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2021.08.05
【読むラジオ】MC:松本大(LAMP IN TERREN) CHiNPAN&藤本夏樹 家族がゲスト出演!「Room H」 -2021.08.04-
FM福岡で毎週水曜日 26:00~26:55にオンエアしている音楽番組「Room "H"」。九州にゆかりのある3組のバンド、ユアネスの黒川侑司、LAMP IN TERRENの松本大、odolの森山公稀が週替わりでMCを務め、彼らが紹介したい音楽をお届けし、またここだけでしか聴けない演奏も発信していく。
今週のMCは、LAMP IN TERRENの松本 大が担当。SENSAでは、オンエア内容を一部レポート!(聴き逃した方やもう一度聴きたい方は、radiko タイムフリーをご利用下さい。)
今回は、水墨画家のCHiNPANさん・TempalayのDr.藤本夏樹さん・娘のKIKIちゃん、ご家族揃ってゲストに登場。松本くんが冒頭で話しているように、超アットホーム回になりました!
KIKIちゃんの可愛さに、松本くん始めスタッフはメロメロ(笑)。親戚のような間柄らしく、ほっこりした空気感の中でちょっぴり真面目なお話も!
松本:LAMP IN TERRENの松本大がお送りしているRoom "H"。ここからは@リビングルーム拡大版、お客さんに来てもらいました。お客さん(?)というか友達をお迎えしております!
Tempalayのドラムの夏樹さんと水墨画家のCHiNPANさんことメグちゃんご夫妻とその娘のKIKIちゃんにも来てもらってます。喋ってくれるかな(笑)。
この番組が始まって以来の超アットホーム回って感じなんです。今までは俳優の友達に来てもらったり、バンドマン仲間に来てもらったりしてたんだけど、俺らは仕事とか関係なしに、例えば正月に集まったりとか、親戚みたいな感じだね(笑)。
夏樹:本当にそうだね!バンドの繋がりって感じじゃないもんね。
松本:この番組に来て欲しい気持ちはあったの。さて何を喋ろうかなと思った時に、俺はこの親戚っぽいスタンスを崩さずに、スタッフさんに番組っぽくなるように質問とか考えてもらえばいいんだと思って。
そういう感じで、今日はスタッフさんや俺自身が気になることを混ぜながら2人と喋っていきたいなと思ってます!よろしくお願いします。
夏樹・CHiNPAN:お願いします。
松本:多分俺、CHiNPANの方が先に会ったよね?大晦日だったっけ?
CHiNPAN:完全に元旦。
松本:元旦だっけ?めちゃくちゃ場末の空気感の中に来たよね?
CHiNPAN:そうそう!一番最初に会ったのは、全然コロナ禍の前。多分、2017年になった瞬間だったと思う。
松本:そうだよね。4年半前かな、渋谷の飲み屋に急に呼ばれて、よろしくお願いしますみたいな感じでCHiNPANが現れて。何がきっかけで仲良くなったかは覚えてないけど、会った日のことは覚えてる。
CHiNPAN:私もすっごい覚えてる。
松本:ことあるごとに、花見とかそういう親戚一同が会するようなイベントをずっと一緒にやってるよね。
CHiNPAN:KIKIちゃんの100日祭とかね。
夏樹:そういうところでしか、ほぼ会ってないからね(笑)。
松本:だからすごく安心感がありますね。
CHiNPAN:プライベートの友達って感じがする。
松本:なっちゃんはいつ会ったっけ?
夏樹:その半年後くらいだから、2017年の夏とか秋なんじゃないかな。
松本:まずは同じ音楽畑ということでなっちゃんから、子供の頃に好きで聴いていた音楽はどんな音楽だった?
夏樹:母親がピアノの先生で、だから最初に触れた音楽はピアノだった。だからその頃、好きな音楽みたいな概念はあんまり無くて、クラシックを聴いたり、車の中で流れるミスチルとかを聴いたりしていた。
松本:ドラムは何がきっかけで始めたの?
夏樹:ドラムは中学生の時に始めた!俺、元々テニス部だったんだけど、スノーボードで骨折しちゃって。練習行けない時に、X JAPAN好きな友達に「お前もバンドやろうぜ、ピアノ弾けるし、ドラム叩けたらYOSHIKIじゃん」って(笑)。それで「骨が治ったら、テニス辞めて、ドラムやるわ」って言ってバンド始めた。
松本:なるほどねー。なんかいいな、YOSHIKIの話聞いてるみたい(笑)。最初に触れた楽器はピアノなんだね。
夏樹:X JAPAN HIDEなんじゃないかな。
松本:ちなみに、Tempalayはいつからやってるの?
夏樹:Tempalayは2014年からだから、7年目?
松本:Tempalay結成時の話とか俺よく知らないんだよね。
夏樹:元々は、今のボーカルともう辞めたベースとドラムが3ピースバンドをやってて。The White Stripesとか、ガレージ系の激しいやつにサイケっぽい要素もあるような音楽をやってたんだけど、その時に俺がサポートしてたシューゲイザーバンドがあって。そのシューゲイザーバンドと対バンした時、ボーカルの綾斗に「一緒にやんない?」みたいなことを言われた。俺も当時やってた音楽がそんなに好きじゃなかったから、「まあ、レコーディングで叩いてみるとかやってみようかな」ってテンションで始めたら、当時のベースの祐さんに「ちゃんとやろうよ」って言われて、音楽の話とか色々としてたら「今後はガレージっぽい感じじゃなくて、もっとTame Impalaとか、そういう感じの曲にしていきたいと思ってるんだよね。だから一緒にやろうよ」って言われて、じゃあ一緒にやってみようかなって始まった!
松本:めちゃくちゃいいんだよなー。なっちゃんのドラムも、ライブで観たことあるけどすっごい好きだなと思う。なっちゃん独特のグルーブがある感じがする。
夏樹:そうかもね、独特だと思う。うれしいです(笑)。
松本:ファッション性にも関係しているところがあるかもしれないけど、本当にかっこいい(笑)。
次はめぐちゃん(CHiNPAN)の話も聞いていこうかなと思います!
CHiNPAN:得意...だったと思います。でも幼稚園ぐらいまでは本当に絵が描けなくて、棒人間とかも書けないレベル。そこから手塚治虫のリボンの騎士にハマって、馬を模写するようになって、絵が描けるようになった!だから、手塚治虫きっかけで小学生ぐらいからずっと創作にハマっていった。
松本:ミュージシャンの場合、専門的に音楽を学んでプロになったという人の方が少ないように思いますが、めぐちゃんの場合どうですか?技術や理論のような勉強って必要なもの?
CHiNPAN:私ほんとに友達がいなくて、美術室大好きで通ってるタイプだったんだけど、小学校3年生くらいの時に美術の先生に「お前は水墨画やれ!」って言われたのがきっかけ。結構変わってて、子供からちょっと怖がられてる先生で...(笑)。でも私はすごく好きで、美術室に通ってた。
そこからハマって、近くにたまたま水墨画を教えてるおじいちゃん先生がいたから、そこに習いに行ってた。
松本:じゃあ師匠はその先生?
CHiNPAN:そうだね。その人に10年近く習ってた。
松本:いつからそれが仕事になり始めた?
CHiNPAN:19歳ぐらいの時に、ノリで国立新美術館のコンペみたいなのに出して、その作品が佳作に選ばれて。いろんな人に「仕事になるんじゃない」って言われたけど、全然ピンと来てなくて、そのままヌルヌル生きて、21歳ぐらいの時にライブペイントで仕事をもらうようになってから、こういうのもできるんだなって思った。でも、「仕事にしよう!」って思ったことは一度もなくて、ヌルっと続けてる(笑)。
松本:バイトとかしたことはある?
CHiNPAN:全然してた。ライブペイントとかも今より全然安いお金で、むしろタダでやってた時もめちゃくちゃあったし、賞を獲っても何か貰えるわけじゃないから、本当に仕事になると思ってなかった。
松本:最近、めぐちゃんの展示会とか行けてないんだよね。一応、作品は見させてもらったりするんだけど、どういうアイディアで作品を作ってるのかなって。
CHiNPAN:私の場合は言葉の連鎖というか、マジカルバナナ状態で繋げていくのが多い。
松本:例えば「蝶を書こう」って思った時には、蝶をどういう風に見せたらいい感じになるかなって連想で作品を作ってるってこと?
CHiNPAN:逆かもしれない。最近の個展でやったのは"生と死"にまつわるものやりたいから、"生と死"って何だろうって、言葉遊びだったり、そういうのを調べて、それからあれはこれに繋がる、って道筋を見つけていくことが多くて。こういう形にしたいとかはあんまり無くて、やりたいワードがあってそこに紐付けていく感じ。
松本:前に、渋谷西武デパートのビジュアルになってたじゃん?あれはどういう感じだったの?
CHiNPAN:あれは、ジェンダーレスをイメージして作って欲しいというオーダーがあって。あと、白と黒で闇と光みたいなのを作って欲しいっていうことで、色んな種類の蜘蛛と色んな形の雲を集めてそれを円にして黒くしたり、外に集めて円を真っ白にしたりとか。そうやって表現してて、そういうのも言葉遊びの延長で作ってたりとかする。
松本:そういう感じで曲が作れたら楽しいかもしれない(笑)。
松本:これもさっきの言葉遊びの流れと一緒?
CHiNPAN:いや、掛け軸は伝統技法なので全然違って。個人依頼とか企業依頼で「掛け軸で作ってください」っていうのが多くて、いつも掛け軸は職人さんに頼んでたんだけど、コロナもあって、自分で家で出来ればいいなーって思って、今まで頼んでいた職人さんのところに昨年から習いに行って。習って分かったのは、難しすぎて無理(笑)。
夏樹:絵を描くのとは別の技術なんだよね。音楽で言う、ミックスをする作業みたいな。
CHiNPAN:でも、知った上で頼むのと知らないで頼むのとは全然違う世界だったし、絵の見方も変わったりした。
松本:もしかして、楽器を作るみたいな話じゃない?音楽を奏でるのとは全然違う技術だけど、"こういう構造になってるからこういう音になる"とか楽器だとあるけど...。
CHiNPAN:それに近いと思う。それがすごく楽しくて、一個の掛け軸を作るのに3,4ヶ月もかかるもんだから、自分の作品だったり、仕事で請け負うのはちょっと無理で、丁寧に職人さんに頼むようになった(笑)。
CHiNPAN:さっきの連想ゲームだったり、今の気持ちを表現するのが多い。
松本:最近はどんな気分?
CHiNPAN:最近は、古いものを仕立て直したりするのにハマってたりとか、今年は個展をやり切ったから、生死について考えるのがすごく多かったかな。コロナもあったけど、KIKIちゃんが生まれたり、愛犬が亡くなったりとか。
CHiNPAN:私はある。スランプじゃないけど、自分のスタイルを見つけるのに模索して辛かった。
松本:それ俺もあるな...。なっちゃんはある?
夏樹:常にスランプ(笑)。
松本:そうだよね、ものづくりやってる人間は常にスランプなんだよなー。
夏樹:難しいな、スランプってわけじゃないんだけど...。かと言って満足しているわけではないじゃん。
松本:たしかに。決して満足することはないよね。
松本:これは2人に聞きたい。なんか達成感を感じたことはありますか?
夏樹:これ、音楽だとさ、作り終わった瞬間は「やったぜ」ってなるけど、完成からリリースされるまでにちょっと時間あるじゃん。リリースされる頃には、ちょっとやり直したくなっちゃうよね。それの繰り返しじゃん。世に出るときに「よっしゃ!これで決めてやる!」みたいな気持ちになれてることはあんまりない(笑)。
CHiNPAN:私はないかなー。個展とかは達成感あるけど、でもすぐ終わっちゃうんだよね。なんか飾る頃には飽きてるんだよね。
松本:それも一緒だよね。リリースするまでの俺らの冷却期間と一緒。
CHiNPAN:だから続けられるのかもしれないけどね。
夏樹:結局、「やったー、終わったー」みたいなことってないよね。完璧なものが作れることってないかもね。
松本:めぐちゃんの作品で、なっちゃんが特に好きな作品はありますか?
夏樹:全部かっこいいよね。
松本:俺もそう思う。
CHiNPAN:やった!
夏樹:家で間近で見ると、感動する。
松本:え、見たい!俺ちょうどレコーディングと被ってたりするから、個展に行きたいけど行けてないんだよな。だからアトリエに行って、目の前で描いてもらおう。
夏樹:適当に描いて、バッと置いてあるやつとかもかっこいいもんね。「うわ、アーティストっぽい!」って(笑)。
松本:技術ってハンパないよね。音楽でもそうかもしれないけど、俺もなんとなく曲作っててパソコン上のどこかに眠ってるだけのデータとかあったりするけど、たまに開いて、メンバーから「これ何?聴かせて」って言われて聴かせると、「え、これ音源化しようよ」って。俺は遊びで作ってたものなんだけど、そういうことがある(笑)。
自分の中で普通でも、他人にとって特別なことなんだよなー。それが水墨画だよ。俺全然分からない(笑)。たまにフェスとかで書き初めやったりするんだけど、すごい細い字で文字書いてるだけだもんね。「今年も頑張る」みたいなことしか書いてない。でも書いてみたいな。
CHiNPAN:全然、いつでも!!
今週はKIKIちゃんの声はあまり聞けなかったですが、次週はあの曲のタイトルコールを聞けるかも!?次週もお楽しみに!
X JAPAN「Silent Jealousy」
John Natsuki「ESCAPE」
Tempalay「大東京万博」
Coldplay「Higher Power」
番組へのメッセージをお待ちしています。
Twitter #FM福岡 #RoomH をつけてツイートしてください。MC3人ともマメにメッセージをチェックしています。レポート記事の感想やリクエストなどもありましたら、#SENSA もつけてツイートしてください!
放送時間:毎週水曜日 26:00~26:55
放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)
黒川侑司(ユアネス Vo.&Gt.)
福岡で結成された4人組ロックバンド。感情の揺れが溢れ出し琴線に触れる声と表現力を併せ持つヴォーカルに、変拍子を織り交ぜる複雑なバンドアンサンブルとドラマティックなアレンジで、
詞世界を含め一つの物語を織りなすような楽曲を展開。
重厚な音の渦の中でもしっかり歌を聴かせることのできるLIVEパフォーマンスは、エモーショナルで稀有な存在感を放っている。2021年4月21日にFRIENDSHIP.より新曲「Alles Liebe」を配信リリース。
オフィシャルサイト/ @yourness_on/ @yourness_kuro
松本大(LAMP IN TERREN Vo.&Gt.)
2006年に長崎県で結成。バンド名「LAMP IN TERREN」には「この世の微かな光」という意味が込められている。松本の描く人の内面を綴った歌詞と圧倒的な歌声、そしてその声を4人で鳴らす。聴く者の日常に彩りを与え、その背中を押す音楽を奏でる集団である。
2020年10月14日にアルバム「FRAGILE」をリリース。
オフィシャルサイト/ @lampinterren/ @pgt79 / @lampinterren
森山公稀(odol Piano&Synth.)
福岡出身のミゾベリョウ(Vo.)、森山公稀(Pf./Syn.)を中心に2014年東京にて結成した5人組。ジャンルを意識せず、自由にアレンジされる楽曲には独自の先進性とポピュラリティが混在し、新しい楽曲をリリースする度にodolらしさを更新している。
2021年6月9日に、NEW ALBUM「はためき」をリリース。
オフィシャルサイト/ @odol_jpn/ @KokiMoriyama
今週のMCは、LAMP IN TERRENの松本 大が担当。SENSAでは、オンエア内容を一部レポート!(聴き逃した方やもう一度聴きたい方は、radiko タイムフリーをご利用下さい。)
今回は、水墨画家のCHiNPANさん・TempalayのDr.藤本夏樹さん・娘のKIKIちゃん、ご家族揃ってゲストに登場。松本くんが冒頭で話しているように、超アットホーム回になりました!
KIKIちゃんの可愛さに、松本くん始めスタッフはメロメロ(笑)。親戚のような間柄らしく、ほっこりした空気感の中でちょっぴり真面目なお話も!
ゲスト:CHiNPAN&藤本夏樹(Tempalay)&KIKI
松本:LAMP IN TERRENの松本大がお送りしているRoom "H"。ここからは@リビングルーム拡大版、お客さんに来てもらいました。お客さん(?)というか友達をお迎えしております!
Tempalayのドラムの夏樹さんと水墨画家のCHiNPANさんことメグちゃんご夫妻とその娘のKIKIちゃんにも来てもらってます。喋ってくれるかな(笑)。
この番組が始まって以来の超アットホーム回って感じなんです。今までは俳優の友達に来てもらったり、バンドマン仲間に来てもらったりしてたんだけど、俺らは仕事とか関係なしに、例えば正月に集まったりとか、親戚みたいな感じだね(笑)。
夏樹:本当にそうだね!バンドの繋がりって感じじゃないもんね。
松本:この番組に来て欲しい気持ちはあったの。さて何を喋ろうかなと思った時に、俺はこの親戚っぽいスタンスを崩さずに、スタッフさんに番組っぽくなるように質問とか考えてもらえばいいんだと思って。
そういう感じで、今日はスタッフさんや俺自身が気になることを混ぜながら2人と喋っていきたいなと思ってます!よろしくお願いします。
夏樹・CHiNPAN:お願いします。
松本:多分俺、CHiNPANの方が先に会ったよね?大晦日だったっけ?
CHiNPAN:完全に元旦。
松本:元旦だっけ?めちゃくちゃ場末の空気感の中に来たよね?
CHiNPAN:そうそう!一番最初に会ったのは、全然コロナ禍の前。多分、2017年になった瞬間だったと思う。
松本:そうだよね。4年半前かな、渋谷の飲み屋に急に呼ばれて、よろしくお願いしますみたいな感じでCHiNPANが現れて。何がきっかけで仲良くなったかは覚えてないけど、会った日のことは覚えてる。
CHiNPAN:私もすっごい覚えてる。
松本:ことあるごとに、花見とかそういう親戚一同が会するようなイベントをずっと一緒にやってるよね。
CHiNPAN:KIKIちゃんの100日祭とかね。
夏樹:そういうところでしか、ほぼ会ってないからね(笑)。
松本:だからすごく安心感がありますね。
CHiNPAN:プライベートの友達って感じがする。
松本:なっちゃんはいつ会ったっけ?
夏樹:その半年後くらいだから、2017年の夏とか秋なんじゃないかな。
―2人ともアーティストですが、どのような道のりを経て今の活動にたどり着きましたか?
松本:まずは同じ音楽畑ということでなっちゃんから、子供の頃に好きで聴いていた音楽はどんな音楽だった?
夏樹:母親がピアノの先生で、だから最初に触れた音楽はピアノだった。だからその頃、好きな音楽みたいな概念はあんまり無くて、クラシックを聴いたり、車の中で流れるミスチルとかを聴いたりしていた。
松本:ドラムは何がきっかけで始めたの?
夏樹:ドラムは中学生の時に始めた!俺、元々テニス部だったんだけど、スノーボードで骨折しちゃって。練習行けない時に、X JAPAN好きな友達に「お前もバンドやろうぜ、ピアノ弾けるし、ドラム叩けたらYOSHIKIじゃん」って(笑)。それで「骨が治ったら、テニス辞めて、ドラムやるわ」って言ってバンド始めた。
松本:なるほどねー。なんかいいな、YOSHIKIの話聞いてるみたい(笑)。最初に触れた楽器はピアノなんだね。
―音楽の道を志すきっかけをくれたアーティストは?
夏樹:X JAPAN HIDEなんじゃないかな。
松本:ちなみに、Tempalayはいつからやってるの?
夏樹:Tempalayは2014年からだから、7年目?
松本:Tempalay結成時の話とか俺よく知らないんだよね。
夏樹:元々は、今のボーカルともう辞めたベースとドラムが3ピースバンドをやってて。The White Stripesとか、ガレージ系の激しいやつにサイケっぽい要素もあるような音楽をやってたんだけど、その時に俺がサポートしてたシューゲイザーバンドがあって。そのシューゲイザーバンドと対バンした時、ボーカルの綾斗に「一緒にやんない?」みたいなことを言われた。俺も当時やってた音楽がそんなに好きじゃなかったから、「まあ、レコーディングで叩いてみるとかやってみようかな」ってテンションで始めたら、当時のベースの祐さんに「ちゃんとやろうよ」って言われて、音楽の話とか色々としてたら「今後はガレージっぽい感じじゃなくて、もっとTame Impalaとか、そういう感じの曲にしていきたいと思ってるんだよね。だから一緒にやろうよ」って言われて、じゃあ一緒にやってみようかなって始まった!
松本:めちゃくちゃいいんだよなー。なっちゃんのドラムも、ライブで観たことあるけどすっごい好きだなと思う。なっちゃん独特のグルーブがある感じがする。
夏樹:そうかもね、独特だと思う。うれしいです(笑)。
松本:ファッション性にも関係しているところがあるかもしれないけど、本当にかっこいい(笑)。
次はめぐちゃん(CHiNPAN)の話も聞いていこうかなと思います!
―現在水墨画アーティストとして作品を制作されていますが、もともと絵を描くことが好きでしたか?子供の頃の図工や美術、得意でしたか?
CHiNPAN:得意...だったと思います。でも幼稚園ぐらいまでは本当に絵が描けなくて、棒人間とかも書けないレベル。そこから手塚治虫のリボンの騎士にハマって、馬を模写するようになって、絵が描けるようになった!だから、手塚治虫きっかけで小学生ぐらいからずっと創作にハマっていった。
松本:ミュージシャンの場合、専門的に音楽を学んでプロになったという人の方が少ないように思いますが、めぐちゃんの場合どうですか?技術や理論のような勉強って必要なもの?
CHiNPAN:私ほんとに友達がいなくて、美術室大好きで通ってるタイプだったんだけど、小学校3年生くらいの時に美術の先生に「お前は水墨画やれ!」って言われたのがきっかけ。結構変わってて、子供からちょっと怖がられてる先生で...(笑)。でも私はすごく好きで、美術室に通ってた。
そこからハマって、近くにたまたま水墨画を教えてるおじいちゃん先生がいたから、そこに習いに行ってた。
松本:じゃあ師匠はその先生?
CHiNPAN:そうだね。その人に10年近く習ってた。
松本:いつからそれが仕事になり始めた?
CHiNPAN:19歳ぐらいの時に、ノリで国立新美術館のコンペみたいなのに出して、その作品が佳作に選ばれて。いろんな人に「仕事になるんじゃない」って言われたけど、全然ピンと来てなくて、そのままヌルヌル生きて、21歳ぐらいの時にライブペイントで仕事をもらうようになってから、こういうのもできるんだなって思った。でも、「仕事にしよう!」って思ったことは一度もなくて、ヌルっと続けてる(笑)。
松本:バイトとかしたことはある?
CHiNPAN:全然してた。ライブペイントとかも今より全然安いお金で、むしろタダでやってた時もめちゃくちゃあったし、賞を獲っても何か貰えるわけじゃないから、本当に仕事になると思ってなかった。
松本:最近、めぐちゃんの展示会とか行けてないんだよね。一応、作品は見させてもらったりするんだけど、どういうアイディアで作品を作ってるのかなって。
CHiNPAN:私の場合は言葉の連鎖というか、マジカルバナナ状態で繋げていくのが多い。
松本:例えば「蝶を書こう」って思った時には、蝶をどういう風に見せたらいい感じになるかなって連想で作品を作ってるってこと?
CHiNPAN:逆かもしれない。最近の個展でやったのは"生と死"にまつわるものやりたいから、"生と死"って何だろうって、言葉遊びだったり、そういうのを調べて、それからあれはこれに繋がる、って道筋を見つけていくことが多くて。こういう形にしたいとかはあんまり無くて、やりたいワードがあってそこに紐付けていく感じ。
松本:前に、渋谷西武デパートのビジュアルになってたじゃん?あれはどういう感じだったの?
CHiNPAN:あれは、ジェンダーレスをイメージして作って欲しいというオーダーがあって。あと、白と黒で闇と光みたいなのを作って欲しいっていうことで、色んな種類の蜘蛛と色んな形の雲を集めてそれを円にして黒くしたり、外に集めて円を真っ白にしたりとか。そうやって表現してて、そういうのも言葉遊びの延長で作ってたりとかする。
松本:そういう感じで曲が作れたら楽しいかもしれない(笑)。
―Instagramにも公開していますが、CHiNPANさんは今、千年以上前からある日本古来の表装(作品を掛け軸や屏風にする技術)という手法にチャレンジされていますが、なぜ掛け軸を作りたいと思ったんですか?
松本:これもさっきの言葉遊びの流れと一緒?
CHiNPAN:いや、掛け軸は伝統技法なので全然違って。個人依頼とか企業依頼で「掛け軸で作ってください」っていうのが多くて、いつも掛け軸は職人さんに頼んでたんだけど、コロナもあって、自分で家で出来ればいいなーって思って、今まで頼んでいた職人さんのところに昨年から習いに行って。習って分かったのは、難しすぎて無理(笑)。
夏樹:絵を描くのとは別の技術なんだよね。音楽で言う、ミックスをする作業みたいな。
CHiNPAN:でも、知った上で頼むのと知らないで頼むのとは全然違う世界だったし、絵の見方も変わったりした。
松本:もしかして、楽器を作るみたいな話じゃない?音楽を奏でるのとは全然違う技術だけど、"こういう構造になってるからこういう音になる"とか楽器だとあるけど...。
CHiNPAN:それに近いと思う。それがすごく楽しくて、一個の掛け軸を作るのに3,4ヶ月もかかるもんだから、自分の作品だったり、仕事で請け負うのはちょっと無理で、丁寧に職人さんに頼むようになった(笑)。
―作品の題材はどうやって決めていますか?
CHiNPAN:さっきの連想ゲームだったり、今の気持ちを表現するのが多い。
松本:最近はどんな気分?
CHiNPAN:最近は、古いものを仕立て直したりするのにハマってたりとか、今年は個展をやり切ったから、生死について考えるのがすごく多かったかな。コロナもあったけど、KIKIちゃんが生まれたり、愛犬が亡くなったりとか。
―2人はスランプを経験したことはありますか?
CHiNPAN:私はある。スランプじゃないけど、自分のスタイルを見つけるのに模索して辛かった。
松本:それ俺もあるな...。なっちゃんはある?
夏樹:常にスランプ(笑)。
松本:そうだよね、ものづくりやってる人間は常にスランプなんだよなー。
夏樹:難しいな、スランプってわけじゃないんだけど...。かと言って満足しているわけではないじゃん。
松本:たしかに。決して満足することはないよね。
―今までで一番達成感を感じた作品はどんな作品ですか?
松本:これは2人に聞きたい。なんか達成感を感じたことはありますか?
夏樹:これ、音楽だとさ、作り終わった瞬間は「やったぜ」ってなるけど、完成からリリースされるまでにちょっと時間あるじゃん。リリースされる頃には、ちょっとやり直したくなっちゃうよね。それの繰り返しじゃん。世に出るときに「よっしゃ!これで決めてやる!」みたいな気持ちになれてることはあんまりない(笑)。
CHiNPAN:私はないかなー。個展とかは達成感あるけど、でもすぐ終わっちゃうんだよね。なんか飾る頃には飽きてるんだよね。
松本:それも一緒だよね。リリースするまでの俺らの冷却期間と一緒。
CHiNPAN:だから続けられるのかもしれないけどね。
夏樹:結局、「やったー、終わったー」みたいなことってないよね。完璧なものが作れることってないかもね。
松本:めぐちゃんの作品で、なっちゃんが特に好きな作品はありますか?
夏樹:全部かっこいいよね。
松本:俺もそう思う。
CHiNPAN:やった!
夏樹:家で間近で見ると、感動する。
松本:え、見たい!俺ちょうどレコーディングと被ってたりするから、個展に行きたいけど行けてないんだよな。だからアトリエに行って、目の前で描いてもらおう。
夏樹:適当に描いて、バッと置いてあるやつとかもかっこいいもんね。「うわ、アーティストっぽい!」って(笑)。
松本:技術ってハンパないよね。音楽でもそうかもしれないけど、俺もなんとなく曲作っててパソコン上のどこかに眠ってるだけのデータとかあったりするけど、たまに開いて、メンバーから「これ何?聴かせて」って言われて聴かせると、「え、これ音源化しようよ」って。俺は遊びで作ってたものなんだけど、そういうことがある(笑)。
自分の中で普通でも、他人にとって特別なことなんだよなー。それが水墨画だよ。俺全然分からない(笑)。たまにフェスとかで書き初めやったりするんだけど、すごい細い字で文字書いてるだけだもんね。「今年も頑張る」みたいなことしか書いてない。でも書いてみたいな。
CHiNPAN:全然、いつでも!!
今週はKIKIちゃんの声はあまり聞けなかったですが、次週はあの曲のタイトルコールを聞けるかも!?次週もお楽しみに!
8月4日(水) オンエア楽曲
LAMP IN TERREN「心身二元論」X JAPAN「Silent Jealousy」
John Natsuki「ESCAPE」
Tempalay「大東京万博」
Coldplay「Higher Power」
番組へのメッセージをお待ちしています。
Twitter #FM福岡 #RoomH をつけてツイートしてください。MC3人ともマメにメッセージをチェックしています。レポート記事の感想やリクエストなどもありましたら、#SENSA もつけてツイートしてください!
RADIO INFORMATION
FM 福岡「Room "H"」
毎週月曜日から金曜日まで深夜にオンエアされる、福岡市・警固六角にある架空のマンションの一室を舞台に行われ、次世代クリエイターが様々な情報を発信するプログラム「ミッドナイト・マンション警固六角(けごむつかど)」。"203号室(毎週水曜日の26:00~26:55)"では、音楽番組「Room "H"」をオンエア。九州にゆかりのある3組のバンド、ユアネスの黒川侑司、LAMP IN TERRENの松本大、odolの森山公稀が週替わりでMCを務め、本音で(Honestly)、真心を込めて(Hearty)、気楽に(Homey) 音楽愛を語る。彼らが紹介したい音楽をお届けし、またここだけでしか聴けない演奏も発信していく。放送時間:毎週水曜日 26:00~26:55
放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)
番組MC
黒川侑司(ユアネス Vo.&Gt.)
福岡で結成された4人組ロックバンド。感情の揺れが溢れ出し琴線に触れる声と表現力を併せ持つヴォーカルに、変拍子を織り交ぜる複雑なバンドアンサンブルとドラマティックなアレンジで、
詞世界を含め一つの物語を織りなすような楽曲を展開。
重厚な音の渦の中でもしっかり歌を聴かせることのできるLIVEパフォーマンスは、エモーショナルで稀有な存在感を放っている。2021年4月21日にFRIENDSHIP.より新曲「Alles Liebe」を配信リリース。
オフィシャルサイト/ @yourness_on/ @yourness_kuro
松本大(LAMP IN TERREN Vo.&Gt.)
2006年に長崎県で結成。バンド名「LAMP IN TERREN」には「この世の微かな光」という意味が込められている。松本の描く人の内面を綴った歌詞と圧倒的な歌声、そしてその声を4人で鳴らす。聴く者の日常に彩りを与え、その背中を押す音楽を奏でる集団である。
2020年10月14日にアルバム「FRAGILE」をリリース。
オフィシャルサイト/ @lampinterren/ @pgt79 / @lampinterren
森山公稀(odol Piano&Synth.)
福岡出身のミゾベリョウ(Vo.)、森山公稀(Pf./Syn.)を中心に2014年東京にて結成した5人組。ジャンルを意識せず、自由にアレンジされる楽曲には独自の先進性とポピュラリティが混在し、新しい楽曲をリリースする度にodolらしさを更新している。
2021年6月9日に、NEW ALBUM「はためき」をリリース。
オフィシャルサイト/ @odol_jpn/ @KokiMoriyama