REPORT

2026.01.16

LITEとCONTRASTZとして活動するベーシスト、JunIzawaと50周年を迎えるイケベ楽器店のベース専門店・グランディベースTOKYOのコラボ企画によるライブイベント『JunIzawa & GRANDEY BASS TOKYO presents IKEBE 50th Anniversary Live Party : B-day 2025』が2025年12月17日、渋谷・GRITで開催された。JunIzawaはグランディベースTOKYOが店舗を構えるイケベ楽器渋谷旗艦店"イケシブ(IKEBE SHIBUYA)"のテーマ曲「Tuning」を提供するなど、深い関わりを持っている。

オープニングアクトとして、上田カズアキがベースソロを披露。バンドAre Squareで活動しつつ、現役のスタッフとしてグランディベースTOKYOに所属する次世代ベースヒーロー候補が、先輩出演者をリスペクトしたパンチの効いたスラップソロで盛り上げた。

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また、転換時のMCとして高田雄一(ELLEGARDEN、MAYKIDZ)が予定外の飛び入り参加。20年来の仲であるグランディベースTOKYOスタッフとのトークで場を和ませた。

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この日の本編トップバッターを務めたのは、渋谷区神泉発"神泉系"バンド、フレンズだ。挨拶代わりに「夜にダンス」、「Iをyou」をグルーヴィに披露。麗らかな歌声を響かせる、えみそん(Vo)が「今日はめでたすぎるイベントでございます!イケベさん50周年おめでとうございます! JunIzawaさんリリースおめでとうございます!」と祝いの言葉を述べると、「こんなにベーシストがいるとは聞いてなかった」と長島涼平(Ba& Cho)が言葉を漏らす。ギタリストよりドラマーよりボーカリストよりも、凄腕ベーシストが多く集まるこの特別な夜に「どんな顔して出てきたらいいんだろう」とたじろぐも、すかさずえみそんが「涼平さんもカッコいいよ」とフォロー。「みんなの声援次第で弾く量が変わる」との彼女の扇動から、湧き立つフロアを眼前に「NIGHT TOWN」を長嶋の大人の色香たっぷりの低音と共に届けた。「"ベース会"というのがあって、そこで出会ったバンド」だという、フレンズ。えみそんがベースを手にする場面もあり、「Beautiful Lady」や「旅に出ようか」など7曲を披露した。

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二番手はELLEGARDENのドラマー・高橋宏貴と、トリコンドルのギタリスト・久米優佑による2人組インストバンド、PAM。正規ベーシストのいないユニットだからこそできる、ゲストベーシストを迎えてのスペシャルステージ。まず呼び込まれたのは、フクダヒロム(Suspended 4th)。ゴリゴリのサウンドでPAMの2人と息の合ったアンサンブルを展開。2曲目の「Life is」では静から動へと激情的なサウンドを轟かせ、フクダらしいテクニカルでアバンギャルドなプレイを魅せつけ、オーディエンスを圧倒した。饒舌な高橋のMCを挟みつつ、呼び込まれたのはフクダが師事していたKei Nakamura。変則的なパッセージが応酬してくる「Two Sides Of The Same Coin」といった、ポストロックチューン2曲を演奏。3人目のゲストは上ちゃん(マキシマム ザ ホルモン)が登場。精確でタイトな高橋のリズムと、正確でソリッドな久米のギターの狭間でヘヴィでラウドなベースが猛り狂う「K's Blow」など2曲を、唯一無二の存在感を発するプレイでフロアを制した。

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そして、トリはもちろんJunIzawaだ。「Threshold Pt.1」からのスタート。上手側に庄村聡泰(Dr)、下手側には楓幸枝(Per)と、ツインドラムで幾何学的な音の構築を開始する。ステージ後方に構えるLEDビジョンには、Yoshiaki Miura(VJ)によってMVさながらの色彩豊かで不可思議な映像が映し出させていく。リアルタイムでコラージュ的に組み立てられていくアンサンブルに、会場にいる全員が一気に惹き込まれた。そのままどこかオリエンタルな匂いのするシーケンスから「WAKEN」へ。野太く硬質なJunIzawaのベースが会場を揺らし、堅実的なリズムでオーディエンスの身体を揺らす。楓がボーカルを取りながらマルチパーカッションで小気味よくビートを刻んでいく「ジャンブル」では、ロックにR&B、ソウルからジャングルまで様々なジャンルを呑み込んでいく。楓の歌声は美麗かつ妖艶。そこに寄り添い、ときに張り合うように自己主張していくベース。JunIzawaのプレイヤーとしての器用さと同時に音楽家としての懐の広さを思い知らされる。

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「ベーシストって、あんまり光が当たらないことが多いんです。音楽的に下の音(低音)だから聴こえづらいとかもあるんですけど、そういう人たちのことを好きな方が楽しんでくれるイベントができないかなと思って、イケベ(楽器)に、一緒に何かできないかなと相談して。PAMとフレンズ、共鳴してくれてありがとうございます!」

JunIzawaは、それぞれのバンドで活動してきながら、縁あってこうして同じステージでひとつの音楽を作っていく庄村、楓を紹介すると、本ライブの意図と共演者、そして来場者へ感謝を述べた。

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反復しながら打ち乱れるリズムの「haunts」、ミニマムでレトロな香りを放つ「Topsy-Turvy」と、淡々としたビートの中でスラップを重ねていくJunIzawa。ディスコっぽい雰囲気の「Blink」まで一気に駆け抜ける。シュレッドな速弾きや、目を見張るような超絶技巧ではなく、初見でもノレるリズムと絵を即興で絵を描いていくようなフレージングで攻めていくのがJunIzawaの音楽だ。最後は「Jenga」。タイトルとビジョンに映し出されたジェンガ同様、不規則ながらも緻密に積み上げられていく音に皆が酔いしれた。

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「ちょっと待ってて」と一旦ステージを降りるJunIzawa。しばしのインターバルを経て、ステージ後方のビジョンには見覚えのある、あの図形のロゴが浮かび上がり、ステージにシークレットゲストのシルエットが見えると大歓声が沸き起こった。JunIzawaと向かい合わせるようにスタンバイしたそのベーシストは、そう、JIRO(GLAY)である。まさかのCONTRASTZの1stライブが唐突にスタートした。

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2025年6月に行われた『GLAY EXPO 2024-2025 GRAND FINALE』のオープニング映像のBGMとして密かに流れていた「KONTRAST」が始まった。細やかなフレーズを重ねていくJIROと、重心低めでずっしりとしたJunIzawaのコントラストが会場を沸かせる。2人による饗宴はテクニックで闘っていくようなベースバトルではない。阿吽の呼吸でひとつの音楽を奏でていく。JunIzawaとJIROはキャンプなどアウトドアや趣味仲間であり、CONTRASTZはプライベートでの親交から始まったバンドである。趣味趣向から気の合う2人が紡ぐ旋律とリズムの息はピッタリだ。さらに軽快なリズムに合わせて「UNITE」を披露し、ライブは大団円を迎えた。2曲のみの披露であったが、演奏も存在感も充分すぎるインパクトを残した。

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CONTRASTZ始動とアルバム『CONTRASTZ』リリースに合わせたインタビューの際には「今のところ、ライブの予定はない」と言っていたが、シークレットとはいえこんなにも早く2人の演奏を生で見られるとは誰も思っていなかったことだろう。CONTRASTZの可能性とこれからの活動を示唆するようなステージだった。

シークレットゲストのJIROを含めて総勢9人の凄腕ベーシストが一堂に介した低音の宴。ベーシストと楽器店のコラボらしく、ベースという楽器の可能性をあらためて知ることができたイベントであった。

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文:冬将軍(本編)
撮影:ガッテン

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