SENSA

2021.11.17

LAMP IN TERREN、15周年ライブ「Branch」で伝えた、積み重ねてきた時間の意味

LAMP IN TERREN、15周年ライブ「Branch」で伝えた、積み重ねてきた時間の意味

 「15年やってきて、ご褒美みたい感じですね。めちゃくちゃハッピーです」。ライブの終盤に披露された「地球儀」の曲中で、松本大(Vo/Gt)は飾らない言葉でよろこびを口にした。ステージに設置された階段状のセットの上を、まるで遊び場のように自由に移動しながら、演奏し、歌い、寝っ転がり、叫んでいた。LAMP IN TERRENが東京・日本青年会館で開催した15周年アニバーサリーライブ「Branch」だ。

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 ライブは、最新曲「ニューワールド・ガイダンス」ではじまった。周年ライブと言えば、「華やかな幕開け」がいかにも似合うそうだが、テレンは違った。わずかな光を求めて闇のなかを彷徨い、絶唱するオープニング。よたよたと覚束ない足取りで激情を吐き出すような松本のボーカルに呼応するように、激しく感情を叩きつける川口大喜(Dr)のドラムが重たい。1曲目にして、これぞLAMP IN TERRENという空間を作り上げていく。

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「innocence」「heartbeat」から「緑閃光」へ。これまでのライブでは最後の1曲、あるいは大切な場所で演奏し続けてきたような、バンドの歴史を語るうえで欠かすことのできない楽曲たちが続いた。なかでも「緑閃光」は、初期のライブでは必ずと言っていいほど演奏していた曲だ。この曲の、〈ここに居る意味が 誰も居ないと解らなくなりそう〉というフレーズを、〈君がいないと〉に替えて歌うとき、松本は腕をぐっとお客さんのほうへ差し出した。「Water Lily」のときもそうだった。〈孤独は君がくれたものだよ〉と、腕を力強く前へと差し出す。それは、いまこの瞬間、目の前にいるお客さんの存在を大切に歌を届ける、いまのテレンの在り方だ。この日は過去と現在の曲が入り組むようなセットリストだったが、そのすべてがいまのテレンのスタンスで表現されていた。

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 ステージを強烈な光が包むなか、ドラムの川口の周りに、松本、大屋真太郎(Gt)、中原健仁(Ba)が集まり、衝動を一気に爆発させた「BABY STEP」には息を呑んだ。全身を大きく揺り動かしながら、まるでバンドがひとつの生き物であるかのように、音が、想いが、広がっていく。ステージ上でも、メインソングライターという側面でも、LAMP IN TERRENというバンドを語るとき、松本の存在感に注目してしまいがちだが、テレンがロックバンドである意味を強く感じられる楽曲だ。

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続く、「風と船」もそうだった。松本がひとりで階段を歩き、自分に言い聞かせるように紡がれる寂しげなメロディと穏やかに寄り添うバンドサウンド。この曲は、過去に松本が自分の後悔を綴った、誰にも聴かせるつもりのない曲だったと、『FRAGILE』のインタビューで話してくれたことがある。それを、純粋に「いい曲だな」と思ったメンバーがアレンジをしたことで、世に出ることになったのだ。結果、「風と船」は内省的なだけではなく、ちゃんと聴き手の人生に寄り添う優しい楽曲になったと思う。終演後、メンバーと話す機会をいただけたので、「「風と船」がよかった」と伝えたら、「この曲は「Branch」には外せない曲だった」と言っていた。バンドにとって大きな意味がある曲だ。

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点々と星が浮かぶ夜空のような電飾のもと、松本が階段の上で仰向きに寝転がり、バンドそのもののことを歌った「月のこどもたち」から、そのままピアノの演奏を途切れさせず、「Fragile」、そして「New Clothes」へとつないだ。音楽を通して心と心で会話をするようなライブはすべてがハイライトだった。ミラーボールの美しい光の粒がステージを包み込んだ「涙星群の夜」をきっかけにライブはクライマックスに向かった。松本がドラムスティックを指揮棒のように振りながら歌った「地球儀」、メンバーのウォーウォーというシンガロングと共に歌を届ける意味を伝えた「multiverse」で、ひとつのピークを描き切ったところで、ラスト1曲を残し、MCで松本が15年間を振り返った。

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「15年、シラフで見てしまえば、何やってたんだろう、と思います。自分間違ってないよ、良いものを作ってるよ、そう言い聞かせながら前に進んできた感覚があります」と。ステージでは嘘をつきたくない。でも、自分が好きなことばかりやっていていいのだろうか。もがき、あがき、答えのない逡巡を経て、いま思うのは、「自分勝手に歌っていい。死に物狂いで届ければいい」ということだと言う。そんな、15年間で得たひとつの確信がありありと表現されていたのが、ラストナンバー「EYE」だった。おおらかに刻むリズム。包容力のあるバンドサウンド。からだを震わせ、がむしゃらな熱量で伝えた歌には、愛し愛され、つながってゆく、という普遍的なメッセージが宿っていた。

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 バンド名が表すとおり、暗闇で小さな光を見出そうとしたことが初期の大きなテーマだったテレンは、2018年以降、裸の自分でいることを命題にした時期を経て、いま、世界と自分との構図のなかで、いかに愛を抱きしめて生きるか、というテーマに移り変わってきていると思う。MCで松本が、「いまちゃんと生きている。それを歌で表現するのは少し難しい......少しじゃないな、すごく難しい」と吐露する場面があったが、テレンはずっとちゃんと生きている歌を伝えてきたバンドだとも思う。年を重ね、環境が変わり、世界が揺れ動くなかで、否応なく変化する自分自身の気持ちと向き合い続けた歌は、ちゃんと生きてきた証だ。この日、アンコールの最後に届けた新曲「カームダウン」はフォーキーで、どこか懐かしく温かい歌だった。最近のテレンの楽曲が、どこまでも温かく愛に満ちているのは、そうやって積み重ねてきた15年の意味そのものではないだろうか。

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写真:浜野カズシ


LAMP IN TERREN 15th Anniversary ONE-MAN LIVE『Branch』
11/13 東京公演 SET LIST
01. ニューワールド・ガイダンス
02. Enchanté
03. ランデヴー
04. innocence
05. heartbeat
06. 緑閃光
07. Water Lily
08. 心身二元論
09. 花と詩人
10. BABY STEP
11. 風と船
12. 月のこどもたち
13. Fragile
14. New Clothes
15. 涙星群の夜
16. 地球儀
17. multiverse
18. EYE

EN1. メイ
EN2. カームダウン


RELEASE INFORMATION

LAMP IN TERREN「A Dream Of Dreams」
2021年12月8日(水)

Track:
1. カームダウン ※11月22日(月)21:00全国ラジオ局にて一斉解禁
2. 心身二元論
3. ニューワールド・ガイダンス


LIVE INFORMATION

LAMP IN TERREN One-Man Live 2021「A Dream Of Dreams」
12月28日(火) 東京LIQUIDROOM ebisu
OPEN:18:00 / START:19:00
※開催時間は全て予定。新型コロナウイルス感染拡大状況によって変更となる可能性があります。

TICKET:前売¥4,500(税込/別途要1ドリンク代) / 当日券未定

オフィシャル先行予約
11月17日(水)23:59まで


PROFILE

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LAMP IN TERREN
2006年、長崎県で結成。
ラテン語の「terra(星、大地)」を捩った造語であるこのバンド名には、「この世の微かな光」という意味が込められている。
2013年12月、オーディションプロジェクトMASH A&Rの「MASH FIGHT Vol.2」とRO69が主催するコンテスト「RO69JACK」で共にグランプリを獲得。
2015年1月A-Sketchよりメジャーデビュー。
2018年1月より、毎月26日に渋谷Star loungeにて200名限定の定期公演ワンマンライブ『SEARCH』をスタート。LAMP IN TERRENの"実験室"と位置づけられた定期公演では毎月メンバーのチャレンジが繰り広げている。
最新作はコロナ禍において制作された2020年10月リリースのアルバム「FRAGILE」。それを提げて2020年秋には全国20公演のワンマンツアーを感染予防対策を行なった上で回るなど、時世に合わせて積極的に音楽活動を行なっている。
松本の描く人の内面を綴った歌詞と圧倒的な歌声、そしてその声を4人で鳴らす。LAMP IN TERRENは聴く者の日常に彩りを与え、その背中を押す音楽を奏でる集団です。
最新曲は9月1日にデジタルリリースとなった「ニューワールドガイダンス


LINK
オフィシャルサイト
LAMP IN TERREN 15周年特設サイト
@lampinterren
@lampinterren
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