SENSA

2021.03.24

新生・DENIMS!ゲストにドミコを迎えた新体制初ツアー「東名阪 Split 2man tour

新生・DENIMS!ゲストにドミコを迎えた新体制初ツアー「東名阪 Split 2man tour "wish you were here" vol.2」初日公演レポート

DENIMSが3月20日(土)に渋谷QUATTROにてツアー『東名阪 Split 2man tour "wish you were here" vol.2』をスタートさせた。昨年末にベースの松原大地が脱退し、2021年、新たな仲間にSpecial Favorite Musicのメンバーとしても活躍している土井徳人(Ba)を迎えて始動。そんな彼らの新体制初企画となるツアーの東名阪共通ゲストには、昔から深い親交のあるドミコが迎えられた。新型コロナウィルス感染拡大防止を目的とする時短要請を受け、公演毎の動員制限を設けた上で二部入れ替え制で行うダブルヘッダーライブ。記念すべき初日、渋谷QUATTROの第一部公演の様子をお届けする。

うす暗く赤い照明にぼんやりと照らされたステージに、さかしたひかる(Vo/Gt)と長谷川啓太(Dr)が静かに登場した。すると、心臓に響くような低音が鳴り響き、複雑に重なった音が迫りくるようにボリュームを増していく。少し怖さを感じたと思いきや、突然ポップなギターサウンドが長谷川のビートに乗っかり、肩の力が抜けてしまった。開始1分くらいの間に凄い音の情報量で、早速ドミコワールド全開のライブが幕を開けた。序盤は「VOO DOO?」に収録された楽曲を中心に繰り広げられ、独特の転調やパンチラインの連続が、開始早々観客の身体を揺らした。

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数曲終えたところで、さかしたが湧きおこる拍手に「センキュー」と答えると、次の曲に繋がるアレンジをイントロに盛り込み、突如入った"噛むほど苦い"のAメロ。こういった遊び心のあるライブならではのアレンジや複雑なリズムやメロディーに溶け込んでいくようなさかしたの歌が、これまた心地よくて癖になる。さかしたはにこやかに振る舞ったり、派手に動き回ったりはせず、淡々とした佇まいで歌っていく。だが、楽曲自体の抑揚や、一瞬の静寂と迫力のある演奏のコントラストが非常に魅力的で、その絶妙なバランスが観客の琴線に触れるんだろう。ライブならではのアレンジを織り交ぜながら、その後も音を止めることなく楽曲を繋いでいく。次から次へと繰り広げられる独創性溢れる楽曲展開や楽曲のキメに合わせた照明の演出も相まって、ドミコの世界観を助長していた。

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ライブ後半には"化けよ"を挟み空気を一変させ、ラストスパートへとギアをもう一段あげていった。
最後の曲に入る前に「ラスト一曲やります。ドミコでしたー、ありがとう!」とだけクールに言い放ち、キラーチューンをガンガンに鳴らした。アウトロでさかしたがギターを高く持ち上げて最後のフレーズを弾き、長谷川も立ち上がってドラムを叩き切ると、フロアからは大きな拍手が巻き起こる。新たなスタートを切る盟友に送る言葉は語らなかったが、その代わりというのか、ライブハウスを後味最高の状態にして、DENIMSにバトンタッチした。

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定刻でSEがフロアに響き、温かい拍手の中DENIMSが登場し。釜中健伍(Vo/Gt)が1曲目のイントロを奏でながら「DENIMSです!よろしく!」と一言挨拶をした。新メンバーの土井徳人(Ba)を含め4人の複雑なグルーヴが初っ端から軽快に決まると、「QUATTRO元気ですかー!」と釜中が叫ぶ。

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そこから序盤は、新旧アルバムの収録曲を織り交ぜたセットリストをテンポよく鳴らしていった。中でも、さりげない転調がお洒落な"Crybaby"は、コロナ禍になって気づいたことを歌詞にしたとのことだが、《立ち止まる事無く春を目指す》というフレーズは、まさに今の彼らにもピッタリ。コロナ禍で活動に制限があろうともグッド・ミュージックを鳴らし続け、長年共に歩んできた松原大地が別の道を歩むことになっても、しっかりと新たな仲間がタスキを受け取っている。江山真司(Dr)と土井が新たなリズム隊として互いの呼吸を確認するように演奏する姿も、揺れるフロアを楽しそうに見ながら歌う釜中や岡本悠亮(Gt)の姿には安定感も感じ、これからの彼等への期待が膨らんだ。

釜中が「ライブハウス、やっぱり最高ですね。本当に来てくれてありがとうございます。」と感謝の気持ちを述べた。そして「新メンバー、土井徳人が入っての初めてのツアーです。宜しく!」と改めて紹介をすると、ライブは中盤へ。

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ゆったりレイドバックしたビートに心地よく身体を揺らしたり、ダンサブルな楽曲に軽く拳を挙げながらノッたりとDENIMSならではの多様なジャンルの音楽に、観客がそれぞれ自由に楽しむ光景が伺えたライブ中盤には、「初披露の新曲やります!」と新曲も披露された。正真正銘初披露の楽曲は、存在感あるベースラインと江山のドラムとのアンサンブルや独特のリズムが映える間奏のグルーヴなど、聴きどころが満載。バシッと最後の音が決まると、フロアからは大きな拍手が沸き起こった。釜中が嬉しそうに微笑んで「ありがとう」と拍手に応える。
「ほんまに初披露の新曲でした。一部公演だから二部公演よりも初披露。聴いてくれてありがとうごさいます!」と続けて釜中。

そして早くもライブは終盤へ。ピアノや英語のサビにも挑戦したという"I'm"では、夕日っぽいオレンジの照明が斜めにステージを照らし、どこか切なさを帯びている楽曲の雰囲気を引き立てていた。「コロナもあるし、うまくいかないこともあると思うんですけど、僕たちはずっと新曲を作り続けて、ライブもし続けるので。今年のDENIMSも楽しみにしててください!」と力強く釜中が放つと、ライブはラストスパートへ。DENIMSになって初めて作ったという"Goodbye Boredom"を鳴らすと、前に出てきた岡本が「手挙げられますか! QUATTRO!」と煽り、一気に手が上がる。歓声があげられなくとも、一気に揃って手が挙がると会場はその日一の一体感で包まれた。続くアウトロでは、まるで早送りボタンを押したかのごとく速いギターフレーズを岡本が前に出てかき鳴らし、そのままの勢いで最後のアッパーチューンになだれ込んだ。

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会場のボルテージは最高潮に達し、幾つもの拳がビートに合わせて突きあげられる。曲を終えた彼等はステージを去ったが、もちろんアンコールを求める拍手は鳴りやまない。

「アンコールありがとうございます!」と、観客の拍手に応えると「コロナになる前のライブハウスで過ごした日のことを歌った曲で終わりたいと思います」と締めくくった。深い海のような青い照明に照らされ、メンバーは終わりを惜しむように一つ一つの音を丁寧に奏でる。本編の最後とは打って変わって、その様子を観客も引き込まれるように静かに見つめ、従来のライブハウスの光景が戻ってくる日を愛おしく想うような空気感が漂った。

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こうして新体制初ツアーの記念すべき初日の第一部公演を締めくくった。このあとも3月26日の名古屋QUATTRO、3月27日の大阪・梅田QUATTROと全て二部入れ替え制で続いていく。進み続ける彼らに置いていかれぬよう、今のDENIMSが奏でるライブをぜひお見逃しなく。

*ツアー開催中のためセットリストの記載を控えさせていただきます。
ご都合の叶う範囲でご来場の上、ぜひ会場でライブをお楽しみいただけますと幸いです。

文:髙橋夏央
撮影:


LIVE INFORMATION
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東名阪 Split 2man tour "wish you were here" vol.2

出演:DENIMS / ドミコ
3月26日(金)名古屋 CLUB QUATTRO
3月27日(土)大阪梅田CLUB QUATTRO
*各地2部入替制にて実施。

<チケット情報>
チケット受付URL : https://t.pia.jp/pia/artist/artists.do?artistsCd=D8310009


LINK
DENIMSオフィシャルサイト
@DENIMS_official
@DENIMS_official
ドミコオフィシャルサイト
@hikarururururu
@hikarucchi_domico

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