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2022.07.17
FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介! Helsinki Lambda Club・SAMOEDO・Sen Morimotoほか全21作品 -2022.07.16-
カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。
キュレーターの金子厚武とラジオDJ MISATOによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!
MISATO:7月11日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜全21作品の中から、まずはPart 1の7作品をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます!全部好き!全部かっこいい!そしてこのDURANも好き!今まで聴いてきたDURANとまた違った感じですね。
金子:前のシングルとはだいぶ違いますよね。DURANはロングツアーがつい先月終わったばかりです。
MISATO:お疲れ様でした!
金子:FRIENDSHIP.のポッドキャストの方でツアーファイナルを見に行った感想なんかもお話しさせていただきました。
MISATO:だいぶ熱い厚武さんが登場されていましたね。
金子:そちらもぜひ聞いてほしいのですが、ツアーが終わってまた今週の火曜日にライブがあって、そのタイミングに合わせてのリリースだったみたいです。動きを止めずに、この夏もライブし続けるんでしょうね。
MISATO:そうでしょうね〜。そしてHelsinki Lambda ClubがとうとうEPをリリースしました。おめでとうございます!
金子:今週のPart 1はいまのUKのシーンとリンクするような人たちのリリースが続いている印象があって、その辺含めてまとめて紹介したいなと思っています。
MISATO:お願いします!
金子:Helsinki Lambda Clubは今回EPで、これまで先行シングルが何曲か出てて、Wezくんとコラボしたりとか、本当にジャンルレスな感じでしたけど、このEPにもいろんなタイプの曲が入っています。今回ご本人のコメントに「イギリス音楽からの影響が大きい」とあって、「サウンドに関しては大まかにいうとポストパンクとヒップホップの影響が色濃く出ています。古くはJoy Division、最近だとBakarやslowthaiなどのグライムパンク的な要素であったり、Mura Masaなどの実験的かつローファイなサウンドメイクも取り入れています」と書いてあります。今回の曲も実際そういう感じがすごくして、昨年ボーカルの橋本くんがLittle Toothという宅録のソロをやっていましたけど、そこからのフィードバックもヘルシンキに入ってきて、よりグレードアップして鳴らしている感じがすごくかっこよかったですね。
MISATO:pandagolffもそういった意味では近しいですね。
金子:pandagolffもついにアルバムです。最近Wet LegがUKで盛り上がっていて、pandagolffもそこと比べられるんじゃないかという話を前にさせてもらったのですが(2022年5月21日オンエア)、Wet Legは日本でもかなり人気が出てきていて、来年2月に来日公演が決まってるんですけど、東京公演は即完して、追加公演が決まったりしています。
MISATO:早耳リスナーさんたちが目をつけていると。
金子:pandagolffの今回の曲はドリームポップっぽいニュアンスもあって、今月Superorganismのアルバムも出るんですけど、CHAIとか星野源さんとかが参加していて、あのバンドのドリームポップ感みたいなものもpandagolffは持っているなと思いました。
MISATO:わかります。彼女たちのアルバムに収録されてそうですよね(笑)。
金子:そういう意味でも、やっぱりこの人たちはUKの今のシーンにハマりそうだなという感じがしました。
MISATO:そんな中、1曲お届けするのは?
金子:そんな中でさらにまた、今のUKシーンとリンクするかっこいいバンドが出てきました。
MISATO:そうなんですよね!この人たちは何者なんですか?
金子:bedというバンドが出てきまして、2022年スタートした新しいバンドです。
MISATO:えー本当にそうなの(笑)?
金子:ちゃんとした情報はまだ公開されてないんですけど、すでにTwitterとかInstagramを見ると、短い動画が公開されていて、見る人が見たら、「あの人じゃん!」と。聴く人が聴いたら「あの声じゃん!」という、2010年代にそれぞれのバンドで活躍してきた人たちが新しく結成したバンドなんですよね。
MISATO:このメンバーが揃ったら納得の音という感じですよね。
金子:もう少し2010年代のインディーR&Bとか、そっちのテイストのバンドをやってきた人たちという印象だったのが、より攻撃的になって、今のUKのポストパンクとかにより接近したなという感じがあります。これまでの良さも活かしつつだけど、ちょっと違ったベクトルで来たなという感じはしましたね。
MISATO:そっか〜。たしかに面白いですよね。1人1人のルーツは見えるし、「やっぱりこの人だったらこうだよね」というのも垣間見えるんだけど、新しいチャレンジということですね。bedです。ぜひチェックお願いします。
MISATO:7月11日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜Part 2の7作品でした。リリースおめでとうございます!厚武さん、推しゴトしてもいいですか?
金子:急遽の推しゴト!
MISATO:そういう気持ちになるアーティストがいまして、MoMoとChocoholicは次"推し"ます。
金子:この曲よかったですね。
MISATO:これはコラボレーションという形なんですか?
金子:そうですね。Chocoholicさんは最近よく名前を聞くなという感じがします。SIRUPや向井太一 、V6の曲を手がけたりとか、ドラマの音楽もやっていたり、FRIENDSHIP.だとAmiideさんのプロデュースもしていたりというトラックメイカーです。そして、MoMoさんは幼少時代に都内の教会でゴスペルを学び、歌うことに目覚め、高校卒業後にアメリカへ単身渡米。現地の作家たちと楽曲制作をスタートし、イギリスやタイなどのソングライティングキャンプにも参加しながらシンガー・ソングライターとしても活動という、実力者同士のコラボレーションですね。
MISATO:いや〜よく出会ってくれました。本当に出会ってくれてありがとう!
金子:かっこいいですよね。ちゃんとメジャー感もありつつ、エッジーな部分もあるというか、そのバランスがちょうどいいなと思いました。
MISATO:そうですね。そしてもう夏といえばな感じで、POOLSが気持ちいいですよ。
金子:"プール開き"な感じですよね。昨年の10月以来、ひさびさのリリースです。このタイミングに合わせたかのように帰ってきてくれて、やっぱりいいですね。もともとシューゲイザーやドリームポップの影響を受けているバンドですけど、今回の曲だとEDMとかトロピカルハウス的な感じもあって。セルフライナーによると、「間奏が1番アガるサビになるようなギターリフを作ってくれ」みたいな話もあったらしく、実際にEDMのドロップみたいな感じですごく気持ちよくて、そこにちゃんと元来持っているギターロック的な気持ち良さもあるし、やはりPOOLSならではという感じがしました。
MISATO:そして、Part 2からの1曲はどなたにしましょうか?
金子:SAMOEDOをかけようかなと思います。
MISATO:SAMOEDOのアルバムもとてもよかったですね。
金子:めちゃめちゃ良かったです。改めて紹介しますと、元シャムキャッツの菅原慎一くんがスタートさせた新しいバンドです。菅原くんはここ数年アジアの音楽にすごく目を向けていて、ご自身で監修した本も出したりしています。そういう中で、自分たちは日本人である以前にアジア人であるという気付きがあり、そこから「アジアへ向けて発信するのではなく、アジアから発信する」というコンセプトが立ち上がってきたそうです。実際ミックスとかマスタリング、アートワークやデザインは韓国・ソウルの人たちが関わっていて、一緒に作り上げていますね。音楽的には「知らない土地のヴェニューにふらっと入ってきた人を踊らせる演奏をする」や「言葉の通じない街のマクドナルドで放送され、耳にした誰かをちょっとだけ幸せにさせるものを作ることを目指す」と書いてあって、このコメントもいいなと思いました。
MISATO:へ〜素敵です。
金子:実際マクドナルドで流れてくるぐらいの、すごくさらっと、BGM的にも聴けるといえば聴ける音楽だとも思うし、でもやっぱり2010年代にバンドをやってきた人たちによる新たな達成だなという感じもすごくして、アンサンブルはミニマルなんだけど、でもファンキーな感じがあって、ほんのりソウルなテイストもあって、シンセはアンビエントとかニュー・エイジ的な感じもある。もともとシャムキャッツも日本だけじゃなく、アジアでもファンベースを築いてきたバンドだから、2020年代に生まれるべくして生まれた音楽だなという感じがします。めちゃめちゃ良かったですね。
MISATO:どこの国から生まれたかわからない感じも、聴き初めと最後の潔さというか、またループして聴きたくなるようなタイト感もすごくいいですね。
金子:「Dance Today」はテーマソング的なイメージもあって、歌詞では〈Go home Go home Go home No home No home No home〉と繰り返されていて、〈Go home〉という、自分の生まれた場所、ルーツみたいな部分もすごく大事だし、その一方で〈No home〉という、ある種の根無し草的な、その人自身が「ここがホーム」だと思えば、そこが自分のホームであり、ルーツだと思っていいぐらいの軽やかさ、そのどっちもがあっていいんだという、その感じがこのバンドに合っているなと。そういうメッセージ的な意味でもとても良かったですね。
MISATO:ラストはPart 3から7作品をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます!the hollowsは普遍的でいいですね。2021年結成ですけど......というメンバーですよね。
金子:そうですね。このバンドもキャリアのある人たちがやっています。3人の音楽的な共通点はパンクとかだったりもするみたいなんですけど、でもthe hollowsとしてはわりとフォーキーな、温かみのある音楽をやっていてすごくいいですよね。
MISATO:THE TIMERS感がすごいですね。
金子:岡山さんと谷口貴洋さんは一緒にSparkling Recordsというインディーレーベルを作った仲だったりもするので、共通点もあるというか、フォーキーなシンガー・ソングライター的作品という意味では、一緒に聴くといいんじゃないかなと思いました。
MISATO:フラッシュで谷口貴洋さんとthe hollowsは最後の2曲ですね。さらにSen Morimotoさんがついにゴールテープを切りました!おめでとうございます!
金子:リミックスのシリーズをずっとリリースし続けて、それが遂にアルバムになるということです。
MISATO:昨年の10月から隔週でリリースを続けて1枚になりました。
金子:本当にいろんな人がリミックスをしていて、Kan Sanoさんだったり、UQiYOだったり、FRIENDSHIP.的にはThe fin.だったり、WAZGOGGもやっていたりとかね。しかもこのリミックスシリーズはただのリミックスだけじゃなくて、コラボレーションでいろんな人が参加している面白さもあります。今回の曲もまさにそうで、ラッパーたちが参加して、リアレンジぐらいな感じになっています。ラッパーのmaco maretsはLITEとかとも一緒にやったりするような人だったり、Lil' Leise But GoldはトラックメーカーのKMのパートナーとしても知られている人だったり、そして我らがOsteoleucoも参加しているという。Shimon Hoshinoさんは今回sangdeiのトラックアレンジもやっているということで、大活躍ですね。
MISATO:本当ですね。sangdeiさんはMoMoさんとChocoholicとのコラボレーションも良さそうだなと。どんどんコラボさせたい!
金子:いいかもしれない。
MISATO:こうやってFRIENDSHIP.を介在しながら、みなさんが繋がって新しい作品を作るというのが国内外問わず広がっているのがよく分かりますね。
金子:SAMOEDOはアジアを繋いでますけど、Sen Morimotoさんはシカゴと日本を繋いでくれている感じがすごくしますね。
MISATO:本当ですね。それではPart 3から1曲お送りするのはどうしましょうか?
金子:夏らしい曲が聴きたいなということで、THE LOCAL PINTSをかけようかなと思います。
MISATO:いいじゃないですか!乾杯します?Pale Aleを2つください(笑)!
金子:あはは。なんと言っても「クラフトビールに世界一合うバンド」ですからね。今回の曲もまさに夏らしい、ビールに合う曲です。「Pale Summer」という曲タイトルで、いま言ってくれたように、Pale Aleをモチーフにしていて、その味わいを軽快なリズムと重厚なサウンドで表現しましたとのこと。
MISATO:バッチリですね。
金子:ちなみに、Pale Aleについて改めて調べてみたんですけど。
MISATO:あはは。なんて書いてありましたか?
金子:「モルトのコクやホップの香りがふくよかに感じられるのが特徴のビアスタイル。イギリス発祥のビアスタイルですが、その後アメリカに渡り、柑橘系のホップの香りが華やかに感じられるアメリカン・ペール・エールが考案され、それが世界中で人気になりました」だそうです。
MISATO:そうなんだ!
金子:これちょっと音楽っぽくないですか?イギリス発祥のものがアメリカに渡って、それが世界中に広がる、みたいな。THE LOCAL PINTSの音楽性もすごくアメリカンじゃないですか?だから、アメリカからさらに日本に入ってきて、日本で広がるっていう。
MISATO:厚武さん!気づいちゃいましたね。今週はわりとイギリスがキーワードでしたね。
金子:イギリスからスタートして、アジアに行って、アメリカに届くというストーリーがあったなと(笑)。
MISATO:世界に届くんだと!夢があっていいですね。
MISATO:何でしょうね、私たちの職業柄なのか、何かに繋げたがるという(笑)。
金子:いいことですよ(笑)。
MISATO:ちなみに今日7月16日は七色の日と言いまして、世界と世界が繋がるとか、世代を更新させるとか、そういった意味合いがあるそうですよ。
金子:へー、だから世界のことを喋っていたんですね。
MISATO:そうです!きっと七色の日に感化されていたんですよ。
金子:知っていました、ということにしておきます(笑)。
FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、MISATOと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。番組後半ではThe fin.のYuto Uchinoが月替りでゲストを迎え、深い音楽談義を繰り広げるコーナーを展開。
放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55
放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)
金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
MISATO
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。
TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。
安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10
Yuto Uchino(The fin. Vocal / Synth / Guitar)
神戸出身、ロックバンドThe fin.のフロントマン、ソングライター。80~90年代のシンセポップ、シューゲイザーサウンドから、リアルタイムなUSインディーポップの影響や、チルウェーヴなどを経由したサウンドスケープは、ネット上で話題を呼び、日本のみならず海外からも問い合わせ殺到している。
The Last Shadow Puppets、MEW、CIRCA WAVESなどのツアーサポート、そしてUS、UK、アジアツアーを成功させるなど、新世代バンドの中心的存在となっている。
オフィシャルサイト / @_thefin / @yuto__the_fin
FRIENDSHIP.
キュレーターの金子厚武とラジオDJ MISATOによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!
New Release Digest Part 1
MISATO:7月11日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜全21作品の中から、まずはPart 1の7作品をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます!全部好き!全部かっこいい!そしてこのDURANも好き!今まで聴いてきたDURANとまた違った感じですね。
金子:前のシングルとはだいぶ違いますよね。DURANはロングツアーがつい先月終わったばかりです。
MISATO:お疲れ様でした!
金子:FRIENDSHIP.のポッドキャストの方でツアーファイナルを見に行った感想なんかもお話しさせていただきました。
MISATO:だいぶ熱い厚武さんが登場されていましたね。
金子:そちらもぜひ聞いてほしいのですが、ツアーが終わってまた今週の火曜日にライブがあって、そのタイミングに合わせてのリリースだったみたいです。動きを止めずに、この夏もライブし続けるんでしょうね。
MISATO:そうでしょうね〜。そしてHelsinki Lambda ClubがとうとうEPをリリースしました。おめでとうございます!
金子:今週のPart 1はいまのUKのシーンとリンクするような人たちのリリースが続いている印象があって、その辺含めてまとめて紹介したいなと思っています。
MISATO:お願いします!
金子:Helsinki Lambda Clubは今回EPで、これまで先行シングルが何曲か出てて、Wezくんとコラボしたりとか、本当にジャンルレスな感じでしたけど、このEPにもいろんなタイプの曲が入っています。今回ご本人のコメントに「イギリス音楽からの影響が大きい」とあって、「サウンドに関しては大まかにいうとポストパンクとヒップホップの影響が色濃く出ています。古くはJoy Division、最近だとBakarやslowthaiなどのグライムパンク的な要素であったり、Mura Masaなどの実験的かつローファイなサウンドメイクも取り入れています」と書いてあります。今回の曲も実際そういう感じがすごくして、昨年ボーカルの橋本くんがLittle Toothという宅録のソロをやっていましたけど、そこからのフィードバックもヘルシンキに入ってきて、よりグレードアップして鳴らしている感じがすごくかっこよかったですね。
MISATO:pandagolffもそういった意味では近しいですね。
金子:pandagolffもついにアルバムです。最近Wet LegがUKで盛り上がっていて、pandagolffもそこと比べられるんじゃないかという話を前にさせてもらったのですが(2022年5月21日オンエア)、Wet Legは日本でもかなり人気が出てきていて、来年2月に来日公演が決まってるんですけど、東京公演は即完して、追加公演が決まったりしています。
MISATO:早耳リスナーさんたちが目をつけていると。
金子:pandagolffの今回の曲はドリームポップっぽいニュアンスもあって、今月Superorganismのアルバムも出るんですけど、CHAIとか星野源さんとかが参加していて、あのバンドのドリームポップ感みたいなものもpandagolffは持っているなと思いました。
MISATO:わかります。彼女たちのアルバムに収録されてそうですよね(笑)。
金子:そういう意味でも、やっぱりこの人たちはUKの今のシーンにハマりそうだなという感じがしました。
MISATO:そんな中、1曲お届けするのは?
金子:そんな中でさらにまた、今のUKシーンとリンクするかっこいいバンドが出てきました。
MISATO:そうなんですよね!この人たちは何者なんですか?
金子:bedというバンドが出てきまして、2022年スタートした新しいバンドです。
MISATO:えー本当にそうなの(笑)?
金子:ちゃんとした情報はまだ公開されてないんですけど、すでにTwitterとかInstagramを見ると、短い動画が公開されていて、見る人が見たら、「あの人じゃん!」と。聴く人が聴いたら「あの声じゃん!」という、2010年代にそれぞれのバンドで活躍してきた人たちが新しく結成したバンドなんですよね。
MISATO:このメンバーが揃ったら納得の音という感じですよね。
金子:もう少し2010年代のインディーR&Bとか、そっちのテイストのバンドをやってきた人たちという印象だったのが、より攻撃的になって、今のUKのポストパンクとかにより接近したなという感じがあります。これまでの良さも活かしつつだけど、ちょっと違ったベクトルで来たなという感じはしましたね。
MISATO:そっか〜。たしかに面白いですよね。1人1人のルーツは見えるし、「やっぱりこの人だったらこうだよね」というのも垣間見えるんだけど、新しいチャレンジということですね。bedです。ぜひチェックお願いします。
New Release Digest Part 2
MISATO:7月11日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜Part 2の7作品でした。リリースおめでとうございます!厚武さん、推しゴトしてもいいですか?
金子:急遽の推しゴト!
MISATO:そういう気持ちになるアーティストがいまして、MoMoとChocoholicは次"推し"ます。
金子:この曲よかったですね。
MISATO:これはコラボレーションという形なんですか?
金子:そうですね。Chocoholicさんは最近よく名前を聞くなという感じがします。SIRUPや向井太一 、V6の曲を手がけたりとか、ドラマの音楽もやっていたり、FRIENDSHIP.だとAmiideさんのプロデュースもしていたりというトラックメイカーです。そして、MoMoさんは幼少時代に都内の教会でゴスペルを学び、歌うことに目覚め、高校卒業後にアメリカへ単身渡米。現地の作家たちと楽曲制作をスタートし、イギリスやタイなどのソングライティングキャンプにも参加しながらシンガー・ソングライターとしても活動という、実力者同士のコラボレーションですね。
MISATO:いや〜よく出会ってくれました。本当に出会ってくれてありがとう!
金子:かっこいいですよね。ちゃんとメジャー感もありつつ、エッジーな部分もあるというか、そのバランスがちょうどいいなと思いました。
MISATO:そうですね。そしてもう夏といえばな感じで、POOLSが気持ちいいですよ。
金子:"プール開き"な感じですよね。昨年の10月以来、ひさびさのリリースです。このタイミングに合わせたかのように帰ってきてくれて、やっぱりいいですね。もともとシューゲイザーやドリームポップの影響を受けているバンドですけど、今回の曲だとEDMとかトロピカルハウス的な感じもあって。セルフライナーによると、「間奏が1番アガるサビになるようなギターリフを作ってくれ」みたいな話もあったらしく、実際にEDMのドロップみたいな感じですごく気持ちよくて、そこにちゃんと元来持っているギターロック的な気持ち良さもあるし、やはりPOOLSならではという感じがしました。
MISATO:そして、Part 2からの1曲はどなたにしましょうか?
金子:SAMOEDOをかけようかなと思います。
MISATO:SAMOEDOのアルバムもとてもよかったですね。
金子:めちゃめちゃ良かったです。改めて紹介しますと、元シャムキャッツの菅原慎一くんがスタートさせた新しいバンドです。菅原くんはここ数年アジアの音楽にすごく目を向けていて、ご自身で監修した本も出したりしています。そういう中で、自分たちは日本人である以前にアジア人であるという気付きがあり、そこから「アジアへ向けて発信するのではなく、アジアから発信する」というコンセプトが立ち上がってきたそうです。実際ミックスとかマスタリング、アートワークやデザインは韓国・ソウルの人たちが関わっていて、一緒に作り上げていますね。音楽的には「知らない土地のヴェニューにふらっと入ってきた人を踊らせる演奏をする」や「言葉の通じない街のマクドナルドで放送され、耳にした誰かをちょっとだけ幸せにさせるものを作ることを目指す」と書いてあって、このコメントもいいなと思いました。
MISATO:へ〜素敵です。
金子:実際マクドナルドで流れてくるぐらいの、すごくさらっと、BGM的にも聴けるといえば聴ける音楽だとも思うし、でもやっぱり2010年代にバンドをやってきた人たちによる新たな達成だなという感じもすごくして、アンサンブルはミニマルなんだけど、でもファンキーな感じがあって、ほんのりソウルなテイストもあって、シンセはアンビエントとかニュー・エイジ的な感じもある。もともとシャムキャッツも日本だけじゃなく、アジアでもファンベースを築いてきたバンドだから、2020年代に生まれるべくして生まれた音楽だなという感じがします。めちゃめちゃ良かったですね。
MISATO:どこの国から生まれたかわからない感じも、聴き初めと最後の潔さというか、またループして聴きたくなるようなタイト感もすごくいいですね。
金子:「Dance Today」はテーマソング的なイメージもあって、歌詞では〈Go home Go home Go home No home No home No home〉と繰り返されていて、〈Go home〉という、自分の生まれた場所、ルーツみたいな部分もすごく大事だし、その一方で〈No home〉という、ある種の根無し草的な、その人自身が「ここがホーム」だと思えば、そこが自分のホームであり、ルーツだと思っていいぐらいの軽やかさ、そのどっちもがあっていいんだという、その感じがこのバンドに合っているなと。そういうメッセージ的な意味でもとても良かったですね。
New Release Digest Part 3
MISATO:ラストはPart 3から7作品をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます!the hollowsは普遍的でいいですね。2021年結成ですけど......というメンバーですよね。
金子:そうですね。このバンドもキャリアのある人たちがやっています。3人の音楽的な共通点はパンクとかだったりもするみたいなんですけど、でもthe hollowsとしてはわりとフォーキーな、温かみのある音楽をやっていてすごくいいですよね。
MISATO:THE TIMERS感がすごいですね。
金子:岡山さんと谷口貴洋さんは一緒にSparkling Recordsというインディーレーベルを作った仲だったりもするので、共通点もあるというか、フォーキーなシンガー・ソングライター的作品という意味では、一緒に聴くといいんじゃないかなと思いました。
MISATO:フラッシュで谷口貴洋さんとthe hollowsは最後の2曲ですね。さらにSen Morimotoさんがついにゴールテープを切りました!おめでとうございます!
金子:リミックスのシリーズをずっとリリースし続けて、それが遂にアルバムになるということです。
MISATO:昨年の10月から隔週でリリースを続けて1枚になりました。
金子:本当にいろんな人がリミックスをしていて、Kan Sanoさんだったり、UQiYOだったり、FRIENDSHIP.的にはThe fin.だったり、WAZGOGGもやっていたりとかね。しかもこのリミックスシリーズはただのリミックスだけじゃなくて、コラボレーションでいろんな人が参加している面白さもあります。今回の曲もまさにそうで、ラッパーたちが参加して、リアレンジぐらいな感じになっています。ラッパーのmaco maretsはLITEとかとも一緒にやったりするような人だったり、Lil' Leise But GoldはトラックメーカーのKMのパートナーとしても知られている人だったり、そして我らがOsteoleucoも参加しているという。Shimon Hoshinoさんは今回sangdeiのトラックアレンジもやっているということで、大活躍ですね。
MISATO:本当ですね。sangdeiさんはMoMoさんとChocoholicとのコラボレーションも良さそうだなと。どんどんコラボさせたい!
金子:いいかもしれない。
MISATO:こうやってFRIENDSHIP.を介在しながら、みなさんが繋がって新しい作品を作るというのが国内外問わず広がっているのがよく分かりますね。
金子:SAMOEDOはアジアを繋いでますけど、Sen Morimotoさんはシカゴと日本を繋いでくれている感じがすごくしますね。
MISATO:本当ですね。それではPart 3から1曲お送りするのはどうしましょうか?
金子:夏らしい曲が聴きたいなということで、THE LOCAL PINTSをかけようかなと思います。
MISATO:いいじゃないですか!乾杯します?Pale Aleを2つください(笑)!
金子:あはは。なんと言っても「クラフトビールに世界一合うバンド」ですからね。今回の曲もまさに夏らしい、ビールに合う曲です。「Pale Summer」という曲タイトルで、いま言ってくれたように、Pale Aleをモチーフにしていて、その味わいを軽快なリズムと重厚なサウンドで表現しましたとのこと。
MISATO:バッチリですね。
金子:ちなみに、Pale Aleについて改めて調べてみたんですけど。
MISATO:あはは。なんて書いてありましたか?
金子:「モルトのコクやホップの香りがふくよかに感じられるのが特徴のビアスタイル。イギリス発祥のビアスタイルですが、その後アメリカに渡り、柑橘系のホップの香りが華やかに感じられるアメリカン・ペール・エールが考案され、それが世界中で人気になりました」だそうです。
MISATO:そうなんだ!
金子:これちょっと音楽っぽくないですか?イギリス発祥のものがアメリカに渡って、それが世界中に広がる、みたいな。THE LOCAL PINTSの音楽性もすごくアメリカンじゃないですか?だから、アメリカからさらに日本に入ってきて、日本で広がるっていう。
MISATO:厚武さん!気づいちゃいましたね。今週はわりとイギリスがキーワードでしたね。
金子:イギリスからスタートして、アジアに行って、アメリカに届くというストーリーがあったなと(笑)。
MISATO:世界に届くんだと!夢があっていいですね。
MISATO:何でしょうね、私たちの職業柄なのか、何かに繋げたがるという(笑)。
金子:いいことですよ(笑)。
MISATO:ちなみに今日7月16日は七色の日と言いまして、世界と世界が繋がるとか、世代を更新させるとか、そういった意味合いがあるそうですよ。
金子:へー、だから世界のことを喋っていたんですね。
MISATO:そうです!きっと七色の日に感化されていたんですよ。
金子:知っていました、ということにしておきます(笑)。
RADIO INFORMATION
FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」
FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、MISATOと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。番組後半ではThe fin.のYuto Uchinoが月替りでゲストを迎え、深い音楽談義を繰り広げるコーナーを展開。
放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55
放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)
番組MC
金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
MISATO
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。
TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。
安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10
Yuto Uchino(The fin. Vocal / Synth / Guitar)
神戸出身、ロックバンドThe fin.のフロントマン、ソングライター。80~90年代のシンセポップ、シューゲイザーサウンドから、リアルタイムなUSインディーポップの影響や、チルウェーヴなどを経由したサウンドスケープは、ネット上で話題を呼び、日本のみならず海外からも問い合わせ殺到している。
The Last Shadow Puppets、MEW、CIRCA WAVESなどのツアーサポート、そしてUS、UK、アジアツアーを成功させるなど、新世代バンドの中心的存在となっている。
オフィシャルサイト / @_thefin / @yuto__the_fin
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