SENSA

2022.09.14

パジャマで海なんかいかない「Trip」──異なる世界観へ飛び込むグローバルスタンダードな作品

パジャマで海なんかいかない「Trip」──異なる世界観へ飛び込むグローバルスタンダードな作品

暑かった夏が今年も過ぎ去ろうとしている。早すぎる梅雨明けと連日40度に迫るほどの酷暑が記憶に新しい2022年の夏。音楽シーンに目をむけてみると、 3年ぶりの海外アーティストの来日に各地のフェスやイベントのオーディエンスは歓喜し、MåneskinやArlo Parksら初めて日本に訪れたアーティストからHiatus KaiyoteやTHE 1975といった馴染みの顔まで、多くのアーティストが熱演を繰り広げた。

そんな夏が名残惜しい季節に、ネオソウルバンド「パジャマで海なんかいかない」からファーストフルアルバム『Trip』が届いた。Ovallや藤原さくらなどのサポートで知られるピアニスト・別所和洋のソロプロジェクトとして始動した「パジャ海」。2021年1月にFiJA (Vo.)、Chloe (Vo.)、Haruna (Ba)、Seiya (Dr.)の4名を新たにメンバーとして迎え現体制となった。FiJAとChloeは、ソロアーティストとしても国内外で活躍しており、申し分ないメンバーが集結したといっても過言ではないだろう。

日が沈む浜辺で気持ちいい海風にあたっている風景を連想させる1曲目「Dream Journey」から始まる本アルバムは、収録曲全11曲の異なる世界観を「Trip」しているかのよう。軽快なビートとスキットに足取りが弾む3曲目「Brazen Fire」は、アフリカ系アメリカ人の社会活動家として有名なベル・フックスの詩に影響を受け制作された。音楽や動き、ストーリーテリングを通じて文化が受け継がれてきた古代の人々の遺跡に思いを馳せた楽曲に、〈心が残っている〉とChloeとFiJAは歌い上げる。英語の歌詞と混ざりあう日本語詞の心地いいサウンドが、脈々と続く歴史の中で、多様化しつつある2022年の日本に我々が生きていることを実感させてくれる。

遊び心溢れるバンド名にソウルフルで力強い歌声、そして体を揺らさずにはいられないグローバルスタンダードな楽曲群。「パジャ海」のストーリーはまだ始まったばかり。日本を代表するステージでArlo ParksやHiatus Kaiyoteらと肩を並べる日が待ち遠しい。

パジャマで海なんかいかないし、ビキニで布団にも入らない。けれど、そんなことすらあり得てしまいそうな高揚感を『Trip』は与えてくれる。

文:Takahiro Kanazawa



RELEASE INFORMATION

pajyaumi_jk_1200.jpg
パジャマで海なんかいかない「Trip」
2022年9月14日(水)
Format:Digital
Label:FRIENDSHIP.

Track:
1. Dream Journey
2. Blue
3. Brazen Fire
4. SOMI
5. Let Me Know
6. Trip
7. Insecurity
8. Between the Lines
9. Rain
10.Searching
11.Another Way

試聴はこちら


LIVE INFORMATION

「PAJAUMI First Album "Trip" release party tour」
2022年9月17日(土)
新代田FEVER
18:00 OPEN / 19:00 START
出演:パジャマで海なんかいかない
前売 ¥3,500 当日 ¥4,300 +1D (¥600)

2022年9月23日(金)
名古屋公演
詳細は後日発表

2022年9月24日(土)
18:00 OPEN / 19:00 START
大阪心斎橋CONPASS
出演:パジャマで海なんかいかない / NABOWA
前売 ¥3,500 当日 ¥4,300 +1D (¥600)


LINK
オフィシャルサイト
FRIENDSHIP.

気になるタグをCHECK!