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2021.10.07
【読むラジオ】MC:松本大(LAMP IN TERREN) メンバーの中原健仁がゲストに登場!「Room H」 -2021.10.06-
FM福岡で毎週水曜日 26:00~26:55にオンエアしている音楽番組「Room "H"」。九州にゆかりのある3組のバンド、ユアネスの黒川侑司、LAMP IN TERRENの松本大、odolの森山公稀が週替わりでMCを務め、彼らが紹介したい音楽をお届けし、またここだけでしか聴けない演奏も発信していく。
今週のMCは、LAMP IN TERRENの松本 大が担当。SENSAでは、オンエア内容を一部レポート!(聴き逃した方やもう一度聴きたい方は、radiko タイムフリーをご利用下さい。)
LAMP IN TERREN 結成15周年プロジェクト実施中!ということで、ついにバンドからベース中原 健仁がゲストに登場!リラックスした同級生2人のトークが繰り広げられました。
松本:FM福岡からLAMP IN TERRENの松本大がお送りしているRoom "H"、ここからは@リビングルーム拡大版、お客さんに来てもらいました、自己紹介お願いします。
中原:こんばんは。LAMP IN TERREN、ベースの刺客、中原健仁です(笑)。よろしくお願いします。
松本:いらっしゃい。こういう場で何話していいのかイマイチよくわかんないよね。でも、こんなラジオの場だから、畏まってちょっとインタビューやりたいわけ。
中原:インタビュアーをやりたいの?
松本:ゲストに来てくれた人の話を聞きたい。で、自分もそれにリアクションしていきたいと思ってるわけ。だからちょっと畏まってね。
中原:(笑)。
松本:出会ったのはいつ、どんな印象だった?ということで。僕らは中学2年生の時に長崎県大村市立大村中学校にいて、中原くんが神奈川から転校してきて出会う事になるんですが、まあ角ばったメガネをかけてまして、もう昆虫のようだったんですね。
中原:何回聞いても、ひでぇーなー(笑)。
松本:(笑)。かつ、転校初日ぐらいの中原健仁は、緊張してたのかよくわかんないけど、都会から来てるっていう情報も相まって、俺の中ではめっちゃ尖ってる存在だった。コの字にでっかい校舎が2つあって、反対側の校舎に転校生が来たってよって聞いて、見に行って。健仁の佇まいを見て何も言わずに帰ったんだけど、"尖ったナイフ見たいなやつ"が来たって...。東京からの刺客っていう印象だった。
俺はその次の日に、自宅から学校の近道の途中に、中原健仁くんの家がありまして。俺個人の見解としては意図せず、中原に鉢合わせし、それが後に中原の衝撃となって今でも語り継がれる話になってるんですけど、俺の印象ってなると、そこからになるわけでしょ?
中原:そうだね、一番最初にお前、俺のいる教室に来てくれたけど帰っちゃったでしょ?
松本:帰った。
中原:だから俺は2回目に学校行く時にガラガラって家の扉開けたら、大が仁王立ちで立ってたっていうところが第一印象というか。
松本:こいつは誰だ?みたいな。
中原:そうそう。何故、人の家の前にコイツは立っているんだと思って(笑)。坂を登って行って、そこから学校に行くっていうルートしか俺は知らなかったんだけど、大が森の中に入って行くのね。一緒に学校行くぞ!って言って。
松本:けもの道ね。
中原:道とは思ってなかったんだけどね。
松本:道ではなかったね、森だね。
中原:そう、森に入って行って、こっちが近道だからって、本当に近道だったもんだからびっくりしたけど。もう、"やばいやつだな"っていう印象が強かったね。
松本:そうだよね。イノシシの歩くような道だったからね。
中原:そうだね、いてもおかしくないよね。
松本:どっちが声かけたっていうのは、厳密には俺だったね。近道をいつも通り歩いてたら、転校生の家があって、「転校生出てきた」と思って、もうそこで俺はもう、"これをきっかけだ"と思ったから待つしかないわけじゃん。
中原:(笑)。
松本:ガラガラって扉開いて、よろしく!みたいな感じだったから俺が最初なのかな、多分。
中原:かもね。でもどっちと言わずって感じだけどね。ポケモンみたいな出会いだったわけじゃん(笑)。
松本:確かにそうだね。だから仲良くなったきっかけもそんな感じ。
中原:そうだね。友達を作らなきゃって気持ちがでかかったから、俺は。だから人一倍明るく元気でいようって思ってたから。俺が思ってる以上の破天荒さのやつが来たから、これは仲良くなるしかないなって。
松本:どんな中学生だった?お互いの印象。俺はね、"達観してるな"っていうか、"物事の考え方が大人びてるなあ"と思ってたね、中学の頃のお前。
中原:多分、そんなに喋んなかっただけじゃないかなって思うけど。
松本:本とか、漫画とか色々な事知ってて、"こいつすげー"と思ったし。
中原:あれは多分、浅野いにおさんって漫画家がいらっしゃるでしょ?めっちゃ好きで読んでたから、むやみやたらといろんなことを喋るのがかっこ悪い、黙っていた方がかっこいいって思ってたからだと思う。
松本:なるほど。だから俺の印象としては、最初はものすごく達観してたんだけど、一緒に大人になっていくに連れて、健仁が退化していくというか、子供になっていく姿を見てるような。擬似ベンジャミンバトン、精神的にベンジャミンバトン見てるみたいだから、俺は健仁が今、歳を重ねるにつれて若くなっていくっていう印象がある。
中原:結局、分からないことをわかったふりしてるって言うのがダサいなって、段々思うようになってたのよ。
松本:分かってたんじゃないの?
中原:分かってなかったことも、なんか分かってる風に、「まーね」みたいなことを言ってたところがあるから。
松本:俺はなんとなくそれにものすごく感銘を受けながら、中学時代を過ごしてたけどね。
中原:まあ分かってたこともあるんだろうけどね。ただ、素直であればあるほど、なんか俺の理想としてるものにはなれるなって思ってるから、素直に無邪気な感じになっていったかな。
大の印象はねー、そうね、一番最初は破天荒っていうのはあったけど、人と接することをすごく楽しがってる奴だなっていうのは思ってた。だから俺が一緒に何々しようぜとか誘うと、すげー嬉しそうについてくるし、なんか1人でいるっていうのが苦手なんだろうなっていう感じはあった。
松本:そうだねー。考えるモードになっちゃうんですよ。
中原:1人でいると?
松本:うん。自分についてとか身の回りに起きてることについて考え始める傾向があって。
中原:うん、そうね。
松本:割と暗い考え方なのね。暗いのよ、テーマが。だからそれから逃れるように生きてるっていう感じ。人と接するのも、ゲームしたり漫画読んだりするのも、なんか1人になって1人の時間を過ごし始めると途端にそういう風になっちゃうから、それを振り払える何かっていう。音楽制作の時だけだね、そういう風に向き合おうって努力するの。
中原:なるほどね。確かにさ、昔書いていた歌詞とかもさ、"対自分"っていうテーマが多いじゃん。大の場合は。多分そういうところから来てるんだろうね。
松本:子供ながらにこの曲いいなって最初に思った曲覚えてます?
中原:BUMP OF CHICKEN の「ラフ・メイカー」。俺が音楽を聴くきっかけになった曲だね。
松本:へーっ。
中原:俺、兄と姉がいるんだけど、兄貴がまず音楽にハマってて。部屋も一緒だから、流れてるものにグッときたら兄貴に「これって何?」って聞くみたいな。BUMP OF CHICKEN の「ラフ・メイカー」だよって教えてもらって、そこから兄貴のMD引っ張り出して。
松本:MDね。
中原:ミニディスクよ。とにかくバンプを聴きまくってたね。『Jupiter』ぐらいまでの曲は歌詞見なくても全部歌えるぐらいのハマり度合いだった。
松本:この曲いいなって俺が最初に思ったの何だろう。...多分、小4の時のドラマの「プライド」だと思うんだよな。(主題歌の)「I Was Born To Love You」クイーンの曲がめっちゃ良かったと思ってた。
中原:へーっ。
松本:でもその当時聴いていたのって、単曲なのよ、だいたい。
中原:単曲?
松本:1曲しか知らないって状態。クイーンで言うところの「I Was Born To Love You」と「Somebody To Love」。あとは、中学の時に給食の時間に絶対流れてたカーペンターズ「Top of the world」とか、あとはアニメの主題歌だった曲とか。一曲一曲っていう感じで、アーティストで聴くことがほとんどなかったんだけど、両親がファンというのもあって、浜田省吾さんだけはずっと流れてた。
松本:ベースを手にしたきっかけ。なぜベースを選んだ?
中原:これもお兄ちゃんなんだよね。兄貴が高校の部活で始めたのかな。共同部屋にベースが置かれるようになって、最初はベースっていう存在すら知らなかったから、"お兄ちゃんギターはじめたんだ"みたいに思ってたけど、やり方も分かんないから、ペグっていうチューニングする時に調整するパーツがあるんだけど、ペグをくるくるくるくる回してたらすぐ怒られて、「何やってんだ」って。
松本:俺もやってた、親父のギターのチューニングめっちゃくちゃ狂わせて怒られた。
中原:そうそう、「何これ、めっちゃまわるやんけ」みたいな感じで、ぐるぐるぐるぐるやってたら怒られて、「こうやってやるもんなんだ」って見せて教えてくれて、それがかっこいいなって思ってたんだけど、BUMP OF CHICKENを聴くようになってから、"これがベースなんだ"っていう風に分かり始めて、兄貴にちょっとベースを教えてもらったりとかして。それがきっかけかな。
松本:ベースを始めるきっかけって、ベースに触れた状態で自分の好きなバンドのベースを認識することだと思うんだよね。
中原:そうだね。
松本:それ以外でベースにハマれる方法がない気がする。ベース単体で触ってたとしても、"何これ"ってなるよ。
中原:なるよ!超つまんねーもん(笑)。
松本:自分が触ったことある楽器が、自分が好きなバンドの中でどういう役割を担っているかっていう認識ができた時点で、ベースって超渋いってなると思うし、カッコいいってなると思う。それ以外でベースにハマれないんじゃない?と思う。
中原:俺はね、いろんな理由があるわけじゃなくて、単純にモノとしてベースが好きっていうところがまずある。多分だけど、美術品とか見てて、これは美しいぞ、みたいな感覚と多分一緒。モノとして、そもそもベースっていう楽器が好きで。
松本:ギターでもいいじゃん。
中原:ギターでもいいけど、ただそこに違いがあるとしたら、あの低音。あの低音感とか、ぶっとい音がでる感じとか、そういう音質なのかな、それが俺はすごく好きなんだよね。役割どうこうっていうのはバンドでいろんなアレンジやっていく上で考え始めたことであって、そこに魅力があったというわけではなかったな。
松本:この人すごいんですよ。自分で初めて、自分のお金を出して買ったベースを今でも使ってる人なので。
中原:そう、おじいちゃんにちょっと折半してもらったけど。
松本:それまで何か買ってもらったことしかないという感じだったんだよね?初めて自分で買いに行って、中2だか中3くらいの時に。
中原:そうそう、中3でね。
松本:フェンダージャパンのジャズベースをいまだに使っているんですよ、この人。
中原:ずっと店に飾ってあって、我々行く所ってそうないじゃないですか、今はなくなっちゃったけど長崎駅の中にある楽器屋さんに、当時行く度に飾ってあったのね。どうしても欲しくて1年間頑張って貯金して、それでもあったら買おうって思ってたら、あったから「最後の一本だ!」って。だから思い入れがすごく強いんだよね。
松本:その時に買ったものを今でも使ってるっていうミュージシャンを、俺は俺の無知かもしれんけど中原健仁かGreen Dayのビリー・ジョー・アームストロングしか知らない。
中原:(笑)。すげーの来たな。
松本:ビリー・ジョー・アームストロングもストラトか何かをね、若い時に買ったやつをずっと使ってるっていう感じだった気がするんですけど。バンドやりたいっていうのは、いつ頃から思ってました?
中原:バンドやりたいと思ってたのは、もうほんとに直ぐよ、ベース始めてから。
松本:転校してきた初日にしんちゃんとギターとベースの話は盛り上がってたね。
中原:そうそう。それまで俺バンドっていうものがなくて、ベースしかやってこなかったから、さすがに1人でやってたんじゃ飽きるでしょ。バンドはずっとやりたいなって思ってたんだよね。そしたら自己紹介した後、直ぐ、しんちゃんが後ろの席だったんだけど、"ねえ、ベースやってるの?俺ギターやってるんだけど"って声かけてくれて。
松本:思えばね、お前はあの時点でバンドやってたと思うよ。
中原:(笑)。
松本:バンドを結成した時から、いつかプロになりたいと思っていましたか?
中原:"プロになりたい"っていうよりは、"いつまでも続けてたいな"っていう気持ちだったね。それが現実的に、仕事をどうしていこうかっていう選択に迫られた時、ちょうど大学3年生ぐらいの時か。みんなが就活やらなんやら始めてる時に、「じゃあ俺はどうしよう」って思った時に、「初めてプロでやっていきたいな」って。「音楽だけやってお金をもらってやっていきたいな」って思い始めたかな。
松本:そうだね。メジャーデビューした時、まだお前大学生だったもんな。
中原:そうそう。まさか在学中にデビューするって思ってなかったからね。
松本:プロでやっていけるかも、という予感はありましたか?最初に感じたのはいつ、なぜ?
中原:うーん。大学1〜2年ぐらいで下北沢のライブハウスでライブやりまくってる時に、自分にとっては良いと思ってた"大の声"を認めてくれるって人、良いって言ってくれる人がどんどん増えていったわけ。本当に俺らは無名だったから、もう友達とか家族とか呼んで、チケットノルマを達成するっていうことだったけど、だんだんそうじゃない、本当に見たこともない人が来てくれるようになって...。その辺からかな。
松本:プロでやっていけるかかぁ、どこで思ったんだろう俺...。高校くらいの時に自分で曲作るになってからからじゃない?
中原:あー。確かにな。
松本:高校卒業するタイミングで、進路希望調査票とか高3の時に出すじゃん。で、特に大学に行きたいっていう気持ちがなかったの。なんか"やりたいことがないから東京に行こう"と思ったのは確かだった。それ多分..."俺はやれる"って言う裏打ちだったのかもしれない。自信がなかったら、他の仕事とか考えてたと思うんだよね。
中原:何やってたんだろうね。
松本:俺も想像できないんだけど。でも、人間として多分確証がない所に突っ込んでいくような無謀な性格ではないから、高校の時点で思ってたかもしれない。
中原:確かに。
松本:多感な10代20代のお互いの活動を見てきて、成長したなと思うところはありますか?
中原:これね俺は、多分、大の中ではずっと持ってたものだと思うんだけど、(大は)人の気持ちを考えるっていうか、平たく言うと、"優しくなったね"っていうことなんだけど。ちゃんと人の気持ちを考えて言葉を選ぶようになってきたなって思う。
松本:うんうん。自覚してる。昔の自分は、ただただ預けてもらいたくてしょうがなかったというか。全ての役割を担おうとしてしてた感じ。それを人に預けられるようになってから、言動が変わってる気がする。
中原:"優しくなったね"って言ったけど。その前の時期は、メンバー間でもうまくいってなかった時とかもそうだけど、自分から前のめりになんでも突っ込んでやっていこうという姿勢は、中学生の頃から多分変わってないところだと思う。ガツガツ前のめりな。
松本:そうか。でも優しくなったって言われてもね...大喜(Dr)やめるってよ(笑)。
中原:なんでそれ出してきたんだよ(笑)。
松本:ほら、俺のやり方がよくなかったのかなと思ったりするわけじゃん。
中原:いやいやいやいや!!もうそういうのは関係ないよ。それは大喜が自分で自分の今後を考えて決めたもんだから。大が悪かったとかそういうんじゃない、大丈夫よ。
松本:「ニューワールド・ガイダンス」の制作過程において、それぞれ"俺、頑張った"と密かに思っているポイントは?
中原:ほぼほぼ毎回なんだけど、うちの曲って基本的なところは大が作ってきてくれるんですよ。
松本:大まかなパートのアレンジとかね。
中原:そうそう。大が一旦送ってくれるデモ音源を俺がまず弾いてみるところからスタートするんだけど。デモ音源の時点でベースが、明らかに難しいんですよね。あれ、今どうやった?っていうポイントが結構多くて、それを弾きこなすっていうことがまず大変だったから、それは頑張ったって(自分を)褒めてあげたい。だけど、それプラスでメンバーそれぞれのやりたいモノっていうか、色っていうのを合わせてこそバンドだと思うのね。プレイすること自体が色にはなるんだけど、俺が持ってる"ココはこう鳴らしたい"っていうフレーズだったり、ニュアンスのアレンジを、俺がちゃんと入れられたっていうところは良かったって思ってる。
松本:話し合いの大事さっていうのを、ベースに関してはすごぐ思ったの。
中原:本当に会話って大事よ。
松本:ディレクションしたじゃん、俺が。"ココこういう風に弾いてみるの、どう?"みたいな感じでさ。健仁もそれに合わせて、やってみて理解した部分と、健仁が弾いたことで俺がまた理解する部分とか。それ、凄く良かったな。でも、めっちゃ疲れるんだよな。
中原:(笑)。
松本:同じブースにいてさ、自分が弾くことないのに他人の演奏を聴いてなきゃいけないじゃん。
中原:そうそう。
松本:今ちょっとココ違うな、みたいに思いながら聴いているの、ムッチャ大変だなーって。だから俺は、"俺頑張った"っていうポイントは、グっとこらえながら、ややストレスを抱えながら、メンバー全員のディレクションを出来たっていうところかな。
中原:(笑)。お疲れ様です、ありがとうございます。
松本:イヤイヤ、自分が良い曲作りたいが故にやらなきゃいけないことだったんで。
そして、「ニューワールド・ガイダンス」のお互いの仕事について良い仕事したな、と思うお褒めポイントは?...コイツ、マジ、ベース上手い!
中原:(笑)。ストレートだね。
松本:コイツはマジでベース上手い。
中原:ありがとうございます。
松本:本当にね、これ聴いてるミュージシャンいたらコイツと一緒に1回やってみ!と思うぐらい良くなってきてますね。
中原:本当に?
松本:非常に。俺、同世代で感動できるというか、うわっ、すげーなって思うミュージシャンってそんなにいないのよ、プレイヤーって。ベースは、お前結構いけんじゃないと思うよ。
中原:うわーっ、鳥肌立った。
松本:コイツ、良い仕事するよ。マジでベース・オタク。本当に楽屋でもずっと弾いててうるせえだけあるわ。
中原:(笑)。ちゃんと最後落とすのね。
松本:若いのにすごいねっていうぐらいだよ。
中原:ありがたいですね。大はね、アレンジに関して本当にすごいなーって思うんだけど、この曲に関しては特に、デモからめちゃめちゃ変わったじゃん、これ。
松本:変わった。メロディが決まらなかったからね。
中原:そうそう。もっと前のデモからめっちゃ変わったんだけど、サビの「イエーッ」てあるじゃない。あれ、入れてきたのマジでナイスって思う。
松本:あれも曲のテーマとして"ロックなことをやりたい、だけど鬱屈としたものを鳴らそうとしてるから、弾ける感じを出したい"と思うと「イエーッ」が最適なわけで。
中原:マジで最高だった。テーマにめちゃめちゃ合ってるしね。
松本:いい仕事してるわ、それは確かに。
中原:本当にいい仕事してる。
松本:もうすぐ結成15周年。そんな新曲を持って10月24日(日)結成日ですね。地元長崎でワンマンライブやります。会場は長崎Drum Be-7。午後5時スタート。『Branch』。これね、俺、大喜のことを予期してなかったのよ。『Branch』っていうタイトルを決めた時点で。
中原:まあ、そうだよね。
松本:ただ、何となく...俺『Branch』ってタイトル発表するにあたって、"色んな選択肢があった中で選んできて今ここまで来ている"って言ったんだけど、でも"この先もいろいろ枝分かれしていくだろうな"って凄く思ったわけよ。15周年っていう、核、テーマがあるからさ、それを考えた時に、枝分かれしていくっていうこともあるだろうなっていうのは密かに込めてたの。
中原:そうだね。
松本:そういう中で「ニューワールド・ガイダンス」っていう曲出したじゃない。
中原:はい。
松本:そしたら、大喜、辞めるって言うからさ(笑)。『Branch』で、かつ「ニューワールド・ガイダンス」って、俺、持ってんなと思ったけどね。
中原:ね、なんかね、ちょいちょいあるよね、そういう予期してんじゃねえかみたいなのはさ。
松本:「いつものこと」もリリースした瞬間に、コロナ禍になっちゃったしね。"当たり前がゼロになる"っていうね。...というライブになると思います。
中原・松本:(笑)。
中原:ざっくりしてんな。俺個人としては、色々枝分かれしていってというか、選択の連続をしていった結果、俺たちはこうやってバンドをやってるわけじゃん。その姿を見た人がなんかこう一歩踏み出す勇気になればいいなっていう、こっちの道に進んでみると、こういうことができるかもしれないっていう、その1つの例として背中を押せるようなものが見せられたらベストだなと思ってます。
松本:なるほど。
BUMP OF CHICKEN「ラフ・メイカー」
浜田省吾「光と影の季節」
ACIDMAN「and world」
GRAPEVINE「疾走」
LAMP IN TERREN「ニューワールド・ガイダンス」
番組へのメッセージをお待ちしています。
Twitter #FM福岡 #RoomH をつけてツイートしてください。MC3人ともマメにメッセージをチェックしています。レポート記事の感想やリクエストなどもありましたら、#SENSA もつけてツイートしてください!
放送時間:毎週水曜日 26:00~26:55
放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)
黒川侑司(ユアネス Vo.&Gt.)
福岡で結成された4人組ロックバンド。感情の揺れが溢れ出し琴線に触れる声と表現力を併せ持つヴォーカルに、変拍子を織り交ぜる複雑なバンドアンサンブルとドラマティックなアレンジで、
詞世界を含め一つの物語を織りなすような楽曲を展開。
重厚な音の渦の中でもしっかり歌を聴かせることのできるLIVEパフォーマンスは、エモーショナルで稀有な存在感を放っている。2021年4月21日にFRIENDSHIP.より新曲「Alles Liebe」を配信リリース。
オフィシャルサイト/ @yourness_on/ @yourness_kuro
松本大(LAMP IN TERREN Vo.&Gt.)
2006年に長崎県で結成。バンド名「LAMP IN TERREN」には「この世の微かな光」という意味が込められている。松本の描く人の内面を綴った歌詞と圧倒的な歌声、そしてその声を4人で鳴らす。聴く者の日常に彩りを与え、その背中を押す音楽を奏でる集団である。
9月1日に「ニューワールド・ガイダンス」をリリース。
オフィシャルサイト/ @lampinterren/ @pgt79 / @lampinterren
森山公稀(odol Piano&Synth.)
福岡出身のミゾベリョウ(Vo.)、森山公稀(Pf./Syn.)を中心に2014年東京にて結成した5人組。ジャンルを意識せず、自由にアレンジされる楽曲には独自の先進性とポピュラリティが混在し、新しい楽曲をリリースする度にodolらしさを更新している。
2021年6月9日に、NEW ALBUM「はためき」をリリース。
オフィシャルサイト/ @odol_jpn/ @KokiMoriyama
今週のMCは、LAMP IN TERRENの松本 大が担当。SENSAでは、オンエア内容を一部レポート!(聴き逃した方やもう一度聴きたい方は、radiko タイムフリーをご利用下さい。)
LAMP IN TERREN 結成15周年プロジェクト実施中!ということで、ついにバンドからベース中原 健仁がゲストに登場!リラックスした同級生2人のトークが繰り広げられました。
ゲスト:LAMP IN TERREN 中原 健仁
松本:FM福岡からLAMP IN TERRENの松本大がお送りしているRoom "H"、ここからは@リビングルーム拡大版、お客さんに来てもらいました、自己紹介お願いします。
中原:こんばんは。LAMP IN TERREN、ベースの刺客、中原健仁です(笑)。よろしくお願いします。
松本:いらっしゃい。こういう場で何話していいのかイマイチよくわかんないよね。でも、こんなラジオの場だから、畏まってちょっとインタビューやりたいわけ。
中原:インタビュアーをやりたいの?
松本:ゲストに来てくれた人の話を聞きたい。で、自分もそれにリアクションしていきたいと思ってるわけ。だからちょっと畏まってね。
中原:(笑)。
出会ったときのお互いの印象
松本:出会ったのはいつ、どんな印象だった?ということで。僕らは中学2年生の時に長崎県大村市立大村中学校にいて、中原くんが神奈川から転校してきて出会う事になるんですが、まあ角ばったメガネをかけてまして、もう昆虫のようだったんですね。
中原:何回聞いても、ひでぇーなー(笑)。
松本:(笑)。かつ、転校初日ぐらいの中原健仁は、緊張してたのかよくわかんないけど、都会から来てるっていう情報も相まって、俺の中ではめっちゃ尖ってる存在だった。コの字にでっかい校舎が2つあって、反対側の校舎に転校生が来たってよって聞いて、見に行って。健仁の佇まいを見て何も言わずに帰ったんだけど、"尖ったナイフ見たいなやつ"が来たって...。東京からの刺客っていう印象だった。
俺はその次の日に、自宅から学校の近道の途中に、中原健仁くんの家がありまして。俺個人の見解としては意図せず、中原に鉢合わせし、それが後に中原の衝撃となって今でも語り継がれる話になってるんですけど、俺の印象ってなると、そこからになるわけでしょ?
中原:そうだね、一番最初にお前、俺のいる教室に来てくれたけど帰っちゃったでしょ?
松本:帰った。
中原:だから俺は2回目に学校行く時にガラガラって家の扉開けたら、大が仁王立ちで立ってたっていうところが第一印象というか。
松本:こいつは誰だ?みたいな。
中原:そうそう。何故、人の家の前にコイツは立っているんだと思って(笑)。坂を登って行って、そこから学校に行くっていうルートしか俺は知らなかったんだけど、大が森の中に入って行くのね。一緒に学校行くぞ!って言って。
松本:けもの道ね。
中原:道とは思ってなかったんだけどね。
松本:道ではなかったね、森だね。
中原:そう、森に入って行って、こっちが近道だからって、本当に近道だったもんだからびっくりしたけど。もう、"やばいやつだな"っていう印象が強かったね。
松本:そうだよね。イノシシの歩くような道だったからね。
中原:そうだね、いてもおかしくないよね。
松本:どっちが声かけたっていうのは、厳密には俺だったね。近道をいつも通り歩いてたら、転校生の家があって、「転校生出てきた」と思って、もうそこで俺はもう、"これをきっかけだ"と思ったから待つしかないわけじゃん。
中原:(笑)。
松本:ガラガラって扉開いて、よろしく!みたいな感じだったから俺が最初なのかな、多分。
中原:かもね。でもどっちと言わずって感じだけどね。ポケモンみたいな出会いだったわけじゃん(笑)。
松本:確かにそうだね。だから仲良くなったきっかけもそんな感じ。
中原:そうだね。友達を作らなきゃって気持ちがでかかったから、俺は。だから人一倍明るく元気でいようって思ってたから。俺が思ってる以上の破天荒さのやつが来たから、これは仲良くなるしかないなって。
松本:どんな中学生だった?お互いの印象。俺はね、"達観してるな"っていうか、"物事の考え方が大人びてるなあ"と思ってたね、中学の頃のお前。
中原:多分、そんなに喋んなかっただけじゃないかなって思うけど。
松本:本とか、漫画とか色々な事知ってて、"こいつすげー"と思ったし。
中原:あれは多分、浅野いにおさんって漫画家がいらっしゃるでしょ?めっちゃ好きで読んでたから、むやみやたらといろんなことを喋るのがかっこ悪い、黙っていた方がかっこいいって思ってたからだと思う。
松本:なるほど。だから俺の印象としては、最初はものすごく達観してたんだけど、一緒に大人になっていくに連れて、健仁が退化していくというか、子供になっていく姿を見てるような。擬似ベンジャミンバトン、精神的にベンジャミンバトン見てるみたいだから、俺は健仁が今、歳を重ねるにつれて若くなっていくっていう印象がある。
中原:結局、分からないことをわかったふりしてるって言うのがダサいなって、段々思うようになってたのよ。
松本:分かってたんじゃないの?
中原:分かってなかったことも、なんか分かってる風に、「まーね」みたいなことを言ってたところがあるから。
松本:俺はなんとなくそれにものすごく感銘を受けながら、中学時代を過ごしてたけどね。
中原:まあ分かってたこともあるんだろうけどね。ただ、素直であればあるほど、なんか俺の理想としてるものにはなれるなって思ってるから、素直に無邪気な感じになっていったかな。
大の印象はねー、そうね、一番最初は破天荒っていうのはあったけど、人と接することをすごく楽しがってる奴だなっていうのは思ってた。だから俺が一緒に何々しようぜとか誘うと、すげー嬉しそうについてくるし、なんか1人でいるっていうのが苦手なんだろうなっていう感じはあった。
松本:そうだねー。考えるモードになっちゃうんですよ。
中原:1人でいると?
松本:うん。自分についてとか身の回りに起きてることについて考え始める傾向があって。
中原:うん、そうね。
松本:割と暗い考え方なのね。暗いのよ、テーマが。だからそれから逃れるように生きてるっていう感じ。人と接するのも、ゲームしたり漫画読んだりするのも、なんか1人になって1人の時間を過ごし始めると途端にそういう風になっちゃうから、それを振り払える何かっていう。音楽制作の時だけだね、そういう風に向き合おうって努力するの。
中原:なるほどね。確かにさ、昔書いていた歌詞とかもさ、"対自分"っていうテーマが多いじゃん。大の場合は。多分そういうところから来てるんだろうね。
初めて、"この曲いいな"と感じた楽曲
松本:子供ながらにこの曲いいなって最初に思った曲覚えてます?
中原:BUMP OF CHICKEN の「ラフ・メイカー」。俺が音楽を聴くきっかけになった曲だね。
松本:へーっ。
中原:俺、兄と姉がいるんだけど、兄貴がまず音楽にハマってて。部屋も一緒だから、流れてるものにグッときたら兄貴に「これって何?」って聞くみたいな。BUMP OF CHICKEN の「ラフ・メイカー」だよって教えてもらって、そこから兄貴のMD引っ張り出して。
松本:MDね。
中原:ミニディスクよ。とにかくバンプを聴きまくってたね。『Jupiter』ぐらいまでの曲は歌詞見なくても全部歌えるぐらいのハマり度合いだった。
松本:この曲いいなって俺が最初に思ったの何だろう。...多分、小4の時のドラマの「プライド」だと思うんだよな。(主題歌の)「I Was Born To Love You」クイーンの曲がめっちゃ良かったと思ってた。
中原:へーっ。
松本:でもその当時聴いていたのって、単曲なのよ、だいたい。
中原:単曲?
松本:1曲しか知らないって状態。クイーンで言うところの「I Was Born To Love You」と「Somebody To Love」。あとは、中学の時に給食の時間に絶対流れてたカーペンターズ「Top of the world」とか、あとはアニメの主題歌だった曲とか。一曲一曲っていう感じで、アーティストで聴くことがほとんどなかったんだけど、両親がファンというのもあって、浜田省吾さんだけはずっと流れてた。
ベースをはじめたきっかけ
松本:ベースを手にしたきっかけ。なぜベースを選んだ?
中原:これもお兄ちゃんなんだよね。兄貴が高校の部活で始めたのかな。共同部屋にベースが置かれるようになって、最初はベースっていう存在すら知らなかったから、"お兄ちゃんギターはじめたんだ"みたいに思ってたけど、やり方も分かんないから、ペグっていうチューニングする時に調整するパーツがあるんだけど、ペグをくるくるくるくる回してたらすぐ怒られて、「何やってんだ」って。
松本:俺もやってた、親父のギターのチューニングめっちゃくちゃ狂わせて怒られた。
中原:そうそう、「何これ、めっちゃまわるやんけ」みたいな感じで、ぐるぐるぐるぐるやってたら怒られて、「こうやってやるもんなんだ」って見せて教えてくれて、それがかっこいいなって思ってたんだけど、BUMP OF CHICKENを聴くようになってから、"これがベースなんだ"っていう風に分かり始めて、兄貴にちょっとベースを教えてもらったりとかして。それがきっかけかな。
松本:ベースを始めるきっかけって、ベースに触れた状態で自分の好きなバンドのベースを認識することだと思うんだよね。
中原:そうだね。
松本:それ以外でベースにハマれる方法がない気がする。ベース単体で触ってたとしても、"何これ"ってなるよ。
中原:なるよ!超つまんねーもん(笑)。
松本:自分が触ったことある楽器が、自分が好きなバンドの中でどういう役割を担っているかっていう認識ができた時点で、ベースって超渋いってなると思うし、カッコいいってなると思う。それ以外でベースにハマれないんじゃない?と思う。
中原:俺はね、いろんな理由があるわけじゃなくて、単純にモノとしてベースが好きっていうところがまずある。多分だけど、美術品とか見てて、これは美しいぞ、みたいな感覚と多分一緒。モノとして、そもそもベースっていう楽器が好きで。
松本:ギターでもいいじゃん。
中原:ギターでもいいけど、ただそこに違いがあるとしたら、あの低音。あの低音感とか、ぶっとい音がでる感じとか、そういう音質なのかな、それが俺はすごく好きなんだよね。役割どうこうっていうのはバンドでいろんなアレンジやっていく上で考え始めたことであって、そこに魅力があったというわけではなかったな。
松本:この人すごいんですよ。自分で初めて、自分のお金を出して買ったベースを今でも使ってる人なので。
中原:そう、おじいちゃんにちょっと折半してもらったけど。
松本:それまで何か買ってもらったことしかないという感じだったんだよね?初めて自分で買いに行って、中2だか中3くらいの時に。
中原:そうそう、中3でね。
松本:フェンダージャパンのジャズベースをいまだに使っているんですよ、この人。
中原:ずっと店に飾ってあって、我々行く所ってそうないじゃないですか、今はなくなっちゃったけど長崎駅の中にある楽器屋さんに、当時行く度に飾ってあったのね。どうしても欲しくて1年間頑張って貯金して、それでもあったら買おうって思ってたら、あったから「最後の一本だ!」って。だから思い入れがすごく強いんだよね。
松本:その時に買ったものを今でも使ってるっていうミュージシャンを、俺は俺の無知かもしれんけど中原健仁かGreen Dayのビリー・ジョー・アームストロングしか知らない。
中原:(笑)。すげーの来たな。
松本:ビリー・ジョー・アームストロングもストラトか何かをね、若い時に買ったやつをずっと使ってるっていう感じだった気がするんですけど。バンドやりたいっていうのは、いつ頃から思ってました?
中原:バンドやりたいと思ってたのは、もうほんとに直ぐよ、ベース始めてから。
松本:転校してきた初日にしんちゃんとギターとベースの話は盛り上がってたね。
中原:そうそう。それまで俺バンドっていうものがなくて、ベースしかやってこなかったから、さすがに1人でやってたんじゃ飽きるでしょ。バンドはずっとやりたいなって思ってたんだよね。そしたら自己紹介した後、直ぐ、しんちゃんが後ろの席だったんだけど、"ねえ、ベースやってるの?俺ギターやってるんだけど"って声かけてくれて。
松本:思えばね、お前はあの時点でバンドやってたと思うよ。
中原:(笑)。
松本:バンドを結成した時から、いつかプロになりたいと思っていましたか?
中原:"プロになりたい"っていうよりは、"いつまでも続けてたいな"っていう気持ちだったね。それが現実的に、仕事をどうしていこうかっていう選択に迫られた時、ちょうど大学3年生ぐらいの時か。みんなが就活やらなんやら始めてる時に、「じゃあ俺はどうしよう」って思った時に、「初めてプロでやっていきたいな」って。「音楽だけやってお金をもらってやっていきたいな」って思い始めたかな。
松本:そうだね。メジャーデビューした時、まだお前大学生だったもんな。
中原:そうそう。まさか在学中にデビューするって思ってなかったからね。
松本:プロでやっていけるかも、という予感はありましたか?最初に感じたのはいつ、なぜ?
中原:うーん。大学1〜2年ぐらいで下北沢のライブハウスでライブやりまくってる時に、自分にとっては良いと思ってた"大の声"を認めてくれるって人、良いって言ってくれる人がどんどん増えていったわけ。本当に俺らは無名だったから、もう友達とか家族とか呼んで、チケットノルマを達成するっていうことだったけど、だんだんそうじゃない、本当に見たこともない人が来てくれるようになって...。その辺からかな。
松本:プロでやっていけるかかぁ、どこで思ったんだろう俺...。高校くらいの時に自分で曲作るになってからからじゃない?
中原:あー。確かにな。
松本:高校卒業するタイミングで、進路希望調査票とか高3の時に出すじゃん。で、特に大学に行きたいっていう気持ちがなかったの。なんか"やりたいことがないから東京に行こう"と思ったのは確かだった。それ多分..."俺はやれる"って言う裏打ちだったのかもしれない。自信がなかったら、他の仕事とか考えてたと思うんだよね。
中原:何やってたんだろうね。
松本:俺も想像できないんだけど。でも、人間として多分確証がない所に突っ込んでいくような無謀な性格ではないから、高校の時点で思ってたかもしれない。
中原:確かに。
お互いが成長したと感じるところ
松本:多感な10代20代のお互いの活動を見てきて、成長したなと思うところはありますか?
中原:これね俺は、多分、大の中ではずっと持ってたものだと思うんだけど、(大は)人の気持ちを考えるっていうか、平たく言うと、"優しくなったね"っていうことなんだけど。ちゃんと人の気持ちを考えて言葉を選ぶようになってきたなって思う。
松本:うんうん。自覚してる。昔の自分は、ただただ預けてもらいたくてしょうがなかったというか。全ての役割を担おうとしてしてた感じ。それを人に預けられるようになってから、言動が変わってる気がする。
中原:"優しくなったね"って言ったけど。その前の時期は、メンバー間でもうまくいってなかった時とかもそうだけど、自分から前のめりになんでも突っ込んでやっていこうという姿勢は、中学生の頃から多分変わってないところだと思う。ガツガツ前のめりな。
松本:そうか。でも優しくなったって言われてもね...大喜(Dr)やめるってよ(笑)。
中原:なんでそれ出してきたんだよ(笑)。
松本:ほら、俺のやり方がよくなかったのかなと思ったりするわけじゃん。
中原:いやいやいやいや!!もうそういうのは関係ないよ。それは大喜が自分で自分の今後を考えて決めたもんだから。大が悪かったとかそういうんじゃない、大丈夫よ。
新曲「ニューワールド・ガイダンス」について
松本:「ニューワールド・ガイダンス」の制作過程において、それぞれ"俺、頑張った"と密かに思っているポイントは?
中原:ほぼほぼ毎回なんだけど、うちの曲って基本的なところは大が作ってきてくれるんですよ。
松本:大まかなパートのアレンジとかね。
中原:そうそう。大が一旦送ってくれるデモ音源を俺がまず弾いてみるところからスタートするんだけど。デモ音源の時点でベースが、明らかに難しいんですよね。あれ、今どうやった?っていうポイントが結構多くて、それを弾きこなすっていうことがまず大変だったから、それは頑張ったって(自分を)褒めてあげたい。だけど、それプラスでメンバーそれぞれのやりたいモノっていうか、色っていうのを合わせてこそバンドだと思うのね。プレイすること自体が色にはなるんだけど、俺が持ってる"ココはこう鳴らしたい"っていうフレーズだったり、ニュアンスのアレンジを、俺がちゃんと入れられたっていうところは良かったって思ってる。
松本:話し合いの大事さっていうのを、ベースに関してはすごぐ思ったの。
中原:本当に会話って大事よ。
松本:ディレクションしたじゃん、俺が。"ココこういう風に弾いてみるの、どう?"みたいな感じでさ。健仁もそれに合わせて、やってみて理解した部分と、健仁が弾いたことで俺がまた理解する部分とか。それ、凄く良かったな。でも、めっちゃ疲れるんだよな。
中原:(笑)。
松本:同じブースにいてさ、自分が弾くことないのに他人の演奏を聴いてなきゃいけないじゃん。
中原:そうそう。
松本:今ちょっとココ違うな、みたいに思いながら聴いているの、ムッチャ大変だなーって。だから俺は、"俺頑張った"っていうポイントは、グっとこらえながら、ややストレスを抱えながら、メンバー全員のディレクションを出来たっていうところかな。
中原:(笑)。お疲れ様です、ありがとうございます。
松本:イヤイヤ、自分が良い曲作りたいが故にやらなきゃいけないことだったんで。
そして、「ニューワールド・ガイダンス」のお互いの仕事について良い仕事したな、と思うお褒めポイントは?...コイツ、マジ、ベース上手い!
中原:(笑)。ストレートだね。
松本:コイツはマジでベース上手い。
中原:ありがとうございます。
松本:本当にね、これ聴いてるミュージシャンいたらコイツと一緒に1回やってみ!と思うぐらい良くなってきてますね。
中原:本当に?
松本:非常に。俺、同世代で感動できるというか、うわっ、すげーなって思うミュージシャンってそんなにいないのよ、プレイヤーって。ベースは、お前結構いけんじゃないと思うよ。
中原:うわーっ、鳥肌立った。
松本:コイツ、良い仕事するよ。マジでベース・オタク。本当に楽屋でもずっと弾いててうるせえだけあるわ。
中原:(笑)。ちゃんと最後落とすのね。
松本:若いのにすごいねっていうぐらいだよ。
中原:ありがたいですね。大はね、アレンジに関して本当にすごいなーって思うんだけど、この曲に関しては特に、デモからめちゃめちゃ変わったじゃん、これ。
松本:変わった。メロディが決まらなかったからね。
中原:そうそう。もっと前のデモからめっちゃ変わったんだけど、サビの「イエーッ」てあるじゃない。あれ、入れてきたのマジでナイスって思う。
松本:あれも曲のテーマとして"ロックなことをやりたい、だけど鬱屈としたものを鳴らそうとしてるから、弾ける感じを出したい"と思うと「イエーッ」が最適なわけで。
中原:マジで最高だった。テーマにめちゃめちゃ合ってるしね。
松本:いい仕事してるわ、それは確かに。
中原:本当にいい仕事してる。
松本:もうすぐ結成15周年。そんな新曲を持って10月24日(日)結成日ですね。地元長崎でワンマンライブやります。会場は長崎Drum Be-7。午後5時スタート。『Branch』。これね、俺、大喜のことを予期してなかったのよ。『Branch』っていうタイトルを決めた時点で。
中原:まあ、そうだよね。
松本:ただ、何となく...俺『Branch』ってタイトル発表するにあたって、"色んな選択肢があった中で選んできて今ここまで来ている"って言ったんだけど、でも"この先もいろいろ枝分かれしていくだろうな"って凄く思ったわけよ。15周年っていう、核、テーマがあるからさ、それを考えた時に、枝分かれしていくっていうこともあるだろうなっていうのは密かに込めてたの。
中原:そうだね。
松本:そういう中で「ニューワールド・ガイダンス」っていう曲出したじゃない。
中原:はい。
松本:そしたら、大喜、辞めるって言うからさ(笑)。『Branch』で、かつ「ニューワールド・ガイダンス」って、俺、持ってんなと思ったけどね。
中原:ね、なんかね、ちょいちょいあるよね、そういう予期してんじゃねえかみたいなのはさ。
松本:「いつものこと」もリリースした瞬間に、コロナ禍になっちゃったしね。"当たり前がゼロになる"っていうね。...というライブになると思います。
中原・松本:(笑)。
中原:ざっくりしてんな。俺個人としては、色々枝分かれしていってというか、選択の連続をしていった結果、俺たちはこうやってバンドをやってるわけじゃん。その姿を見た人がなんかこう一歩踏み出す勇気になればいいなっていう、こっちの道に進んでみると、こういうことができるかもしれないっていう、その1つの例として背中を押せるようなものが見せられたらベストだなと思ってます。
松本:なるほど。
10月6日(水) オンエア楽曲
LAMP IN TERREN「心身二元論」BUMP OF CHICKEN「ラフ・メイカー」
浜田省吾「光と影の季節」
ACIDMAN「and world」
GRAPEVINE「疾走」
LAMP IN TERREN「ニューワールド・ガイダンス」
番組へのメッセージをお待ちしています。
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RADIO INFORMATION
FM 福岡「Room "H"」
毎週月曜日から金曜日まで深夜にオンエアされる、福岡市・警固六角にある架空のマンションの一室を舞台に行われ、次世代クリエイターが様々な情報を発信するプログラム「ミッドナイト・マンション警固六角(けごむつかど)」。"203号室(毎週水曜日の26:00~26:55)"では、音楽番組「Room "H"」をオンエア。九州にゆかりのある3組のバンド、ユアネスの黒川侑司、LAMP IN TERRENの松本大、odolの森山公稀が週替わりでMCを務め、本音で(Honestly)、真心を込めて(Hearty)、気楽に(Homey) 音楽愛を語る。彼らが紹介したい音楽をお届けし、またここだけでしか聴けない演奏も発信していく。放送時間:毎週水曜日 26:00~26:55
放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)
番組MC
黒川侑司(ユアネス Vo.&Gt.)
福岡で結成された4人組ロックバンド。感情の揺れが溢れ出し琴線に触れる声と表現力を併せ持つヴォーカルに、変拍子を織り交ぜる複雑なバンドアンサンブルとドラマティックなアレンジで、
詞世界を含め一つの物語を織りなすような楽曲を展開。
重厚な音の渦の中でもしっかり歌を聴かせることのできるLIVEパフォーマンスは、エモーショナルで稀有な存在感を放っている。2021年4月21日にFRIENDSHIP.より新曲「Alles Liebe」を配信リリース。
オフィシャルサイト/ @yourness_on/ @yourness_kuro
松本大(LAMP IN TERREN Vo.&Gt.)
2006年に長崎県で結成。バンド名「LAMP IN TERREN」には「この世の微かな光」という意味が込められている。松本の描く人の内面を綴った歌詞と圧倒的な歌声、そしてその声を4人で鳴らす。聴く者の日常に彩りを与え、その背中を押す音楽を奏でる集団である。
9月1日に「ニューワールド・ガイダンス」をリリース。
オフィシャルサイト/ @lampinterren/ @pgt79 / @lampinterren
森山公稀(odol Piano&Synth.)
福岡出身のミゾベリョウ(Vo.)、森山公稀(Pf./Syn.)を中心に2014年東京にて結成した5人組。ジャンルを意識せず、自由にアレンジされる楽曲には独自の先進性とポピュラリティが混在し、新しい楽曲をリリースする度にodolらしさを更新している。
2021年6月9日に、NEW ALBUM「はためき」をリリース。
オフィシャルサイト/ @odol_jpn/ @KokiMoriyama