして。YouTubeに初ライブの動画も上がっていたんですけど、プロデュースで関わっているシャープ兄弟の永田さんがドラムを叩いてました(笑)。

カンナ:そうなんですね(笑)。

金子:だからバンドとしては本当にこれからで、まだまだ始まりの段階なんですけど、果たしてここからどうなっていくのかがすごく楽しみです。

カンナ:FRIENDSHIP.としても注目していきたいですね。

金子:追っかけて行きたい人たちですね。



カンナ:やっぱりいい声をしていますね。

金子:今のトレンドはTikTokから生まれているから、そこで活動していた人がバンドをやり始めて、オリジナルをやり始めて、そこからどうなるかというのは気になりますね。

カンナ:Niiiyaのボーカルの宮城さんのTikTokも、みなさん覗いてみてください。


New Release Digest Part 3


カンナ:新譜ダイジェストPart 3でした。リリースおめでとうございます!最後に流れたKill The Gossipの「River」。 今作も轟音でしたね。

金子:彼らもコンスタントにリリースを続けていますけど、今回の楽曲紹介を読むと、「骨の髄までB'zを愛していると豪語するベーシストの麓が、B'zの某曲からインスパイアされ作成されたという一曲」とのことで。僕も音楽の原体験がB'zでして、B'zにはちょっとうるさいんですけど(笑)。

カンナ:あはは。

金子:だからどの曲にインスパイアされたのかなと思って、まず曲名が「River」なので、B'zに「Raging River」という曲があるから、ストレートに考えたらそれなんですよ。でも間奏にヘヴィなリフのパートがあって、そこは「ながい愛」という曲にちょっと似てたんですよね。

カンナ:なるほど。

金子:もしかしたら「ながい愛」かもしれないと思いつつ......ただ「Raging River」が入っている『ELEVEN』というアルバムも、「ながい愛」が入っている『Brotherhood』というアルバムも、B'zのキャリアの中で特に激しめのロック色が強い2作なんですよね。B'zのキャリアの中でもKill The Gossipのハードコアなサウンドと特に近い2作なので、どちらにせよこの時期の作品からインスパイアされているとしたら、すごく納得だなと思いました(笑)。

カンナ:そうなんですね(笑)。

金子:これで全然違ったら恥ずかしいですけど(笑)。

カンナ:でもそういう想像ができるのも楽しみの一つですよ。ライブで大合唱みたいなイメージの曲だなと思いました。

金子:もしよろしければ、麓さんに答えを教えていただきたいです。



カンナ:ぜひお願いします!続いては初登場のFLUID

金子:こちらは初登場と言いつつ、もうキャリアはかなり長いです。結成は2000年で20年以上のキャリアがある京都のオルタナシーンの重鎮みたいなバンドです。今回は10年ぶりのアルバムになります。

カンナ:おめでとうございます!

金子:cinema staffの辻くんがやっているLIKE A FOOL RECORDSからCDが出るんですけど、デジタルはその中から、表題になっている「11月」を含めた3曲でリリースされるということで。とてもかっこいいですね。

カンナ:かっこよかったです〜。オルタナの美味しいところ全部盛りみたいな感じでした。

金子:彼らは2000年代の初頭からオルタナバンドのかっこよさを持ちつつ、サンプラーとかシンセを使ったアプローチを先んじてやっていたバンドでもあります。今のイギリスのポスト・パンク・シーンみたいなところとも結果的にリンクする部分があるような気もしていて、ここから改めて評価されて、さらに盛り上がっていく可能性もあるバンドだなと思いました。



カンナ:歌声もギターみたいに途中から聴こえてきて、曲の中でいろんなことを考えながら聴いたので、何度も何度も聴きたい曲でした。ではPart 3で流す曲はどうしましょうか?

金子Mark Diamondを紹介しようかなと思います。

カンナ:私ははじめましてなんですけど、FRIENDSHIP.の常連さんなんですよね?

金子:そうですね。FRIENDSHIP.では海外のアーティストも何組か日本での配信をお手伝いしていて、Mark Diamondさんはその中の代表的な方というか。ずっと楽曲をコンスタントにリリースしている多作な人で、今年に入ってからは隔週ぐらいのペースでリリースしてきたから、今回の曲が2ヶ月ぶりというだけで......。

カンナ:結構開いた感じなんですね。

金子:そうそう(笑)。ひさしぶりだなと感じました。個人的に思ったのが、最初に眞名子新さんもかかったと思うんですけど、ちょっと彼とも通じる部分があるといいますか。Markさんも基本的には弾き語りのシンガー・ソングライターで、でもバンドスタイルもやっていて、さらに言うと今回はサンプラーとかを使ってたり、エレクトロニックなアプローチもしていて。現代のシンガー・ソングライターはそういう多面的なアプローチをする人が多いから、眞名子新さんも弾き語りとバンドサウンドに加えて、こういう少しエレクトロニックなアレンジとかもやってくれたら、より面白くなるなと勝手に思いまして。

カンナ:おー!

金子:そう考えたときに、Mark Diamondさんはひとつの指標になるかなと。そういう意味も込めて、今回曲をかけたいなと思いました。



カンナ:こちらもいい声ですね。たしかに弾き語りで聴きたくなる感じもありますね。

金子:弾き語りだけでも十分成り立つんだけど、そこにプラスして、というところがやっぱりいまのシンガー・ソングライターだなという感じがしますね。


RADIO INFORMATION

FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」
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FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、MISATOと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。番組後半ではThe fin.のYuto Uchinoが月替りでゲストを迎え、深い音楽談義を繰り広げるコーナーを展開。

放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55
放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)

番組MC
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金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3

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サトーカンナ
ボーカル、コーラス、作詞、ナレーション、執筆など、声と言葉にかかわる幅広い活動を続ける。
バンド(Kurhaus、グッド・ライフ・フェロウズ)ではシンセサイザーやパッドの演奏も担当。
ウェブサイト / @milkcupcakes / @kannasat

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Yuto Uchino(The fin. Vocal / Synth / Guitar)
神戸出身、ロックバンドThe fin.のフロントマン、ソングライター。80~90年代のシンセポップ、シューゲイザーサウンドから、リアルタイムなUSインディーポップの影響や、チルウェーヴなどを経由したサウンドスケープは、ネット上で話題を呼び、日本のみならず海外からも問い合わせ殺到している。
The Last Shadow Puppets、MEW、CIRCA WAVESなどのツアーサポート、そしてUS、UK、アジアツアーを成功させるなど、新世代バンドの中心的存在となっている。
オフィシャルサイト / @_thefin / @yuto__the_fin


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