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2022.06.13
〈ツマミになるグッドミュージック〉を奏でるバンド、YONA YONA WEEKENDERSのVo.磯野くん。自他共に認める大好物の"ラーメン"を音楽に例える連載企画「ラーメンから歌が聴こえる」が4月にMikikiで1度最終回を迎え、新たにSENSAで2ndシーズンがスタート!引き続き、各地のラーメンから聴こえてくる歌と共に紹介していく!
某月某日。僕は冨田ラボのニューアルバム"7+"に参加するため千駄ヶ谷のビクタースタジオにいた。
この日は"HOPE for US feat. 磯野くん (YONA YONA WEEKENDERS), AAAMYYY (Tempalay), TENDRE, 吉田沙良 (モノンクル) & Ryohu (KANDYTOWN)"という楽曲のレコーディングで、タイトルから分かる通り、錚々たるメンバーがスタジオに集結していた。
同世代のシンガー達ということもあり、終始和やかな雰囲気でレコーディングは進んだが、普段の現場とは全く違う環境に加え、憧れの冨田さんの前で下手はこけない・・・というプレッシャーが僕の体を蝕んでいた。
なんとか歌録りを終え、喫煙所に駆け込む。時計を見ると深夜2時を回ったところだった。緊張が解け、疲労がどっと押し寄せる。それと同時に、グゥ〜とお腹が鳴った。
「ラーメン食べたい・・・」
今年、バキバキに締まった体で夏フェスに出演し、ちやほやされたい僕にとって、この時間のラーメンは何よりの罪だ。
一方で、この背徳感はラーメンの美味さを増幅させる為のとびきりのスパイスであることも知っている。
「レコーディング頑張ったし、行っちゃいなよ」
"リトル磯野"がやさしく語りかけてくる。
と言うわけで、葛藤する間も無く向かったのは、ビクタースタジオから目と鼻の先にある、"ホープ軒 千駄ヶ谷本店"。東京背脂豚骨の元祖で、大変ありがたい年中無休24時間営業。この日も飲み帰りの若者や、タクシーの運ちゃんなどで賑わっていた。
ちなみにこの店、僕の溢れ出すラーメン愛を歌ったYYWの代表曲、R.M.T.T("ラーメン食べたい"の意)のMVロケ地でもあるのだ。
食券機でネギラーメン(1000円)の食券を購入し、店員さんに渡す。
そういえば、ここはカウンターに置かれた小口切りの白ネギが入れ放題なのだが、疲労と眠気から正常な判断力を失っていた様だ。まぁいっか。
眠そうなマネージャーと一階の立ち食いスペースでBGMの演歌に耳を傾けていると、5分も経たないうちにネギラーメンが着丼した。
カウンターの分もしっかり追いネギして、準備は万端。
まずはスープを一口頂く。パンチの効いた豚骨フレーバーが鼻を抜けるが、スープは意外とやさし目な味。甘味のある背脂がアクセントになり、こってりながらくどさは感じない。
麺はビルの4Fにある製麺所で作られた太目のストレート麺。角張った麺は少し柔らかめに茹でられており、スープにしっかり絡む。チャーシューはジューシーな豚バラのロールチャーシュー。ネギはざっくり大き目に切られているので、少しスープが染みてからが食べ頃だ。
半分まで食べ進めたところで、卓上の辣醤とニンニクを入れ味変。この手のラーメンはニンニクがとんでもなく合う。
辣醤の辛味でじんわり汗ばんできたところに、開け放たれたカウンターへ春寒の夜風が吹き抜け心地良い。
夢中で食べ進め、あっという間に完食した。
ホープ軒では、水の代わりにジャスミン茶を提供している。真夜中の大罪をすべて無かったことにしてくれるかの様なスッキリとした味わい。爽快な気分で店を後にした。
"東京クラシック"とも呼ぶべきホープ軒のラーメンから聴こえるのは、1971年にリリースされたはっぴぃえんどの2ndアルバム、"風街ろまん"だ。
3曲目の風をあつめてや、7曲目の夏なんですなど、はっぴぃえんどの代表曲が収録されているこの作品は、90年代に一世を風靡した"背脂チャッチャ"系の始祖と言われるホープ軒の様に、"日本語ロックの源流"的名盤である。
平成生まれ、岡山出身の僕だが、ホープ軒のラーメンも、そしてはっぴぃえんどの音楽からも不思議と故郷の様な"懐かしさ"を感じる。
飾り気のない素朴さ、奥ゆかしさが、両者が令和になった今でも多くの人に愛され続ける理由なのだろう。
懐かしいと言えば、コロナ禍以降の緊急事態宣言や蔓延防止策等で、深夜のラーメン自体が久しぶりだった。
眠る街の中に煌々と輝くホープ軒の灯り。行き交うタクシーのヘッドライト。へべれけのお客さん。
最高のシチュエーション、やっぱり深夜のラーメンはやめられそうもない。
最後に、Mikikiさんで連載していた僕のコラム"ラーメンから歌が聴こえる"を、SENSAさんにて新たにスタートさせて頂くことになりました。心より感謝申し上げます。
素敵な一杯と素敵な音楽を、僕なりの視点で、気合いマシマシでお届けしますので、皆様これからどうぞお付き合い下さい。
YONA YONA WEEKENDERS
"ツマミになるグッドミュージック" を奏でるメロコア・パンク出身の4人組バンド。
Vo. 磯野くんの表現力豊かな歌声と骨のあるバンドサウンド、長きにわたってアンダーグラウンドなシーンの最前線で活躍した彼らが作りだすステージは必見。
メジャーデビュー1周年となる2022年4月7日に1st Album「YONA YONA
WEEKENDERS」LP盤、配信シングルとしてbonobosのフロントマン・蔡忠浩とfeatした「夜行性 feat.蔡忠浩(bonobos)」をリリース。同月にbonobosを迎えたツーマンイベントを大盛況で終え、5月には配信シングル「1989's」、そして、6月には初となる恵比寿・LIQUIDROOMでのワンマンライブを控える。
YONA YONA WEEKENDERS「1989's」
試聴はこちら
8月6日(土) 大阪城野外音楽堂. Love sofa 2022 summer special
8月12日(金) YONA YONA WEEKENDERS presents 「BUREIKO」cheers 02
9月4日(日) 横浜⾚レンガ地区野外特設会場 Local Green Festivalʼ22
9月24日(土)⼤阪府泉南市「SENNAN LONG PARK」 GREEN ROOM BEACH
@yyw_from_tyo
某月某日。僕は冨田ラボのニューアルバム"7+"に参加するため千駄ヶ谷のビクタースタジオにいた。
この日は"HOPE for US feat. 磯野くん (YONA YONA WEEKENDERS), AAAMYYY (Tempalay), TENDRE, 吉田沙良 (モノンクル) & Ryohu (KANDYTOWN)"という楽曲のレコーディングで、タイトルから分かる通り、錚々たるメンバーがスタジオに集結していた。
同世代のシンガー達ということもあり、終始和やかな雰囲気でレコーディングは進んだが、普段の現場とは全く違う環境に加え、憧れの冨田さんの前で下手はこけない・・・というプレッシャーが僕の体を蝕んでいた。
なんとか歌録りを終え、喫煙所に駆け込む。時計を見ると深夜2時を回ったところだった。緊張が解け、疲労がどっと押し寄せる。それと同時に、グゥ〜とお腹が鳴った。
「ラーメン食べたい・・・」
今年、バキバキに締まった体で夏フェスに出演し、ちやほやされたい僕にとって、この時間のラーメンは何よりの罪だ。
一方で、この背徳感はラーメンの美味さを増幅させる為のとびきりのスパイスであることも知っている。
「レコーディング頑張ったし、行っちゃいなよ」
"リトル磯野"がやさしく語りかけてくる。
と言うわけで、葛藤する間も無く向かったのは、ビクタースタジオから目と鼻の先にある、"ホープ軒 千駄ヶ谷本店"。東京背脂豚骨の元祖で、大変ありがたい年中無休24時間営業。この日も飲み帰りの若者や、タクシーの運ちゃんなどで賑わっていた。
ちなみにこの店、僕の溢れ出すラーメン愛を歌ったYYWの代表曲、R.M.T.T("ラーメン食べたい"の意)のMVロケ地でもあるのだ。
食券機でネギラーメン(1000円)の食券を購入し、店員さんに渡す。
そういえば、ここはカウンターに置かれた小口切りの白ネギが入れ放題なのだが、疲労と眠気から正常な判断力を失っていた様だ。まぁいっか。
眠そうなマネージャーと一階の立ち食いスペースでBGMの演歌に耳を傾けていると、5分も経たないうちにネギラーメンが着丼した。
カウンターの分もしっかり追いネギして、準備は万端。
まずはスープを一口頂く。パンチの効いた豚骨フレーバーが鼻を抜けるが、スープは意外とやさし目な味。甘味のある背脂がアクセントになり、こってりながらくどさは感じない。
麺はビルの4Fにある製麺所で作られた太目のストレート麺。角張った麺は少し柔らかめに茹でられており、スープにしっかり絡む。チャーシューはジューシーな豚バラのロールチャーシュー。ネギはざっくり大き目に切られているので、少しスープが染みてからが食べ頃だ。
半分まで食べ進めたところで、卓上の辣醤とニンニクを入れ味変。この手のラーメンはニンニクがとんでもなく合う。
辣醤の辛味でじんわり汗ばんできたところに、開け放たれたカウンターへ春寒の夜風が吹き抜け心地良い。
夢中で食べ進め、あっという間に完食した。
ホープ軒では、水の代わりにジャスミン茶を提供している。真夜中の大罪をすべて無かったことにしてくれるかの様なスッキリとした味わい。爽快な気分で店を後にした。
"東京クラシック"とも呼ぶべきホープ軒のラーメンから聴こえるのは、1971年にリリースされたはっぴぃえんどの2ndアルバム、"風街ろまん"だ。
3曲目の風をあつめてや、7曲目の夏なんですなど、はっぴぃえんどの代表曲が収録されているこの作品は、90年代に一世を風靡した"背脂チャッチャ"系の始祖と言われるホープ軒の様に、"日本語ロックの源流"的名盤である。
平成生まれ、岡山出身の僕だが、ホープ軒のラーメンも、そしてはっぴぃえんどの音楽からも不思議と故郷の様な"懐かしさ"を感じる。
飾り気のない素朴さ、奥ゆかしさが、両者が令和になった今でも多くの人に愛され続ける理由なのだろう。
懐かしいと言えば、コロナ禍以降の緊急事態宣言や蔓延防止策等で、深夜のラーメン自体が久しぶりだった。
眠る街の中に煌々と輝くホープ軒の灯り。行き交うタクシーのヘッドライト。へべれけのお客さん。
最高のシチュエーション、やっぱり深夜のラーメンはやめられそうもない。
最後に、Mikikiさんで連載していた僕のコラム"ラーメンから歌が聴こえる"を、SENSAさんにて新たにスタートさせて頂くことになりました。心より感謝申し上げます。
素敵な一杯と素敵な音楽を、僕なりの視点で、気合いマシマシでお届けしますので、皆様これからどうぞお付き合い下さい。
PROFILE
YONA YONA WEEKENDERS
"ツマミになるグッドミュージック" を奏でるメロコア・パンク出身の4人組バンド。
Vo. 磯野くんの表現力豊かな歌声と骨のあるバンドサウンド、長きにわたってアンダーグラウンドなシーンの最前線で活躍した彼らが作りだすステージは必見。
メジャーデビュー1周年となる2022年4月7日に1st Album「YONA YONA
WEEKENDERS」LP盤、配信シングルとしてbonobosのフロントマン・蔡忠浩とfeatした「夜行性 feat.蔡忠浩(bonobos)」をリリース。同月にbonobosを迎えたツーマンイベントを大盛況で終え、5月には配信シングル「1989's」、そして、6月には初となる恵比寿・LIQUIDROOMでのワンマンライブを控える。
RELEASE INFORMATION
YONA YONA WEEKENDERS「1989's」
試聴はこちら
LIVE INFORMATION
7月23日(土) 仙台darwin Flying Flags Vol.118月6日(土) 大阪城野外音楽堂. Love sofa 2022 summer special
8月12日(金) YONA YONA WEEKENDERS presents 「BUREIKO」cheers 02
9月4日(日) 横浜⾚レンガ地区野外特設会場 Local Green Festivalʼ22
9月24日(土)⼤阪府泉南市「SENNAN LONG PARK」 GREEN ROOM BEACH
LINK
オフィシャルサイト@yyw_from_tyo