歴代ドラマーが集結!デビュー15周年記念ライブ"15th Anniversary VIP PARTY '25" 12月14日(日)公演オフィシャルレポート
REPORT
2025.12.23
YOURNESSが2024年10月から偶数月に渋谷PLEASURE PLEASUREで開催していた定期公演「Breathing」が、2025年12月16日の「Breathing #8」にて最終回を迎えた。「呼吸をする」「息吹」という意味の言葉を掲げた同公演には「ここが安心して呼吸ができる、リラックスできる場所であってほしい」という願いが込められ、#4まではワンマンライブ、#5から#7の計3回はゲストを迎えたツーマンライブで繰り広げられた。#8は締めくくりに相応しく、初期曲から過去のBreathingで披露した新曲までをも網羅したワンマンライブ。今のYOURNESSの力を余すことなく発揮した一夜となった。
SEで「Evanescent」が流れるとステージが今公演のテーマカラーである紫で染まり、それが徐々にカラフルに色づき始めるとメンバーが登場する。スポットライトを浴びた黒川侑司(Vo/Gt)が「Present Day」を歌い始めたと同時にステージの白幕にも映像が投影され、激情的な演奏とドラマチックな演出により会場は瞬く間にYOURNESSの創造する世界へと連れ出された。

「Breathing #2」で初披露された未発表曲「微香性の記憶」も躍動的な演奏で魅せ、ライブを重ねるごとに音像の豊かさが増していることを実感する。シンセやピアノの音色に加え、田中雄大(Ba)と小野貴寛(Dr)によるヘヴィでありながらも瞬発力のあるリズム、スリリングな譜割りとメロディをしなやかかつダイナミックに届ける黒川のボーカルなど、華やかなアンサンブルが鮮烈だ。これだけ音数や言葉数の多い楽曲をポップに落とし込む古閑翔平(Gt/Programming)のソングライティングにもあらためて唸った。

スピード感のある「躍動」、繊細さと閉塞感を優美に昇華する「日照雨」とさらに会場を没頭させると、黒川は観客へ「ずっと駆け抜けてきたYOURNESSがしっかりとわかるセットリストを組んできています。全部のYOURNESSです。だからすごく満足できる1日になるんじゃないかと思います」「お互いちゃんと噛み締めて、一緒に楽しみましょう」と呼びかける。その言葉はバンドの節目を充実感に富んだものにするという熱意に溢れていた。

インタールードからスマートに「色の見えない少女」へつなぎ、心地の良い緊張感で会場を包む。小野のドラムに乗せて観客に手拍子を求め、「天泣」で爽快感と感傷性を鮮やかに描いた後は、「ずっとYOURNESSを助けてくれた曲です」と黒川が告げそのまま「虹の形」へとなだれ込んだ。この日の4人のステージは終始、満たされるという感覚を与え続けていたと思う。こちらが音に飛び込みに行かなくてもYOURNESSの世界が波のように押し寄せて、ずっとそれに包まれるようだった。そのようなライブが作れるのは、4人が自身の演奏を通して楽曲への思慮を深めてきたからであり、長きにわたり4人での結束を培ってきたからだろう。そこに楽曲の理解度の高い照明・映像演出が加わることで、さらにそれらを増強させていた。

「紫苑」の緩急の効いた演奏で観客の心を揺さぶった後、黒川が笑顔で「これが今のYOURNESSです。めっちゃいいでしょう?」と問うと、観客は力強い拍手を送る。さらに黒川は自信のある楽曲を生演奏で聴いてもらえる環境があることは喜びであり安心感があることや、"Breathing=息吹"に掛けて"新しい命"として毎回新曲を作ったことに触れ、「この定期公演は僕らにとっても特別な場所になりました」と手ごたえをあらわにした。
「今のYOURNESSの曲たちもちゃんと聴かせたいと思っています」と胸を張ると、今年6月にリリースし、ドラマ「被写界深度」のタイアップにもなった「眩」を披露し、ここからミドルナンバー/バラードのセクションに入る。「ヘリオトロープ」「籠の中に鳥」と、楽曲の主人公の心情が自分の記憶や心であると錯覚するほどに解像度の高い心象風景を描いたかと思いきや、「命の容量」では新しい境地を切り開くようなまっすぐなエネルギーで会場を満たした。丁寧できめ細やかなだけでなく、ロックバンドならではの気魄を兼ね備えているのもYOURNESSの強みと言っていいだろう。バンドの歴史と比例して、その精度も上がり続けていることを証明する熱演だった。

黒川はこの日をもってバンドを脱退する田中に感謝を告げ、「18歳から一緒にいるメンバーだから寂しくないわけがないんです。でも寂しがっている姿をここで見せる必要はない」「全員先のことを見ている。でもこの4人で音を鳴らす時間は、あとちょっとで終わってしまう」と胸に湧き上がる率直な気持ちを吐露する。そして「ここまで一緒に走り続けてくれただでぃ(田中)に大きな拍手を」と観客に呼び掛け、あたたかい拍手を一身に受けた田中も感極まった表情で「これ以上拍手をもらうとくらっちゃう(笑)。ありがとう」と感謝を告げた。


それから黒川はあらためてこれまでの「Breathing」を振り返り、「昔の曲をいっぱい引っ張り出してみんなでスタジオに入って、その懐かしさからライブでやらない昔の曲も一緒に合わせてみたりして。YOURNESSを10年以上続けてきて、初心に返るってすごく大切だなと思いました」と結成初期ならではの漲るエネルギーを回顧できた充実を噛み締める。「今日は最後の最後までしっかり見届けてほしいです」と告げ、ライブはクライマックスへ。「「私の最後の日」」では古閑、田中、小野がアイコンタクトを取りながら音を重ね合い、過去の「Breathing」にて披露された未発表曲「神様に怒られてしまおう!」「夢の中でだけ」はエモーションとピュアリティが真摯に響き渡る。本編のラストは、最新リリース曲である「Try add」のセルフカバー。宇宙を想起させるサウンドデザインは、切なさを抱えながらも歩みを止めずに新しい世界に飛び出す彼ら自身を煌びやかに照らしていた。


「100㎡の中で」でアンコールをスタートさせると、メンバーをからかうなど和気あいあいとした空気で語らい合う。田中が「(メンバーは)こんなにあたたかく応援してくれて、見守ってくれて。みんな優しくて、本当に楽しかったです」とあらためて挨拶をすると、黒川も「これからもだでぃは仲間だから絶対応援して」と観客に訴える。そして堂々と「僕らも歩みを止めるつもりはありませんので。新しいことをやるために裏でてきぱき動いているので、楽しみにしていてほしいです」と告げ、2026年3月27日にSpotify O-EASTにて開催予定の「Dream.zip」について「全力で魅力を伝えていきますので、遊びに来てくれたらうれしいです」と述べた。




そして4人はバンドの歴史を支え続けた初期曲「Bathroom」「pop」で、全8回の「Breathing」を締めくくる。黒川が観客にシンガロングを求めたり、古閑が田中のそばに足を伸ばしてプレイする光景なども微笑ましい。このときの4人の演奏は、この4人での活動が掛け替えのないものだったこと、これからもまだまだ心を燃やして音楽を続けていくことを、言葉以上に物語っていた。
新体制YOURNESSの初ライブは、先述の「Dream.zip」となる。"夢を圧縮したファイル"という意味を持つタイトルは「これまでのYOURNESSの軌跡、過去の思い出、無数の夢をひとつに集約し、新しいかたちで提示する」という決意からつけられ、当日会場にて圧縮された夢や可能性を解凍・開放するために準備を進めているという。

初の全国流通盤『Ctrl+Z』からもわかるとおり、"デジタル"はYOURNESSが活動初期から掲げている重要な要素だ。彼らはバンドというカテゴリーにとらわれずに自身の美学に基づいて音楽を追求すると同時に、バンドならではの熱量と迫力も用いて、濃密な世界を作り出し続けている。そんな彼らが見据える新章は、どのような物語を紡いでいくのだろうか。「Dream.zip」はその記念すべき大きな一手となるはずだ。
文:沖さやこ
撮影:佐藤 広理

YOURNESS「Try add」
2025年12月17日(水)
Format:Digital
試聴はこちら

2026年3月27日(金)渋谷・Spotify O-EAST
OPEN:18:00 / START:19:00
<チケット詳細>
全席指定:一般:¥5,800(税込)U-22:¥4,000(税込)
※別途ドリンク代必要
※未就学児入場不可
※U-22の対象者は2003年4月2日 以後に生まれた方対象
※U-22の方は年齢確認のできる写真付き身分証明書1点、写真がない場合は2点(学生証・健康保険証など)を入場時にご提示ください。
入会ページURL https://fanicon.net/fancommunities/4762
@yourness_on
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SEで「Evanescent」が流れるとステージが今公演のテーマカラーである紫で染まり、それが徐々にカラフルに色づき始めるとメンバーが登場する。スポットライトを浴びた黒川侑司(Vo/Gt)が「Present Day」を歌い始めたと同時にステージの白幕にも映像が投影され、激情的な演奏とドラマチックな演出により会場は瞬く間にYOURNESSの創造する世界へと連れ出された。

「Breathing #2」で初披露された未発表曲「微香性の記憶」も躍動的な演奏で魅せ、ライブを重ねるごとに音像の豊かさが増していることを実感する。シンセやピアノの音色に加え、田中雄大(Ba)と小野貴寛(Dr)によるヘヴィでありながらも瞬発力のあるリズム、スリリングな譜割りとメロディをしなやかかつダイナミックに届ける黒川のボーカルなど、華やかなアンサンブルが鮮烈だ。これだけ音数や言葉数の多い楽曲をポップに落とし込む古閑翔平(Gt/Programming)のソングライティングにもあらためて唸った。

スピード感のある「躍動」、繊細さと閉塞感を優美に昇華する「日照雨」とさらに会場を没頭させると、黒川は観客へ「ずっと駆け抜けてきたYOURNESSがしっかりとわかるセットリストを組んできています。全部のYOURNESSです。だからすごく満足できる1日になるんじゃないかと思います」「お互いちゃんと噛み締めて、一緒に楽しみましょう」と呼びかける。その言葉はバンドの節目を充実感に富んだものにするという熱意に溢れていた。

インタールードからスマートに「色の見えない少女」へつなぎ、心地の良い緊張感で会場を包む。小野のドラムに乗せて観客に手拍子を求め、「天泣」で爽快感と感傷性を鮮やかに描いた後は、「ずっとYOURNESSを助けてくれた曲です」と黒川が告げそのまま「虹の形」へとなだれ込んだ。この日の4人のステージは終始、満たされるという感覚を与え続けていたと思う。こちらが音に飛び込みに行かなくてもYOURNESSの世界が波のように押し寄せて、ずっとそれに包まれるようだった。そのようなライブが作れるのは、4人が自身の演奏を通して楽曲への思慮を深めてきたからであり、長きにわたり4人での結束を培ってきたからだろう。そこに楽曲の理解度の高い照明・映像演出が加わることで、さらにそれらを増強させていた。

「紫苑」の緩急の効いた演奏で観客の心を揺さぶった後、黒川が笑顔で「これが今のYOURNESSです。めっちゃいいでしょう?」と問うと、観客は力強い拍手を送る。さらに黒川は自信のある楽曲を生演奏で聴いてもらえる環境があることは喜びであり安心感があることや、"Breathing=息吹"に掛けて"新しい命"として毎回新曲を作ったことに触れ、「この定期公演は僕らにとっても特別な場所になりました」と手ごたえをあらわにした。
「今のYOURNESSの曲たちもちゃんと聴かせたいと思っています」と胸を張ると、今年6月にリリースし、ドラマ「被写界深度」のタイアップにもなった「眩」を披露し、ここからミドルナンバー/バラードのセクションに入る。「ヘリオトロープ」「籠の中に鳥」と、楽曲の主人公の心情が自分の記憶や心であると錯覚するほどに解像度の高い心象風景を描いたかと思いきや、「命の容量」では新しい境地を切り開くようなまっすぐなエネルギーで会場を満たした。丁寧できめ細やかなだけでなく、ロックバンドならではの気魄を兼ね備えているのもYOURNESSの強みと言っていいだろう。バンドの歴史と比例して、その精度も上がり続けていることを証明する熱演だった。

黒川はこの日をもってバンドを脱退する田中に感謝を告げ、「18歳から一緒にいるメンバーだから寂しくないわけがないんです。でも寂しがっている姿をここで見せる必要はない」「全員先のことを見ている。でもこの4人で音を鳴らす時間は、あとちょっとで終わってしまう」と胸に湧き上がる率直な気持ちを吐露する。そして「ここまで一緒に走り続けてくれただでぃ(田中)に大きな拍手を」と観客に呼び掛け、あたたかい拍手を一身に受けた田中も感極まった表情で「これ以上拍手をもらうとくらっちゃう(笑)。ありがとう」と感謝を告げた。


それから黒川はあらためてこれまでの「Breathing」を振り返り、「昔の曲をいっぱい引っ張り出してみんなでスタジオに入って、その懐かしさからライブでやらない昔の曲も一緒に合わせてみたりして。YOURNESSを10年以上続けてきて、初心に返るってすごく大切だなと思いました」と結成初期ならではの漲るエネルギーを回顧できた充実を噛み締める。「今日は最後の最後までしっかり見届けてほしいです」と告げ、ライブはクライマックスへ。「「私の最後の日」」では古閑、田中、小野がアイコンタクトを取りながら音を重ね合い、過去の「Breathing」にて披露された未発表曲「神様に怒られてしまおう!」「夢の中でだけ」はエモーションとピュアリティが真摯に響き渡る。本編のラストは、最新リリース曲である「Try add」のセルフカバー。宇宙を想起させるサウンドデザインは、切なさを抱えながらも歩みを止めずに新しい世界に飛び出す彼ら自身を煌びやかに照らしていた。


「100㎡の中で」でアンコールをスタートさせると、メンバーをからかうなど和気あいあいとした空気で語らい合う。田中が「(メンバーは)こんなにあたたかく応援してくれて、見守ってくれて。みんな優しくて、本当に楽しかったです」とあらためて挨拶をすると、黒川も「これからもだでぃは仲間だから絶対応援して」と観客に訴える。そして堂々と「僕らも歩みを止めるつもりはありませんので。新しいことをやるために裏でてきぱき動いているので、楽しみにしていてほしいです」と告げ、2026年3月27日にSpotify O-EASTにて開催予定の「Dream.zip」について「全力で魅力を伝えていきますので、遊びに来てくれたらうれしいです」と述べた。




そして4人はバンドの歴史を支え続けた初期曲「Bathroom」「pop」で、全8回の「Breathing」を締めくくる。黒川が観客にシンガロングを求めたり、古閑が田中のそばに足を伸ばしてプレイする光景なども微笑ましい。このときの4人の演奏は、この4人での活動が掛け替えのないものだったこと、これからもまだまだ心を燃やして音楽を続けていくことを、言葉以上に物語っていた。
新体制YOURNESSの初ライブは、先述の「Dream.zip」となる。"夢を圧縮したファイル"という意味を持つタイトルは「これまでのYOURNESSの軌跡、過去の思い出、無数の夢をひとつに集約し、新しいかたちで提示する」という決意からつけられ、当日会場にて圧縮された夢や可能性を解凍・開放するために準備を進めているという。

初の全国流通盤『Ctrl+Z』からもわかるとおり、"デジタル"はYOURNESSが活動初期から掲げている重要な要素だ。彼らはバンドというカテゴリーにとらわれずに自身の美学に基づいて音楽を追求すると同時に、バンドならではの熱量と迫力も用いて、濃密な世界を作り出し続けている。そんな彼らが見据える新章は、どのような物語を紡いでいくのだろうか。「Dream.zip」はその記念すべき大きな一手となるはずだ。
文:沖さやこ
撮影:佐藤 広理
RELEASE INFORMATION

YOURNESS「Try add」
2025年12月17日(水)
Format:Digital
試聴はこちら
LIVE INFORMATION
YOURNESS ONE MAN LIVE「Dream.zip」

2026年3月27日(金)渋谷・Spotify O-EAST
OPEN:18:00 / START:19:00
<チケット詳細>
全席指定:一般:¥5,800(税込)U-22:¥4,000(税込)
※別途ドリンク代必要
※未就学児入場不可
※U-22の対象者は2003年4月2日 以後に生まれた方対象
※U-22の方は年齢確認のできる写真付き身分証明書1点、写真がない場合は2点(学生証・健康保険証など)を入場時にご提示ください。
ファンコミュニテイ
ユアネス「ハムスター伝説」入会ページURL https://fanicon.net/fancommunities/4762
LINK
オフィシャルサイト@yourness_on
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