SENSA

2022.09.11

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介! THE 2・natsumi hirota・Wuinguinほか全10作品 -2022.09.10-

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介! THE 2・natsumi hirota・Wuinguinほか全10作品 -2022.09.10-

カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。
キュレーターの金子厚武とサトーカンナによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!

New Release Digest Part 1


カンナ:9月5日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜全10作品の中から、まずはPart 1の5作品をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます!

金子:9月に入ったからか、わりとゆったりした感じの曲が多かった気がしますね。

カンナ:たしかに雰囲気がちょっと変わってきた感じがしています。

金子:夏が終わっていく感じがしました。

カンナ:私はWuinguin(ウィングウィン)の「Elevator」がかなり好きでした。部屋で一人で作った感じの雰囲気がたまらないといいますか、私のハマるところにハマったという感じがします。

金子:Wuinguinは去年出したアルバムが素晴らしかったcescoというバンドのボーカルのuiさんのソロプロジェクトで、いま言ってくれたように、弾き語りを基調としたベッドルーム感のあるソロならではの作品になっています。プロフィールによると「もともと幼稚園の教師をしていた母親の影響で、小さい頃からたくさんの童謡に触れて育ち、7歳から聖歌隊に所属して賛美歌をルーツに音楽的嗜好を拡大させ、さらに様々な楽器を手にし、楽曲をカバーし、独自の歌唱法を取得」と書いてあって、このスペシャルな歌声は「なるほど、そうやって培われたのか」という。

カンナ:豊かな背景を感じさせますね。

金子:あとご本人のコメントに今回の歌のコンセプトについても書いてあって、中性的、ジェンダーレスな印象を意識したらしく、男の子にも女の子にも聴こえるような、大人にも子供にも聴こえるような感じにしたそうです。この感覚というのもすごく今っぽくて、そこもいいなと思いました。



カンナ:初登場で言いますと、hario islandの「鐘の音」はいかがでしょうか?

金子:Wuinguinも初登場といいつつ、cescoのボーカルだったわけですが、hario islandも初登場といいつつ、実は毎回のように紹介しているShimon Hoshinoさんがまた新たにプロジェクトを始めたということで。これまではジャケットデザイナーのお父さんと一緒に〈lofi-surf〉というプロジェクトをやっていたわけですけど、今回はお母さんの詩をもとにそれに音楽をつけるという新たなプロジェクト、hario islandをスタートさせました。

カンナ:Hoshino一家がとても気になります(笑)。

金子:気になりますよね(笑)。

カンナ:お母さんの詩はどこかで読むことができるんですか?

金子:これが読めるんですよ。〈lofi-surf〉プロジェクトはお父さんの絵がジャケットに使用されているのですが、このプロジェクトはお母さんの詩のメモがジャケットに載っていて。なので、ジャケットを見て実際の詩を読んでから音を聴くか、まずは音から入ってそこから詩を読んでみるか、楽しみ方もいろいろある気がしています。



カンナ:いいですね。私はまだジャケットを拝見していないので、このあと見てみようと思います。それではPart 1からはどの曲を聴きましょうか?

金子:Part 1は、THE 2の新曲を紹介しようと思います。

カンナ:とてもかっこいい曲でしたね!

金子:かっこいいですよね。THE 2は今年に入って"2"から"THE 2"にバンド名を変えて、リズム隊のメンバーが変わり、4月に「恋のジャーナル」という新曲を出していて、そこからサカナクションの山口一郎さんがプロデューサーとして加わり、パワーアップしての第2弾となります。今回も山口さんがトータルプロデュースで関わっていて、さらにはサカナクションのドラムの江島さんもサウンドアドバイザーとして参加しています。

カンナ:全面バックアップという感じですね。

金子:今回はAORっぽいノリで、過去の"2"から考えるとこれまでになかった曲調ですけど、サカナクションの最近の流れではあるから、この組み合わせだからこそという感じがします。やっぱり、こういう曲だとリズム隊の存在がすごく大きいと思っていて、それこそサカナクションの「忘れられないの」はベースの草刈愛美さんのあのベースラインがすごく特徴的でしたけど、今回の曲も森夏彦くんのベースがすごく印象的で。彼はもともとShiggy Jr.でファンキーな曲をやっていたり、最近はMrs. GREEN APPLEやYogee New Wavesなどいろんなバンドのサポートもやっていたりする人なので、彼のプレイヤビリティがすごく活かされていて、それによってTHE 2の新たな領域が開拓されている感じがしました。

カンナ:私は古舘さんの声がこういう曲と合うんだなというところに意外性を感じつつ、でもすごくバランスが取れているという新しい一面も見られたなと感じました。

金子:そうですね。どちらかというとオルタナな曲調でがなる感じのイメージがあったけど、こういう曲もいいですよね。



金子:スティールパンの音色もすごく印象的で、そのあたりは夏っぽいですね。

カンナ:夏の終わりに近づいている雰囲気もあっていいですよね。


New Release Digest Part 2


カンナ:新譜ダイジェストPart 2をお送りしました。リリースおめでとうございます。

金子:最後のyangdoe(ヤンドゥ)はお知り合いなんじゃないでしょうか?

カンナ:そうなんです!実は元バンドメンバーの2人が新たに組んだバンドです。やっぱり聴いていくとエッセンスはあるなと思うんですけど、ファンキーな2人が組んだバンドなので、もうちょっと踊れる感じか激しい感じなのかなと思ったら、意外とメロウなイメージで、いい曲だなと思いました!

金子:資料には"ニューウェーブ歌謡"という言葉もありますけど、まさにそんな感じありますよね。



カンナ:ドラムの東さんも知り合いで、たぶんこのメンバーのライブを聴いたらすごくかっこいいんじゃないかなと予想しております。

金子:4分の2がカンナさんが所属していた元all about paradiseというバンドのメンバーなんですよね。

カンナ:そうです!そして最初に流れたFake Creatorsの「Her Footwork」!ニューシングルが来ましたね。

金子LITEDÉ DÉ MOUSEによるプロジェクトで、ちょっと前にフジロックで見たという話もさせてもらったんですけど。

カンナ:初ライブがフジロックって本当にすごいですよね(笑)。圧巻のステージだったとお聞きしたので、見てみたいです。

金子:圧巻でした。そのときはわからなかったんですけど、今回の新曲もそのライブでやっていたそうです。「Her Footwork」というタイトルで、この"フットワーク"っていうのはダンスミュージックのジャンルの名前でもあるので、前半はちょっとフットワークっぽい感じがありつつ、後半になるとよりLITEっぽいというか、オルタナティブな、サイケデリックな感じに変わっていく。その感じがこの2組ならではだなという感じがして、かっこよかったですね。

カンナ:たしかに、それぞれの良さがちゃんと感じられる曲でした。



金子:彼らはNFTのプロジェクトもやっているみたいで、そういう新しいことにどんどんチャレンジしていくプロジェクトでもあるんだろうなという感じがしています。

カンナ:今後も楽しみですね。Part 2からはどの曲を聴いていただきましょうか?

金子:Part 2は、natsumi hirotaを紹介しようかなと思います。この人のことは番組の初期から常に気にかけていて、わりとよく紹介しているアーティストでもあります。もともとはジャズやテクノとかが背景にあるかっこいいトラックを作る人で、アブストラクトな感じが毎回クールだなと思うんですけど、幼馴染でもあるななぽっぷさんと一緒に"予感"というユニットもやっていて、そっちだと歌ものとかラップもやっているという多才な方です。

カンナ:そうなんですね。

金子:今回は『Pop quiz vol.2』というEPなんですけど、去年『Pop quiz』というEPをリリースしていて、その第2弾になります。『Pop quiz』は4曲入りで、曲のタイトルが 「a. _________」「b. _________」「c. _________」「d. _________」だったんですけど、今回もアルファベットだけのタイトルになっています。

カンナ:ストイックですね(笑)。

金子:でも今回5曲入りなのですが、「g. _________」から始まってるんですよ。前作は「d」で終わっているのに、"e"と"f"がない。どういうことなのかなと思って。

カンナ:気になる〜!

金子:それで考えたんですけど、今年の8月に2曲入りのシングルを出していて。それはちゃんと曲名が付いていたんですけど、もしかしたらそれが"e"と"f"だったんじゃないかなという、勝手な予想を立てています。

カンナ:おー!ファンに考えさせる感じがいいですね。

金子:そうそう、そういう面白さもあったりします。その8月に出した曲が落語をサンプリングして使っている面白い曲だったんですけど、今回のEPも声がポイントになっていて。日本語・中国語・英語が織り交ぜられて、録音した言葉を耳障りだけで文節・単語などに区切って、選別して、配置し直して、トラックにしていったということなんですよね。

カンナ:面白いですね...。

金子:前半のWuinguinでジェンダーレスという話をしましたけど、こっちは国籍が混ざっていて。その面白さが音としても楽しめるし、意味性を感じ取れる部分もあったりとか、いろんな楽しみ方ができる作品になっているなと思いました。

カンナ:私は青森出身で地元の言葉には方言があるんですよね。同じ日本の中でもリズムやイントネーションがだいぶ変わるので、そういうこともやってみてほしいと思っちゃいました。リクエストしてみたいなと(笑)。

金子:なるほど!今度は日本語だけで、いろんな方言を集めて再構築してもらうということですね。じゃあ、それは『Pop quiz vol.3』に期待しましょう(笑)。




RADIO INFORMATION

FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」
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FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、サトーカンナと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。番組後半ではThe fin.のYuto Uchinoが月替りでゲストを迎え、深い音楽談義を繰り広げるコーナーを展開。

放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55
放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)

番組MC
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金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3

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サトーカンナ
ボーカル、コーラス、作詞、ナレーション、執筆など、声と言葉にかかわる幅広い活動を続ける。
バンド(Kurhaus、グッド・ライフ・フェロウズ)ではシンセサイザーやパッドの演奏も担当。
ウェブサイト / @milkcupcakes / @kannasat

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Yuto Uchino(The fin. Vocal / Synth / Guitar)
神戸出身、ロックバンドThe fin.のフロントマン、ソングライター。80~90年代のシンセポップ、シューゲイザーサウンドから、リアルタイムなUSインディーポップの影響や、チルウェーヴなどを経由したサウンドスケープは、ネット上で話題を呼び、日本のみならず海外からも問い合わせ殺到している。
The Last Shadow Puppets、MEW、CIRCA WAVESなどのツアーサポート、そしてUS、UK、アジアツアーを成功させるなど、新世代バンドの中心的存在となっている。
オフィシャルサイト / @_thefin / @yuto__the_fin


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