SENSA

2022.03.26

滋賀県愛東町から届ける爆音フォークソング部「COWCITY CLUB BAND」

滋賀県愛東町から届ける爆音フォークソング部「COWCITY CLUB BAND」

SENSAが注目するアーティストを紹介する「RECOMMEND」。滋賀発の4ピースバンドCOWCITY CLUB BANDを取り上げる。

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4人組ロックバンド・COWCITY CLUB BAND。メンバーは岸川 倖平(Gt/Vo)、世良ジーノ(Gt/Cho)、城 弘憲(Ba/Cho)、遼太郎(Dr /Cho)からなり、全員が1998年生まれで、滋賀県愛東町出身の幼馴染だ。2020年4月4日にバンド名を「The Dragers」から「COWCITY CLUB BAND」に改名し、「爆音フォークソング部の補欠、最後の文化祭で革命を起こせ!」というスローガンの元、精力的に活動中である。4月27日には大阪Live House Pangeaで自主企画「踊場通信 vol.2」の開催が決定するなど、これからの活躍も注目のバンドだ。

COWCITY CLUB BAND「ランデヴー」




COWCITY CLUB BANDとして初の音源となった「ランデヴー」は、1分38秒のポップなショートナンバーだ。曲が始まるや否や、爽快に響くギターフレーズと全員のシンガロングがとても多幸的で、彼らの始まりを華やかに飾る祝福の1曲のようである。Music Videoでも楽しそうに演奏するメンバーの姿がとても印象的で、「この名前でやっていくぞ!」という勢いを感じる作品だ。音楽は〈時代も距離も全てを追い越して〉いけるし、〈名前も住所も知らないままで〉も〈待ち合わせ〉ができる。歌が持つ無限の可能性を綴った歌詞が、音楽を愛する者にたまらなく刺さるだろう。彼らの音楽が、どんな垣根も超えて広く届いてほしい。

COWCITY CLUB BAND「輪立ちはつづく」




2021年6月に発売した1stミニアルバム「愛東町より、愛を込めて」に収録されたこの楽曲は、地元への愛がたっぷり詰まった名曲だ。そもそもタイトルに赴きを感じる。輪立ち=車が通った後に残る車輪の跡、というコンクリートばかりの都内ではあまり馴染みのない言葉。そして〈僕らの後ろには輪立ちが続いていく〉というフレーズなどからも、これからどんなに大きくなって色んな景色を見ようとも、僕らの足跡は必ずこの地元から始まって未来へと続いていくんだ、と原点を大切に刻んだ曲に感じるのだ。Music Videoも、滋賀県愛東町の見事なロケーションの中でドローンを使用して撮影されており、絵に描いたような美しい田舎町と、卒業ソングを想起させるような切なさと美しさがあるメロディーラインが相まってリスナーの琴線に触れる。映像とあわせて味わってほしい素晴らしい作品だ。

COWCITY CLUB BAND「まっすぐ帰るよ」




2021年10月に配信シングルとしてリリースされたこの曲は、1日の終わりを温かく迎え入れてくれるようなナンバーだ。リスナーの脳裏に帰り道の情景を鮮明に描き出すようなリリックと、優しさを帯びているサウンドが非常に親近感と安心感を抱く。足取りの重い帰り道も〈くたびれた心〉も彼らの音楽が優しく癒してくれるようだ。帰り道が楽しくなるような、一緒に口ずさみたくなるような1曲。Music Videoもありのまま日常を切り取ったような空気感で、4人で卓を囲んでいる姿がとても微笑ましい。パラパラ漫画のように動く歌詞と、それに合わせたイラストも可愛らしく、楽曲の世界観と見事にマッチした心温まる作品だ。

私は愛東町に行ったことがない。だが、彼らの音楽を聴いていると「とても温かい町なんだろうなぁ」と思う。それは、ずっと同じ空気を吸ってきた彼らを通したサウンドに温かさが宿っているからだろう。幼馴染の4人だからこそ生み出せる唯一無二のグルーヴが、どこにいても簡単に繋がれるようになったこの時代に響いていく。愛たっぷりの楽曲たちが、これからも沢山の人へ届いてほしい。

文:髙橋夏央


LIVE INFORMATION

4/1 神戸VARIT.
4/2 滋賀COCOZA
4/16 滋賀文化産業交流会館
4/27 大阪Pangea
4/29 東京某所


PROFILE

cowcity_a_202203.jpgCOWCITY CLUB BAND
滋賀県愛東町、ど田舎出身の4人組ロックンロールバンド。
全員1998年生まれの幼馴染。
山と川、畑と田んぼ以外なにも無いので2020年4月4日、COWCITY CLUB BANDを結成。


LINK
オフィシャルサイト
@CowcityClubBand
@cowcity_club_band

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